2019年06月24日 公開
2023年03月02日 更新
このようにお話しすると、「文系だからプログラミングはムリ」、「数字に弱いからファイナンスも苦手」と言う人が多いのですが、それは学ばなくていい理由にはなりません。
そもそも、文系と理系の区別があるのは日本だけです。数字や数学が苦手だと感じるのは、学校の先生の教え方が悪かったからに違いありません。「勉強」だと思わず、クイズやパズルを解く感覚で高校の数学をやり直してみると、きっと楽しめるはずです。
数学という純然たるロジックを学ぶと、クリティカルシンキングの力も身につきます。玉石混交の情報や多数の意見を鵜呑みにせず、自分の頭で考えられるようになるのです。
何が本物で、何が偽物か。どこをどう工夫すれば、最善な結果を導き出せるのか。そうしたことが判断できるようになれば、それこそ最強のスキルです。
ただし、忘れてはならないのが「目的」です。誰に向けて、なんのためにビジネスを行なうのか、常に考えてください。
顧客やともに働く人たちのニーズに沿うものを新たに作り出し続けるのがビジネスです。AIは、少なくとも今の段階では、過去の分析はできても、新たに何かを生み出すことはできません。
目的のために「~したい」という意志を持ち、ビジネスの方向性を決めるのは、あくまで人間です。感受性を磨いて世の中のニーズを見極め、人々の幸福を目指すこと。これが、「令和を生き残れる人材」の根本姿勢と言えるでしょう。
《取材・構成:林 加愛》
《『THE21』2019年6月号より》
更新:11月25日 00:05