2018年05月10日 公開
予防医学という観点から家庭医療の必要性を全国に押し広める「ココロカ」。家庭用医療機器市場を大きくリードする同社が、創業以来常に大切にしてきたのが、ユーザーとの信頼関係だという。来年で創業30年を迎える中お客様に認められるための、その企業努力をうかがった。
「創業当初は、家庭用電位治療器が世間にまだあまり浸透しておらず、苦労もあったようです。薬のような即効性は難しく、1回や2回で効果が得られるものでもないため、思うようにお客様から支持が得られなかったのです。そのため、一人ひとりに治療器を実際に体験・実感・納得してもらい市場を開拓しようと、スーパーを中心とした地域密着型の販売に力を入れるようになりました。
私は創業12年目に入社したのですが、やはりその頃が一番辛い時期でしたね。15年目頃からは、徐々に治療効果も信用していただけるようになり、大型店と取引するまで実績を伸ばしていきました。弊社は営業担当者を“アドバイザー”と呼んでいます。お客様との信頼関係を構築するには、まずアドバイザー自身が地域の方々に認めてもらう努力が必要です。その土地の歴史や住民の方々の会話のペースを徹底的に学んで取り入れ、商店街なら店舗前だけでなく積極的に周辺一帯を清掃し挨拶をする。常に笑顔で、地域の方々を家族のようにお名前で呼ぶなどのコミュニケーションを意識した結果が、信頼に結び付くと思っています。私は、社員によく“ただの物売りになるな”と言います。購入されたお客様の健康に対して、生涯責任をもつという意識も重要だからです。」
「弊社は、今後更なる成長のため、常に個性豊かな社員を必要としています。ある社員は、体験会場に医師免許をお持ちの方が来られた際、短い時間では理解を得られなかったことが悔しく、後日資料を持ってその方のお勤め先に訪問し、治療器の仕組みや素晴らしさを伝え、最終的にその方は治療器を購入されたということもありました。アドバイザーの情熱や想いがお客様に伝わり、信念が実を結んだ瞬間です。
また、12年ぶりに同地域で2度目のイベントを開催した時の出来事でした。12年前に購入した弊社の治療器を汚れないようにラップで巻き、今も大切に使い続けくださっているお客様がいたのです。さらに驚いたのは当時の担当者が冗談交じりに言った”治療器は墓場までもっていけるよ”という言葉を覚えてくださったこと。当時の体験会場がお客様にとっての思い出であり、今後も使い続けてくださるということが本当に嬉しく、身の引き締まる思いでもありました。こうした地域に根付いた活動は、創業以来変わらず大切にしています。30年もやっていると、当然変えていかなければならないことも出てきます。しかし、自分たちで開発し、そのコンセプトや開発者の想いを理解して、自分たちが直接お客様に販売していくという流れは、こだわって大事にしていくべきところだと考えています」
「インターネットが今ほど普及していなかった30年前と現在とで、明らかに違うのは時代の移り変わるスピードです。特に、昨今は新しいモノがどんどんと増え、モノや商品は次々と消費される時代となりました。車や家もそうですが、モノは使い続けるほど老朽化します。しかし、我々の製品はお客様の生活の一部であり、使うほどに価値が上がるもの。消費するモノではないと考えます。お金を使って健康維持をするという点では、まさに健康投資と言えます。例えば、40~50代の働き盛りの男性は忙しさを理由に、体の検査など、どうしても後回しにしてしまいがちですよね。でも本当は、一番健康に目を向けるべき年代です。投資と聞くと、金銭や物質的なことをイメージしますが、それも健康な体があるからこそできること。何をするにも、やっぱり健康第一であることに、変わりないのです。ですから、いつまでも自分の足で歩けるよう、素晴らしい景色を自分の目で見られるようにと、お客様にはそうした未来にお金を使うということも大事であると、誠心誠意伝えています。治療器は本当に使いたいという覚悟を決めたお客様に買い求めてほしい。社員には、その志を常にもっていてほしいと思っています。
経営者として攻め時と守り時をジャッジする際、最優先するのはやはり現場の意見です。目の前にいるお客様の声こそが、一番の答え。自社で開発し、自社で販売する商品に自信をもって、丁寧にその良さを伝えていくという信念で、これからもココロカらしいことを実現していけば、100年企業を目指して成長していくことは可能だと信じています」
更新:11月21日 00:05