「甕(かめ)を見るな。中に入っているものを見よ」
これもユダヤの教典「タルムード」の教えです。
甕を外からどれだけ見ても、中に入っている物の真価は見えない。だから、外見に惑わされず中身で判断しろ、という意味です。
本当のお金持ちは、いかにもお金持ちっぽいファッションをしていません。その行動によって、外見でしか判断できない人を避けられるからです。
また、投資などをする際も、現状の見た目ではなく、本当の価値である中身を見ています。
私たちは何かに投資するときに「有名な銀行が扱っている」「不動産の見た目が良い」「すでに高価である」「CMやパンフレット、ホームページが素晴らしい」といった外見の要素で、ついつい判断しがちです。
ですが、甕の器がどんなに立派でも、そこに入っている水が少なかったり、腐っていたりしては意味がないでしょう。甕が立派かどうかで投資先を選ぶと、常に損をするのです。
他にもたとえば、本当のお金持ちはベンツを買いません。フェラーリを買うのです。なぜかと言うと、ベンツは買った後すぐに値下がりしやすいためです。
一方、フェラーリは世界中に存在する台数が少ないので値下がりしにくく、逆に値上がりすることも多々あります。
ある投資家は、昔700万円で買った日産自動車のGT-Rを、最近3000万円で売っていました。
またその投資家は腕時計でも、オーデマピゲのニスモという1000万円する超高額な商品を買っていました。希少価値が高い商品だから「いつか値上がりする。値下がりしたとしても微々たるもの」と判断して投資用に購入。実際、4000万円に値上がりしたときに売ったそうです。
そのように、目利きの投資家は、リセールバリューには非常に敏感です。たとえ腰が引けてしまうような高額商品でも、リセールバリューの確度が高ければ、むしろ安全な投資先として怖がることなく購入するわけです。
人付き合いをするときも、「ケタ違いの資産家」の常識は独特です。
すでに出世している人や偉い人に興味がないのです。それよりも、今は無名であっても、将来有望な人と付き合いたがります。安く買って高く売る、これは物だけでなく人でも同じなのでしょう。
スイスで出会った資産家のジュシューも、常にこう言います。
「付き合う人を選ぶときに、お金で見てはいけない、投資先を見るときも、まず人を見るのだ。たとえば、誠実な人柄かどうか。富を分かち合う精神や愛があるかどうか。そして最後に、その事業自体の将来性を見れば良い。繰り返すが、まず最初に信頼に足る人間であるかどうか、それが最も大切なのだよ」
これらはほんの一例ですが、一時が万事、「甕の中身を見て」物事を判断する。それが大富豪マインドなのです。
【戸塚真由子(とつか・まゆこ)】
資産構築コンサルタント。超倹約家の家庭で育った反動で、「お金持ちになる」が小さい時からの夢になる。公務員として勤務した後、民間に転職し、月収800万円を稼ぐ凄腕営業となる。しかし「高収入=お金持ち」ではないことに気付き方針転換。婚活もかねて世界38カ国を行き来し、アメリカ、ドバイ、スイス、アブダビ、モロッコ、モナコ、フランス、イタリア、台湾などで活躍する世界中の大富豪やVIPとの太いパイプを作る。資産家と3回結婚するも、それぞれ離婚を経てバツ3に。ある時、現在の投資の師匠に出会い、資産・収入ゼロからたった3カ月でFIRE達成、4カ月で資産1億円になる。その教えを広めて「1人でも多くのFIREを達成」させるべく資産構築のコンサルティングを行う。
指導した生徒の74%以上を、資産ゼロや3000万円以上のカードローン地獄といった状況から生還させる。口コミで話題となり、海外からの受講者も多数。現在は1年以上のキャンセル待ちに。2022年末に発売された、著書『1年で億り人になる』(サンマーク出版)がわずか4カ月で7万部を突破、2023年注目のベストセラーとなっている。
更新:12月04日 00:05