THE21 » カルチャー&トレンド » 初代「FF」は、とにかく音が凄かった! 飛空艇のプロペラ音から感じた担当者のこだわり
2026年10月19日 公開

(C) SQUARE ENIX
Twitchを中心に活躍するゲーム配信者、ジャンクマンさん。
「レトロゲーム1000本ノック」という壮大な挑戦を掲げ、膨大な数のタイトルを遊び尽くしてきた、筋金入りのゲーム愛好家としても知られています。本連載では、そんなジャンクマンさんに、今なお色褪せない名作の数々をたっぷりと語っていただきます。
第4回は、ファミコン時代から現在まで続くRPGの金字塔『ファイナルファンタジー』(以下FF)に迫ります。当時、社会現象となっていた『ドラゴンクエスト』とは一線を画した、FFの「大人っぽい世界観」について語ってもらいました。

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――ファミコン時代に『ファイナルファンタジー』の1作目をプレイされていたそうですね。当時、どのような印象を持っていましたか?
ジャンクマン: 子供心に「少し対象年齢が高めなのかな」と感じていましたね。天野喜孝先生の手がける美しいイメージイラストの効果もあり、全体から洗練された雰囲気が漂っていたんです。
FFはどこか「大人な感じ」がするRPGでした。ストーリーも「クリスタルを取り戻す」という壮大なテーマで、中学生、高校生と成長するにつれて、その世界観へさらにどっぷりハマっていきました。
――グラフィック面でも、他の作品とは違う凄みがあったのでしょうか?
ジャンクマン: ファミコンのキャラクター表現って、8×8ドットや16×16ドットという非常に限られた領域で作られているんです。天野先生が描くあの綺麗な青年のキャラクターを、わずか2頭身のドット絵に落とし込むなんて、まさに至難の業ですよ。
ドット絵って点描画みたいに一マス一マス色を置いていくんですが、僕自身も昔挑戦したことがあるので、その大変さがよく分かります。ファミコンの少ない色数で天野先生のイラストを見事に表現しきっていたスクウェア(当時)のグラフィック担当者の方々の凄さを、大人になった今改めて実感しますね。
――バトル画面も特徴的だったようですね。
ジャンクマン: そうですね。自分が操作するパーティが画面右側に並び、左側の敵と向かい合う形式でした。巨大なボスが現れたとき、自分のキャラクターとの対比で「敵のデカさや威圧感」がダイレクトに伝わってくるんです。「今、自分は強大な敵と対峙しているんだ」という視覚的な没入感を得られたのは、当時の僕にとってすごく新鮮でした。

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――ジャンクマンさんはどのようなパーティ構成でプレイしていましたか?
ジャンクマン:僕のパーティ構成は「戦士・モンク・赤魔道士・白魔道士」でした。途中でジョブ変更ができない仕組みだったんですが、僕自身「ひとつの職業を極めたい」タイプだったので特に不満もなく、自分とは相性が良いシステムだったと思いますね。
ちなみに格闘家タイプのモンクには、必ず「じゃっき」と名前をつけていました(笑)。当時、週末になるとテレビでジャッキー・チェンの映画がよく放送されていて、月曜日になると学校でみんなカンフーの真似をしていたんですよ。だから格闘家キャラには絶対「じゃっき」。同世代の子供たちはみんなそうしていたんじゃないかな。
――可愛らしいエピソードですね(笑)。そして、当時のモンスターは結構骨太なデザインですね。
ジャンクマン:FF1のモンスターって全然デフォルメされていなくて、可愛げがないんです(笑)。グリーンスライムなんかも、かなりリアル寄りでちょっと気持ち悪い見た目をしている。
なかでも、飛空艇に乗るために必要な「浮遊石」を探しに入った「氷の洞窟」は本当に大変でした。モンスターが強い上に、数も多い。でも、あのリアルで怖いモンスターを乗り越えて浮遊石を手に入れ、ついに飛空艇を入手できた瞬間の達成感と開放感はすごかったですね。

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――苦労して手に入れた飛空艇ですが、乗ったときの感想はいかがでしたか?
ジャンクマン: 演出がとにかく凄かったですね。プロペラが回転するアニメーションはもちろん、特に驚いたのは「音」のこだわりでした。離陸時と着陸時で、異なるプロペラ音が使われていたんですよ。
離陸するときは、停止していたプロペラが徐々に回転数を上げていき、音のトーンが高くなっていく。逆に着陸するときは、高速回転していたプロペラがゆっくり落ちていき、音が低くなっていく。ファミコンの音源でその使い分けを表現していて、子どもながらに「リアルさ」を感じて圧倒されました。音楽やBGMも含めて、FF1は一作目の時点で既に「音」に対する並々ならぬこだわりが詰まっていたと感じます。
FFは、後に『VII』で世界的な社会現象を起こすわけですが、そうした時代を先取りするポテンシャルが初代の時点からありました。ハードの進化とともにFFというシリーズがどう変貌を遂げていったのか、それをリアルタイムで体験できたことは、僕のゲーム人生にとって本当に大きな財産です。
(取材・文:THE21オンライン編集部)
更新:10月19日 00:05