資産構築コンサルタントの戸塚真由子さんは、「ギャンブル性の投資では、お金持ちにはなれない。"本物の大富豪"が行っている習慣や思考法を真似することこそが、お金持ちになるための近道」だと言います。
大富豪たちは、ギャンブル要素の強い投資は決してしないし、お小遣いにしかならない少額投資もしない。彼らの世界には、一般人が全く知らない「投資の常識」があるのだとか。
戸塚さん自らも、高年収を稼いでいた会社員生活をバッサリと捨て、裸一貫で「投資の世界」を志したひとり。世界中の大富豪やVIPに教えてもらった「本物のお金持ちになる極意」をまとめたベストセラー『1年で億り人になる』より、「お金持ちを目指す人が気を付けるべきこと」をご紹介します。
※本稿は、戸塚真由子著『1年で億り人になる』(サンマーク出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
私は、大成功した経営者が開催する"経営塾"に、いくつか入会していたことがあります。そのときに、たくさんの経営者たちと出会い、ある事実に気付いたのです。
「稼ぐ力に自信があればあるほど、投資家としては不向き」である、と。
なぜかと言うと、稼ぐ力がある人は「まず働いて稼ごう」と思ってしまうのです。年収数千万円から1億円などを実際に稼げてしまうと、そういう方のやる投資は、その働いて得たお金を何かに投資することになります。
本物の大富豪たちは、そのようなシードマネーを「稼ぐ」のはではなく、「集める」ことで増やすことがほとんどです。はじめに「稼ごう」としてしまう優秀な人ほど、大富豪の投資法を真似できないことが多いわけです。
さらに、たくさんの経営者と出会ってみてわかったのは、稼ごうとする人間は3つのタイプに分かれることです。
それが顕著にわかるエピソードをご紹介しますので、自分が現在どんなタイプに近いか想像してみてください。会社員の方でも、「億り人」を目指す気持ちが少しでもある方は、ぜひ将来の自分を思い浮かべながら、どのタイプを目標とするか考えてみましょう。
「投資」について無頓着なタイプは、新型コロナなど社会情勢の変化などで売上が下がるとあっという間に会社が危なくなります。会社経営をしていながら、毎月の従業員の給料や家賃などの固定費を賄えるだけの投資からの配当が無い、というのはビジネスとしてとてもリスキーです。
健全経営の会社はたいてい投資をしています。
それぞれ旅行関連の会社を経営していた、AさんとBさんという社長さんの知り合いがいました。
Aさんは全く投資をしていませんでした。一方でBさんは、不動産投資や太陽光発電関連など「毎月の固定費を賄えるだけの収入」を得られる投資をしていました。
コロナの影響で、投資ゼロだったAさんの会社は、半数以上の社員を解雇せざるを得ない状況になりました。そして現在は、本業の旅行業でうまくやっていくことができず、清掃業のフランチャイズに参加するようになりました。
一方、Bさんの会社も旅行については壊滅的だったのですが、投資による収入だけで固定費が賄えました。だから、「いまも余裕を持って運営できている」と私に感謝してくれて、先日も美味しい食事をご馳走になりました。経営者こそ投資が必要なのです。
ここでお伝えしたかったのは、Aさんのように「投資をまったくしない人」は、時代の荒波に揉まれたときにいかに転覆しやすいか、ということ。ある程度ビジネスリテラシーの高い方にあらためて言う必要はありませんが、投資なくして繁栄なし、なのです。
経営者のなかで、一番比率が高いのはこのタイプでしょう。数百人のお金持ちを見てきたからこそ、断言できます。
株や不動産の売却益、いわゆる「キャピタルゲイン」で稼ごうとしているタイプが、成功している経営者には非常に多いです。
のちほど出てくる、「配当」つまり「インカムゲイン」についての価値観がないのです。このタイプは、正直言って「投資で成功するのは難しい」でしょう。
経営塾も開いているほど有名な社長のIさんは、最近、2億円で購入した新宿あたりの家を売りました。ですが、2億円もする家を買える人がなかなか見つからず、1億円で売ったのだそうです。
それ以外にも、Iさんのこれまでの投資人生を根掘り葉掘り聞いていると、キャピタルゲインしか頭にありません。だから、売値が大きく下がる買い物もしてしまう。
そんな失敗談も多いため、Iさんは「投資はリスキーだ」と思っているそうです。
彼の経営塾に入っている別の経営者も、先日買った株が高くなったタイミングで売ってキャピタルゲインを得ました。しかし、その株がのちに暴落したのを見て、「リスキーなので二度と株はやりたくない」と言っていました。
「稼げる力が大きい」経営者は、たしかに魅力的です。
しかしそのために、その稼いだお金で売却益を稼ごうとするので、キャピタルゲインタイプがとても多いです。
更新:11月22日 00:05