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空腹時こそ最大のパフォーマンスが発揮できる

2015年09月18日 公開
2022年12月08日 更新

俣野成敏(プロ研代表)

「空腹」こそがパワーの源となる

では、どのようにしてデトックスを行なうのか。ここで役立つのが「フルーツ」です。
フルーツは消化酵素が豊富で、胃腸に負担をかけることなく老廃物を排出する機能を持っています。加えてビタミン類やカリウム、食物繊維も豊富。高血圧や糖尿病予防にも有効です。
糖分過多で太らないか、という心配は無用。砂糖と違い、天然の果糖をとっても肥満にはなりません。

さまざまなフルーツをたっぷり2皿、プラス水。これを3食摂る「フルーツデー」を設けること――これが、デトックスの方法です。
最初の1カ月間は、「フルーツデーを連続3日、フルーツ以外も食べるノーマルデーを3~4日」というペースで進め、2カ月目は週1回だけフルーツデーを設ける。それ以降は、朝食のみフルーツにして、あとは普通に食べてOKです。
ちなみに私自身は、夕食以外はフルーツと水だけで過ごすことも多いです。

この方法では空腹に耐えられないだろう、と思われるでしょうか? それは、「空腹」の捉え方を転換することで解決できます。
従来、空腹は身体を損なうものだと考えられてきました。しかし実は、空腹時こそ最大のパワーが出るタイミングです。
肉食動物は空腹時に狩りをし、満腹のときは寝転がっていますね。人間も同じで、空腹状態でこそバリバリ働き、満腹時は休んで消化に集中するのが自然なありかたなのです。

そう考えると、空腹を感じても苦痛にはなりません。むしろ「今、脂肪が燃焼されている」という快い実感があります。集中力も増し、目の前の仕事に全力投球する気持ちが湧いてきます。
「ランチは必ず食べなければ」と思いこんでいたころと違い、午後特有の眠気とも無縁になりました。ミーティングなどでランチする時は食事を楽しみ、一人ランチの時に調整します。

 

お酒など好きなものは無理にやめなくて良い

この生活を始めて、体重が十キロ近く減りました。身体が軽くなり、疲労感や倦怠感も解消。風邪を引くことも激減しました。この一年間で体質がガラリと変わったと実感しています。
最初に変化を感じたのは、開始二週間目に驚くほど大量のお通じがあったときです。それ以来、現在も便秘知らず。朝の決まった時間に、何の苦労もなく排泄できています。

次に変わったのが嗅覚です。以前は飲食店の前を通っても「美味しそうな匂いだ」と思うだけでしたが、最近は化学調味料など、人工的なものが使われていることが感じ取れます。
フルーツという、自然のものを口にすることで「異物」に対する感覚が鋭くなったのでしょう。生ガキにあたりそうになったときも、すぐに胃が感知し、一度吐いただけで済みました。これまでなら身体が異常に気づかず腸まで運んでしまい、下痢と発熱に苦しんだことでしょう。

意外なところでは、朝の目覚めが良くなったこと。それまでは目覚まし時計が欠かせなかったのですが、今は自然に目が覚めます。
なお、これらの変化を経たあとも、もともと好きだったことは辞めずに続けています。私はお酒が大好きなので、以前よりも楽しんでいます。

ルールを厳格に守ろうとすると苦しくなるもの。何が身体に良いか・悪いかがわかっていれば、ときどき原則を外れてもすぐ再調整できます。
この「身体を疲れさせない原則」を会得したことが、もっとも素晴らしい変化と言えるかもしれませんね。

著者紹介

俣野成敏(またの・なるとし)

(同)プロ研代表

1971年、福岡県生まれ。93年、大手精密機械メーカー入社。2002年、会社の赤字転落が原因で30歳にしてリストラ候補に。そこで一念発起し、在庫処分を担うメーカー直販店を社内起業。30代で年商14億円の無借金企業に育てる。04年、33歳で現役最年少役員に抜擢。メーカー本体に帰還後、40歳で史上最年少の上級顧問に就任。12年に独立。複数の事業経営のかたわら、私塾「プロ研」を創設。著書に、ベストセラー『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)、『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』(上野啓樹氏との共著/クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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