2020年02月04日 公開
2023年02月24日 更新
よって、コンサルティング業務がAIに代替されるのもそう遠くない近未来のことであり、従来型の「本来的な」コンサルタント職ニーズは10年内にはほぼ消滅するでしょう。
消滅後に残るものは、コンサルティングというよりは基礎教育や研修のような類だと思われます。これまでコンサルタントに支払ってきたような高額な報酬は成り立ちようがありません。実際のところ現時点で既に、大手トップクラスの戦略ファームと言っても、実態は実務実行部分の「アウトソーシング」ニーズに答える比率が非常に高まっているのが現実です。
これは営業職やマーケティング職についても同様に言えそうです。
「営業マンは足が命」を笑う、タクシーの車内で流れるサイネージ広告ように、営業もフィールドセールスからインサイドセールスヘ。戦略的マーケティングはデジタル主体でマーケティングオートメーションの導入・運用へと主軸が移行しています。
戦略的なことはAIが行い、人がやるのはそこで出された指令のうち、デジタルには乗らないライブ、生身の人が動かざるを得ない部分の実行、というような役割分担がすぐ目の前に迫っているのかもしれません。
これからもしコンサルタント職や営業職、マーケティング職が生き残るとしたら、まさに「物理的に動く必要がある部分でのアウトソーシング」と「取引先顧客にコミュニケーションの気持ちよさや楽しさを与えるエンタテインメント」を提供できる人(&企業)に限られていきそうです。
果たしてこれを、いまコンサルティング業界に属している人たちやこれからファームを目指している人たちが「コンサルタント」「コンサルティング会社」と呼ぶでしょうか?
何れにしても、コンサルタント職というものが次の10年、生き残るとしたら、中身はこれまでとは全く違う人種の集団となることは間違いありません。
営業職やマーケティング職についても同じく、これまでの職務定義や業務内容で捉えていると、これからの職種ニーズにはミスマッチな人材となってしまうでしょう。
私はエグゼクティブサーチ(幹部採用)や経営幹部育成・配置のコンサルティングという立場からこの“既に起こりつつある未来”に日々触れており、早晩、<DX(デジタルトランスフォーメーション)デバイド><DX格差>による大量の人材再配置が起こると見ています。
当社では来るべき、いざという時のために、個人の皆さんにはキャリア・トランスフォーメーション支援を、クライアント企業各社には次世代型組織・人事対応に出遅れないような体制構築支援を進めています。これから10年、求められ続ける人材であるために、皆さんとより詳細なお話、議論を各処で交わしていければと思います。
更新:11月25日 00:05