2021年07月01日 公開
2022年02月22日 更新
コロナ禍が始まり、まもなく1年半が経とうとしている。新型コロナウイルスへの感染は多くの日本人が気になっているところだろうが、たとえ感染せずとも、違う理由で心身への影響を訴えるケースも少なくない。「コロナ太り」「コロナうつ」などの言葉も用いられているように、新たな不調を招かないように、健康に関する常識を見直すべき時だろう。
とはいえ、健康に関する情報は瞬く間にアップデートされていく。そこで、ここでは現時点での「新常識」を紹介していこう。
まず、新型コロナウイルスへの罹患を防ぐためには、免疫力を高めなければいけない。あるアンケートによれば、「感染拡大をきっかけに始めたこと」という質問への回答のトップは、「免疫機能を上げるような食品をよく食べる」ことだったという(日経BPコンサルティングのオンライン調査、2020年8月)。同回答はコロナ前の40.0%からコロナ後では53.5%と13.5ポイント上がっており、国民の意識の変化がうかがえる。
それでは、免疫機能を上げる食品とは、具体的に何なのか。免疫力のカギを握るのは、腸内環境である。細菌やウイルスはもちろんのこと、食物のなかの毒素など腸に達する外敵は多い。だからこそ、腸内細菌が本来の働きを発揮して、外敵を「退治」できるように、腸内環境を良好な状態に保っておく必要があるというわけだ。
腸内環境を乱す二大元凶は砂糖と食物油であり、とくにお菓子をはじめとする加工食品は両方とも含んでいるので、摂り過ぎには注意したほうがいいだろう。その逆に、腸内の善玉菌を活性化させるには、食物繊維を多く含む野菜や果物、海藻を食べるとよい。また、ヨーグルトなどの発酵食品を食べることは代表的な「腸活」として広く知られるが、どんな腸内細菌が定着しやすいかは人によっても異なるので、味噌や醤油などの日本古来の発酵食品もお薦めだ。
現在のように自粛期間が長く続くと、どうしても運動不足に陥りがちで、「コロナ太り」が気になる方も多いだろう。メタボリックシンドロームなどの生活習慣病については、さまざまな書籍でその対処法が紹介されているが、近年の研究では、マグネシウムが解消のカギであることが明らかになっている(米国の医学雑誌『Circulation』、2006年4月4日号)。この研究によれば、マグネシウム摂取量の多い人は、メタボリックシンドローム発症リスクが31%低いという結果になったというから驚きだ。
マグネシウムの豊富な食品といえば、ワカメなどの海藻類やホウレンソウなどの緑黄色野菜、アーモンドや落花生などの種実類が挙げられる。これらを多く摂取する人は、中性脂肪値が低く「善玉コレステロール」と呼ばれる高比重リポ蛋白(HDL)値が高くなる傾向がある。じつは私たち日本人が愛してきた和食には、マグネシウムが多く含まれている。主菜は肉よりも魚、具がたっぷり入った味噌汁、また豆腐屋納豆などの大豆食品を食べれば、自然とマグネシウムを摂取できる。ここでもやはり、日本古来の和食が健康によいことが裏付けされている。
更新:11月22日 00:05