2020年03月03日 公開
2023年02月24日 更新
そうは言っても、人の心は弱いもの。時には、落ち込んでしまうこともある。そんなときはどう対処すればよいのだろうか。「私が実際にやっているのは、『言葉を変える』ことです。
他責の思考に陥っているときは、往々にして、『なんで?』『でも』と言ったネガティブな言葉を発しています。とっさに口から出そうになるこれらの言葉をぐっと堪えて、「わかりました」「ありがとうございます」と言ったポジティブな言葉に変える。
それだけで、『なんで?』と過去に留まっていた思考を、未来に向けて考えられるようになります」
気分が落ちているとうつむきがちになるが、姿勢と目線を正すのも効果的だという。
「意識的に姿勢を正して、1km先を見るように上を向き、少し大股で歩くようにする。私はこのようにして、落ち込んだとき、どんな理不尽なことが起きたときにも、無理やりにでも行動から変えていきました。
読んでいて、『バカバカしい』と思った方もいるでしょう。しかし、私は会社員、経営者を含めて50年以上仕事をする中で、数々の大きな理不尽を経験して、気がつきました。
心を強くするために、一瞬で効く特効薬のようなノウハウなど存在しないのです」
短期的なやる気向上には名言、格言も有効だが、長期的には心強さは日々の言動が決める。
「私も最初から、強い心を持っていたわけではありません。理不尽なことで、不安に苛さいなまれたり、落ち込んだりするたびに、意識して、地道にこれらの基本的な言動を変化させてきました。
すると少しずつ、心が鍛えられ、常に前向きに物事を考えられるようになったのです。雑誌や書籍を読んで知識を得ても、実践しなければ意味はありません。だまされたと思って、やってみる。心も身体のように、負荷を乗り越えるうちに強くなるものです」
<『THE21』2020年2月号より>
更新:11月22日 00:05