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そのパスワードでは「危険」です! ~ ネットセキュリティの「新常識」

2013年12月05日 公開
2023年05月16日 更新

中田亨(国立研究開発法人産業技術総合研究所人工知能研究センター知識情報研究チーム長)

 

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今すぐやるべき9つの対策

 

<パスワードを守る>

■ パスワード記憶専用サービスを利用する

1つのマスターパスワードを入れれば、サイトごとに違うランダムなパスワードに変換してくれるもので、使用者はマスターパスワードだけ覚えていればいい。

■ パスワードの一部分だけを変える

理想は1つひとつ異なる完全にランダムなパスワードだが、現実には難しい。そこで「b%Az2t6g?i」といったランダムなパスワードの最初の数文字だけ変え「M92z2t6g?i」とする、といった方法で対処する。

■ 「捨てIDとパスワード」を持っておく

重要な情報やお金を扱うサイトでのパスワードとは違う、いわば「捨てパスワード」を用意しておく。そして、重要度の低いサイトにはこちらでアクセスするようにする。

 

<自分の情報を守る>

■ SNSの公開範囲を設定する

フェイスブックをはじめ、ほとんどのSNSは初期設定の時点で「誰に対しても公開」となっている。本当にそれでよいのかを考えたうえで、ますそこからシャットアウトする。

■ サイトのアドレスを見る

偽サイトに誘導する手口においては、そのサイトのアドレスをチェックして、本当に公式サイトかを判断するという手がある。また、最新のブラウザでは、信頼できるサイトの証として、アドレスの部分が緑色で表示される。

■ ハッシュをかけているかを見極める

もし、そのサイトからの自動送信メールにあなたのパスワードがそのまま書いてあれば、ハッシュをかけていない可能性大。また、パスワードの再発行の際に、仮パスワードではなくすぐに本パスワードが送られてくるようなサイトも危ない。

 

<会社の情報を守る>

■ FAXは使わない

実は情報機器で一番怖いのはFAX。番号を1つ間違えただけで、大事な情報をばら撒いてしまう危険性がある。使わないに越したことはないが、どうしても使わねばならないなら、短縮ダイヤル登録などの工夫を。

■ USBメモリーをあえて目立たせる

技術の進化により年々小さくなるUSBメモリーだが、それがむしろ紛失リスクにつながっているという皮肉な状況に。あえて飾り付きの大きなものを使う、ストラップを付けるなどの工夫をすることで、紛失を防ぐ。

■ メールをすぐに送らない設定にする

メールの誤送信は本当に多い。しかも、送信した直後に気づくもの。だが、送信ボタンを押してからしばらくはメールが送信されない(取り消せる)システムにするだけで、このミスが劇的に減る。

 

中田亨

(なかた・とおる)

産業技術総合研究所 セキュアシステム研究部門 セキュアサービス研究グループ主任研究員

1972年生まれ。2001年東京大学大学院修了、産業技術総合研究所に入所。博士(工学)。同研究所デジタルヒューマン研究センター研究員等を経て現職。
主な著書に「「事務ミス」をナメるな!」(光文社新書)、『情報漏洩9割はあなたのうっかりミス』(日本経済新聞出版社)など。


<掲載誌紹介>

2013年12月号

<読みどころ>仕事で成果を上げるためには、ビジネススキルを磨く前に「やる気」を出すことが大前提です。どんな状況下でも、やる気を出せるのがプロフェッショナルの条件。しかし、仕事のマンネリ化や人間関係の葛藤、成果プレッシャーなど、仕事の中でやる気を阻害する要因はさまざまです。そこで今月号の特集では、どんな逆風にもひるむことなくモチベーションを高く保つ方法論について、各界のプロフェッショナルに聞いてみました。

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