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同情するなら仕事しろ!情けは別腹な人たち(ウガンダ4)

2019年04月05日 公開
2021年08月30日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(44)石澤義裕(デザイナー)

深夜の交通事故の顛末は……


「お茶でも飲んでけ!」白内障で目がよく見えないおじいさんが、家に招いてくれました。

前号のレポートは、ウガンダの交通事故でした。

乗っていたタクシーに酔っ払い運転の車が突っ込んできて、旅の最終回を迎える寸前だったわけです。

担当警察官はことのほか親身になってくれまして、目に涙を浮かべながら被害届けを書いてくれたけれど、間違いを指摘しても絶対に修正しない頑固な人。

忙しいわけではないです。

ゆーっくりとお弁当を食べる暇はあったし、それに、警察官の給料で3人の子供を育て、キャリアアップのために夜間大学へ通うのがどんだけたいへんかということを滔々と話しながら、さりげなく寄付を募る余裕もあったのです。

それでも誤記だけは直さなかったのは、情にほだされない自分ファーストな仕事ぶり。

関係のない話で時間を稼ぐ技は、日本の上級公務員レベルでした。

っていうか、同情するなら真面目に働け!

誠実に働いてくださいな。

 

2週間後に許可証が切れる。さて、どうする?

妻Yukoに後遺症が残ったので、一時帰国します。

しかし、サクっと飛行機に乗れない大荷物がありまして、軽自動車。

置いて行かざるを得ませんが、車両の一時輸入許可証は2週間後に切れます。

どうしたものかと税関を訪ねたら、彼らもまた、先日の警察官と同じ輩。

同情するなら、◯×□△!

だったのです。

税関は、ひいき目に見ても倉庫にしか見えないオフィス。

「すみません、先日ですね、酔っ払い運転の車がぶつかってきて……」

Oh my goodness!!!!!

いきなり涙目。

「妻が怪我をしたんですよ」

ほら、この写真です、ってスマホを見せます。

Jesus!!!!!

眉間に深〜いシワを寄せて、隙を見せたらハグしてくるんじゃないかってくらいの勢いでして、

「大至急帰国して、手術を受けさせたいのです」

Exactly!

なんだったら飛行機代を出すわよって言いかねないくらいの、I’m sorry!の連発。

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同情すれども仕事はせず >

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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