2014年05月02日 公開
2023年05月16日 更新
姿勢で印象を良くしたいなら、男性は胸板を意識しましょう。自然な状態より2センチほど上に向かって胸を張るのがコツ。この姿勢をとったとき、左右の肩甲骨の間は狭まります。この部分の筋肉が刺激されると気持ちも明るく前向きになり、発想もわきやすくなります。
胸板はいわば、「第二の顔」のようなもの。話しているとき、相手に常に向けておきましょう。とくに注意したいのが、椅子から立ち上がるとき。かがむと胸板が見えなくなるので、上半身を起こしたまままっすぐ立つよう心がけましょう。こうした直線的な動きで、堂々とした男性らしさを出すことができます。
逆に女性の場合は、曲線的な動きをすると魅力的です。座るときは椅子から10センチほど離れて立ち、片方の足を後方に引いて自然に身体を回し、元の姿勢に戻しながら座るとエレガントです。
歩くときは頭頂部・肩・腰骨・くるぶしの4点を「同時に前に出す」ようにし、自然に腕を振って歩くと綺麗に見えます。なお、このとき腕を少し後ろに向かって振ると、女性らしい印象が加わります。
さて、最後はジェスチャーです。日頃行なう小さな動作にひと工夫加えるだけで、成績にまで好影響を与える――そんなお勧めの仕草を紹介しましょう。
まず、営業先などで自社の資料を手渡すとき。腕を下ろした状態で普通に渡すのでは、相手は書類だけしか見ません。ここは最初に書類を顔の横に持ってきて、笑顔で「こちら、弊社のパンフレットです」と言い、心臓の上の位置から相手に向かって差し出すのが正解。この角度で渡すと、書類越しに相手と目が合います。資料と同時に、笑顔を相手の印象に残すことができるのです。社内で上司に企画書を渡すときも、「心臓の上から」を心がけましょう。視線を合わせることで、意気込みを効果的に伝えることができます(図3)。
なお、どんな仕草も「男性は脇を開けて、女性は脇を閉めて」行なうことを意識したいところ。たとえば男性は女性に「お先にどうぞ」と道を譲る機会があると思いますが、このとき腕を垂らしたまま手を差し出すと地味な印象で、せっかくの親切も十分に伝わりません。ここで思い出してほしいのは、演説中のオバマ大統領のポーズ。脇を開けたまま、スッと相手に手を差し伸べた姿は魅力的ですね。「調子どう?」などの声かけも、このポーズとともに行なうと相手の心に響きます(図2)。
女性の場合は逆に、脇を開けないこと。「ほんとうですか?」「すごいですね」などと相づちを打つとき、脇を閉めて胸のあたりで手を重ねてみましょう。若々しく、生き生きとした女性らしさが伝わります。
このように、印象を変える工夫はいずれも、今日からすぐ実践できるものばかり。小さな違いで、周囲の評価が急激に上がる――その変化をぜひ実感してください。
重田みゆき
(しげた・みゆき)
〔株〕エムスノージャパン代表取締役
日本初の「インプレッショントレーナー(R)」。航空会社の国際線キャビンアテンダントを経て,都内有名ホテルに勤務、社長室長となる。 V I Pラウンジのマネジメント業務においては,売上げを100倍に急伸させた。退職後,印象評論家として独自の理論に基づく「インプレッショントレーニング(R)」を開発。接客や営業の研修のほか、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」レギュラー出演など数々のメディアにて活躍中。著書に『一瞬の出会いでチャンスをつかんでいる人の顔グセの法則』『人は0.5秒で選ばれる!』(以上,ダイヤモンド社)など。
更新:11月22日 00:05