
定年後に備えた資産運用というと、どうしても株式投資などの「投資」をまず思い描いてしまいがちです。本稿では、「保険」が持つ資産運用としての側面について、金融コンサルタントの川口幸子さんに解説していただきます。
※本稿は、川口幸子著『投資経験ゼロでも老後を豊かにできる! 定年5年前に読むお金の本[超入門]』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。
保険が持つ「お金の道具」としての側面、つまり、お金を「守り」ながら「増やし」、そして将来「使う」「遺す」ためのツールとしての可能性を探っていきます。
預金の安心感と株式投資の積極的な運用の中間に位置するような、ユニークな特徴を持つ保険商品もあります。こうした知識は、皆さんがこれから定年後の人生設計を考える上で、きっと新しい選択肢を与えてくれるはずです。
「保険をずっと見直していない」「契約内容をよく覚えていない」という方も多いでしょう。定年前の今こそ、保険見直しの絶好のタイミングです。なぜなら、定年は働き方や収入、そしてライフプランが大きく変わる人生の節目だから。
若い頃に「とりあえず」入った保険、職場での付き合いで加入した保険が、今のあなたやこれからの人生に本当に必要でしょうか。定年後は収入が減る可能性がある一方、医療や介護のリスクは高まります。保障内容が古くていざという時に役に立たなかったり、不要な保障で家計を圧迫したりするのは避けたいところです。
また年齢を重ねると、病気やケガのリスクが高まり、介護が必要になる可能性も出てきます。適切な「守り」の保険を用意しておくことも大切です。
保険には積極的にお金を増やすための「攻め」の道具として活用する方法もあります。
「攻め」の保険としてまず知っておきたいのが、「固定利率」で運用されるタイプの商品です。
これは、契約時に定められた利率が、一定期間(例えば10年間など)または一生涯保証されるというものです。
最近では、米ドル建てなどの外貨建て商品を中心に、年4%を超えるような高い固定利率を提供するものも出てきています。
例えば1000万円を年利4%(複利)で10年間運用できれば、税金などを考慮しない単純計算でも約1480万円になります。外貨建ての場合は為替変動のリスクがありますが、それを考慮しても、お金の置き場所として魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。
貯蓄性・運用型の保険には、リスクの度合いや期待できるリターン、保障内容などによって、さまざまな種類があります。次の質問に「はい」か「いいえ」で答えてください。最後にたどり着いたタイプが、あなたに向いている保険のタイプです。
Q 1 元本割れのリスクは絶対に避けたい?
はい → Q2へ
いいえ → Q3へ
Q 2 銀行預金より少しでも有利にお金を増やしたい?
はい → 【安定重視型】
◎例:円建ての固定利率型終身保険、定額個人年金保険など
いいえ → 貯蓄型よりも、預貯金や定期預金向きかもしれません
Q 3 少しのリスクなら受け入れられるが安定性はある程度確保したい?
はい → Q4へ
いいえ → Q5へ
Q 4 為替変動などを気にせず、長期的に着実に増やしたい?
はい → 【積極運用型】
◎例:外貨建て固定利率型保険、利率保証型+一部運用型
いいえ → 【バランス型】 → Q5へ
Q 5 大きなリスクを取ってでも、大きなリターンを狙いたい?
はい → 【積極運用型】
◎例: 変額保険(※年齢や運用期間に注意)、運用先選択型保険など
いいえ → 【バランス型】
【安定重視型】
元本割れリスクは極力避けたい、銀行預金よりは少しでも有利に増やしたい方
・円建ての固定利率型など
【バランス型】
ある程度のリスクは受け入れつつ、安定性も確保しながら着実に増やしたい方
・利率保証+一部運用型、外貨建て固定利率型など
【積極運用型】
リスクを取ってでも、大きなリターンを狙いたい方
・変額保険(ただし年齢・期間に注意)、運用先選択型など

更新:10月16日 00:05