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ホテルブレストンコートの「ヒュッゲウエディング」

2018年04月28日 公開
2023年07月12日 更新

<連載>続・星野リゾートの現場力(6)

地元スタッフが伝えたい「冬の軽井沢」の魅力

冬の軽井沢の象徴でもある美しい雪景色とのコラボレーションは、ヒュッゲウエディングの大きな魅力だ。豊かな自然に囲まれたロケーションを生かし、「軽井沢のありのままの自然の美しさを生かすことは最も意識したことの一つ」と松本さんは話す。

雪が積もったホテルの中庭には、ヒンメリと呼ばれるフィンランドの代表的な装飾が飾られる。ヒンメリは、結婚式などに母が娘の、祖母が孫娘の幸福を祈ってわらで編むもので、教会のシャンデリアを模したような美しい幾何学模様が特徴だ。「中庭にヒンメリを飾ることで、雪景色とヒンメリの幾何学模様がなんとも言えない幻想さを生み出します。夜はライティングされ、昼とはまた違った顔を見せます。他にはないフォトジェニックな空間で、式の余韻にひたっていただける場所になっています」と松本さん。

そうはいっても、寒さの厳しい冬の軽井沢でのウエディングに躊躇する人もいるのではないだろうか。そう疑問を投げかけると、入社以来軽井沢に住み続ける松本さんはこう答えた。「たしかに軽井沢の冬は寒いです。でも、いいものですよ。木に積もった雪や、抜けるような青空は、とてもきれいです。雪があることで軽井沢の魅力が一層増します。一人でも多くの方に見ていただきたい季節ですね」

自然との調和を大切にしたヒュッゲウエディングは、地元スタッフだからこそ発想できたサービスでもあったのだ。

 

新たな気づきを与えるきっかけに

松本さんはウエディングアドバイザーとして、ヒュッゲウエディングの魅力を顧客に直接伝えてきた。自分たちが開発したサービスを、自分たちで顧客にプレゼンテーションし、その反応を間近で見ることができるのも、現場スタッフがサービスを開発する醍醐味だと松本さんは話す。

すでに述べたとおり、軽井沢でのウエディングを検討する人は大半が、グリーンシーズンを希望する。しかし、なぜ軽井沢で挙式をしたいのか、なぜ少人数での式を希望するのかなどニーズを深堀りしていくと、顧客が本当に求めることが見えてくることがあるという。

「たとえば、『本当は結婚式はしなくてもいいと思っていたけれど、親を喜ばせたくて』とか、『近しい人たちと気兼ねなく過ごしたい』というお客様がいらっしゃいます。そこでヒュッゲウエディングをご紹介すると、お客様の気持ちがどんどん変わっていくのがわかります。ご説明が終わる頃には、ご新郎様とご新婦様が顔を見合わせて、『2月もいいかもね』と。お客様が望んでいたウエディングを叶えることができると同時に、グリーンシーズンだけではない軽井沢の魅力が伝わった瞬間はうれしいですね」

ヒュッゲウエディングは、ウエディングの相談に訪れる人々に新たな気づきを与えるきっかけにもなっているのだ。

「お客様のご希望をそのまま受け取るのはアドバイザーの仕事ではないと思っています。『このアドバイザーとの出会いがあったから、こんな素晴らしいウエディングができた』。そう思っていただけるようなカウンセリングをこれからも心がけていきたいです」

 

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