2017年09月27日 公開
2023年03月23日 更新
ステップ1:資金を貯める
年収が低くても可能性は十分!
不動産投資でローンを借りる場合、金融機関の審査がある。問われるのは年収、勤務先、保有資産、そして物件の収益性。理想を言えば年収700?800万円、資産1,000万円以上あると完璧だが、頭金や年収がもっと低くても不動産投資は始められる。
融資の面では、仮にメガバンクが難しくても、地銀や日本政策金融公庫、信用金庫など、前向きに融資を検討してくれる金融機関はある。金融機関を納得させられるだけの物件と投資プランを提示できるよう、まずはステップ2の勉強を。
ステップ2:本やセミナーで勉強
知識を得、仲間を見つける
まずはビギナー向けの本を複数冊読むこと。また、セミナーも数多く行なわれているので、いくつか足を運んでみることをお勧めする。業者が行なっている無料のセミナーから、個人のノウハウを教える有料のものまである。
「高額なセミナーに行く必要はありません。数千円程度の講座でも十分に得るものがあります」(河田氏)
またセミナー終了後には、懇親会が用意されていることが多い。自分と同じようにこれから投資を始める人、そして既に物件を持つ人、講師などと気軽に話せるチャンス。ここで仲間を見つけ情報交換しよう。
ステップ3:業者探し
複数社を見て、自分に合うところを
不動産の仲介や売買を行なってくれる業者とは長くつきあうことになる。会社によって扱う物件が変わるので、セミナー同様にいくつかの業者を見てみると良い。
「業者選びのポイントは、本当に投資家のために動いてくれる人のいる業者かどうか、というところ。良い担当者かどうか見極めるためにも最低半年は勉強して業者を訪れるべきです。ちなみに私なら、融資に詳しい業者を選びます。不動産業者の中には、融資に詳しく銀行と同等の知識で渡り合える人もいるからです」(河田氏)
複数の業者を見比べて、自分に合うところを探そう。
ステップ4:物件探し
まずはエリアの状況を見極める
まずはどの地域の物件を探すかから考えよう。実情をつかむには、その土地の不動産管理会社を訪問してみると良いと河田氏は言う。
「目星をつけているエリアの賃貸相場や入居状況を確認しておきましょう。2~3社訪問すると、現地ならではの情報が入ってきます」(河田氏)
ただ、管理会社には守秘義務があることから個別の物件について具体的には尋ねられないので注意。
「また、エリア、構造、駅からの距離、利回りなどの譲れない条件を決めておきましょう。具体的に購入を検討するようになると、他の投資家との競争になることもあり、決断のための決め手が必要です」(河田氏)
たとえば、「利回りは絶対に8.5%以上」「都心の駅徒歩10分以内」などと決めておけば、物件情報の見極めに役立つ。
ステップ5:融資
自分なりのプランを示そう
融資の審査には、銀行が納得する条件の物件やプランを提示すれば良い、と河田氏。
「ひと言で言えば、キャッシュフローが良い物件、儲かる物件です。ただ儲かると言っても、銀行がその物件をどのように評価するかにもよります。評価の基準の一つに、『積算価格評価』という方法があり、これは土地の価格と建物の価格の合計で表わされます。自ら試算したものを銀行の担当者にプレゼンすれば、『わかっている人』と思ってもらえるかもしれません」(河田氏)
他にも融資では、その物件の「経営方針」も問われる。今後この物件をどのように管理し入居者をつけていくのか。ステップ1で述べた資産や属性の他に、「オーナーとして経営能力がある」ことを示せるかどうかが大きいのだ。
ステップ6:売買契約を交わす
契約時の重要事項は要チェック
購入したい物件が見つかったら「買い付け」(「買い付け証明書」とも言う)を入れる。これには法的拘束力はなく、取りやめることもできるが、むやみに取りやめると不動産会社から相手をされなくなるので注意しよう。
そして、金融機関の融資の審査が通ったら、本契約へと進む。本契約に進む場合、重要事項の説明を聞き逃さず、確認を。たとえば、危険負担(売買契約締結から物件の引渡しを受けるまでのあいだに、天災などによって建物が焼失・倒壊した場合の責任を、売主、買主のどちらが負担するのか)や瑕疵担保責任(不動産に瑕疵つまり欠陥が見つかった場合、その責任を誰が負うのか)などの取り決めも明確にしておかないと、のちにトラブルになることも。
ステップ7:管理
修繕の際は自分でも確認を
物件管理は、入居者の入退去の手続き、リフォームの手配、共有部分のメンテナンス、家賃の集金、入居者のトラブル処理など、雑多で多岐にわたる。これらすべてを会社員と両立させるのは至難の業で、多くの大家は管理会社に業務を委託する。
「良い管理会社とは、客付けが強く、大家の要望を聞いてくれるところです。管理と言っても、大きく2種類あります。『管理契約』と『サブリース』です。サブリースとは空室が出たり、家賃が滞納されても、家賃を保証してくれる契約です(家賃の90%程度が多い)。まず物件に入居者が入らなければ収入が入りません。どのように空室を回避するのか、管理会社のサービス内容や手数料などを見比べて選びましょう」(河田氏)
《『THE21』2017年9月号より》
更新:11月23日 00:05