「雑談」のお悩み解決 Q & A　「こんなとき、どうする？」 　

＜Ｑ＞反論や否定をしたくなった時に、相手を傷つけずにうまく伝えるには？

＜Ａ＞マツダ氏の答え

　相手の選択肢を奪わないことが大切です。たとえばセールスマンに、「これ買っておかないとダメですよ」と言われるより、「（買うかどうかは）どちらでもいいですが、私が力になれることはありますか？」と選択肢を与えられたほうが相手に安心感を持てますよね？それと同じです。

　ですから反論や否定をする時は、「こうしなきやダメだよ」と決めつけて選択肢を奪うのではなく、「私ならこうする」もしくは「私はこう思う」と言い換えると、相手を傷つけることもなく印象もソフトです。

＜Ａ＞谷口氏の答え

　相手の言葉に共感できないときも、頭ごなしに否定するのは禁物。とはいえ、「そうですね」と共感を示すわけにもいきません。もし第三者の悪口を言っている場面なら、「仲間」にされてしまいかねないからです。

　そこで、「そうですね」ではなく、「そう思ったのですね」「そんな風に感じているんですね」と、相手の言葉を理解したことだけを伝えましょう。その上で、「私が思うに……」と自分の意見に移れば、賛成を示さなくても相手を傷つけず、自分の意見もしっかり伝えられます。

＜Ｑ＞女性と話す際、セクハラと思われないか心配です。

＜Ａ＞矢野氏の答え

　服装や髪型をほめたのに、「セクハラだ」と言われるのは、本人がその服装や髪型に納得がいっていないから。気に入っていれば、セクハラとは言われないものです。そこでお勧めなのが、「あ、髪型」と気になったところだけ言って、途中で止めること。これは、相手の出方を探る、いわばリトマス試験紙。「切ったんですよ」などと話に乗ってきたら、本人が気に入っている証拠なので、褒めてもOK。乗ってこなければ、触れて欲しくない可能性が高いので、採追いせずに撤退しましょう。

＜Ａ＞村松氏の答え

　「これはセクハラと受け取られてしまうかも」という、少し微妙な話題になってしまったら、ご自身の家族のことを交えて話をすれば、大抵の女性は微笑ましく話を聞いでくれます。家族であれば、妻、娘、息子など誰を取り上げても問題ありません。

　奥様との楽しかったエピソードを話せば女性はあなたに対して愛妻家という好印象を持ちますし、お子さんの話題であれば、良き父だという印象を持ちます。家族の自慢話は嫌がられないですし、セクハラ回避の好材料だと思います。

＜Ｑ＞話したくない話題になったら、どのように答えればいいでしょうか？

＜Ａ＞山口氏の答え

　嫌な話題に触れられると、「その話はしたくありません」と、ついシリアスな反応をとりたくなるものです。しかしそれでは会話が止まり、気まずい空気が漂ってしまいます。

　そこで、この場面は「笑う」のが正解。恋人に振られた直後に「彼女いないの？」と聞かれたらグサリときますが、「あはは、僕はどうもうまくいかないんです」と明るく返すこと。次いで、「そういえば課長はこの前、○○くんの仲人をされていましたね」など、別の話題に流れそうな質問をすると良いでしょう。

＜Ａ＞矢野氏の答え

　話したくない意思を言葉で伝えると、刺激が強く、険恵な雰囲気になる可能性があります。非言語表現で伝えましょう。たとえば「目線を外す」「目を泳がせる」「時計をチラ見する」。あえて相手を不快にする反応をすることで、拒否の意思を示し、相手に察してもらうわけです。テーブルがある時は、テーブルの下に両手を下げ、肩を落としていると、引いた感じを出せます。それでも相手がやめないなら、「それ以上は勘弁して下さいよ～」と笑いながら、しかし重みを持って言うと、効果的です。

＜掲載誌紹介＞

THE21 2013年6月号

［今月号の読みどころ］
セールス・トークはほとんどせず、雑談だけで契約を獲得してしまう営業マンがいます。また、何気ない会話で相手の人柄や仕事の適性を判断し、適材適所の人材活用をする経営トップもいます。このように、ビジネスシーンにおいても、「雑談」はとても重要な意味を持っています。しかし、その重要性に気づいている人は意外と少ないといえます。今月号の特集では、雑談の重要性を改めて考察するとともに、各界で活躍する方々の独自の雑談テクニックをうかがいました。一読すれば一生役立つビジネススキルになること間違いなしです。