2018年06月11日 公開
2023年03月14日 更新
《晴れて転職先が決まったのに、ブラック企業だった……!――こんな事態はなんとしても避けたいものだ。「ブラック企業に騙されるのは若い人だけでは?」と思う人もいるかもしれないが、30代・40代の転職でブラック企業に入ってしまったという人もいる。
では、どうすれば入社前に見抜くことができるのか。ブラック企業の問題に詳しい新田龍氏にうかがった。(取材・構成=塚田有香)》
※本稿は月刊誌『THE21』2018年6月号より一部抜粋・編集したものです
「ブラック企業」という言葉は、十年ほど前からメディアでよく使われるようになりました。これほど注目を集めるようになったのは、SNSや口コミサイトの登場によって「自社の労働環境はこんなに悪い」と声を上げる人が増え、その存在が顕在化しやすくなったためと考えられます。
ただし、ネットやマスコミから発信される情報は玉石混淆のため、ブラック企業を正しく見分けるのは簡単ではありません。
残業代の未払いなどの明らかな法令違反があったり、パワハラやセクハラが横行しているなら、ブラック企業であることを疑う余地はありませんが、「仕事がキツい」「給与が低い」といった情報だけではブラック企業と決めつけられません。
たとえハードワークでも、「短期間でスキルを身につけて早く成長したい」と望む人には、むしろ良い環境かもしれません。給与が低くても、毎日定時で帰れる仕事なら、ぜひ働きたいと考える人はいるでしょう。
このように、何をもってブラック企業と判断するかは、個人の価値観によるところも大きいのです。
よって転職する際にブラック企業を見分けるには、「自分は何を優先して会社を選ぶのか」という価値判断基準を明確にすることが大前提であることを、まずは理解して頂きたいと思います。
その上で、ブラック企業の具体的な見分け方を紹介しましょう。転職活動中にブラック企業を見抜く方法は主に三つあります。
一つめは、求人票や転職ナビサイトから判断する方法です。常に人を募集していたり、「急募」をアピールする会社は要注意。頻繁に採用を行なう会社はそれだけ退職者が多く、従業員が逃げ出す職場環境だと推察できます。
「経験不問」「学歴不問」など、ハードルの低さを強調する会社も同様。「誰でもいい」というレベルの会社は、そうでもしないと人が集まらないということです。
給与がやたらと高い会社にも気をつけてください。給与の内訳が明示されず、総額だけで「月50万円!」「年収1千万円も可能!」などと煽る場合、成果報酬や歩合給、みなし残業代などが含まれている可能性が高いので、きちんと確認する必要があります。
更新:12月04日 00:05