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マネックス松本大「令和時代のお金の哲学」

2019年06月13日 公開
2023年03月02日 更新

松本大(マネックスグループ代表執行役社長)

「悪人には使えないお金」が実現する⁉

 一方で、クラウドファンディングや仮想通貨の登場によって、「想い」が果たす役割が強くなってきた。

 「クラウドファンディングとは、『こんな社会を実現したい』とか『こんな商品を世に出したい』といった想いを持つ人々が、インターネット上で出資を募り、共感した人がお金を出し合う仕組みです。

 出資者はお金儲けではなく、彼らのプロジェクトを応援するためにお金を出します。『想い』を軸にお金がやりとりされています」

 また、仮想通貨によって、「想い」をプログラミングできるようにもなった。

 「例えば、ある人がアフリカの貧しい国に住む子供を飢餓から救うために寄付したとしましょう。これまでは、その国の政府にお金を渡しても、医療費や食費ではない費用に充てられるか、あるいは誰かのポケットマネーになるといったことがしばしば起きていました。

 しかし仮想通貨ならば、ブロックチェーンの技術によって、そのお金を使う人や使い道を限定できるのです。

 これまで、お金は誰にとっても良くも悪くも平等な存在でした。お金それ自体は無色透明な存在だったからです。

 でも、これからは、悪人には使用できなくても、善人には使えるお金といった具合に、自由にデザインすることもできます。お金に色をつけることができるようになるのです。

仮想通貨は、現時点で投機の対象としてみなされがちですが、それは一面に過ぎません。もっと様々な可能性を秘めているのです」

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著者紹介

松本 大(まつもと・おおき)

マネックスグループ㈱代表執行役社長

1963年、埼玉県生まれ。87年、東京大学法学部卒業後、ソロモン・ブラザーズを経て、ゴールドマン・サックスに勤務。94年、30歳で同社最年少ゼネラル・パートナーに就任。99年、ソニー〔株〕との共同出資でマネックス証券〔株〕を設立。2015年11月より現職。現在、事業持株会社であり、個人向けを中心とするオンライン証券子会社を日本・米国・香港に有するグローバルなオンライン金融グループであるマネックスグループ〔株〕およびマネックス証券〔株〕両社のCEOを務める。

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