2023年03月06日 公開
2024年12月16日 更新
前職で年間387戸を販売し、「日本一売る不動産営業マン」と話題になった(株)エイマックス社長の天田浩平氏。自らも不動産投資を行なっているが、その数なんと90戸、借り入れたローンは9億円になるという。
現在は独立し、優良物件のみを扱う少数精鋭チームを率いる同氏に、その強みをうかがった。(取材・構成:川端隆人、写真撮影:まるやゆういち)
――天田社長は、独立前からトップ営業マンだったとお聞きしています。
【天田】もともと学生時代から投資に興味があって、たまたま就職活動で出合ったのが不動産投資の世界。そのときに「新築よりも中古のほうが得だよな。自分なら中古に投資したい」と思って、中古ワンルーム物件を扱う会社に就職しました。
――スタートから一貫しているんですね。
【天田】営業マンとして仕事をするかたわら、25歳のときには自分でも物件を購入。実際に家賃収入を得てみて、「あ、これはいい投資先だな」と改めて感じました。
――ご自身もオーナーである、というのは強みですよね。
【天田】お客様に「私も持ってますよ」と言うと、身を乗り出して聞いていただけますね。自分が家賃収入で潤った経験をもとに提案しますから、説得力が出るんです。
経験値も他の営業とは違います。オーナーとして入居退去も経験しますし、エアコンが壊れたらいくらかかるか、一回退去すると内装費にいくらかかるか...すべて肌で感じている。それをお客様に正直に伝えると、安心してもらえるんです。
特に、最初はローンが怖いとおっしゃる方が多いんですが、私は今、ローンを9億円ほど組んでいます。会社の借り入れではないですよ。個人の投資家としてのローンです。それがちゃんと家賃収入で回っている、というお話をするんです。
――説得力が、まさに桁違いですね。
【天田】そうやって、できるだけ自分自身でも買おうと思ってやってきた結果、現在は90戸を保有しています。ここまでやると、お客様も納得していただけます。不動産投資がいいと本気で確信しているからこそ、自分でも買うし、提案もしている、というのが伝わるんです。
――お話をうかがっていると、トップ営業マンになったのも納得です。
【天田】そういう姿勢で仕事をしていると、必然的にファンが増えるんですよ。追加で購入してくださったり、ご紹介いただいたりと、私を"推し"として応援してくださるんです。「天田君、今期は売り上げの記録は更新できたの?」と聞かれるお客様もいましたね。結果として、独立する前には、売上記録を年間387戸まで伸ばすことができました。
――営業マンとしても、個人投資家としても成功されている中で、起業を考えられたのはどのような動機から?
【天田】実はこの業界では、物件の仕入れルートも売る値段も、会社ごとの差はほとんどありません。となると、自社の利益をどこまで削れるか、で扱える物件のクオリティが決まります。すると、組織が大きく、販管費などコストもかさみがちな大手ほど、優良物件に手を出せない、ということが起こる。
といって、小さな会社なら有利、というわけでもありません。売る力がなければ、「たまに売れる物件でしっかり利益を上げなければ」という話になる。
つまり、「少数精鋭で、かつ売る力が強い会社」だけが、お客様に本当に喜んでいただける優良物件を思う存分に扱える。ならば、そういう会社を作ればいいじゃないか――と考えて起業したのがエイマックスです。「エイマックス」は、「資産(Asset)の最大化(MAX)」という理念を表した社名です。
――そして、本当に社員14人で80億円の売上という驚異的な成果を実現されているわけですね。
【天田】売上を自慢したいわけではないんです。ですが、この人数でこれだけ売れているということは、販管費、人件費が低いということ。
新規のお客様の獲得も紹介や口コミによる部分がほとんどで、広告費もほとんどかけていないし、オフィスの家賃だって安い(笑)。だから1戸あたりの利益を削って売れる。
つまり、投資先として条件のいい物件を扱えるということなんです。おそらく、このやり方は社員が100人になったらできないでしょうね。
あとは、若い会社なので最新のクラウドサービスなどを導入しやすく、バックオフィスの作業を効率化できていることも、コスト削減につながっています。
【宮地】私は前職でも中古ワンルームマンションを売っていたのですが、エイマックスに来てお客様の紹介率が圧倒的に上がったんです。物件の質が高いので「買って良かった」と心から感じていただけて、それが紹介につながる。営業としてはとてもやりやすいですね。
【天田】当社はまだ4期目の若い会社ですが、通常こうした新興企業では難しい大手ローン会社との提携もできています。私の前職での実績を認めていただけたからです。ですから、大手並みの低い金利でローンを組んでいただけます。お客様に最適な提案をさせていただくために、武器が揃った状態でスタートできた。それもここまで急成長できた理由だと思います。
「『正しい不動産投資を広めたい』という天田の考え方に共感して入社しました」と語るコンサルテング部の宮地英課長。「エイマックスに来てからお客様の紹介率が圧倒的に上がり、『買って良かった』と心から感じていただけていることを実感しています」
――少数精鋭でコストを抑え、お客様本位の提案をする。エイマックスの強みがよくわかりました。最後に、投資家でもある天田社長から、これから不動産投資を考えている方に、アドバイスをいただけますか。
【天田】不動産会社は、何社も回って比較することをお勧めします。悪い売り方をしている会社は論外として、いい会社の中でも相性もあります。常に当社がベストとは言いません。「社員が14人なんて不安だな。大手のほうがいい」という方だっていると思いますから(笑)。
私が目指しているのは、「天田さんの考え方に共感したから」と買ってくださるお客様を増やしていくことです。ですから、当社の話を聞かれたお客様も、どんどん他社さんと比較して、その上で当社を選んでいただければ嬉しいですね。他社は資料を持ち帰らせないところもあるようですが、弊社はお持ち帰りいただいて構いません。
【宮地】共感といえば、私もSNSで天田を知って、考え方に共感して入社したんです。「こんなふうに、お客様に100%胸を張れる、正しい売り方をしたい」と。
【天田】宮地をはじめ、当社の営業は全員、私と同じ考えを共有しています。その点は安心して、お任せいただければと思います。
中古ワンルームマンションは、きちんと向き合えば、本当にいい投資先です。そのことを多くの方に知ってもらうために、より業界での存在感、発信力を強くしていきたいですね。でも、商品力を下げてまで会社を大きくすることは決してしません。常に「エイマックスの条件が一番いい」という状態を維持していきます。
【天田浩平(あまだ・こうへい)】
神奈川県横浜市出身。大学卒業後、2007年に投資用中古マンションを扱う不動産会社に入社。09年、自らも中古ワンルームマンションを購入し、不動産投資を開始。14年、提携金融機関のキャンペーンで融資実行件数全国1位(年170戸)を記録し、以降5年連続で販売記録を更新。19年には年間販売戸数387戸を達成し、「販売戸数日本一の不動産営業マン」と話題になる。20年2月に㈱エイマックスを設立。著書に『マンション投資の「ルール」は私が教えます』(講談社)などがある。
更新:12月21日 00:05