2014年10月30日 公開
2023年01月05日 更新
できる人が実践している「7つの習慣」
習慣〔1〕 「メモ」を重視する
ひらめきは、いつどこで訪れるかわからない。今回お話を聞いた方々のほぼすべてが「メモ」の習慣を持っていた。メモの仕方は人それぞれ。手書きにこだわる坂根正弘氏や松井忠三氏から、「自分宛にメールを送る」(出雲充氏)、「エバーノートを活用」(村上太一氏)、「秘書にLINEする」(米山久氏)など、現代的なツールを使いこなす経営者の方々もいた。なぜメモが大事かといえば、立場が上がれば上がるほど、多くのことを「同時並行」でこなさなくてはならない、ということが大きい。忙しくなればなるほど、メモは大きな味方になる。
習慣〔2〕 ふと気づいた疑問を放置しない
一流の方々は、仕事中だけでなくつねに「頭を働かせている」という印象が強い。たとえば冨山和彦氏は、街で見かけた店舗について、「どうやって稼いでいるのだろうか」などと考える習慣がついているという。また、「仕事とプライベートを分けず、いつでもどこでもヒントを探している」という方も多かったが、やはり、つねに頭を働かせることを大事にしているのだろう。「市場規模を予想し合う」(村上氏)というように、思考の訓練を意識的に行なっている方もいた。世の中には疑問に思うことが溢れている。それを放置するかしないかが分かれ目になるのだ。
習慣〔3〕 自分の足で情報を得る
仕事に「情報」は不可欠。書籍や雑誌、新聞などの活字、テレビやネットの情報を重視するだけでなく、「自ら足を運ぶ」ことを習慣としている方が多かった。週末はなるべく流行のスポットに行くという村上氏、ライブや演劇に足しげく通う冨山氏、カンファレンスに積極的に参加する星野佳路氏、関係のない業界の人と積極的に会おうとする米山氏などだ。また、田中仁氏のように「部下と直接話をする」というのも、立派な情報収集と言えるだろう。情報を自ら積極的に取りにいくという姿勢があるかどうかが、大きな違いを生むのだ。
習慣〔4〕 反省する時間を持つ
松井氏は手帳に、自分の行動を逐一記録しているという。それをあとで見直すことで、より素早い意思決定ができるというのだ。このように、自分の仕事を「やりっぱなし」にするのではな
く、あとで振り返ることは成長の大きな機会になる。1日10分の反省時間を設けることを若い頃から習慣とし、部下が自分自身を反省しやすくするためのチェックシートまで活用している徳重徹氏はまさに、その代表だ。ただこれは、過去をいつまでも引きするということではない。反省すべきことは反省し、それを次に生かすという姿勢こそが大事だ。
習慣〔5〕 視野を広げる機会を作る
朝から晩まで同じ仕事ばかりをしていると、自然とアイデアも枯渇してしまうもの。そのため、なるべく違う分野の人に会ったり、週末にはまったく違うことをしたり、本業と関係のないジャンルの本を読んだりといった、「視野を広げる」ための習慣を持っている方も多かった。冨山氏のように、1つの仕事にあまり長時間集中しすぎないほうがうまくいく、という方も。視野の切り替えが苦手なら、いっそ田中氏のように、「オフィスも自宅も定期的に引越しをする」ことで、強制的に視野を切り替える、というのもありかもしれない。
習慣〔6〕 独自のメンタル調整法を持つ
「ビジネスマンはアスリートと同じ」(徳重氏)という言葉に表われているように、現在のビジネスマンは、心身ともにつねにベストな状態を保つことが求められる。とくにメンタルに関しては、どの方も自分なりのモチベーション維持法を持っていた。その方法は「座右の言葉を持つ」(松井氏)、「あこがれの人をベンチマークにする」(徳重氏)、「トラブルも楽しんでしまう」(森下一喜氏)、「アンカーとメンターを持つ」(出雲氏)などさまざま。これがベストという方法はない。ぜひ今回の記事の中から、自分に合った方法を見つけ出し、実践してみてほしい。
習慣〔7〕 むやみなハードワークはしない
会食が多いこともあるが、意外なほど会社にいる時間が短い人が多かった。確かに、トップが自分の仕事に忙殺されてしまっては、部下も相談できず、長期的なプランも描けない。時間を作る方法として、星野氏は「『しない』ことを決める」という。また、米山氏のように「人に振る」ことを徹底する人もいる。もちろん、「社長だから、時間が自由になる」ということもあるだろう。だが坂根氏をはじめ、若い頃からいかに効率的に仕事をこなすかを考えてきたからこそ、今の成果につなかったとも言うことができる。ぜひ、自分の働き方を見直してみてほしい。
<掲載誌紹介>
2014年11月号
おかげさまで『THE21』は今号で30周年を迎えることになりました。私が小学生のころからあったのだと考えると、感慨深いです……。これもご愛読いただいている皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
さて、その記念号である今月号は、原点に返って「習慣」をテーマにしています。
今、活躍している著名ビジネスパーソンの方は、若い頃からどんな習慣を大事にして、今に至っているのか。お読みいただき、「あ、これはいいかも」というものがあれば、ぜひご自身の習慣にも取り入れていただければと思います。