2020年07月13日 公開
2022年10月26日 更新
2020年より小学校での英語教育が必修化されるなど、ますますニーズが高まっている「英語」。今、その英語学習のメソッドとして注目を集めているのが、イギリス発の「ジョリーフォニックス」だ。世界120カ国で教えられており、日本でもその効果の高さから口コミで広がっているという。日本にてジョリーフォニックスを教えるデイビッド・ワトキンスさんに、その魅力をうかがった。
東京都東大和市で英語教室「Yamatalk English」を開講しているデイビッドさんは、2001年にイギリスから来日して以来、語学学校や外国語指導助手として英語教育に従事。特に子供への英語教育のエキスパートであり、語学学校では自らが講師のトレーナーも務めていた。
そんな経験を持つデイビッドさんにとっても、「ジョリーフォニックス」の効果は驚くべきものだったという。
「実はこの学習法を知ったのは10年ほど前で、イギリスの友人の子供が学校の国語(英語)の授業で学習して非常に効果があったという話を聞いたのがきっかけです。実際、試してみると、その効果は圧倒的でした。学び始めてすぐに、子供たちが英語を読めるようになるのです。
親御さんからも、『子供が街中で初めて見る英語を自分で読んでびっくりした』『自分も子供のときに受けたかった』という声をいただいています」
ジョリーフォニックスは日本でも最近、認知度が上がってきているが、世界的にはすでに名の知れた存在だ。2005年と少し前の調査になるが、イギリスでは68%の小学校がこのメソッドを導入し、いまや世界120カ国で教えられている。
「ジョリーフォニックスは比較的新しいメソッドなので、私はこの教育を受けていません。イギリス東部のある小学校で考案され、1980年頃から用いられ、ブラッシュアップされてきたメソッドです。イギリスの子供たちの読み書き能力の向上に、ジョリーフォニックスの効果があったと言われています」
では、ジョリーフォニックスとはどういった学習法なのか。その一番の特徴は、「つづりと音の関係を学ぶ」ことにある。日本人がまず「あいうえお」を学ぶのに近いかもしれない。
「現在の日本の英語教育では、まずA、B、C……とアルファベットの名前から始め、appleやdogといった単語を覚えることが多いようです。
一方、ジョリーフォニックスでは、まず音を覚え、次にそれに対応する文字とつづりの関係を知ることから始めます。英語は26の文字に対して約42の音があるため、多くのつづりが存在しますが、日本の国語教育のように読み書きのルールを系統立てて丁寧に学んでいきます。まずは6音ずつ7つのグループに分かれた42の音を学ぶことで、英語のつづりと音を一致させるのです」
確かに、英語を学び始めて最初に突き当たる壁が「読みとつづりの乖離」だ。特に基本的な単語ほどこの乖離がありがちなので、初学者にとっては高いハードルになってしまう。
「『the』『me』『was』など、不規則な読み方をする単語をジョリーフォニックスでは『トリッキーワード』と呼びますが、その名の通り、例外として後から学びます。最初に基本的な読み方を理解するからこそ、文字が読めるようになる。すると、どんどん文字を読みたくなる。結果として英語の上達が早くなるのです。しかも、言葉としての使用頻度が高いものから学ぶので、すぐに使えるようになるのも特徴です」
このように、ジョリーフォニックスは子供が効率的かつ意欲的に学習できるよう、極めて体系的に作られている。一方で、教材そのものは「多感覚」で作られたユニークなものだ。
「イラストあり、歌あり、お話あり、また一つひとつの音にアクションもあったりと、五感に響く教え方であることもジョリーフォニックスの特徴です。だから、記憶しやすく、楽しく(ジョリー)学べるのです。
いろいろな感覚を使って学ぶので、学習障害があるような子供たちも含め、すべての子供たちに効果があるとされています。未就学もしくは小学校低学年での開始が理想ですが、小学校で英語を始めてから読み書き能力を上げる手段として習いたい・習わせたいという方も多く、実際に学んでみると、中学で英語の授業が始まる前に自信がついたという声も多く聞きます」
実はジョリーフォニックスは今、英語講師の間に口コミで広まっているそうだ。学習効果が高いことの表れだろう。これから確実にニーズが高まるであろう「英語塾」「英語講師」をやってみたいという人にもお勧めだ。
「注目度は高まってきていますが、指導者の数は少なくニーズは十分あると思います。ジョリーフォニックスを使って教えている教室であることを謳うのに、特別な許可等は不要です。ただ、より効果的な指導のために、公式トレーナーからのトレーニングを受けてからの導入をお勧めします。
英語および日本語の指導書もあるため、数時間のトレーニングを積むことで、教えることは十分可能です。私の教室でも講師向けプログラムを用意しています。基本編として約4時間で基本の42の音の指導法を学ぶレッスンと、活用編として受講者のニーズにカスタマイズした約4時間のレッスンがあります。希望者には公式トレーナーからの修了証も発行しています」
デイビッドさんの教室がここ数カ月、力を入れているのが「オンライン講座」だ。もちろんコロナ対策の意味もあるが、今まであった時間や場所(距離)の制限をなくし、学びのチャンスを増やすことに貢献したいという。
「講師として教えるわけではなくても、お子さんに英語を教えたいという方にとっても、十分役立つと思います。また、社会人の方の英語の学び直しにも最適で、そのためのプログラムも用意しています。オンラインなら気軽に参加できますので、ぜひ一度、試してみていただければと思います」
オンラインレッスン好評受付中!
詳しくは公式HPへ
https://www.yamatalk-english.com
更新:12月02日 00:05