2017年01月30日 公開
2024年12月16日 更新
「土地値物件を選ぶ」というユニークな手法で注目を集めている不動産会社がある。西東京、神奈川で築古収益物件の買取、再生販売、その後の賃貸管理を行なうハウスリンクマネジメントだ。一見、ハードルが高そうな「郊外での一棟買い」で高利回りを実現するこの手法はむしろ「初心者にこそお勧め」なのだという。その理由と「土地値物件の魅力」についてうかがった。
ハウスリンクマネジメントが推奨する「土地値物件」への不動産投資。いったい、どういうものなのだろうか。
「通常、新築物件の価格は土地の価格とそこに建つ上物(アパートなど)の価格の合計になりますが、築年数が経過していくにつれて、建物は存在するが、売買価格に反映されず『ほぼ土地の値段だけ』という物件が出てくることがあるのです。木造や軽量鉄骨の建物の価値は、約20年でほぼゼロになってしまうからです。たとえば、土地と建物合わせて5千万円の物件があったとして、その土地の地価だけで5千万円になるような物件。これを私は『土地値物件』と呼んでいます。こうした格安の物件を見つけ、リフォームをして資産性のあるものに仕立て、高利回りで運用する。これが、当社がお勧めする土地値物件への不動産投資です」
土地値物件は「築25~30年」のものに多いという。
「日本の不動産価格がピークを迎えたのは平成5年頃。今から20年ほど前です。この頃の物件は購入時の価格が高かったため、ローンの返済が終わっていないオーナーが多い。そのため、あまり安値で手放すことができません。一方、25~30年前の物件は価格が高騰する前で、しかもローンもほぼ終わりかけている。また、年齢的に相続を意識するオーナーが多く、比較的多くの物件が土地値で市場に出てくるのです」
だが、いくら「土地値」であっても、入居者のニーズがある場所であることは大前提。具体的には、都心から少し離れた人口20~30万人規模くらいの都市で、かつ、人口減少が起きていないところが条件だという。
「都下、神奈川、埼玉などの首都圏近郊の都市。たとえば神奈川県なら厚木市や海老名市、埼玉県ならさいたま市の外れのほうなどです。もちろん、そうした場所でも、候補を5~10カ所見てやっと1つ該当するか、というレベル。駅から近いと地価が上がるため、徒歩圏ぎりぎりのもので、坪40~50万くらいの物件が多いですね」
不動産投資は都心・駅近物件にすべき、とよく言われるが、菅谷氏は「都心の優良物件はすでに枯渇している」と言う。
「さらに、物件価格も高止まりしているため、利回りはせいぜい3~4%。それでも今後家賃相場が上がればいいのですが、実際には頭打ち状態です。では、地方都市がいいかというと、利回りは良くても空室リスクが非常に高い。こうした場所では入居者を集めるために賃下げ合戦が行なわれるので、結局、利回りも落ちてしまいます。それに対して現在、当社が管理する物件では平均9.5%の利回りが取れています」
郊外の、それも駅から離れたアパートに本当に入居者が集まるのか不安になる人もいるはずだ。だが、「そこに当社のノウハウがある」と菅谷氏は言う。
「空室を埋めることができるかどうかは、入居者が住みたいとなっているかどうか。次に募集条件が相場家賃と乖離しておらず適正であるかどうか。具体的には『賃料と初期費用』です。
最後にエリアの入居付けが強い賃貸仲介会社に空室情報が行きわたっているかどうかの3つで決まります。この3つの対応がうまくいっていると空室が埋まっていきます。
たとえば神奈川県相模原市では不動産価格の値崩れが続いており、かつて6万円台だったワンルームの家賃が3~4万円にまで下落している。ですが、当社の持つ物件は満室が続き、高い利回りも上げています。
その秘密は徹底的なリサーチ。まず、近隣の物件を調べ、同じような立地などを持つライバル物件を探します。そして、それら物件の中で1番か2番に選ばれるにはどんなリフォームを施し、どのくらいの値付けをし、どのように募集をかけるかを徹底的に追求します。その際、地元の不動産会社のトップ営業マンから話を聞いたりと、足で情報を集めることも忘れません。だからこそ、高い入居率を実現できるのです。
結局、どんな場所でもライバルに勝つことができれば、入居者は確保できるのです」
《古い物件でもリフォーム次第》
菅谷氏はよく「信頼関係」という言葉を口にする。不動産投資は「人と人との縁によって成り立っている」と考えるからだ。
「オーナーはもちろん、入居者、売主、地元の不動産業者、銀行員など、不動産投資は多くの人との関係で成り立っています。
だから、誰か1人だけが儲けるのではなく、全員の幸せを均衡させなくては、ビジネスはうまくいかない。当社の営業マンが歩合給でないのはその表われ。
歩合給だとどうしても『売りたい』という気持ちが強くなり、ときにお客様の利益を度外視してしまう恐れがあるからです」
それを象徴するのが、「出口を提示する」姿勢である。
「残念なことに多くの不動産会社は物件を売るまでは熱心でも、そのあとは『売りっぱなし』の状態です。それに対して我々は必ずお客様に『出口』を提示します。たとえば『このまま運用し、5年後に売却するとこのくらいになる』といった出口(売却)まで、最初にお伝えするのです。
先ほどから『土地値物件を狙え』と言ってきましたが、購入価格が土地値を上回っていたとしても、高い利回りが見込め、いずれ売却して利益を確定させる見込みが立つなら、十分に投資対象になります。そういう意味でも出口戦略が重要なのです。
当社はまだ創業3期目ですが、お客様の大半から『次もお願いしたい』と言っていただけているのは、そうした姿勢を評価いただいているからかもしれません」
いくら「土地値物件」とはいえ、まるごと一棟への投資となると、コスト面が不安な人も多いはずだ。
「安いものだと2千万円台からありますので、年収5百万円くらいの方でも始めていただけますよ。もちろん、ローン面でのサポートも万全です。
ただ、我々は決して、『年収がこのくらいなら、この物件を』といった提案の仕方はしません。大切なのはそのお客様が不動産投資によって何を得たいか。要介護の家族を支える資金が欲しいのか、子供たちに資産を残したいのか。では、そのためにはいくら必要か……これらをうかがい、その目的に合った物件を提案するのが我々のスタンス。不動産で人生をサポートさせていただくという感覚です。
私自身、不動産投資で多くの成功も失敗も体験してきました。だからこそ、お客様には大きくは儲からなくても、私どもプロの目から見て確実であり、失敗しない方法をお伝えしたい。自分の経験も踏まえながら、みなさまの資産運用をサポートさせていただければと思っています」
※2月12日(日)に菅谷氏の無料セミナー開催決定!詳細はこちら
『不動産投資は「土地値物件」ではじめなさい』
幻冬舎メディアコンサルティング刊
不動産投資は「入り口」「運用」だけではなく、「出口」まで考えることが重要──。出口まで見据えた投資戦略を考えた際、菅谷氏がたどり着いた答えが「土地値物件への投資」という方法論だった。本書はそうした「土地値物件」の魅力・優位性とともに、出口まで考えた具体的な投資戦略、また不動産投資のデメリット・危険性に至るまで、本当の意味で資産を増やすための「知識」「本音」が満載。今まさに不動産投資を始めようとする初心者に最適な入門書。
更新:12月22日 00:05