2013年06月24日 公開
2023年05月16日 更新
『THE 21』2013年7月号[総力特集]バカにされない「文章術」 第一部では、さまざまな職種の方々に、いろいろな場面で、どのように文章を書いているのかをお話しいただいた。
高野登(リッツ・カールトン元日本支社長)
・型にはまらない“遊び”で相手との距離を縮める
小暮太一(経済入門書作家)
・相手の真情を想像してテイストと量を調整する
山田真哉(公認会計士)
・「自分が伝えたいこと」を最初にはっきりさせる
中村史朗(〔株〕USEN社長CEO)
・“考える段階”と“書く段階”に分けて研ぎ澄ます
真角暁子(〔株〕ヴルガーレ代表取締役)
読み手が興味を持つ事実をクローズアップする
5人のお話をとおして、どんなときにも共通する、文章に対する基本姿勢が見えてきた。4つのポイントにまとめてみよう
※本稿は、『THE 21』2013年7月号(PHP研究所)の内容を、一部抜粋・編集したものです。
文章は、相手に伝えたいことがあるから書くもの。伝えたい内容を、まずははっきりとさせなければならない。
〔株〕USEN社長CEOの中村史朗氏は、伝えるべきメッセージを明確化する作業は、実際に文章を書く作業と分けるべきだと強調する。先にメッセージを明確にしてから書き始めないと、文章が本質を離れ、枝葉の話に入ってしまいがちだからだ。
「1文の中でさえ、書いている途中で書きたいことが変わっている文章がよくある」と、経済入門書作家の木暮太一氏も指摘する。
やや上級編だが、伝えたい内容自体を文章の中に書かなくてもいいこともある。リッツ・カールトン元日本支社長の高野登氏は上司から、ひと言だけのカードをよく受取った。カード自体が「気にかけているよ」というメッセージなのだ。
文章は、相手に読んでもらい、相手の理解や行動を促すためのものだ。だから、相手を知ることも欠かせない。
広報コンサルタントの真角暁子氏は、相手に興味を持ってもらうために、相手の関心がどこにあるのかを調査することが重要だと話す。
同じ相手であっても、状況によって適切な文章の書き方は変わってくる。
富士フイルム〔株〕、〔株〕サイバエージェント、〔株〕リクルートと、風土の違う企業に勤務した経験のある木暮氏は、上司が忙しくて時間がないときと、報告を待ちわびているときとでは、報告書の分量もスタイルも違ってくると解説してくれた。
中村氏も、銀行向けと社員向けとでは、同じ内容であっても、表現の仕方を意識して変えているという。
更新:11月22日 00:05