2016年11月02日 公開
2022年07月07日 更新
ビジネスマンにとって40代といえば、いろいろな意味で自分の仕事について「先が見えてくる」時期だ。また、結婚して家族ができたり、家を買ったりして、ライフスタイルも定まっている人が多いだろう。しかし近年、あえて40代でU・I・Jターンの移住をともなう転職をする人が増えているという。どんな人が、どういった理由でそうしたキャリアチェンジを選ぶのか。転職のプロであるビズリーチの多田洋祐氏にお話をうかがった。《取材・構成=前田はるみ》
※本稿は『THE21』2016年10月号より一部抜粋・編集したものです
当社は、ここ3年ほど地方創生をテーマにUターン、Iターン、Jターンを支援してきましたが、首都圏から地方の企業へ転職する人の流れが生まれており、今年は昨年同期比で1.6倍に増えています。とくに管理職クラスの方々の転職のお手伝いを数多くさせていただいておりますが、40代以上の方の地方企業の転職も確実に増えています。
その背景には、人口減による労働人口の減少に加え、若い人材の首都圏への流出が加速し、地域限定での人材確保が難しくなっている企業側のニーズがあります。優秀な人材を地域外からも積極的に採用しようとする企業が増えているのです。
働く人のニーズとしては、年功給の緩和が進む一方で、個人の就業年数は延びており、40代の人でもこれから20年、30年と働き続けることになります。次のキャリアを考える中で、地方の企業にも目を向け始めたということでしょう。
移住の動機として、実家の親の介護やワークライフバランスの実現もありますが、それだけではありません。これまでの仕事経験を生かし、地方の企業でより経営に近いポジションや裁量権のある仕事に就くなど、仕事のやりがいやキャリアアップを目指す人が多いのも事実です。
こうした動きを支援する国や自治体の取り組みも広がっています。たとえば島根県では、移住者に一年間県の職員宿舎を貸付提供する取り組みを行なっています。また、宮崎県日南市では移住希望者に「大人の就業体験」(インターンとして就業できるシステム)を導入しており、当社も協力しています。
更新:11月22日 00:05