2014年08月01日 公開
2022年08月08日 更新
政治ニュースに接するうえで重要なのは、余計な知識を持たずに、素直に見ることです。すると、「なぜ?」と疑問に思うことが出てくるはず。
それに答える解説が、今の日本のメディアにはほとんどありません。国内政治にしてもそう。海外の政治情勢にしてもそう。なぜ今、安倍首相が強硬に集団的自衛権を行使できるようにしようとしているのか。集団的自術権が行使できるようになるとどんなメリットがあるのか。そうしたことが、ニュースからだけではわからない。
イラクが混迷しているのはなぜなのか。フセイン政権時代には内戦は起こらなかった。ということは、フセイン政権を倒した米国が原因だということでしょう。ところが、米国の視点からばかり論じる日本のメディアは、そのことを解説しない。ウクライナの問題についても同様です。
みなさんが政治ニュースに接する際に、ぜひ心がけていただきたいのは、「なぜこうなったのか?」という視点で見ることです。解説なきメディアのニュースに触れて、知識としてニュースを知っても、生きた知識にはなりません。「なぜこうなったのか?」と素直に考えながらニュースを見ると、ニュースが報道しない疑問点が見つかります。
また、最近気になるのは、中国や韓国を批判するメディアが人気を集めていることです。あえて中国や韓国を批判することで売上げを仲ばしているメディアもあります。
たとえば、中国経済がかなりまずい状況にあるというのは多くの人の共通認識ではありますが、すぐに破綻するかと言えば、さすがにそれは考えにくい。でも、「破綻」と書くと売れるからメディアはそう報道する。この辺りは冷静に見たほうがいいでしょう。
国際政治を理解するうえで重要なのは、歴史を学ぶことです。これまで中国・韓国と日本の関係はどうなっていたのか、歴史を遡ってきちんと理解しないと、メディアが作った雰囲気に流され、現実を見失ってしまう可能性があるので気をつけたいところです。
中国・韓国報道にかぎらず、メディアにはそれぞれクセがあります。私は新聞を6紙とって毎日チェックし、比較しています。同じニュースでもまるっきり正反対の見出しをつける新聞もあります。特定の偏ったメデイアだけに情報源を頼らず、幅広くメディアに接し、いろいろな本を読んで知識を増やしていくことで、現在の政治の状況を的確に理解できるようになるでしょう。
更新:11月23日 00:05