チャット通知の連発にイライラ、そして見落とし…ストレスもミスも抑える「5つのコツ」

SlackやChatworkなどのビジネスチャット、ZoomやWebexなどのオンライン会議ツール、グーグルカレンダーをはじめとしたスケジュールツール……。

本業や副業で、社外の人たちと交流をすると、複数のオンラインコミュニケーションツールを使うようになる。それによって、混乱したり、イライラしたりしている人は少なくないだろう。そうならないためには、どうしたらいいか。ITツールの使い方に関する著書を多数持つビジネス書作家の戸田覚氏に、使いこなしのポイントを尋ねた。（取材・構成＝芦田おさむし）

本稿では複数のメッセージツールを並行して使いこなすためのコツを具体的に紹介する。

Slack、Chatwork、メッセンジャー…メッセージツールに振り回されないコツは？

従来のＥメールに加えて、Slack、Chatwork、Facebookメッセンジャー……。最近では多様なビジネスチャットやメッセージアプリが普及し、ビジネスシーンで併用されるようになりました。そのことでイライラが増えた、と感じる人はいませんか？

メッセージツール上で行なわれるテキストコミュニケーションは記録性が高い一方、口頭でのやりとりに比べ時間がかかりがち。そのうえツールの数が多いため、あちこちからやってくる通知に振り回されてストレスを感じることが多いのでしょう。

クライアントによって使うツールが異なるため、自分が気に入っているツールがあったとしても、一つのツールに統一するのは残念ながら不可能です。そのため、「メッセージツールには振り回されるもの」という前提のうえでつきあわなければなりません。

それでも、以下でご紹介するコツを取り入れれば、少しはイライラが減るはずです。ぜひ実践してみてください。

1.デュアルモニターでツールを一覧

利用するメッセージツールが増えるほど、メッセージのやりとりに振り回されやすくなります。その原因の多くは、それぞれのツールにメッセージが来ているかを何度も確認しなければならない点にあります。

少しでもツールを確認する手間を省きたいなら、オフィスや自宅での仕事環境にデュアルモニターを用意し、すべてのメッセージツールを表示させておくようにしましょう。特に密に連絡する度合いが高いツールほど、表示させっぱなしにする効果は抜群です。

最近では22インチのモニターも１万円台で買えます。モニターを置きっぱなしにする場所がとれないようなら、13インチ程度のモバイルモニターでも十分です。またiPadやスマホにSlackだけ表示しておくなど、優先度の高いツールを切り分けておくのもよいでしょう。

2.メールを見たら即返事

メッセージの数が増えると、開けた後に返事を後回しにしがちですが、これも振り回される人の特徴です。後回しにしてしまうと、返事をしなければいけないというタスクが頭に残り続けるため、仕事の効率に悪影響を及ぼしかねません。

人が記憶できる情報の数は、「7プラスマイナス2」と言われており、この数字はマジカルナンバーと表現されています。人が把握できる情報は５件から９件が限界。10件を超えた情報は処理の対象から外れて後回しにされ、12件、14件と増えた未処理の情報は余計に処理されなくなっていくでしょう。

返信漏れや未処理のタスクを抱えるストレスをなくすためには、メッセージを確認したら、即返事をすることが大切です。

もし即返事をするのが難しいなら、返事できるようになるまでツールを見てはいけません。一度見てしまって通知が消えたり既読になってしまったりすると、未処理のメッセージを探すのは非常に困難です。

3.すぐ返答できないなら「未読」にする

メッセージを開いたらすぐに処理するのが理想ですが、外出先で開いた見積もり依頼のように、すぐに返答できない場合もあるでしょう。

そのような場合には、いったん「改めて連絡します」というような返信メールを送り、自分をCCに入れておきましょう。すると自分に届いたメールが未読になりますので、処理忘れ防止になります。Gmailを使っているなら、スターマークをつけて目印にしておくのも有効です。

また、SlackやChatworkを使っているなら、処理できなかったメッセージを未読に戻す機能を活用してもよいでしょう。10分程度のスキマ時間にメールを処理するなら、処理できる分だけメールを開くのも一つの手です。

未読が20通もあるような場合、読んでいるだけでスキマ時間が終わってしまいます。こうなると、開いただけで処理できていないタスクが頭の中に溜まってしまうので、処理できる3通だけ見る、というように数を絞るとよいでしょう。