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仕事ができる人の「実践的マナー術」 押えておきたい4つのポイント

2013年08月21日 公開
2022年12月08日 更新

『THE21』編集部

『THE21』2013年9月号より》

ビジネスマナーといえば、新入社員研修で習ったという方が多いだろう。
しかし、実際のビジネスの現場は、習ったとおりのマナーで動いているのか?
習ったけれども重要ではないマナー、習っていないけれども重要なマナーがあることに、誰しも気がついているのではないだろうか。

そこで、『THE21』2013年9月号<総力特集・おさらい「ビジネスマナー」>第1部では、「仕事ができる人の実践的マナー術」と題して、ビジネスの現場で活躍されている方々に、ほんとうに押さえるべきマナーのポイントをお聞きした。

◆ご登場いただいた方々とテーマ(本誌登場順:写真左から)

三谷宏治(K.l.T.虎ノ門大学院主任教授)
・相手の“痛いところ”にあえて触れる

佐渡島庸平(〔株〕コルク代表取締役社長)
・とことん相手に合わせて“没個性”に徹する

内藤 忍(〔株〕資産デザイン研究所代表取締役社長)
・必ず相手に“お土産”を持って帰ってもらう

橘・フクシマ・咲江(G&S Globd Advisors lnc.代表取締役社長)
・ステレオタイプの先入観を持たずに向き合う

青田和正(インテル〔株〕代表取締役社長)
・“相手と会う日的”を明確にして準備する

山田美喜(三菱地所〔株〕秘書)
・つねにアンテナを張り入念にリサーチする

三隅美枝子・皿良ゆり子(〔株〕日立製作所 秘書)
・「会食履歴」は、場所や手土産も含めて必ず残す

ここでは、その要点を4項目でまとめてみた。

[服装] 自分がどういう存在かを示す

 外国人とのビジネスの経験が豊富な橘・フクシマ・咲江氏は「日本のビジネスマンがみんな同じような服装をしている光景は、外国人には異様に映る」と言う。服装はその人の印象を決める大きな要因だ。

 たとえば、銀行マンなら銀行マンらしい服装というものがあるだろう。しかし、場合によっては、会う相手の業種に合わせた服装にして、「銀行マンとしてではなく、あなたのことをより深く理解したいと思って来ました」と伝えることもできる。

 コンサルタントの三谷宏治氏は、「私はあなたとは違う視点を持っている」ということを伝えるために、相手とは少し違った、ラフな格好をすることが多いという。普段ラフな服装の人が堅い服装で来たら、「今日は重要な話があるのだな」と伝わることにもなる。
   

[振る舞い] “外柔内剛”で相手に合わせる

 どのように振る舞えば相手が喜ぶのか、自分を信頼してくれるのかは、相手の価値観を知ればわかると佐渡島氏は言う。相手の価値観は、特別な手段を用いなくても、よく情報を集めれば見えてくる。相手の価値観に合わせて、自分の価値観は前面に出さないことが基本だ。ただし、佐渡島氏も、自分を偽ることはしないと言う。

 価値観の違いは、相手が外国人の場合に、顕著に表われるだろう。外国人に対しては、外国流の振る舞いをするべきなのか。フクシマ氏は、必ずしもそうではないと話す。日本流の慎ましい振る舞いでも、どんどん前へ出ようとする外国人の中で存在感を示すことはできるのだ。

 相手のことを理解し、それに合わせる。ただし、自分の“芯”は崩さない。これが振る舞いのマナーの極意だろう。
   

[話し方] 相手への関心と自分の価値を示す

 作家エージェントの佐渡島庸平氏が言うように、情報をコントロールしようとしない誠実さが、相手と向き合う基本になる。インテル〔株〕社長の吉田和正氏が話すように、ミーティングの趣旨を理解することも重要だ。

 そのうえで、自分が相手に対して興味を持っていることを感じてもらい、自分と会って良かったと相手に思ってもらうことがマナー。そのためには、相手に対して先入観を持たないことが必要だと、フクシマ氏は指摘する。また、三谷氏のように、相手の話の内容を整理して示すことも有効だ。相手に興味を持っていることが伝わると同時に、相手が考えていることをよりクリアにし、相手に気づきを与えることができるからだ。〔株〕資産デザイン研究所社長の内藤忍氏のように、情報を教えたり人を紹介したりすることも大切だ。
   

[贈答] 相手の状況や興味に応える

 マナーが最も気になるのは、対面の場面だろう。しかし、顔を合わせていない場面でのマナーも重要だ。贈答もその1つ。

 内藤氏は、借りは必ず返すことを心がけている。誰に対して、どういう借りや恩があるのかをメモしておき、それに対するお礼をサプライズでするのだ。相手の状況や興味、関心をよく知ることで、相手が最も喜ぶ品やタイミングがわかるという。

 品を贈るときに注意したいのは、相手の好みはもちろん、相手の家族構成だ。三菱地所〔株〕と〔株〕日立製作所の秘書の方々が話すように、家族と同居か、子供がいるかなどによって、ふさわしい品は変わってくる。

 吉田氏は、相手に渡すための自社オリジナルグッズを用意している。他所では手に入らない品は、相手に強い印象を残すだろう。

 

☆ <総力特集・おさらい「ビジネスマナー」>第2部では、もう一度見直したい「マナーの基本」を、西出ひろ子氏(マナーコンサルタント)の監修の下、報・連・相/訪問/携帯電話/ほめる/叱る/反論・指摘/依頼・断り/謝る/接待/スピーチ/SNSの各項目にわたり解説しています。

<掲載誌紹介>

THE21 2013年9月号

<読みどころ>
ビジネスマナーといえば、新入社員研修で習ったきりという方が多いのではないでしょうか。しかし、実際のビジネスの現場では、習ったけれども重要ではないマナー、習っていないけれども重要なマナーがあることに、誰しも気がついているはずです。そこで今月号は、ビジネスの現場の第一線で活躍されている方々に、実践で役立つマナーのポイントを教えていただきました。

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