2018年06月13日 公開
2023年03月14日 更新
とはいえ、40代から新しいスキルを習得できるのだろうか。
「誤解が多いのですが、ミドル世代のスキルアップは、まったく新しいことに挑戦する必要はありません。やるべきなのは、『スキルの斜め展開』。今持っているスキルの幅を少し広げてみる、または今と少しだけ違う方向へスキルを伸ばしてみる。それが40代の能力開発です。
加えて、転職に備えてぜひやっておきたいのが、今持っているスキルの普遍化です。
一つの会社で培ってきたスキルは個別性が高く、そのままでは外部で通用しません。ただし、今までに得た知識や経験は無駄ではなく、それらをいったん抽象化し、体系化して整理すれば、普遍的なスキルとして他の場所でも役立てられます。
知識や経験を整理するときに役立つのが、経済学や経営学、心理学、法学といった学問です。社会経験が豊富なミドルだからこそ、学説を読んだときに『あの現場で経験したのは、こういうことだったのか』と、自分の中にあるものを整理できる。すると、自分のスキルを汎用性のあるものと、個別にアレンジすべきものとに整理できるので、会社が変わっても自分のスキルを適応させることができます」
そして柳川氏は、40代のうちにセカンドキャリアを考えることの重要性をこう話す。
「40代は多くの仕事を任され、会社に頼られる立場です。ところが50代になると、気づいたときには会社に居場所がなくなっていることも多い。40代は目の前の仕事が忙しく、脂の乗った時期だからこそ、いざとなってから慌てないよう、早めに手を打っておくことが必要です」
≪『THE21』2018年6月号より≫
≪取材・構成:塚田有香、写真撮影:長谷川博一≫
更新:12月12日 00:05