2012年09月19日 公開
2022年12月08日 更新
6人にお勧めとして挙げていただいたものには、ビジネス書や自己啓発系の本だけでなく、フィクションも含むさまざまなジャンルの本があった。
なかでも、小説をお勧めに挙げているのは夏野剛氏だ。「実用書を読むことも必要だが、それだけでは思考の幅が広がらず、つまらない人になってしまう」と話す。夏野氏がフィクションを勧める理由は、「疑似体験ができるから」。
自分の人生は一度しかないが、良質な物語を読めば、その登場人物の生き方を疑似体験することができる。それが、想像力や考え方を広げてくれる。
漫画と小説を挙げてくれたのはオイシックス社長の高島宏平氏(写真:右)だ。高島氏は、冒険小説の主人公たちに自分の状況を投影し、そこからチームワークや役割分担などを学んだという。フィクションであっても、仕事に役立つ本はたくさんありそうだ。
名越氏は、「実用のために読む本と、じっくり読み込む本は分けている」と話す。もちろん、専門書や実用的なビジネス書は必要だ。しかし、それだけでは「仕事から離れたときに、寂しい気持ちになる」。つまり、じっくり読んで自分の血肉とする本はまた別のところにある。
また高島氏は、お勧めに挙げた本をこれまで何度も読み返し、役立ててきたというが、決して「仕事に役立てようとして手に取ったわけではない」という。
本特集は、多忙などジネスマンにとって「仕事に効く本」を解介する趣旨だ。しかし、ほんとうに悩んだときや壁にぶつかったとき、自分を助けてくれる本は、もしかしたら、ビジネスに直接関係のない本かもしれない。紹介した本のなかでも、「自分には直接関係なさそうだ」と思うものこそ、手に取ってみてはいかがだろう。
更新:11月27日 00:05