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棚橋弘至の「全力」お悩み道場6~諦めた夢も、無駄じゃない

2016年11月08日 公開
2023年05月16日 更新

棚橋弘至(プロレスラー)

どうすれば集中力が続くか?

Q3 将来的に仕事に役立ちそうな資格を取ろうと思い、勉強を始めたのですが、集中力が続きません。気が散って他のことを始めてしまったり、休日に時間のあるときなどはダラダラしてしまったりします。どうすれば、集中力が続くようになるでしょうか。

 

この相談者の方は勘違いをしていますね。そもそも、集中力というのは、長く続かないからこそ、「集中力」なのです。本当に集中している状態は、持って2~3時間。休日に1日中集中して勉強するのはそもそも無理なので、むしろどうやってメリハリをつけるかを考えたほうがいいです。

僕がメリハリをつけたいときにやっているのは、場所の移動です。実は今、小説を執筆中なのですが、家だと執筆が捗らないので、近所のカフェで書いています。カフェだと周りにも仕事をしている人が多くいて、緊張感があるし、妻から急に「窓拭いて」などと言われることもないから、集中して書くことができます。

資格の勉強なら、図書館に行って勉強するのもいいし、毎日仕事が終わった後、職場で勉強するのもいいでしょう。仕事に役立つ資格なら、職場の上司へのアピールにもなります。いずれにしても、「ここにいるときは集中してやる」という場所を設定して、そこでは頑張る、それ以外の場所では忘れるというようにメリハリをつけたほうが、集中力を発揮できると思います。

資格の勉強で厄介なのは、集中力より持続力でしょう。最初の1週間くらいは集中できるけれど、しばらくするとやる気が続かなくなり、サボり始めてしまうのです。

持続力は、思いの強さに比例します。たとえば「英語を話したい」じゃ弱い。願望じゃなく、「俺は英語をしゃべるんだ」と既成事実化するくらいの思いの強さがないと、努力は続けられません。

資格を取りたいなら、まず「資格を取るんだ」と自分に言い聞かせてください。そして紙に書いて貼るなどして、いつも視界に入れておく。僕もダイエット中は「鉄の意志」と書いて貼ったり、ツイッターのプロフィールに書いて、常に意識するようにしています。ぜひお試しを!

 

《『THE21』2016年6月号より》

 

著者紹介

棚橋弘至(たなはし・ひろし)

プロレスラー/新日本プロレス所属

1976年、岐阜県生まれ。98年、入門テストに合格。99年、立命館大学法学部を卒業後、新日本プロレスに入門。同年デビュー。2003年、初代U-30王者。06年、IWGPヘビー級王座を初戴冠。09年、11年プロレス大賞MVP。14年、第7代IWGPインターコンチネンタル王者に。第45代、47代、50代、52代、56代、58代、61代IWGPヘビー級王者。著書に、『全力で生きる技術』(飛鳥新社)など。

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