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		<title>THE21オンライン</title>
		<link>https://the21.php.co.jp/</link>
		<description>お金、キャリア、そしてこの先…悩みの尽きない日々を諦めていませんか？ 「THE21オンライン」は今日からあなたを変える話題をお届けします！</description>
		<dc:language>ja</dc:language>
				<copyright>Copyright PHP研究所　All rights reserved.</copyright>
		
				<pubDate>Tue, 05 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
						
				<item>
			<title>「社債は借金」本質から考える、本質へ踏み込む、松下幸之助創業者の価値判断力を思い知らされた言葉の数々  川上徹也（元松下電器産業副社長）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14179</link>
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			<description><![CDATA[松下電器産業のCFO（最高財務責任者）を務めた川上徹也氏が、創業者・松下幸之助の経営センスを目の当たりにした実体験について語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「実践経営経理」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_MatsushitaKinenhi.jpg" width="1200" /></p>

<p>世界経済が今、揺れている。およそ半世紀前のオイルショックが想起される。その頃、松下幸之助は日々の経営にどうあたっていたのか。自身の若手時代の記憶の中にある、創業者の経営哲学について、語ってもらった。</p>

<p>※本稿は、川上徹也著『実践経営経理　君はまだ松下幸之助を知らない』（PHP新書）の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>オイルショック後、成長拡大期にみせた幸之助創業者の経営センス</h2>

<p>もう半世紀も前の、1975年12月のことです。松下電器が、米国ドル建てで一億ドルの転換社債を発行したのですが、この際に米国の二大格付機関の会社から「AA」「Aa」という非常に高い評価を受けています。</p>

<p>その理由として3点が挙げられたといいます。一つは財務内容。次に業界に占める地位の高さ。そして最後に経営力だったそうですが、幸之助創業者はその評価に喜びつつも、ルイス・ランドボルグ（バンク・オブ・アメリカ元会長）との共著『日米・経営者の発想』の中でこう述べています。</p>

<p>「財務内容のよさとか業界における地位の高さとかは、あくまで結果にすぎず、それらを生み出す根源は経営力にあると思う」</p>

<p>2年前のオイルショックで日本全体が瞬間的なパニックに陥り、危機に陥る企業もあった時期のことです。</p>

<p>また、（当時、今でいうCFOの立場にあった）樋野正二さんによると、その後の79年、当時の国内金融市場では画期的な出来事として称賛されたという完全無担保転換社債の発行に際して、その適債基準を満たす企業といわれたのは、トヨタさんと松下電器だけだったといいます。</p>

<p>ただ、この時期の幸之助創業者が、社内の会合で発したとされている非公式の言葉を聞き及んで、私は「創業者らしさ」を感じつつ、畏敬の念を高めることになりました。</p>

<p>メインバンクの住友銀行（当時）で松下の社外取締役をつとめた方から伝えられている逸話ですが、その社債について「樋野君、高評価と言っているが、それは借金やろ」とコメントされたというのです。</p>

<p>社債や外債といったものは、換言すれば、確かに「借金」です。付帯する条件面での違いはあっても、借金であることには変わりはありません。</p>

<p>時局が激変した際の借金の怖さ、キャッシュがなくなるというリスクを、創業者は長年の経営体験により、肌感覚でわかっていたのでしょう。</p>

<p>そして、「商品は金と同じだ」という現場で叩き上げて身につけた幸之助創業者の商売観も今でも通用する考え方です。お金を生むもとにもなれば、お金を減らすもとにもなるという認識がその前提にあったと考えることができます。</p>

<p>世間の高い評価に浮かれ、有頂天になりかねない組織の雰囲気を引き締める意味もあったとは思いますが、それ以上に、お金に対する考え方、真剣味を共有する効果もあったはずです。そして幸之助創業者のいう「経営力」とは、時代の変化に適応していく力（そこに資金調達力も含まれる）でもあるということを、私は確信しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>体験を通してこそ、仕事の本質がつかめる</h2>

<p>ここでさらに時をさかのぼり、1960年代後半の、私の新人・若手社員時代の仕事のことを思い出してみます。</p>

<p>まず当時の松下電器のブランド名といえば、ナショナルです。専売の販売店は全国津々浦々にあり、ナショナルショップといいました。そのショップ店での販売実習を9月いっぱいで終えると、生産現場の実習として、電池事業本部の灯器事業部にいくことになりました。</p>

<p>ランプなどをつくるこの灯器事業は、二股ソケットと並んで、創業期からの伝統ある事業の一つですが、当時の灯器事業部は、自転車発電ランプと乾電池応用機器をつくっている小さな事業部でした。</p>

<p>プレス工場があり、そこで生産現場の社員と「孔（あな）あけ」の出来高を競争したとき、一日かけて私がつくった分がすべて不良だったという事件を起こしたこともありました。</p>

<p>ものづくりの奥深さを身をもって体験する中、組み立てラインにも入り、メッキ、蒸着などの大変な作業工程も体験しました。</p>

<p>この灯器事業部での実習を終えて、正式配属に向けた役員面談を経て、1966年3月、私は電池事業本部の乾電池事業部経理課に配属されました。そして、乾電池事業部の次の私の異動先は、灯器事業部でした。</p>

<p>最初は、創業期以来の事業である発電ランプ工場の経理担当になりました。工場全体の決算作業を担うのが仕事です。当時の灯器事業部には、製品群が全く違う工場が3つあり、経理も大変で、月次決算では毎回1、2日は徹夜する状況でした。</p>

<p>原価計算から、工程ごとの材料収支、製品収支など、やることはたくさんありましたが、その頃の発電ランプ工場は、慢性的に赤字の経営状態でした。それでも、新しく芳中實さんという方が工場長になり、収支の改善が進み始め、赤字解消までもう一歩というところまできていました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>正しい価値判断で、数字の向こうに一歩踏み込んでこそ</h2>

<p>ある月次決算の日のこと、その芳中工場長から「決算の数字がまとまったら、どんなに夜遅くなってもいいから、家に電話をくれ」と言われました。ようやく決算作業を終え、「あと一歩でしたが、今月も残念ながら10万円の赤字でした」と報告すると、「家に帰らず、待っとけ」と命じられました。</p>

<p>決算の中身を縷々説明する中で、配賦費という項目に話が及ぶと、芳中さんは、「そこを見直せないか！」と言うのです。</p>

<p>間接部門の共通費用は一括で計上し、一定の基準で現場に比例配分していて、これを配賦費と呼ぶのですが、その配分比率を変更できないかということでした。</p>

<p>私は即座に「それはできません」と答えました。現代の高度にシステム化された経理であれば、正解を言っているのは芳中さんでなく私のほうです。</p>

<p>しかしよく考えると、配賦費の基準はもともと正確無比なものではなく、形式的に分けている面もあって、完全なる合理性が貫かれた数値ではないのです。</p>

<p>そこで、上司の主任とともに徹夜をしてその基準を見直したところ、なんと工場の決算は30万円の黒字になったのです。経営の観点から見た数字の本質に触れる経験でもありました。</p>

<p>私はこの時期、決算数字が改善するたびに事業部内が活気づいていったのを目の当たりにしました。</p>

<p>決算は社員の汗の結晶であることを再確認するとともに、数字への視点を変えるだけで、違う決算ができるという貴重な体験を学び得たばかりか、仲間と目標達成の喜びをわかち合うこともできたのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>製品から商品へ――幸之助創業者の鋭い質問と言葉の数々</h2>

<p>若くして事業部長になられた芳中さんとは、こんな思い出もあります。私はかばん持ちのような形で同道し、とうとう幸之助創業者と直接会う機会を得ました。それは、夜釣りをするときに光る「電池浮き」の新製品を持っていったときです。</p>

<p>芳中さんがその特長などを幸之助創業者に説明すると、創業者は、電池浮きの部位を一つひとつ手にとって、「この部品の原価はなんぼや」「重さは何匁や」「材質は何や」と矢継ぎ早に質問されたのです。</p>

<p>芳中さんも内心は冷や汗ものだったかもしれませんが、てきぱきと回答をしていました。この新製品がお客様に本当に喜ばれ、世の中の役に立てる商品になれるか――。製品から商品へと移行するための最終確認のように思えました。</p>

<p>「商品が語りかけてくる」とか、工場の作業場には「正しい雑音」や「不良品ができている雑音」があってそれがわからないようではいけないといった言葉も、幸之助創業者は残しています。</p>

<p>製品づくりと商品づくりに対する正しい価値判断ができるかどうか―。幸之助創業者に学ぶべき基本的かつ最重要の視点だと私には思えてならないのです。</p>

<p>例えば、「原価」という数字についていえば、その裏や奥にも、様々な人の汗があるわけです。ですから、私はその「原価」が成果へとつながるように、決して「幻価（げんか）」にしてはならないように、経理が「事前に」「厳密に」管理することの必要性をよく説いていました。</p>

<p>原価が成果に結びつくように、目を光らせる。そのいわば直接部門をアシストする影働きこそ、間接部門である経理（経営経理）の仕事の根幹的なものであり、また、そこに仕事の醍醐味があると私は思うのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 05 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[川上徹也（元松下電器産業副社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜか部下の話を聴くのがうまい上司。その秘密は｢without judgment」の姿勢にあり  篠田真貴子（エール[株]取締役）、岩田彰一郎（[株]フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役CEO）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14215</link>
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			<description><![CDATA[4,800億円企業のアスクルの創業者であり、初の著書も発売された岩田彰一郎氏。オンライン1on1サービスを提供するエール㈱取締役、篠田真貴子氏との特別対談。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「THE21」岩田彰一郎×篠田真貴子" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202606IwataShinoda.jpg" width="1200" /></p>

<p>アスクル㈱の創業者であり、初の著書『起業家になる前に知っておいてほしいこと』を3月に上梓した岩田彰一郎氏とゲストとの対談企画第2回。今回は、エール㈱取締役の篠田真貴子を迎え、理想とする組織のかたちとは何か、そしてそれを実現するために経営者にできることについて語り合ってもらった。（取材・構成：杉山直隆、写真撮影＝江藤大作）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2026年6月号の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>話を聴くときは｢without judgment」で</h2>

<p>【篠田】岩田さんのお話をおうかがいしていると、「人」をすごく大事にされていると感じます。ご著書で言及されていた「陰陽師の術」も印象に残りました。「囲い込み」や「ターゲット」という言葉を使わないというのは、すごく良いことですね。</p>

<p>【岩田】自分がお客様の立場になったときにそう言われたらいい気持ちはしませんし、普段から使っていると、言っている自分自身が毒されてしまいます。言葉にはすごく力がありますからね。</p>

<p>【篠田】大企業の管理職の方々とお話をする機会が多いのですが、よく「部下の本音を引き出したい」とおっしゃるんです。でも「引き出すなんて、こんな失礼な話ありますか」といつも思います。そこで「皆さんが部下だとしたら、上司に自分の本音を引き出されたいですか？」と聞くのですが、特に反応もなく、不思議そうな顔をされてしまいます。</p>

<p>【岩田】それが多くの人の感覚かもしれませんね。</p>

<p>【篠田】お客様も部下も皆さん「人」ですから、「人としてどうおつきあいするとお互いに気持ちが良いか、失礼がないか」を考えることが仕事上でも大事だと思うのですが、そこが抜け落ちている管理職の方は残念ながら少なくないと思います。</p>

<p>また「部下の話をもっと聴けるようになりたい」というご相談もよくいただきますが、「どういう問いかけをしたらいいですか」「腕を組んで話を聴いちゃいけないんですよね」といったハウツーを気にされる方がすごく多い印象があります。</p>

<p>それも大事ではあるのですが、もっと大事なのは、その手前のあり方。自分と違う考えだったとしても否定しないで、部下が見ている景色を一緒に見るように話を受け取ってみる姿勢が何より大事だと考えています。</p>

<p>【岩田】話を聴くのは難しいですよね。自由に意見を言っても大丈夫だと思ってもらえるように普段から怒らないようにしていましたし、意見を言われたらしっかり聴くようにしていましたが、アスクルで働いていた人たちがそう感じていたかどうかはわかりません。</p>

<p>【篠田】私は「聴く」をテーマにした講演をしているのですが、そのときによくお話ししているのが｢without judgment」の大切さです。人は、相手の話をしっかり聴こうと思っても、つい自分の考えや価値観と照らしながら聴く「with judgment」な姿勢になりがちです。すると話の内容をジャッジする雰囲気が出るので、相手も話しにくくなります。</p>

<p>今日お話しさせていただいた印象では、岩田さんはまさに「without judgment」の実践者だと思ったのですが、いかがでしょうか。</p>

<p>【岩田】私がどこまでできているかはわかりませんが、「すべての人はフラットであり、イコールパートナーである」という意識は常に持っています。もし聴く力が多少でもあるとしたら、そう心がけているからかもしれません。</p>

<p>【篠田】イコールパートナーという考え方は、社員の皆さんを大人扱いしていることだと思うのです。また、実は厳しい世界だとも思います。社員を子ども扱いする会社は「自分で考えられないでしょ？だから会社がルールをつくって、上司が全部決めてあげますよ」とルールで縛りつけますが、このほうが社員は考えなくていいのでラクですからね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>データだけで物事を判断するのはリスクが高い</h2>

<p>【篠田】先ほどの言葉遣いの話と重なりますが、WEBマーケティングの世界には「生け簀（いけす）」という言葉があり、「客をこの生け簀からこの生け簀に移す」みたいに使うそうです。</p>

<p>【岩田】ひどい。</p>

<p>【篠田】どうかと思いますよね。生身の人間というよりデータから抽象化した塊（かたまり）を導き出して、「この塊にもっとクリックさせるためには」と考えるようなのです。</p>

<p>言葉遣いも問題ですが、ここでもう一つ問題なのは「データを見て、表面的に物事を判断する」ことです。</p>

<p>HR（Human Resources）の世界でも、同じようなことが起きています。従業員の満足度調査によって導き出されたデータを見て、｢問3と問18がベンチマークに比べて低いから、対策を打ちましょう」などと短絡的に判断してしまうのです。</p>

<p>本当は、データを見たうえで「問3を低く答えがちな人とはどういう人？」「問18を低く答えがちな人とは？」と背景や文脈を丁寧に見ないと本当のところはわからないし、的確な手も打てないのですが、それをしないのです。</p>

<p>【岩田】データだけで物事を判断するのはリスクが高いですね。それに気づいたのは学生時代。ご家庭に訪問してアンケート調査をするアルバイトをしていたのですが、適当に答えている人が案外多いことや、ひどいときには調査員が自ら書いていることを知り、マスデータを信じなくなりました。アスクル時代、販売データだけで判断せず、お客様に実際にお会いしてお話をうかがうのを大事にしていたのも、そのためです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人間について深く考えることがビジネスにとっていかに大切か</h2>

<p>【篠田】リアルなお客様を見ることが大事なのですね。</p>

<p>【岩田】また、従業員の満足度調査はアスクルでも取っていたのですが、データだけで判断することはしませんでした。先ほど社内をウロウロしていたとお話ししましたが、「この部門、雰囲気が悪いな」「ここはみんな元気がいいな」といったことがなんとなくわかるんですよね。</p>

<p>そうやってリアルとデータの両方を見て初めて、「あそこの部門、このデータがこういう結果になったのは〇〇が原因かもしれないな」といったことが立体的に見えてきます。</p>

<p>データを参考にすることは決して悪いことではありませんが、ビジネスに活用するにはデータを翻訳して、「人間」として見ることが大切だと思います。そのためには人間について深く知ることも必要ですね。</p>

<p>【篠田】岩田さんのご著書を拝読して思ったのは、常に「人間とは何か」と考え続けていることです。ビジネスにとって非常に大切なことだと思うのですが、今の若い方々が現場で賢いやり方として教わっているのは、残念ながらデータを表面的に見ることのほうかもしれません。</p>

<p>マーケティングの世界は、データに基づいて行なった施策が売上や利益などの数字にダイレクトに現れるので、施策の失敗に気づきやすいのですが、HRの世界はそうはいきません。施策を失敗しても、数字によるフィードバックがかかりにくく、社員が簡単にやめないので、データを読み違えていることにいつまでも気づきにくい面があります。だからデータによる悪影響が大きいのです。</p>

<p>岩田さんのご著書を通じて「人」についてどれだけ深く考えるかが、ビジネスにとっていかに大切かが伝わればいいなと思っています。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 05 May 2026 06:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[篠田真貴子（エール[株]取締役）、岩田彰一郎（[株]フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>14歳で将棋奨励会入会の中国人が挑む アニメ業界の「監修」を効率化するAI  張鑫（AI Mage[株]代表取締役CEO）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14137</link>
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			<description><![CDATA[AI Mage㈱は、生成AIを活用したIPビジネスを展開している。張鑫社長が思い描く、アニメ産業の持つ可能性について解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「THE21」張鑫氏" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/202605Cho01.jpg" width="1200" /></p>

<p>AI Mage㈱代表の張鑫社長は、生成AIを活用したIPビジネスの効率化が、日本文化の多様性を支えると主張する。かつて、将棋棋士を志していたという張社長の生い立ちも交え、語ってもらった。（取材・構成：川端隆人）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2026年6月号の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「監修」の属人化がIP活用のボトルネックに</h2>

<p>――アニメ業界で生成AIを活用するというと、アニメの映像をAIで生成するという発想になりがちだと思います。しかし、御社のAGI（Anime General Intelligence)はまったく違います。</p>

<p>【張】私たちのお客様になるのは、アニメの制作スタジオや、アニメのIP（知的財産）を保有し、グッズなどの商品化をする権利を持っている会社、例えばテレビ局などです。</p>

<p>IPビジネスにおいては、「キャラクターを正しく使えているか」を確認する「監修」と呼ばれる作業が不可欠です。しかし、これがワークフロー上のボトルネックになってしまいがちです。</p>

<p>例えば、グッズに描かれているキャラクターの髪の長さは設定と合っているか？髪の色はどうか？瞳のサイズは？手に持っている道具を他のキャラクターと混同していないか？こういうポーズはキャラクターのイメージを損ねないか？こういったチェックはグッズなどを作る際に必ず必要で、とても厳しい。1件につき100個ほどのチェックポイントがあることもよくあります。</p>

<p>そのチェックを誰がやるかといえば、その作品について何でも知っている、経験豊富なスタッフです。</p>

<p>監修のノウハウは、一部の担当者の中に属人化してしまっているのです。</p>

<p>そのため、監修担当者のキャパシティが逼迫していると新たな企画を受け入れられなかったり、人気のある作品なのに積極的な商品展開ができなかったりといった、機会損失が起きています。</p>

<p>今後も監修における最終的な判断は人間がすることになるでしょう。ただ、AIが事前にチェックすることで、人間の作業を効率化することが可能です。それが、当社のAGIのユースケースの一つ、「監修システム」です。</p>

<p>これに加えて、アニメの制作工程でイメージ共有をスムーズにする「参考図検索エンジン」や、二次利用に関心がある人を効率的に探し出してアプローチする「ライセンスプラットフォーム」というプロダクトも展開しています。</p>

<p>――まさに、作品を深く理解し、必要な情報を集めてくれる「アニメオタクなAI」というわけですね。2025年10月に「監修システム」の&beta;版がリリースされました。</p>

<p>【張】お客様と話しながら、より良いものを作っている段階です。監修業務は幅広く、ワークフローが多いので、全部に対応するのにはもう少し時間がかかりそうです。</p>

<p>属人化しているノウハウだけに、現場によってワークフローの違いもあり、それにも対応していく必要があります。</p>

<p>海外展開する場合だと、翻訳が正しいかどうかの監修も必要です。また、商品を発売する国の文化や宗教も考慮して、表現として問題ないのかなど、チェックする項目がさらに増えます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>IPビジネスの効率化は作品の多様性にもつながる</h2>

<p>――AGIによって、アニメビジネスの海外進出も加速されそうですね。</p>

<p>【張】海外も含めて、グッズなどのIPビジネスをより広く展開ができる見込みが立てば、制作できるアニメの数も増えると思います。</p>

<p>作品によりますが、1クール（3カ月）のテレビアニメを作るのに、だいたい4億円かかるとも言われます。それだけの投資が回収できる見込みが立たないと、そのアニメは制作できないわけです。</p>

<p>監修を効率化することでIPビジネスのロードマップが見えやすくなれば、従来なら「資金回収が難しそうだから」と見送られていたアニメの企画も通るようになる可能性があります。</p>

<p>――作品や表現の豊かさにもつながっていくわけですね。</p>

<p>【張】ご存じのように、生成AIの進化によって、アニメーション動画を作るだけなら誰にでもできるようになる時代が近づいてきています。だからこそ、これから価値を持つのは卓越したセンスであり、新しいものを作り出そうという姿勢です。</p>

<p>そうした価値を持っている作り手たちを支えるというのが、私たちのスタンスです。</p>

<p>――張CEOはもともと将棋棋士を目指していたとか？</p>

<p>【張】小学生1年生のとき、たまたま日本の文化を学ぶ機会があって、そこで将棋に触れたのがきっかけです。すごく面白くて、はまりました。</p>

<p>その後、日本の奨励会という制度を知って、海外在住の外国人として初めて入会試験に合格しました。そうして日本に来たのが14歳のときです。</p>

<p>AIとも、将棋を通じて出合いました。将棋AIのPonanzaがプロ棋士に勝つなどして注目を集めていたので興味を持ち、AI研究で有名な東大の松尾豊教授の研究室に入りました。</p>

<p>――アニメ業界で起業した経緯は？</p>

<p>【張】学生時代からアニメ制作スタジオと連携して共同研究をしていて、本当に大変な現場だということがわかりました。そこで、アニメ業界でAIが正しく使われる方法を見つけて、現場に貢献したいという思いがありました。</p>

<p>そもそも、アニメが好きだったこともあります。僕の周りの留学生にはアニメが好きで日本に来ている人も多いです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>世界に「希望」を伝えるアニメというメディア</h2>

<p>――アニメの可能性について、海外からの視点だからこそ気づく部分もありそうですね。</p>

<p>【張】アニメは日本の中でも一番大事な産業の一つだと思います。</p>

<p>例えば、海外でアニメの海賊版が横行していたり、あるいは、アニメのグッズの買い占めや転売が問題になったりといったニュースを、皆さんもご覧になっていると思います。これは、アニメという産業のマーケットのポテンシャルがまだまだあるということでもあると思います。IPを持っている権利者にきちんとお金が還元されるようになれば、アニメ業界にも、日本経済にも、好影響を与えるはずです。</p>

<p>また、生成AIの進歩はIPの価値をもっと大きくするはずです。わかりやすい例を挙げると、キャラクターが動く、キャラクターと会話ができるといったタイプのグッズは、技術の発展でより増えていくでしょう。つまり、コンテンツを楽しむ方法自体が技術の進歩で発展するわけです。</p>

<p>日本でIPを持っている企業が、その市場を本気で取りに行くとなったとき、当社は、技術を携えて伴走できる存在でありたいですね。</p>

<p>――最後に、今後の展望を教えてください。</p>

<p>【張】直近の5年では、日本のアニメ業界が正しくAIを使って、保有するIPの価値を最大化しようとするとき、まず思い浮かぶのが当社であるようになることを目指しています。</p>

<p>日本だけでなく、グローバルからAIのトップレベルの研究者を集めているのも、「あそこなら間違いない」という会社にしていきたいからです。</p>

<p>50年後、100年後の展望となると、当社のビジョンともつながってきますが、アニメ、物語を通じて、夢を世界中に届けたいです。</p>

<p>子どもたちに希望を届けるという意味で、アニメは優れたメディアです。</p>

<p>世界には、貧しい地域もあれば、戦争をしている地域もあります。そこに住む子どもたちがアニメを観て、グッズを手にすることを通じて未来に希望を感じる。そういうことは現実に起きています。</p>

<p>アニメにはそういう力がある。そのインパクトを、世界に届ける手助けができたらいいなと思っています。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/202605Cho01.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 04 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[張鑫（AI Mage[株]代表取締役CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>善意でもアウト！ その褒め言葉、もう通用しません  山本渉（マーケティング会社統括ディレクター）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14124</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014124</guid>
			<description><![CDATA[複数のマネジメント書籍を出版している山本渉氏が、ハラスメントにならない褒め方について語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「できるリーダーはどこをほめるのか」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_harassment.jpg" width="1200" /></p>

<p>「自分では褒めたつもりなのにハラスメントだと思われてしまった......」そんな苦い経験をした人も少なくないだろう。では、どう褒めればハラスメントにならないのだろうか。解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、山本渉著『できるリーダーはどこを「ほめる」のか？』（朝日新聞出版）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ハラスメントにならない褒め方</h2>

<p>「最近は何を言ってもハラスメントになる気がして、うかつに褒められない」。そんな声を聞くことがあります。確かに、善意で発した言葉が相手を不快にさせてしまうことはあります。でも大丈夫です。時代にあった褒め方を習得すればいいだけのことです。</p>

<p>褒めること自体は、相手を認め、信頼関係を深める大切なコミュニケーションです。大事なのは、時代や価値観の変化をふまえてアップデートすることです。ここでは、ビジネスシーンにおいて避けるべき褒め方と、代わりにどのような伝え方が適切なのかを具体的にご紹介します。</p>

<p>まずは、ビジネスシーンで明確にNGとなる例です。「そんなことするわけないでしょ」と思うかもしれませんが、確認の意味でご覧ください。</p>

<h3>&times;NG「外見を褒める」</h3>

<p>たとえば、「痩せたね」「最近、肌きれいだね」といった容姿に関するコメントは、たとえポジティブな意味合いでも絶対に避けましょう。あなたの恋人やパートナーなど、プライベートな関係であれば許されるかもしれませんが、ビジネスの場では適切ではありません。</p>

<h3>&times;NG「年齢や性別に絡めて褒める」</h3>

<p>「女性なのにハードワークすごいね」「紅一点でチームに貢献してくれた」「20代でこの成果は立派だ」といった表現は、相手の属性に焦点を当てているので、差別的と受け取られてしまいます。「多様性のある視点ですね」「限られた経験の中で素晴らしい成果です」というように言い換えれば、属性を意識させず、より公平な評価として伝わります。続いては、つい無意識に使ってしまいがちな、注意すべき褒め方です。</p>

<h3>&times;NG「他の人と比較して褒める」</h3>

<p>他者と比べる褒め方は注意が必要です。「先輩の佐藤くんよりも成績がいいね」と言えば、褒められた本人は気にしないかもしれませんが、比較対象となった人が知ったら不快に感じて、ハラスメントと映る可能性があります。「比較褒め」はチームの雰囲気を悪化させる要因にもなります。あくまでも個人の成長に目を向けましょう。</p>

<h3>&times;NG「上から目線で褒める」</h3>

<p>「やっと一人前になったな」「企画書の出来、悪くはないね」といった言い回しは、相手を見下している印象を与えます。上司や先輩という立場であっても、決して「自分が上で相手は下」という態度は取らないようにしましょう。リーダーやマネージャーはあくまで役割であり、相手を尊重する姿勢が重要です。</p>

<h3>&times;NG「圧迫褒め」</h3>

<p>「君は能力があるから、必ず契約を取ってこれるよね」「君は会社や上司に意見しないからえらいね」これらは褒めている体裁を取った圧迫です。相手を追い込んでいないかに気をつけて、言葉の温度感に注意して褒めていきましょう。自分の都合のいいように相手を動かすのではなく、相手の成長につながるかどうかという基準を持つことが大切です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>NG例をたくさん並べてしまいましたが、褒めることそのものを否定する意図は決してありません。むしろ、褒めることは信頼関係を築くうえで欠かせない重要な技術です。</p>

<p>時代に合った正しい褒め方は、組織作りを支える強力なスキルにもなります。属性ではなく「その人らしさ」を見つめることで、多様性を重んじる今の時代に沿った、より響く承認の言葉となります。臆することなく、自信を持って積極的に褒めコミュニケーションを取っていきましょう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 04 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山本渉（マーケティング会社統括ディレクター）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>未知を脅威ではなく、伸びしろと見なす覚悟  『他者といる技法』【書評】  大村壮太（作家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12274</link>
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			<description><![CDATA[ビジネスパーソンのスキル向上に役立つ書籍『他者といる技法』（中央公論新社）について紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="書籍紹介" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmember.jpg" width="1200" /></p>

<p>日々、多忙なビジネスパーソン。限られた時間の中で、いかに効率良く知識や教養を身につけるかは、常に頭を悩ませる問題だろう。本連載では、そんな悩みを抱えるビジネスパーソンに、スキル向上に役立つ書籍を厳選してご紹介する。今回は、奥村隆著&nbsp;『他者といる技法』（筑摩書房）を取り上げる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>&nbsp;『他者といる技法』</h2>

<p><img alt="他者といる技法" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250428Omurasota01.jpg" width="1200" /></p>

<p>会議で思わぬ異論が飛び出すと、私たちは反射的に「要するにこういうことだよね」と要約し、発言者をわかりやすい箱へ押し込めがちだ。議論は滑らかになるが、切り落とした余白の中にこそ、組織の伸び代や新規事業の芽が潜んでいる。</p>

<p>奥村隆『他者といる技法』は、この&quot;速すぎる理解&quot;が失わせる世界の厚みを、承認・アイデンティティ・葛藤という三枚のレンズで照射する。初版は1998年ながら、リモート環境と多様性が摩擦をむき出しにする現代にこそ、再読すべき書である。　</p>

<p>本書が描く社会は、主体同士が互いに承認を授け合うことで編まれる連帯の場だ。承認とは「あなたはここにいていい」と告げる行為で、贈与を受け取った側はその鏡像をもとに自己像を整える。しかし承認の担い手には拒絶の自由が残るため、交換のたびに摩擦――すなわち葛藤――が生じる。</p>

<p>私たちは不安に耐えきれず、相手の主体性をほどよく縛る小型ツールを起動させる。レッテル貼り、内心の決めつけ、役割の固定化。奥村はこうした日常的操作を「他者といる技法」と命名し、家庭・メディア・公共空間で作動する具体例を緻密に採集してみせる。</p>

<p>技法は円滑さを生む潤滑油だが、同時に相手を「わかった気にさせる」ことで安心を供給し、その分だけ世界の厚みを奪う。多様性を謳う企業が最終局面で少数派の提案を「あなたらしい視点」に縮減し、予定調和で完結する光景は珍しくない。</p>

<p>奥村が導入する「動機の語彙」という概念を手がかりにすれば、行為を正当化する言葉の選択そのものが相手の主体性を縛る装置へ反転する構図が見えてくる。語彙が固定化した組織では異質な動機が排斥され、イノベーションの芽が早々に摘み取られる。外資系でダイバーシティ研修を担当する知人が「多様性を標榜した瞬間、かえって発言が型にはまった」と嘆いていたが、その仕組みが本書を読むと腑に落ちる。</p>

<p>では矮小化をやめたとき何が残るのか。奥村が差し出すオルタナティブは、理解や一致をいったん保留しながら隣に立つ姿勢だ。私はこれを&quot;宙吊り&quot;と呼びたい。相手をカテゴリーに閉じ込めず、承認すら棚上げし、名付けようのない状態で時間を共有する。その結果、他者は操作対象ではなく未知のままのパートナーとして立ち現れる。</p>

<p>ビジネスに引きつければ、結論を急がず揺らぎを許容するリーダーシップや、「ノイズ」と見える異質な意見を保留できる心理的余裕がここから導かれる。現場のケーススタディでも、問いを留め置いた時間が後に製品の劇的改良へ転化した例が報告されている。</p>

<p>もっとも距離をゼロに縮めればいいわけではない。著者は終盤、濃密すぎる関係が生む相互依存の罠を警告する。心理的安全性を掲げてチームを家族化し過ぎると、暗黙の同調圧力が膨張し、新参者が息苦しさを抱える。</p>

<p>宙吊りとは未知を放置する勇気であると同時に、過度な密着を戒める冷静さでもある。適度な距離を可動域として維持し、対話を更新し続ける仕組み――たとえば短期プロジェクト単位のロールスイッチや、業務外の&quot;ゆるい勉強会&quot;――は、本書の示唆を組織へ移植する実践策といえる。</p>

<p>ここで改めて&quot;宙吊り&quot;を掘り下げよう。承認の交換が社会生活に不可欠である以上、私たちは他者を一度像として仮固定し、その像を承認するよう求められる。しかし固定した像は必ず他者を捉え損ねる。本書が開くのは、像の揺らぎを契約として引き受ける道だ。あなたがどんな姿に変わっても私は問い続ける――その約束こそ根源的な承認であり、&quot;宙吊り&quot;の共存を支える梁になる。</p>

<p>組織に置き換えれば、これは人格よりプロセスを、成果より探索を評価する文化である。短期KPIに追われ未知を切り詰めがちな現場こそ、「まだ分からない」を肯定する時間が必要だ。未知を排除した組織は学習を止め、最終的に競合より遅れてしまう。奥村の議論は、効率化に疲弊し革新が伸び悩む職場への処方箋として響くだろう。</p>

<p>ページを閉じると、自分がどれほど安易に「他者の取扱説明書」を書こうとしていたかに気づき、少し言葉を飲み込んでみたくなる。理解を保留し、承認を棚上げする時間は摩擦を増やすようでいて、長い目で見れば学習と創造のインキュベーターとなる。</p>

<p>未知を脅威ではなく伸びしろと見なす覚悟――それが奥村隆の投げかけであり、&quot;宙吊り&quot;のまま隣に立つ勇気を取り戻すことこそ、明日から私たちが実践できる&quot;他者といる技法&quot;の核心である。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 04 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大村壮太（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>アスクル創業者が20年欠かさなかった「週1朝礼」...急成長を支えたのは社長自身の&quot;自分との戦い&quot;だった？  篠田真貴子（エール[株]取締役）、岩田彰一郎（[株]フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役CEO）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14212</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014212</guid>
			<description><![CDATA[4,800億円企業のアスクルの創業者であり、初の著書も発売された岩田彰一郎氏。アスクルの組織づくりに強い関心を持っているというエール㈱取締役、篠田真貴子氏との特別対談。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「THE21」岩田彰一郎×篠田真貴子" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202606IwataShinoda.jpg" width="1200" /></p>

<p>アスクル㈱の創業者であり、初の著書『起業家になる前に知っておいてほしいこと』を3月に上梓した岩田彰一郎氏とゲストとの対談企画第2回。今回は、エール㈱取締役の篠田真貴子を迎え、理想とする組織のかたちとは何か、そしてそれを実現するために経営者にできることについて語り合ってもらった。（取材・構成：杉山直隆、写真撮影＝江藤大作）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2026年6月号の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>アスクルを成長させた｢ラグビー型組織｣とは？</h2>

<p>【篠田】私も小さな会社の経営陣の一人として、経営の難問に日々直面しているので、ご著書の内容は共感することばかりでした。アスクルが成長した理由の一つは、「ラグビー型組織」にあるそうですね。</p>

<p>【岩田】はい、「ラグビー型組織」とは、会社組織をスポーツの組織にたとえたとき、ラグビーのチームのように社員が働く組織のことです。</p>

<p>野球は、守るポジションが一人ひとり決まっていて、自分のポジション以外の仕事はほぼしないスポーツですよね。それに対し、ラグビーはいちおうポジションが決まっていますが、選手たちがその時々の状況に応じて、ポジションにこだわらず臨機応変に動くスポーツです。</p>

<p>例えば、相手選手が混戦から抜け出してトライゾーンに迫っていたら、ポジションに関係なく追いかけてタックルをしにいきます。「私はこういうポジションだからタックルはしません」などという選手はいません。攻撃の際もメンバー全員でスクラムやパスなどでボールを前に運んでいき、全員の力でトライを目指します。</p>

<p>【篠田】転じて、会社でも、社員がポジションにこだわらず、臨機応変に動くことで、全員の力でトライを目指すというわけですね。</p>

<p>【岩田】その通りです。会社がどういう状況かを把握しながら、今何をすべきか、何が必要かを、社員一人ひとりが考えて自由に動く組織がラグビー型組織です。必要ならばポジションの枠を超えて仕事をします。皆で助け合って、自分の弱みや足りないものを皆が補完し合う。このような組織を実現したことが、アスクルの成長の原動力になりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢サザエさん症候群｣になりながら週1回の朝礼を20年以上継続</h2>

<p>【篠田】ラグビー型組織は多くの経営者にとって理想的な組織だと思いますが、つくりあげるのは簡単ではありません。アスクルではどのようにつくりあげたのですか。</p>

<p>【岩田】会社や部署が置かれている現状がよくわからなければ、自分で判断して行動することはできません。また当事者意識も湧いてこないでしょう。そこで、良いことも悪いことも、会社の現状に関する情報を全社員と共有するようにしていました。</p>

<p>【篠田】具体的には何をされていたのですか？</p>

<p>【岩田】メインは毎週月曜の朝礼です。この場で、私から直接、社員に様々な情報を伝えるようにしました。「今、どの部署でどんなことを進めているのか」といった現状報告や、お客様から褒められたことやお叱りを受けたこと、「お客様のために進化する」という理念を体現しているエピソードなどを共有するのです。かれこれ20年以上続けました。</p>

<p>【篠田】毎週毎週お話をされるのは、さぞかし大変だったと思います。</p>

<p>【岩田】はい、すごいプレッシャーでした。朝礼の出席は義務付けていなかったので、私の話がつまらないとそのうち誰も来なくなりますから。</p>

<p>【篠田】毎週、朝礼をしていると、社員の皆さんの反応の違いもわかるようになったのでは？</p>

<p>【岩田】そうそう。みんな厳しいですよ。自分自身が「今日は薄っぺらい話をしているな」と思いながら話をしているときなど、しっかりバレています。社長だからといって、本気で伝えたいと思っていないことを口先で話してもまったく届きません。だから日曜日の夕方になると「サザエさん症候群」に（笑）。朝礼直前まで「今、本当に伝えたいことは何か？」「どのように話せばより伝わるか？」とずっと悩んでいました。</p>

<p>【篠田】岩田さんが「サザエさん症候群」になりながらも朝礼を続けたからこそ、アスクルの方たちは岩田さんの視点や視座に触れられ、同じ考えを持てたのでしょうね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>会社のメンバーは一緒にパンを食べる仲間</h2>

<p>【岩田】ラグビー型組織をつくるうえでもう一つ大切にしていたのは、社長も新入社員も、誰でもフラットな関係にあることを浸透させることです。お互い平等な立場であり、役職に関係なく、どんどん発言していいし、積極的に行動していい。そんな雰囲気が会社全体にないと、怖くて思い切ったことができません。</p>

<p>【篠田】フラットな関係づくりも難しいと思いますが、改めて何が重要だとお考えですか？</p>

<p>【岩田】まずは「権威装置」をなくすことです。権威装置とはある人の権威を示すもののこと。「社長室を設ける」「管理職の机の位置を上座にする」「役職者の机やイスを高価にする」といったことも、権威装置の一種です。これらがあると、いくら口先でフラットといっても信用されないので、アスクルでは一切排除しました。</p>

<p>本社オフィスも、皆同じ机とイスを使い、仕切りをなくしてオープンにし、皆が働いている姿を見渡せるように。私自身も、社長室を持たずに、皆と同じフロアで、皆と同じ机とイスで仕事をしていました。</p>

<p>さらに、時間があるときは社内をウロウロと歩き回って「最近どう？」「元気？」と声をかけていくんです。たいていは他愛のない雑談で終わるのですが、時には「ちょっといいですか」といって言いたいことを言ってきてくれることもありましたね。</p>

<p>【篠田】社長が「元気？」と話しかけてきても、普段ガチガチの上下関係があったら、一般社員は恐縮して話せないと思います。岩田さんがいつでも一貫してフラットな姿勢でいたからこそ、社員の皆さんも気軽に話せたのかなと思いました。</p>

<p>【岩田】法律の観点で見ると、社長と従業員は役員と使用人の関係にありますが、「そういう関係性は嫌だなぁ」と思っていました。私がつくりたかったのはカンパニー。カンパニーの語源が「Com」（共に）と「pany」（パンを食べる）で、「一緒にパンを食べる仲間」であるように、アスクルも、メンバーは共に仲間であり、そういう空気の会社にしたかったのです。それが実現できたかなと思っています。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 04 May 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[篠田真貴子（エール[株]取締役）、岩田彰一郎（[株]フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ある女性社員の活躍から、元CFO（最高財務責任者）が学び得たこと＜松下幸之助創業者の教えとともに＞  川上徹也（元松下電器産業副社長）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14178</link>
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			<description><![CDATA[松下電器のCFO（最高財務責任者）を務めた川上徹也氏が、自身が大きな学びを得たという、一人の女性社員について語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「実践経営経理」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_busy.jpg" width="1200" /></p>

<p>「部下のじゃまをしない」など心惹かれる言葉を多く残した松下幸之助。この創業者によって育まれた企業文化の中で、ある時期に活躍した一人の女性社員の仕事ぶりに、川上氏が学び得たことを、振り返ってもらった。</p>

<p>※本稿は、川上徹也著『実践経営経理　君はまだ松下幸之助を知らない』（PHP新書）の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>上司に学び、部下にも学ぶのが、幸之助流</h2>

<p>私が長く所属した松下電器（現パナソニック ホールディングス）の経理部門には、優れた能力を発揮する先輩が多くいましたが、新しい「学び」を得るのは、なにもそうした先輩からだけではありませんでした。他部門の、しかも後輩社員に学ぶこともあったのです。（※注）</p>

<p>その一人で、日本がジャパン・アズ・ナンバーワンといわれ、多くの日本企業が世界から求められつつも脅威とされた時代に、米国有力企業との難しい交渉に直接あたってくれた人がいました。</p>

<p>弱電メーカーの松下電器が、映画ソフト業界に乗り出すための巨大な挑戦をしたプロジェクトチームの一人でした。斎藤純子さんといいます。</p>

<p>当時、ライバル企業だったソニーさんは映画産業だけでなく、今は他のソフト業界でも大きな影響力を及ぼしている存在ですが、松下電器も、結果として失敗に終わったとはいえ、その新規事業への投資に取り組んでいたのです。1990年の米国のMCA社（当時）の買収はその成果の一つでした。</p>

<p>約8000億円（当時）の買収劇でしたから、世間でも広く知られた案件で、30代だった彼女は、重責を担う役職者ではありませんでしたが、米国MCA社の経営幹部に絶大な信頼を得ることになりました。</p>

<p>一個人として、映画産業や音楽業界への精通と愛情があって、そのうえで卓越した語学力と交渉力が、その良好な人間関係を構築する根底にありました。担当役員の名で提出する親書も彼女が作成すると明らかに先方幹部の反応が違ったそうです。</p>

<p>※注：松下幸之助の「部下から学ぶ」ことについての考えは、『松下幸之助発言集28』（1973年の発言）では以下のように示されている。</p>

<p>≪部下は自分より技術が下だ、だから部下に求めても成長しないだろうと思ったらたいへんな間違いである。半分は先輩から教えてもらう、半分は部下から教えてもらう。その二つの教えを自分が消化をして、みずからそこにものを求めていく、ものをつくりあげていく、わが腕にする、わが技術にするということがなくてはいけないと思うのであります。≫</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>買収やM&amp;Aにかかわる中で、学び得たこと</h2>

<p>しかしながら彼女は、残念にもその事業を軌道にのせる前に、ガンが見つかり、やがて永眠してしまいます。</p>

<p>切迫した健康状況もあったからか、彼女は「危機感」が強く、彼女のノートをいくつか大事に保管していますが、当時の松下が「他社と比較して評価されるものといえば、販売力と資金力・財務体質ぐらい」だとも書いています。</p>

<p>熱意の源泉は、愛情からもあれば、危機感からもある。ときには、ほどよい嫉妬心でもよいのでしょう。嫉妬心は程よく狐色に焼くとよい、という幸之助創業者の言葉は言い得て妙なものだと思います。</p>

<p>その後、この事業自体は、米ユニバーサル映画を傘下に抱えて、『ジュラシック・パーク』などが大ヒットしましたが、その後の業績が伸び悩み、経営陣同士の方針もうまくかみ合わなかったことなどもあって、残念なことに、1995年には、カナダのシーグラム社に、松下から80％の資本を譲渡したことで撤退の道に進むことになりました。</p>

<p>彼女のような存在が多くいたなら、現在のパナソニックグループが、ソフト産業やエンターテインメント産業でも......などと今も夢を見ることもあります。</p>

<p>交渉や提携とその後の経営がうまくいくには、会社全体の各部門の総合力が必要になりますから、軽々に言うべきことではないのですが。</p>

<p>のちの2000年代、松下電器がかつてない経営危機に襲われ、私自身もCFOとして改革にあたることになった際も、この悔恨を忘れることはありませんでした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>その仕事に「最高の熱意があるかどうか」にかかっている</h2>

<p>誰にも負けない、最高の熱意があるか―幸之助創業者は、課や部の責任者にそのように問いかけていたようです。それが、簡潔で明快な、成功の秘訣であり絶対的な前提条件であるということでしょう。</p>

<p>今の時代は、役職に関係なく、そのチームの中で最も優れた人が、ある仕事ではリーダーとなり、役職者がフォロワーになる手法をとっても、さほど違和感はないはずです。要はよい結果をもたらせばいいのですから。</p>

<p>ただ、その「優れた」の要件の中の「熱意」という簡単には測り知れないものの有無が、仕事の成果を左右することになるのです。</p>

<p>国際契約部で働いた彼女（斎藤さん）の仕事の進め方で、よい面の一つを挙げると、一つの提案をするにおいても、「WEとI」を常に言える人だったということでした。</p>

<p>「私はこう思う。そして私たちはこう思い、こうして実現をしていきたい」と、仕事の話を、WEで言う。そこに個人的にはこう思うというIによる下支えがあると、仕事の力強さはいっそう増すのです。そもそも、そんな熱意に満ちた言葉を持つ人を、信頼しない人などいないのではないでしょうか。</p>

<p>また彼女の活躍は、米国の映画業界の有力者とエモーション（感動や情緒、気分）が合ったからだという話も聞きました。確かにエモーションが合う人とは、仕事はうまくいくように思います。私も外部の方との交渉でそうした経験は幾度もあります。</p>

<p>ビジネスにはやはり、「和」が必要です。ただ、それは、馴れ合いとは似て非なるものです。対立があって調和するという意味での「和」です。そして、IをWEに重ね合わせ、自らの仕事の中で調和させていくには、やはり熱意が必要です。</p>

<p>外部との交渉だけでなく、社内においても、プロジェクト組織の方針をつくりあげ、他人に伝え、理解し協力してもらうための熱意が欠かせません。例えば彼女は、ハリウッドビジネスの本質をよく知るには何を見るとよいかを考え、そうした素材を紹介し、関心を深めてもらうきっかけづくりにも挑んでいました。</p>

<p>人は、交渉相手と同じ土壌でものを考えることができるようになると、タフな交渉もできるようになるものです。そうした「WE」の変革への貢献は、一社員の立場でも、熱意しだいで可能になるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ある禅僧と幸之助創業者の対話から学び得るもの</h2>

<p>こうした非常に優秀な社員は、自らを律し、練磨していく能力があり、放っておいても、すくすく成長していくものです。</p>

<p>「部下のじゃまをしない」という幸之助創業者の語録もありますが、じゃまさえしなければ、活躍し成長できる人材です。</p>

<p>また、斎藤さんは「たとえ明日世界が終わりになろうとも、私はリンゴの木を植える」という有名な言葉も好きだったようですが、この言葉は、幸之助創業者のことを想起させてくれます。</p>

<p>幸之助創業者は、ある時、有名な禅僧と興味深い対話をしています。まず禅宗の将来はどうなるかと創業者が尋ねると、「そら自然消滅ですな」とその禅僧は答えます。「すべてに寿命があるから、時がくれば禅宗も消滅する」と。</p>

<p>幸之助創業者はまだ血気盛んな時代だったのでしょう。それなら、懸命に布教し、説教をしても仕方ないではないかと聞き直しています。禅僧は、「いやそんなことはない。寿命が尽きる瞬間まで私は禅宗で生きる。それが私のつとめだから......」と返します。</p>

<p>そこで、松下電器もいつかはつぶれることになるとの論理を消化吸収したようで、創業者は「大いに得るところがありました」「その坊さんを偉いと思う」と述べます。</p>

<p>さらには「お互い、人間としてはいずれは必ず死ぬ。だけど、死ぬ瞬間までは、永遠に生きるようなつもりでベストを尽くす。ということには意義がありますね」とも禅僧に語ったというのです。</p>

<p>結局のところ、人生や仕事というものを突き詰めて考えていくと、表現は違えども、同じようなところに行きついていくのだと思います。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_busy.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 03 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[川上徹也（元松下電器産業副社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>2040年、人間の仕事は「AIがやりたがらない安価な雑務」だけになる？ 未来予測の専門家が鳴らす警鐘  鈴木貴博（経済評論家、経営戦略コンサルタント）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14216</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014216</guid>
			<description><![CDATA[生成AIの急成長により、ビジネス界も進化しつつある。しかし、この潮流によって得られるのは、果たしてメリットだけなのだろうか。未来予測の専門家（フューチャリスト）である鈴木貴博氏が分析する、連載企画第4回。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「THE21」鈴木貴博" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_factory.jpg" width="1200" /></p>

<p>生成AIのさらなる進化により、多くの企業で、職場の様子が変容しつつある。急激に変わり続ける社会で、我々はどのようなリスクを想定するべきなのだろうか。本連載では、未来予測の専門家（フューチャリスト）である鈴木貴博氏に、5回にわたってこれから起こりうる未来について、様々な切り口から読み解いてもらう。</p>

<p>※本稿は、全5回の短期集中連載「2040年の経済学」の第4回です。<br />
『THE21』2026年6月号の内容を一部抜粋・再編集してお届けします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AIの進化に合わせた組織の再設計は可能か？</h2>

<p>2026年に入り、生成AIを仕事で活用しないワークスタイルが時代遅れになりました。その変化によって、職場がどう変貌するのかを考えてみましょう。</p>

<p>AI時代は、一人ひとりの従業員が「デキる社員」かそれ以上の能力を発揮します。報告書は要点を押さえたうえで瞬時に提出できますし、顧客への提案プレゼンの準備は当日十分程度で完成します。これまでのように金曜日の午後、数時間かけて経費精算といったムダな作業も消滅します。</p>

<p>そうなると、大企業の組織は本質的な再設計が必要になります。ただ、ここがポイントですが、ほとんどの企業はそれが苦手です。そこで、今の組織の中で従業員の生産性だけがひたすら上がる状態になります。その先に何が起きるのでしょうか？</p>

<p>このまま事態が進むと仮定すると、伝統的な日本の大企業は3つの誤った方向に進むリスクがあります。3つのリスクタイプを提示します。</p>

<h3>【リスク1】80年代日本航空タイプ</h3>

<p>80年代の日本航空は、長らく文系新卒の人気トップ企業であり続けていました。東大卒の優秀な社員が選りすぐられて、大量に本社に採用されたものです。</p>

<p>その日本航空が組織構造的な問題を抱え始めたのも80年代でした。30代の優秀な課長や課長補佐の世代が、細分化された組織の末端で実権を奮い始めたのです。</p>

<p>それぞれが優秀なプランを企て、様々な施策を打ち出し、顧客サービス向上の名のもとに費用を費やします。会議には大量の社員が参加して、議論は白熱する一方で何も決まらない。根回しのコストと時間だけが大量に消費されていきます。</p>

<p>当時を振り返って、ある役員の方が「船頭多くして船山に上る状況だった」と回顧されていました。頭脳が多すぎたことで、組織が不必要に肥大化していったのです。</p>

<p>AI時代、多くのJTC（伝統的日本企業）が、このタイプの構造問題に直面するリスクを抱えています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>好調な業績で幹部は社内政治に注力</h2>

<h3>【リスク2】90年代日産タイプ</h3>

<p>では、業績が好調な日本企業はどうなるでしょうか？日経平均株価が上昇すると共に、日本の大企業全体の業績は再成長期に入っています。</p>

<p>一方、80年代のバブル期に一世を風靡するヒットを連発した日産は、90年代に入ってその咎めを受ける結末を迎えます。</p>

<p>いったん業績が好調で、誰が経営しても儲かる状態になると大組織で何が起きるのか？</p>

<p>幹部社員がビジネスに使う時間を減らして社内政治に多くのエネルギーを費やすようになります。</p>

<p>華々しい社内ポピュリズム的な政策を打ち出す社長派が権力を持ち、それを諫める勢力が粛清されていくのを目撃することで、幹部はより社内力学に注意を振り向けるようになるでしょう。</p>

<p>その間、時代が変貌し、経営の前提が変わり、業績が悪化していくのですが、幹部がビジネスに注力する時間は逆に減少します。</p>

<p>こうしてカルロス・ゴーンが着任する頃には、ゴーン氏が表現したところの「会社が火事になっているのに、誰もそれを気にしない」状況が生まれます。</p>

<p>マクロ環境で業績が上がり、AIによって生産性が上がるこの先のJTCの中では、仕事が早く終わるようになった幹部社員が、残る余力を社内政治に費やす事態が起きる可能性は十分にあります。</p>

<p>その業績好調のJTCの中から、このような闇に転落する企業がいくつも出てくるリスクを私は感じるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AIによる経営者の過信が経営判断を誤らせる</h2>

<h3>【リスク3】2000年代ソニータイプ</h3>

<p>日本経済をけん引する優良大企業の多くが、これからの時代に成功して、経営陣は大いに強い自信をもつことになるでしょう。</p>

<p>AIを武器にすることで、スタッフやコンサルに頼ることなく、重要な問題を経営者が自身で吟味したうえで素早く決断を下せる時代が来ます。かつてないほどに、経営者や幹部役員がその力量を発揮できる新時代です。</p>

<p>地政学的なリスクの高まりやテクノロジーの進化、消費者の生活スタイルの大変化といった要因をすべて機会に変えて、大胆にビジネスを進化させるJTCが次々と時代を彩っていくことでしょう。</p>

<p>90年代の日本経済の失われた10年の時代、インターネットとデジタルによる時代の大変化の中で、花形企業に躍り出たのがソニーでした。他の家電メーカーには真似のできない開発思想と先進的なデザイン、時代の一歩先を行く機能を備えたソニー製品は、当時の若者に大いに支持されたものです。</p>

<p>日本企業の中でいち早くカンパニー制を採り入れた当時のソニーの経営陣は、スターぞろいでした。にもかかわらず2003年にソニーショックが起きます。</p>

<p>主力のエレクトロニクス事業が実はガタガタになっていたソニーショックについては、色々な側面の分析がありますが、一つ象徴的と言われるのが大画面テレビのパネル生産からの撤退の決定です。</p>

<p>パネル生産はコスト競争になるということから、韓国のサムスンに製造を委託するのですが、この経営判断は後に大きな判断ミスだったと批判されます。</p>

<p>実際、その後、サムスンがデジタル化で世界企業に発展する一方で、ソニーは長い冬の時代を迎えます。</p>

<p>ソニーショックについて、AI時代のJTCにも共通するリスクは何でしょうか？それは知力と自信と大きな権限を同時に手にした経営者が引き起こす重大な経営判断ミスのリスクかもしれません。</p>

<p>人工知能によってパワーアップされたことに気づかず、自分の能力の数倍の過信が生まれる中で、少なくないJTC優良企業が落とし穴にはまる未来が危惧されます。</p>

<p><img alt="「THE21」鈴木貴博" height="1200" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202606Suzuki01.jpg" width="1070" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>職場の生産性が上がりAI失業が社会問題に</h2>

<p>ではAI時代の大企業経営は本来どうあるべきなのでしょうか？</p>

<p>本質はスリム化であるべきです。AIを活用することで、社員の生産性が倍になるとします。その段階で本来は社員数を半分に減らすべきです。なぜなら、それでこれまでと同じ製品やサービスを顧客に提供できるのですから。</p>

<p>しかし経営者は、「生産性が上がったぶん、さらに顧客価値を高めたい」と考えるでしょう。それは悪いことではありません。顧客から見て航空機の座席が２倍に広がったり、乗用車の性能が倍に向上したり、テレビが格段に便利なツールになる可能性は否定してはいけないと思います。</p>

<p>しかしかつての日本航空、日産、ソニーは、価値よりもコストが上がってしまったことが反省点でした。</p>

<p>顧客価値を追求してもいいのですが、それと同時にスリム化を追求しなければ、組織は肥大してしまう。ここが大前提となるポイントです。</p>

<p>そうなると、日本経済全体では何が起きるのでしょうか？当然ですがAI失業が社会問題になります。</p>

<p>職場の生産性が上がったことで、自分の仕事がなくなってしまう。会社からいらないと言われる。いたたまれなくなって離職を決断するといったことにホワイトカラーは直面します。</p>

<p>アメリカでは、こういった現象に備えてブルーカラービリオネアという言葉が誕生しました。AIに取って代わられるホワイトカラーを見限って、若いうちに電気工事士や建設工事のスキルを学んでブルーカラーを目指す人が増えています。そのほうが、安定した生活ができるというのです。</p>

<p>そうなると、ここでフィジカルAIの進化が気になってくるでしょう。今、AIの世界ではデジタルAIの競争では勝ち筋がないと見た企業が、次々とフィジカルAIへの投資を始めています。各国で行なわれる最先端のロボットの展示会で披露される二足歩行ロボットの性能はいずれ人間を超えそうな勢いです。</p>

<p>それを考えると、今、ホワイトカラーが思い切ったリスキリングを行なってブルーカラーに転職したとしても、10年後にはまた失職の危機を迎える可能性は十分に考えておかなければいけないと思われます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人型ロボットは人間から仕事を奪うのか？</h2>

<p>さて、2040年の未来から俯瞰して眺めてみます。このAI失業とは、いったい何なのでしょうか？</p>

<p>日本経済に関して予言すると、「AI失業をもう少し早く起こしておけば、もっと経済が発展したのに」と反省されることになるでしょう。</p>

<p>2026年時点での日本経済の最大の課題が何かというと、少子高齢化に伴う極端な人手不足です。経営環境としては、海外からの外国人労働者で不足を補うのも、徐々にままならなくなってきました。中小零細を中心に人手不足廃業が現実に起きています。</p>

<p>「人がいないから経済が成長できない」。これが、2026年以降の日本経済のリアルな成長のボトルネックです。建設コストは高騰し、介護や教育の現場では極端に人が足りない状況です。小売飲食や物流では人材の取り合いが起きています。</p>

<p>本当は、大量の失業が起きれば労働人口の流動化が起きて、人手不足で発展できない産業が発展に転じるはずです。ところがそこに給与のミスマッチがありますから、ホワイトカラーは今の仕事にしがみついて、会社を離れようとはしません。</p>

<p>ここを解決すれば経済は劇的に変わります。しかし、そこに政府は踏み込むことはできないでしょう。</p>

<p>現実の未来においては、まず2030年頃に、世界の趨勢として自動運転が解禁され、日本も追随することで職業ドライバーが大量失業することから状況が変わり始めるでしょう。</p>

<p>次に二足歩行ロボットが工場や建設現場に進出して、やがて介護の現場にも広まるようになります。それは2035年頃ではないでしょうか。そうなるとようやくマンション価格の高騰も収まるようになりますし、中堅の製造業での人材不足も解消するでしょう。</p>

<p>ただ、この段階になっての人間の失業は、社会政策としては遅きに失する結果を生むかもしれません。</p>

<p>そこまでフィジカルAIの性能が向上してしまったあとでは、企業は余剰となった人間を雇うよりもロボットを雇用することを選ぶでしょうから。</p>

<p>実はこの未来に、人間にとっては皮肉な救済が起きます。</p>

<p>AI搭載の人型ロボットがすべての仕事を奪ってしまうかというと、それは起きないのです。理由は生産のボトルネックです。</p>

<p>2026年現在の世界の自動車の生産台数は約9200万台程度と推測されます。人型ロボットがこれから増加するとして、その生産量は2030年代後半では自動車の半分程度までしか生産設備を増やせないでしょう。つまり、人型ロボットの性能は上がるのですが、需要に生産が追いつかないのです。</p>

<p>結果として、人型ロボットは稼げる仕事に集中します。その時代の人間には残念な話ですが、ロボットでは稼げないような安価な仕事が、まだ大量に残されているということになりそうです。</p>

<p><img alt="「THE21」鈴木貴博" height="1346" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202606Suzuki02.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_factory.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 02 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木貴博（経済評論家、経営戦略コンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>アフリカの路上に学ぶ“もう一つの豊かさ”　『その日暮らしの人類学』【書評】   大村壮太（作家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12276</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012276</guid>
			<description><![CDATA[ビジネスパーソンのスキル向上に役立つ書籍『その日暮らしの人類学』について紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="その日暮らしの人類学" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_2.jpg" width="1200" /></p>

<p>日々、多忙なビジネスパーソン。限られた時間の中で、いかに効率良く知識や教養を身につけるかは、常に頭を悩ませる問題だろう。本連載では、そんな悩みを抱えるビジネスパーソンに、スキル向上に役立つ書籍を厳選してご紹介する。今回は、小川さやか著&nbsp;『「その日暮らし」の人類学　もう一つの資本主義経済』（光文社）を取り上げる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 id="title">『「その日暮らし」の人類学』</h2>

<p><img alt="「その日暮らし」の人類学　もう一つの資本主義経済" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250428Omurasota03.jpg" width="1200" /></p>

<p>ビジネスの世界は、計画、目標設定、KPI、将来予測といった言葉で満ちている。四半期ごとの目標達成、5年後、10年後を見据えた事業計画。私たちは常に未来をコントロールしようと努め、不確実性を可能な限り排除しようとする。だが、現実はどうだろうか? パンデミック、地政学的リスク、技術の破壊的変化...私たちの日常は、予測不能な出来事の連続だ。</p>

<p>そんな時代に、アフリカ・タンザニアの路上でたくましく生きる人々の「その日暮らし」から、私たちは何を学べるだろうか? 文化人類学者の小川さやかによる『その日暮らしの人類学 もう一つの資本主義経済』は、私たちの凝り固まった常識を鮮やかに解きほぐし、新しい生き方、そして「豊かさ」の可能性を提示する刺激的な一冊だ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>タンザニア路上商人のリアルな日常</h2>

<p>本書の舞台は、東アフリカ・タンザニア最大の都市ダルエスサラーム。著者は、そこで零細な商いを営む「マチンガ」と呼ばれる人々の中に長期間飛び込み、彼らと共に生活し、時には自らも路上で商売をしながらフィールドワークを行った。</p>

<p>彼らの多くは、文字通りの「その日暮らし（Living for Today）」を実践している。明日のことは考えず、手元にお金が入れば気前よく使い、将来のために貯蓄するという発想は希薄だ。人間関係は、貸し借りや、時には騙し騙されの関係が複雑に絡み合い、一見すると不安定で刹那的に見えるかもしれない。</p>

<p>しかし、著者の緻密な観察は、それが単なる無計画さや場当たり的な生き方ではないことを明らかにする。彼らは、未来を計画しない代わりに、目の前の状況や人間関係に全身で向き合い、変化に即応するための独自の知恵、いわば「狡知（ウジャンジャ）」を駆使して日々を生き抜いている。そこには、困ったときには誰かが助けてくれるだろうという、独特の相互扶助の感覚と、それを支える「貸し借り」のネットワークが存在するのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「計画信仰」はもう古い?</h2>

<p>本書を読むと、私たちがいかに「計画」や「将来への備え」という価値観に縛られているかを痛感させられる。「老後資金はいくら必要か」「キャリアプランはどう描くべきか」。未来への不安から、私たちは現在を犠牲にしてでも、不確実な未来をコントロールしようとしがちだ。</p>

<p>しかし、タンザニアの商人たちの生き方は、そうした「計画信仰」に揺さぶりをかける。彼らは、未来を予測しコントロールしようとする代わりに、不確実であることを前提として受け入れ、その時々の状況に応じて最も有利な選択肢を選び取る柔軟性と大胆さを持つ。不安定に見える彼らの生活は、実は変化に対する驚くべき「レジリエンス（回復力・しなやかさ）」を秘めているのだ。</p>

<p>ネット上の書評や感想を見ると、「計画を手放す勇気をもらった」「効率や安定だけが価値ではないと気づかされた」「自分の悩みがちっぽけに思えた」といった声が数多く見られる。特に、変化の激しい現代社会でプレッシャーに晒されるビジネスパーソンにとって、彼らの生き様は、既存の価値観から自由になるためのヒントを与えてくれるようだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>損得勘定を超えた「贈与」と「信頼」の力</h2>

<p>彼らの社会を支える重要な要素が「贈与」の習慣だ。手に入れたものを気前よく他人に与え、また他人からも気前よく受け取る。それは必ずしも見返りを期待したものではないが、結果的に「貸し借り」のネットワークが社会全体に張り巡らされ、誰かが困窮したときのセーフティネットとして機能する。</p>

<p>小川氏は、これを「自分の『分身』を作っているようだ」と表現する。他人に「借り」を作っておくことで、自分が困ったときに助けてもらえる可能性を社会の中に分散させておく、という考え方だ。</p>

<p>短期的な損得勘定ではなく、長期的な視点での信頼関係の構築。これは、現代のビジネスシーンで注目されるコミュニティ形成や、ネットワーク資本の考え方にも通じるものがあるのではないか。人を信頼しないことを前提としながらも、結果的に強い相互扶助の関係性が生まれている点は、非常に興味深い。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>不確実な未来を「面白がる」ヒント</h2>

<p>もちろん、タンザニアの路上商人たちの生き方を、私たちがそのまま真似ることはできないし、すべきでもないだろう。本書も、彼らの生き方を理想化しているわけではない。</p>

<p>しかし、その根底にある価値観から学べることは多い。未来への過剰な不安やコントロール欲求を手放し、「いま、ここ」の状況と人間関係を大切にする姿勢。変化を恐れず、チャンスがあれば躊躇なく飛び込むフットワークの軽さ。そして、効率や生産性だけではない、人との繋がりの中に豊かさを見出す感性。</p>

<p>これらは、先行き不透明で、計画通りに進まないことの方が多い現代を生き抜く上で、重要なヒントを与えてくれる。不確実な未来をただ恐れるのではなく、むしろそれを「面白がる」くらいの、したたかさとしなやかさを身につけるためのヒントが、本書には詰まっている。</p>

<p>『その日暮らしの人類学』は、文化人類学のスリリングなフィールドワークの記録であると同時に、現代社会、そして日々「計画」と「効率」の中で格闘するビジネスパーソンに、根源的な問いを投げかける一冊だ。常識という名の檻から一歩踏み出し、働き方や生き方のオルタナティブを探りたいと考えるなら、ぜひ手に取ってみることをおすすめする。あなたの価値観は、きっと揺さぶられるはずだ。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Sat, 02 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大村壮太（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「会社がつぶれるかもしれない」存亡の危機にどう向き合うか＜松下幸之助創業者の事例とともに＞  川上徹也（元松下電器産業副社長）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14177</link>
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			<description><![CDATA[松下電器産業のCFO（最高財務責任者）を務めた川上徹也氏が、経営危機の中から見出した己の職責について解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「実践経営経理」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kaigi.jpg" width="1200" /></p>

<p>およそ四半世紀前の、あのITバブル崩壊後の景気低迷と混乱の中、会社存続の危機と向き合うことになった、その体験を糧とする「CFO（最高財務責任者）論」を、創業者・松下幸之助の苦境期の逸話も交え、語ってもらった。</p>

<p>※本稿は、川上徹也著『実践経営経理　君はまだ松下幸之助を知らない』（PHP新書）の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>経営危機の中で芽生えた、CFOとしての私の切願</h2>

<p>現役時代の最後の頃、私は松下電器（現パナソニック ホールディングス）の経理担当役員を拝命し、すぐにあのITバブル崩壊に直面しました。それまでの経験値を活かし、自らの責務をまっとうする日々でしたが、当時の企業環境の変化の激しさに、内心では戸惑うことも多かったように思います。</p>

<p>窮地に陥ったITバブル崩壊後の私には、切願がありました。「バランスシート（B/S）に禍根を残さない」というものです。それは当時の中村邦夫社長と私の合言葉にもなった「後輩たちに負の遺産は引き継がない」とひと続きのものでした。</p>

<p>ですからCFOの私にとって、松下幸之助創業者がよく説かれていた「自分の仕事の意義」は、「そこ」にあったといえます。与えられた役割において、私なりの使命と責務を「そこ」に見いだしていたのです。（※注）</p>

<p>それは一人の人間としての意地のようなものでもあり、その願いがなければ、途中で自ら職を辞すこともあったかもしれません。</p>

<p>けれども、窮すれば通ずとか、捨てる神あれば拾う神ありなどといいますが、当時の難局に際し、経営改革の断行を進めていくと、時勢や運が味方をしてくれるようになり、次第に、危機脱出の道がひらけてきました。</p>

<p>そうなると腹もすわってきて、「それでも、30万人近くもの従業員の会社、家族も入れると100万人を超える企業のCFOといえるのか！」と自分を日々叱咤激励するようになりました。</p>

<p>V字回復ともてはやされたのも、もう昔のことです。他人に言えない苦労も多々ありました。ベストの対応ができたのかと問われたなら、自らの能力を最大限発揮したつもりだというほかありません。その評価は世間に委ねるほかありません。</p>

<p>※注：松下幸之助は「仕事の意義」について自著『その心意気やよし』では次のように説いている。</p>

<p>≪与えられた仕事を自分なりにどう消化し、どのようにして自分のものとしていくか、そういうことに興味をもって取り組んでいく。そしてその中から自分の仕事の意義を見出し、やりがいを感じていく。そういう姿において与えられた仕事を行なっていくということが、やはり望ましいのではないだろうか。≫</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>事業存続の危機の中、松下幸之助が信頼する大番頭に語った本心</h2>

<p>幸之助創業者は創業期のまだ会社も小さい頃、仕事を終えた夜、タライに入れたお湯で身体を洗うときに、「自分で自分の頭をなでてやりたい」と思えるほどに働いた日があったといいます。</p>

<p>しかし、そうした濃厚な仕事の日々を重ねて、松下電器を急速に伸展させていたにもかかわらず、あの太平洋戦争があり、戦後は困難を極めることになりました。</p>

<p>やむを得ず、1949年には人員整理も行ないました。その後の朝鮮特需で日本経済が復興の兆しをみせる前の時期でした。</p>

<p>このとき、のちに松下電器副社長になる平田雅彦さんによれば、メインバンクの調査部が調査に入り、結果として、松下電器にモーター事業からの撤退を要望したようです。</p>

<p>防戦につとめた松下側の主張は結局受け入れられたのですが、そうした過去最大の危機に、創業者としては、後にも先にも、初めての人員整理に手を染めるほかなかったのでしょう。</p>

<p>その時期、幸之助創業者は、最も信頼を置く補佐役で経理全般をみる大番頭でもあった高橋荒太郎さんにこう言ったそうです。</p>

<p>「高橋君、どんなことがあっても金を残そう。石にかじりついても残そう。事業のことはわれわれが一番良く知っているんだ。その事業をやらせてもらえない。こんな口惜しい思いをしたことはなかった。もう二度とこんな目にあわないようにしよう。そのためには何としてでも金を残そう」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>CFO（最高財務責任者）の責務と、企業の経営理念</h2>

<p>会社の資金を守り、それに派生する仕事全般を行なう間接部門の金庫番。それが経理・財務部門への通常のイメージでしょう。</p>

<p>ただ経営のグローバル化が進む中で、為替対応や税務戦略、資金調達などは一段と複雑化し、M&amp;A（企業の合併買収）、事業の売却などの戦略が日常化しています。</p>

<p>そうした環境下で企業価値を持続的に高めていくには、会計・ファイナンスの知識を持った専門家集団の存在が必要です。CFOは、その集団を束ねて、成果を生み出していくわけですから、プロデューサー的役割も求められます。そうしたCFOの定義を私なりに一般化してみました。責務の点検に使えるはずです。</p>

<p>一、 経営トップを支えるべく、戦略的な補佐、提言に傾注することで、経理が「経営の羅針盤」としての役割を果たす。経営業績やキャッシュフローの見通しをふまえ、資産のトータルバランスを的確なものにし、ガバナンス強化も主導する。&nbsp;</p>

<p>一、 外部との共存共栄の関係性を構築するための結節点となる。具体的には、株主の立場でものを見る視野を養い、IR活動では的確なディスクロージャー（情報開示）を実現する。M&amp;Aなどの交渉事において、理念と戦略を具現するタフネゴシエーターとなる。&nbsp;</p>

<p>一、 従業員がお互いの職務を「社員稼業」として取り組めるよう、理念や戦略を具体的な施策や経営上の数字に落とし込み、適時適切な情報開示を行なう。同時に、高い倫理観に基づく全員経営を具現するための、いわばプロデューサーとしての役割も担う。&nbsp;</p>

<p>一、 経理とは「経営経理」の略。その具現にあたる経理社員としての誇りをもたせる。財務プロフェッショナルの育成をはかるとともに、部門全体としても、財務・経理・監査の充実をはかり、絶えずIT活用と効率化を推進していく。</p>

<p>この大きく4つの点で、CFOの仕事を最低限、評価することが可能になるはずです。クリアすること自体が無理だと思うのなら、自ら辞したほうが賢明です。後続の人に地位を譲る。そういう決断が必要です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>経営理念の有難味を感じることができるようになってこそ......</h2>

<p>2番目の項に関して補足すると、CFOとして、私は、情報開示の判断を迫られる場面に何度も直面しました。ときに予想し得ない反響がくる場合もあります。常に「株主の視点」に立って考える習慣、そして経済環境に対する見識を身につけておかないと対応が難しくなるのは間違いありません。</p>

<p>投資家向けの広報活動の一つ、つまりIR説明会での想定していなかった質問などは、あとでよく顧みると、共通している要素があるものです。私がCFOになった初期の頃に味わったのは、松下電器の低い利益率、重たいB/Sへの冷ややかな反応でした。</p>

<p>また、すでに終わった決算の数字を説明しても、先を見ている投資家にはあまり響かないものです。過去の報告よりも、未来の具体的なプラン、将来に向けた成長シナリオ、B/Sのあるべき姿といったものを、これから先の事業戦略とともにわかりやすく示せるかどうか、がポイントになります。</p>

<p>気候変動対策への情報開示、ESG（環境・社会・企業統治）やサステナビリティといった、決算数字などの財務情報ではない、いわば非財務情報を重視する傾向も見られるようです。そして、それらの社会的責任の根源にあるのが企業理念であり、経営理念です。</p>

<p>私自身、50代を超えて、責任者としての重責を担うようになってから、苦しい体験を重ねる中で、経営理念の有難味を感じることが増えてきたのは確かです。20代で意識できていたかというと心もとないところがありますが、経営理念とはそういう性質のものなのではないでしょうか。</p>

<p>逆にその大切さが身に沁みてわかるようになったら、それなりの経験も積んで、それなりの産業人になれたのだ、と思ってもよいのかもしれません。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 01 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[川上徹也（元松下電器産業副社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>稀代の名経営者「松下幸之助」の考えを深く知るための書籍8冊  THE21編集部編</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12213</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012213</guid>
			<description><![CDATA[松下幸之助を知るうえで、欠かせない8冊を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_books.jpg" width="1200" /></p>

<p>松下幸之助は生涯で60点にも及ぶ著書を発刊し、560万部超の『道をひらく』をはじめとした数々のベストセラーを生み出した人気作家でもあった。ここではそんな多数の著書の中から、「これだけは外せない」８冊を紹介。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年5月号掲載記事より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>最初の１冊はこれ!</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/book2/9784569534077.jpg" width="1200" /></p>

<p>『道をひらく』松下幸之助&nbsp; 著</p>

<p>運命を切りひらくために。日々を新鮮な心で迎えるために──。人生への深い洞察をもとに綴った短編随筆集。50年以上にわたって読み継がれる、発行560万部超のロングセラー。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「会社に使われる人」になりたくない人に</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/book2/9784569575599_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>『社員心得帖』松下幸之助&nbsp; 著</p>

<p>企業組織に生きる者にはいかなる心がまえが必要なのか。新入社員から中堅、幹部まで、働く喜びや生きがいを味わい、自らの能力を高めるためになすべきことを説いた書。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分を見つめ直したいときに</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/book2/9784569661629_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>『素直な心になるために』松下幸之助&nbsp; 著</p>

<p>著者が終生求め続けた〝素直な心〞。それは、物事の実相を見極め、強く正しく聡明な人生を可能にする心をいう。素直な心を養い高め、自他ともの幸せを実現するための処方箋。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>すべての「商売」に携わる人に</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/book2/9784569575575.jpg" width="1200" /></p>

<p>『商売心得帖』松下幸之助&nbsp; 著</p>

<p>商売は朝に発意、昼に実行、夕べに反省の繰り返し──。事業一筋半世紀、その豊富な体験と深い思索から説く商売のコツとは。ビジネスの基本と本質がつまった１冊。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>これからリーダーになる人に</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/book2/9784569704104.jpg" width="1200" /></p>

<p>『 リーダーになる人に知っておいてほしいこと』松下幸之助&nbsp; 述松下政経塾&nbsp; 編</p>

<p>松下幸之助が、次代のリーダーを養成すべく設立した松下政経塾で行なった講話を、未公開テープ約100時間から厳選して抜粋、編集。幸之助が語った〝リーダーの心得〞とは。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>常に幸之助の言葉を手元に</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/book2/9784569851624_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>『 [新装版］松下幸之助日々のことば』PHP研究所&nbsp; 編</p>

<p>仕事や経営、人生について深い示唆を与えてくれる松下幸之助の名言を1冊に集約。多くの人々に影響を与えてきた名著、待望の復刊。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>すべての「長」がつく人に</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/book2/9784569561912_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>『指導者の条件』松下幸之助&nbsp; 著</p>

<p>松下幸之助が自らの姿勢を正すために著し、常に座右に置いた１冊。古今の事例から、指導者のあるべき姿を102カ条で具体的に説く。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>幸之助が「自分の考え方の根本はこれに尽きる」と述べた１冊</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/book2/9784569567297.jpg" width="1200" /></p>

<p>『人間を考える』松下幸之助&nbsp; 著</p>

<p>松下幸之助ほど人間について深く思索し、それを経営に活かした人物はいない。その思索の集大成として発表された新しい人間観とは。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 01 May 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[THE21編集部編]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>これを読まずに組織は語れない　50年以上読み続けられるベストセラー『タテ社会の人間関係』【書評】  大村壮太（作家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12178</link>
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			<description><![CDATA[50年以上の長きにわたり読み続けられる日本の社会構造を鋭く析出したベストセラー『タテ社会の人間関係』（講談社）について紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="書籍紹介" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>日々、多忙なビジネスパーソン。限られた時間の中で、いかに効率良く知識や教養を身につけるかは、常に頭を悩ませる問題だろう。本連載では、そんな悩みを抱えるビジネスパーソンに、スキル向上に役立つ書籍を厳選してご紹介する。今回は、中根千枝著『タテ社会の人間関係』（講談社）を取り上げる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『タテ社会の人間関係』</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/9784061155053.jpg" width="1200" /></p>

<p>日本の組織文化を論じるうえで欠かせないキーワードが、&quot;タテ社会&quot;だ。</p>

<p>文化人類学者の中根千枝は、50年以上も前にこの概念を提唱し、「日本社会は&quot;場&quot;の共有によって集団を形成し、その内部で絶対的な&quot;タテ&quot;の序列が生まれる」と指摘した。本書は、その後の日本文化論やビジネス書で繰り返し参照されてきた金字塔である。</p>

<p>まず本書が強調するのは、企業や学校といった&quot;場&quot;への所属が、個人のアイデンティティの中心を形成するという点だ。</p>

<p>たとえば「○○大学出身」「○○商事の社員」といった肩書は、海外のような専門職能や資格よりも強い意味を持つ。</p>

<p>こうした&quot;場&quot;主導の結合は、集団内部に強い一体感を醸成する一方で、外部に対して排他的になりやすいという特徴がある。ビジネスシーンでも社外との連携より社内の論理を優先したり、他者の進言を「ヨソ者」として退けたりする場面は珍しくない。これらは、まさに&quot;場&quot;を重んじる日本的組織ならではの現象だろう。</p>

<p>もう一つの核心が、&quot;タテ組織&quot;特有の序列である。</p>

<p>日本社会では、能力や年齢よりも「いつからその集団に属しているか」という時間軸が、序列を決定づける最重要要素となる。</p>

<p>いわゆる「同期」の概念が代表的で、同じ時期に入社した者同士は互いに対等とみなされる一方、後から入った人間はいかに優秀でも下位に置かれ、上位者に意見を具申しにくくなる。その結果、組織改革が停滞し、必要な意思決定が先送りされるケースも多い。</p>

<p>では、こうした日本型タテ社会のなかでビジネスパーソンが柔軟に行動するためには、どうすればいいのだろうか。</p>

<p>本書は、「複数の場に身を置き、唯一のタテ序列にすべてを委ねない」というアプローチを示唆する。</p>

<p>社内の序列に閉じこもらず、社外コミュニティや職能横断的なネットワークを活用することで、新たな視座や情報を取り込みやすくなるからだ。こうした複線的なキャリアや人的ネットワークを築く社員が増えれば、企業風土そのものにも変化が起こりやすいだろう。</p>

<p>半世紀を経ても色あせない本書の洞察は、リモートワークやグローバル化が進む現代社会だからこそ、いっそう輝きを放つ。オンライン会議によって地理的な制約は薄れても、見えない&ldquo;場&rdquo;への帰属意識やタテのヒエラルキーに縛られた組織の例は少なくない。</p>

<p>本書を読んで自社や自分の働き方を見直せば、私たちがどれほど&quot;場&quot;と&quot;タテ&quot;の論理に支配されているか、あらためて気づくことになるだろう。こうした省察こそ、序列外のアイデアを受け入れ、新たな価値を生む第一歩だ。</p>

<p>リーダーやマネジャーはもちろん、組織文化を変えたいと思うすべてのビジネスパーソンにとって、本書は強力な示唆を与えてくれるはずである。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_1.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 30 Apr 2026 21:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大村壮太（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ「すごいね」だけでは響かないのか？ 一流が実践する&quot;解像度の高い&quot;褒め方の技術  山本渉（マーケティング会社統括ディレクター）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14123</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014123</guid>
			<description><![CDATA[複数のマネジメント書籍を出版している山本渉氏が、褒めなれていない人でも実践できる、褒めの秘訣について語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「できるリーダーはどこをほめるのか」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_marubatsu.jpg" width="1200" />一言で「褒める」といっても、言い方を誤れば逆効果になってしまうこともありえる。現場のリーダーは、どのような褒め方を心がけるべきなのか。解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、山本渉著『できるリーダーはどこを「ほめる」のか？』（朝日新聞出版）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>どう褒める？言葉選びのコツ</h2>

<p>褒めるスキルを高めるには、「どのような言葉を選び、どう伝えるか」がとても重要です。</p>

<p>「さしすせその法則」をご存じでしょうか？「さすがです」「知らなかった」「すごい」「センスいい」「そうなんだ」といったフレーズだけで褒められるというものです。</p>

<p>酔っぱらったお客さん相手ならこれでいいかもしれませんが、ビジネスや真剣な関係の中では不十分です。相手の心に響き、信頼関係を深める褒め方を目指すなら、もう少し具体的で「解像度の高い」褒め方をしていきたいものです。</p>

<p>ここでは効果的な褒め言葉のコツと、避けるべき表現をお伝えしていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大げさな表現をしない</h2>

<p>褒め慣れていない人が無理して褒めようとすると、つい誇張しすぎた表現になってしまう場合があります。無理してひねり出した大げさな言葉は、相手を戸惑わせたり、不自然に聞こえたりします。また、お世辞や皮肉と捉えられてしまい、逆効果になることもあります。</p>

<p>&times;「部長の仕事っぷりがかっこよくて、日々涙してます」<br />
　（大げさすぎて信憑性が欠落する）<br />
○「部長のアドバイスのおかげで、プロジェクトが役員会で承認されました」<br />
　（実際に感じたことがベースで、敬意や感謝が伝わる）</p>

<p>○の例を見て、「あれ？これって褒め言葉なの？」と思われたかもしれません。でも、これでいいんです。まずは、「ありがたい」と思ったことや、「すごい」と感心したことを素直に口にしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>感心を素直に口に出す</h2>

<p>無理して褒めようとせず、まずは自分が「すごい」と思ったことを素直に言葉にすることから始めてみてください。「嬉しかった」「驚いた」「助かった」などをそのまま伝えるだけで、自然な承認の言葉になります。</p>

<p>たとえば、「この資料、データが的確だから説得力があるね」と思ったことを伝えるだけでも、相手は褒められたと認識するものです。「君はすごい！データの入れ方が天才的だ！」と無理に褒め言葉にする必要はありません。</p>

<p>子育てでも同じです。子どもが自発的に宿題をしていたとします。「えらい！」と直接的に褒めてもいいですが、「自分から勉強始めて、パパ（ママ）は嬉しかったよ」と伝えるほうが効果的です。</p>

<p>自分の感情を交えた素直な言葉のほうが、相手のモチベーションを上げる「人を動かす褒め言葉」になります。無理して褒めようとせず、感心したことを口にすることから始めてみましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>相手が気持ちよく受け取れる言葉を選ぶ</h2>

<p>褒め言葉はプレゼントと同じです。自分がいいと思っているものを押しつけるのではなく、相手が嬉しいかどうかが大切です。</p>

<p>わたしはかつてこんな「ダメな褒め」をしてしまった経験があります。後輩がプロジェクトを完成させたときに、「この仕事いいね。僕も昔これに似たことを実施したことがあって、それが評判よくてさあ......」と褒めは一瞬で、すぐに途中から武勇伝に変わっていきました。相手は嬉しくもないし、次からも頑張ろうとも思えません。反省する限りです。他にも、相手のモチベーションを上げない褒め言葉があります。</p>

<p>&times;「君にしてはよくやったね」「少しは俺に近づいてきたね」<br />
　（努力や成果を十分に認めていない）<br />
○「初のリーダーでプレッシャーもあったのに、結果が出て素晴らしいね」<br />
　（相手が見てほしい箇所をしっかりと押さえたうえで褒めている）</p>

<p>自分が主役ではなく、相手の価値を誠実に評価する言葉を選びましょう。もちろん、相手が喜べば何を言ってもいいということではありません。「客観的な評価」と「相手が心地よく感じること」の両立が大切です。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_marubatsu.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 30 Apr 2026 11:40:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山本渉（マーケティング会社統括ディレクター）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「売値は世の中が決める」 戦略コンサルタントが新人時代に学んだ利益創出の絶対原則  山本大平（戦略コンサルタント）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14132</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014132</guid>
			<description><![CDATA[元トヨタ社員であり、戦略コンサルタントとして数多くの企業を見てきた山本大平氏に、利益を上げるための秘訣を語ってもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="THE21オンライン「トヨタの会議は30分」" height="1200" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202606YamamotoTaihei005.jpg" width="1799" /></p>

<p>『トヨタの会議は30分』（PHP文庫）の著者である山本大平氏は、「売値は世の中が決める」というトヨタの教えにこそ、企業の生き残りの本質があると指摘する。MBAの教科書が教えない、真の利益創出のメカニズムを解剖する。</p>

<p>※本稿は、累計10万部超のベストセラー『トヨタの会議は30分』（PHP文庫）の内容をもとに、著者が新たに執筆したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>秀才たちが陥る「利益の方程式」の罠</h2>

<p>私が戦略コンサルタントとして数多くの企業の経営陣と対峙し、業績不振の組織にメスを入れる中で、停滞している企業には、極めて残酷な共通点があることに気づかされます。</p>

<p>それは、業績が悪化し利益が圧迫された途端、会議室で「どうやって売値を上げるか（値上げするか）」という安易な議論に終始してしまうことです。</p>

<p>すべてのビジネスにおいて、【利益＝売上&minus;原価】という大原則の方程式が成り立ちます。さらに分解すれば、【売上＝売値&times;販売数】です。つまり、手っ取り早く利益を出したければ「①売値を上げる」か「②販売数を増やす」か「③原価を下げる」しかない。</p>

<p>これはMBA（経営学修士）の授業や一般的なビジネススクールで真っ先に教えられる、いわば経営学における「絶対的な正解」です。秀才が集まる大企業ほど、この数式をこねくり回し、「競合も値上げしているから」「原材料費が高騰しているから」と、自社の都合（原因論）だけで価格転嫁に踏み切ります。</p>

<p>しかし、この「机上の空論」に寄りかかっている限り、その企業は決して持続的な強者にはなれません。事実、世界最強のモノづくり企業と評されているトヨタの内部では、こうした表面的なMBA的思考は、入社直後の段階で徹底的に退けられました。</p>

<p><img alt="「トヨタの会議は30分」" height="1200" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/book2/9784569905587_1.jpg" width="841" /></p>

<p>『トヨタの会議は30分』（PHP文庫）／山本大平 著／935円（税込み）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「あなたは何もわかっていない！」と怒鳴られた日</h2>

<p>私自身、トヨタに入社した当時の新人研修で、この「常識の破壊」を、身をもって経験しました。今でもトラウマになっていますが、入社2年目の泊まり込み研修でのことです。数十人の同期が見守る中、社内講師から突然こう質問されました。</p>

<p>「では山本さん、利益はどうすればつくり出せますか？」</p>

<p>私は当時の「優秀な若手」が答えるべきセオリー通りに、「売上を伸ばすか、原価を下げるかのどちらかです」と即答しました。講師はうなずき、さらに畳み掛けてきます。</p>

<p>「では、売上はどうすれば伸びますか？」</p>

<p>私は自信満々に答えました。</p>

<p>「売値を上げるか、販売数を増やすかのどちらかです」</p>

<p>その瞬間です。講師はものすごい剣幕で私をにらみつけ、「本気で言っていますか？あなたは何もわかっていない！」と、大勢の同期の前で厳しく叱責したのです。研修室の空気は一瞬にして凍りつきました。</p>

<p>誤解のないように言っておきますが、トヨタの人間は決して感情的に人を罵倒したり、人格を否定したりするようなことはしません。その叱責は、若手社員が「経営の本質」を見誤り、自社都合のロジックに溺れようとしていることに対する断罪だったのです。真剣勝負のビジネスの場において、私の薄っぺらい回答は、それほどまでに的を外していました。</p>

<p>一般的な日本企業であれば、私の回答は論理的には正解と言われたでしょう。しかし、トヨタの基準では「致命的な思考停止」とみなされます。</p>

<p>呆然とする私に、講師は静かに、しかし冷徹な事実を言い放ちました。</p>

<p>「売値は世の中、つまり市場が決めるのです。私たちが勝手に決めるのではありません。だから、利益を出すための答えは『販売数を増やす』か『原価を下げる』、この2つしかありません」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>戦略コンサルタントが目撃してきた「死のシナリオ」</h2>

<p>「そんなのは巨大企業だから言える綺麗事だ。商売なのだから、自社の裁量で値上げをして利益を確保して何が悪い」</p>

<p>若かりし頃の私は猛烈に反発しましたし、下請け企業の方や、日々の資金繰りに苦しむ経営者の方も、同じように言いたくなるのではないでしょうか。</p>

<p>しかし、私が戦略コンサルタントとして、これまで数々の企業の盛衰を最前線で見てきた今の経験から言えば、「自社の都合で売値をコントロールできる」と錯覚した企業は、長い時間軸の中で必ず同じ「死のシナリオ」を辿ります。</p>

<p>まず彼らは、自社のコスト事情から逆算して「このくらいの利益が欲しいから」と、市場の期待値を無視した「殿様価格」を設定します。</p>

<p>しかし、市場は残酷です。必ず後発の競合が「同等の品質でより安いもの」をぶつけてくるため、顧客は容赦なくそちらへ流出し、売上は激減します。</p>

<p>すると、次に何が起こるか。焦った経営陣は、今度は利益率を維持したまま無理に価格を下げるため、素材のダウングレードや手抜きといった「品質を犠牲にした安易なコストカット」に走るのです。</p>

<p>しかし、現代の顧客のシビアな目はごまかせません。一時的に売上が戻っても、SNSなどでの悪評やリピート率の低下により、ブランドへの信頼（顧客生涯価値）は完全に崩壊し、市場から退場させられます。</p>

<p>つまり、長い時間軸で見れば、市場は必ず「品質と価格の最適解」へと収束していくのです。企業が自社の都合で売値を決められるというのは、競合が不在の瞬間にだけ許される「危険な幻覚」に過ぎません。</p>

<p>トヨタは「売値は世の中が決める」という絶対的な力学を直視し、原価を下げるという血の滲むような企業努力（原価改善）によって、自らの手で利益を「創造」し続けている、と考えると、あのとき、研修講師に叱責されたことに納得します。</p>

<p>「あのときの私は確かに間違っていた」。経営者になった今だからこそ、「売値は世の中が決める」という真意が痛いほどわかります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>現代の企業が垂れ流す、最も凶悪な「原価」の正体</h2>

<p>「売値は世の中が決める」</p>

<p>この絶対的な市場の審判の前に立たされたとき、企業が生き残るための道はただ一つ、「原価を下げる」ことしかありません。</p>

<p>しかし、ここで多くの企業が致命的な勘違いを犯します。「原価を下げる＝下請けを叩く、安い素材に切り替える」という発想です。これは前述した「死のシナリオ」への直行便に他なりません。</p>

<p>では、市場価格という「動かせない天井」の下で利益を出すために、私たちが血眼になって削り落とすべき真の原価とは何でしょうか。</p>

<p>その一つに「社員の時間」があります。</p>

<p>業績が低迷する企業ほど、「社員の時間は固定費（すでに払っている給料）だからタダ同然」という恐ろしい錯覚に陥っています。「どうにかして値上げできないか」と結論の出ない会議を何時間も繰り返し、誰の責任にもならないように過剰な根回しや言い訳のための資料作りに奔走する。</p>

<p>ハッキリ言います。意思決定を伴わない時間は、会社の利益をドブに捨てているのと同じです。</p>

<p>10人が集まる1時間の定例会議で何も決まらなければ、それは「10時間分の労働コスト」という赤字を垂れ流したことになります。「とりあえず集まって議論しよう」という生ぬるい怠慢は、市場が突きつけてくる厳しい生存競争の中で、自らの首を真綿で絞める自傷行為なのです。</p>

<p>「1秒のムダを憎めない組織に、1円の利益を生み出す資格はない」。怠慢なホワイトカラーが生産性を蝕んでいるとも言い換えられます。独立して自社を創業した今、ときに大手のクライアントの会議に出ると「守られたホワイトカラーって、ええよな」と思ってしまう自分もいて複雑です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>利益とは「乗せる」ものではなく、執念で「削り出す」もの</h2>

<p>「うちの商品は素晴らしいのだから、高く売れて当然だ」<br />
「原材料が高騰しているのだから、顧客にも負担してもらおう」</p>

<p>厳しい言い方をしますが、これらはすべて「自社の都合」を市場に押し付けているだけの、経営陣の甘えです。「値上げ」は、自らの努力不足を棚に上げた、経営の思考停止を隠すための一時的な痛み止め（麻薬）でしかありません。顧客はあなたの会社の台所事情など一切気にしないのです。</p>

<p>企業が唯一、自らの意志で100%コントロールできるのは、コントロール不可能な市場の価格ではなく、自社の内側にある「原価（時間）」だけです。</p>

<p>利益とは、自らが希望して価格の上に甘んじて「乗せる」ものではありません。市場が突きつける絶対的な価格から、他人の時間を奪うような内なるムダを徹底的に排除し、執念で「削り出した結果として残るもの」なのです。</p>

<p>会議室で「どうやって高く売るか」という机上の空論をこねくり回している暇があるなら、まずは目の前の会議の時間を半分に削り、最短で決断を下すことに全集中すべきではないでしょうか。</p>

<p>そこから削り出された1分1秒の時間の蓄積こそが、どんな不況にもビクともしない、あなたの会社の明日を創る「真の利益」へと変わるのですから。</p>

<p>また、「どうすれば利益が上がるか？」と、役割上、よくクライアントから訊かれますが、魔法の杖を求める前に、まずは「1秒のムダを憎めない組織に、1円の利益を生み出す資格はない」と知ってほしいとも思うのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202606YamamotoTaihei005.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 27 Apr 2026 18:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山本大平（戦略コンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>コミッショナー・ダルビッシュ有が誕生する日も？ トクサンTVが語る野球界の未来  トクサンTV（YouTuber）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13925</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013925</guid>
			<description><![CDATA[登録者数87万人超の野球系YouTuber・トクサンTV。その著作より、大谷翔平選手やダルビッシュ有選手のセカンドキャリアについての氏の予想を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「野球ビジネス」THE21" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_AngelsStadium.jpg" width="1200" /></p>

<p>近年のプロ野球では、元選手が球団GMのような要職に就く例が増えてきている。野球インフルエンサー・トクサンTVが、近未来の野球界のビジョンについて、展望を語る。</p>

<p>※本稿は、トクサンTV著『野球ビジネス』（クロスメディア・パブリッシング）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>球団フロントに元選手が就任しつつある</h2>

<p>2025年オフに、東京ヤクルトスワローズでは元メジャーリーガーの青木宣親さんがゼネラルマネジャー（GM）に就任しました。</p>

<p>これまで元選手がGMとなった事例は複数あります。1980〜1990年代には〝球界の寝業師〟と呼ばれた根本陸夫さんが西武、ダイエーで事実上のGMを務め、選手獲得に辣腕を振るっています。</p>

<p>北海道日本ハムファイターズ、横浜DeNAベイスターズでは読売ジャイアンツのV9戦士・高田繁さんがGMを歴任し、元読売ジャイアンツの右腕・木田優夫さんはメジャーリーグ挑戦を経て、2025年は北海道日本ハムファイターズでGM代行を務めました。いずれも、球団の制度や方針を改革するなど尽力された方々です。</p>

<p>ただし、元選手であれば誰でもOK、というわけではない。球団のフロント中枢で元選手が実権を握るようになったこと自体は時代の変化ではありますが、専門家で周りを固める必要もあると思います。</p>

<p>たとえば、日本の政治家にはえてして、社会人経験が少ない人が少なからずいる。でも、アメリカのドナルド・トランプ大統領はもともと不動産王、つまり一流のビジネスパーソンだったわけです。</p>

<p>だから英断もできるし、保留することもできる。改革を起こすことだってできる。一般社会のなかでしっかりとビジネスに向き合い続けてきた人は、すごく重要だと思います。</p>

<p>そういった意味では、NPB機構のコミッショナーが最近、財界のトップクラスだった方が就任されているのは良い傾向ですが、NPBにしても、オーナー会議にしても、もっと機能してほしいですけどね。</p>

<p>将来的にはダルビッシュ有投手（サンディエゴ・パドレス）、大谷翔平選手（ロサンゼルス・ドジャース）、たぶんないかもしれないけれど松井秀喜さんのように、日米で活躍したスーパースターが球界やNPBをもっとより良いものにしていこうと考えたときにコミッショナーとして旗を振り、その脇を経営や事業展開の専門家で固めるようなときが来ることを期待したい。</p>

<p>「プロ野球コミッショナー・ダルビッシュ有」は面白いかなと思います。</p>

<p>私個人の予想でしかありませんが、大谷選手はもしかしたら球団ではなくNPB機構を〝買収〟するのではないかと推測しているんですよ。</p>

<p>1球団を買収したところで球界の仕組みは変わらない。であれば、NPBは一般社団法人なのでどういう方法になるのかはわかりませんが、とにかくNPBを〝買収〟して機構内部から仕組みを大幅に変えて、各球団が持つ力とNPBが持つ力をまずイーブンにして、NPBが通達を出す機関ではなく、しっかりと統括していく組織に生まれ変わらせる。</p>

<p>こんな大がかりなことができて、財力もあるとしたら、もう大谷選手しかいません。</p>

<p>大谷選手は会社も設立していますが、なぜこれ以上お金を増やす必要があるのかと考えると、何か目的があるとしか思えなかったんですよね。たとえば、各球団の株51％を12球団分買うとか、もしかしたらそのあたりなのではないかと。</p>

<p>大谷選手の資金力なら、絶対買えますよ。メジャーリーグで動いているお金は、2024年ワールドシリーズの試合収益が阪神の年間収益を超えるという規模で動いていますから。</p>

<p>その規模感で野球をやって、毎年活躍して、さらには後払い制というとんでもないオプションもあって、CMもあって......彼の価値は、もう数兆円くらいあるかもしれません。そう考えると、プロ野球の12球団の株を買えそうですよね。</p>

<p>あくまで私個人の予想なので、そもそもご本人が聞いたら「バカ言うな、そんな面倒なことするわけないだろ」と言うかもしれないですけどね。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_AngelsStadium.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 27 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[トクサンTV（YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>金利が上がるから家は買うな、は本当か？ “不動産アニキ”が説く逆転の発想  小林大祐（不動産投資家・実業家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14040</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014040</guid>
			<description><![CDATA[YouTuber「不動産アニキ」としても活躍する、不動産投資家の小林大祐氏。その著作より、金利上昇との適切な付き合い方について解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「2035年　増える富・消える富」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Kyoko.jpg" width="1200" /></p>

<p>資産形成YouTuber「不動産アニキ」としても活躍する、不動産投資家の小林大祐氏。氏は、日本の金利が依然として低いことを挙げつつ、金利上昇は恐れるものではないという。その根拠を解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、小林大祐著『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』（KADOKAWA）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※本稿は2026年3月時点の情報に基づき著者の考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入を含む投資の判断はご自身の責任で行なうようお願いいたします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「金利上昇」は恐れるものではない、武器に変える力を持て</h2>

<p>金利が上昇していることでそれを過度に恐れる人もいるようだが、日本の金利は依然として歴史的な低水準にあることは変わらない。過去を振り返れば、バブル絶頂期には金利が8％程度に達しており、今でも金融機関は融資を出すかを判断する際にこれに近い水準を前提にストレステストをかけている。</p>

<p>具体的には、収益不動産を購入するため融資の申し込みがあった場合、金融機関はその物件の空室率や家賃下落率など、一定のリスクシナリオを想定してそれが現実になった場合でも返済できるかどうかを見極める。そのリスクシナリオには「金利8％」に近い「6％」も含まれているのである。</p>

<p>しかし、実際に8％という金利が設定される時代が再びやってくるとは考えにくい。何しろこの水準は万札をヒラヒラさせてタクシーを拾い、新卒内定者をハワイに連れて行って拘束していたような時代の水準であり、あのような狂乱の時代が再来する可能性は現実的には極めて低いからだ。</p>

<p>一方アメリカでは、FRBが日本とは比較にならないほど金利を柔軟に操作している。ゼロ金利から一転して高金利へと政策を変更することもあり得るが、日本が同じようなことをするのは無理だろう。そもそも超高齢の人口減少社会で経済の成長力が乏しい日本は、アメリカのように賃金が物価に連動して上がる環境とは根本的に異なる。</p>

<p>利上げは景気を冷やすだけでメリットはないに等しいし、政府債務も莫大で、金利上昇による国債の利払い負担の増加にも耐えられないだろう。つまり、日本では政治的にも制度的にも、金利上昇には非常に慎重にならざるを得ないのである。</p>

<p>さらに言えば、金利政策は国家戦略の一環であり、住宅ローンを組んでもらって住宅購入を促すことで経済全体を膨張させていくというのは、日本が長い間続けてきた政策だ。金利を一気に引き上げれば住宅需要が冷え込み、経済全体に致命的な悪影響を及ぼしかねない。</p>

<p>実際、現在はスタグフレーション的状況にある。ウクライナ侵攻などの影響で物価は上昇しているのに、実質的な賃金や購買力は減退している。</p>

<p>円安の恩恵を受けて史上空前の好決算を叩き出す企業もあるが、日本の企業の大半は中小零細企業であり、そのほとんどは物価や原材料価格の上昇を補うための価格転嫁ができていない。</p>

<p>このような社会環境下では金利はそう簡単には上げられないだろう。</p>

<p>金利の問題でよく議論になるのが、住宅ローンを固定金利にするか、変動金利にするかという問題である。現状では、変動と固定の金利差はまだ大きく開いている。</p>

<p>この差は何かといえば、金利上昇リスクのプレミアム分だ。</p>

<p>要は固定金利を選択する人が、将来の金利変動リスクをより多く背負わされている構造にある。この差が縮まってくれば固定金利も検討の余地があるが、今の時点では明らかに変動金利一択である。</p>

<p>すでに述べた通り、日本は世界でもまれに見る有利に住宅が買える国であり、この有利すぎる住宅ローン制度を活用しない手はない。ただし、価値が下がらないエリアで住宅を買うというのが絶対条件だ。そうであれば万一返済不能に陥ったとしても、物件を売却すれば済む。</p>

<p>要するに、金利の上昇は警戒すべきテーマではあるが、現実的には急激な上昇の可能性は低い。だからこそ、今の環境下においては変動金利で住宅を購入するという選択は、合理的かつ戦略的な一手であるといえるのである。</p>

<p>ましてや、収益不動産ではなく実際に住む家が欲しいのであれば、欲しいときこそ買いどきであり、金利で躊躇する必要などまったくない。</p>

<p><img alt="「増える資産、消える資産」" height="876" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603HueruShisan04.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Kyoko.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 26 Apr 2026 18:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小林大祐（不動産投資家・実業家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ソニーを再建した平井一夫は なぜ「褒める勇気」を重視したのか  山本渉（マーケティング会社統括ディレクター）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14121</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014121</guid>
			<description><![CDATA[複数のマネジメント書籍を出版している山本渉氏が、一流のリーダーが積極的に取り入れているという「褒める習慣」について語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「できるリーダーはどこをほめるのか」" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kokoroG.jpg" width="1200" /></p>

<p>ビジネス界で結果を出しているリーダーは、「褒め」をうまく活用している人も多いという。そしてその中には、ソニーを再建した平井一夫氏もいる。その詳細を解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、山本渉著『できるリーダーはどこを「ほめる」のか？』（朝日新聞出版）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>一流のリーダーは褒めている</h2>

<p>企業を窮地から救ったリーダーの話です。グローバル企業のトップとしてソニーを再建した平井一夫氏は、リーダーは「社員を認め褒める勇気」を持つことが大切だと語っています。ある講演で平井氏は、「あなたのアイデアのほうが、私のよりも10倍いい」と部下に伝える勇気が、組織を前に進めるのだと強調しました。</p>

<p>優秀なリーダーは相手を承認し、しっかり言語化して褒めます。チャレンジを促し、仲間を引っ張るその原動力として「褒め」を活用するのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「褒める」の先にあるもの</h2>

<p>平井氏は著書『ソニー再生』の中で、世界中の拠点を訪ね歩き、社員の声を直接聞いた経験を語っています。その際に大切にしていたのは「異見を認める」ことでした。</p>

<p>自分と異なる考えや価値観を否定せずに受け入れる。これこそが、多様性の時代に必要なリーダーの資質であり、「褒める」前提になるスキルです。</p>

<p>・否定せず、ポジティブに変換する習慣を持つこと。<br />
・相手のよさを見つける視点を持つこと。<br />
・相手を観察し、関係を深める力を磨くこと。</p>

<p>褒め言葉のレパートリーを覚えるだけではなく、物事の見方を根本的に変えるこのような力こそが、褒めることを通じて養われます。</p>

<p>これらのスキルは、仕事ができるリーダーの必要条件になっているのです。「褒める」と共に身につく技術なので、本書の中で随時触れていきます。</p>

<p>経営学の大家ピーター・ドラッカーも著書『マネジメント』の中で、ポジティブに承認する効果をこう述べています。<br />
&ldquo;人は自らを必要とし、価値ある存在と見なしてくれるところで最もよく働く&quot;</p>

<p>もちろん、適当に褒め言葉をかければいいということではありません。周囲への影響力を説いた名著『人を動かす』の中で、デール・カーネギーは次のように書いています。<br />
&ldquo;人を動かすには、まずその人のよい点を見つけ、それを心から認めることである。&quot;</p>

<p>これらの効果はビジネスに限ったことではありません。育児やプライベートの人間関係でも同じです。教育コンサルタントのドロシー・ロー・ノルト博士はこう唱えています。<br />
&ldquo;子どもは批判されて育つと、非難することを学ぶ。子どもは認められて育つと、自信を学ぶ&quot;<br />
家庭でもオフィスでも、「褒める」「承認する」は共通の土台なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>褒める習慣は身を助ける</h2>

<p>2024年12月、ニュースでドナルド・トランプ氏とソフトバンクの孫正義氏の共同記者発表の様子が流れていました。孫さんがアメリカで1000億ドルを投資すると記者の前で発表した際、トランプ氏はその場で「2000億ドルにしよう」と挑発的に提案しました。</p>

<p>イエスと答えればビジネス的に困るし、ノーと拒絶したらせっかくの共同会見に水を差してしまいます。正解がない場面で、孫さんはこのように切り返しました。<br />
&ldquo;彼は素晴らしいネゴシエーターだ&quot;</p>

<p>トランプ氏は満足そうに笑い、場は収まりました。相手を褒めることで窮地を脱したのです。これは単なる機転ではなく、普段から「褒める習慣」が身についているからこそ、とっさに自然に出てきた言葉だと考えられます。</p>

<p>本書の目的は、この﹁褒める習慣﹂を身につけることです。一度だけ誰かを褒めて終わりではなく、物事の捉え方や視点をポジティブに変える技を習得していきましょう。</p>

<p>準備されたフレーズを使うだけでなく、とっさの場面でも自然と褒めが出てくる。そうなれば、あなた自身のコミュニケーション力が格段に高まり、ビジネスでもプライベートでも信頼される存在になるでしょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kokoroG.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 26 Apr 2026 11:40:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山本渉（マーケティング会社統括ディレクター）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>空き家は「負債」に変わる。37億円の投資家が教える&quot;グレートリセット&quot;で生き残る不動産の条件  小林大祐（不動産投資家・実業家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14039</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014039</guid>
			<description><![CDATA[YouTuber「不動産アニキ」としても活躍する、不動産投資家の小林大祐氏。その著作より、グレートリセット後の「富の移転ゲーム」について解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「2035年　増える富・消える富」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_fudosan.jpg" width="1200" /></p>

<p>資産形成YouTuber「不動産アニキ」としても活躍する、不動産投資家の小林大祐氏。グレートリセットが起こった後の社会で成り上がるため、今からできることはないのか。解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、小林大祐著『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』（KADOKAWA）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※本稿は2026年3月時点の情報に基づき著者の考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入を含む投資の判断はご自身の責任で行なうようお願いいたします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>暴落は〝富の移転ゲーム〞のスタート合図だ</h2>

<p>世界経済は今、大きな転換点に差し掛かっている。長いデフレが終わり、世界はインフレ局面に突入した。特にアメリカでは株式市場が堅調な値動きを見せる一方でインフレが高止まりし、国家債務は38兆ドルに達し、過去最大級に膨れ上がっている。国家債務の膨張は、金融危機の引き金になり得ることはすでに解説した通りだ。</p>

<p>もはやリセットは不可避の状況だ。ひとたび金融危機が起これば、ゴールド以外のあらゆる資産が暴落する。そして各国が一斉に金融緩和に舵を切ったときに、経済は回復する。これまで世界はこのサイクルを繰り返してきた。</p>

<p>グレートリセットをチャンスに変えるエネルギーとして最も力を持つのは、「機動力のある現金」だ。投資の神様といわれるウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが50兆円近い現金を保有しているのは、まさに象徴的だ。</p>

<p>富裕層は、S&amp;P500などのインデックスファンドを中心に機械的に買うという行動はほとんど取らない。極論すれば、S&amp;P500という指数そのものに投資するのではなくその指数を構成している個々の銘柄を一社一社分解して分析し、それぞれの将来性、競争優位性、事業の持続性、そして現在の株価水準とのバランスを見極めた上で、割安性と確実性が両立している銘柄だけを個別に選別して購入する。</p>

<p>さらに、投資対象は個別株に限定されない。株式とは値動きの特性やリスク要因が異なる社債、あるいはインフレ耐性や有事耐性を持つコモディティとしての金などを組み合わせ、資産全体を多層的に分散させる。ここで重要なのは、単なる数量的な分散ではなく、値動きの相関が異なる資産を意図的に組み合わせる「性質の分散」を行っている点だ。</p>

<p>こうした設計によって、富裕層は手元資金を、株式市場の上下動だけに依存させることなく、地政学リスク、金融危機、金利変動、通貨価値の変動といった複合的なリスクをヘッジしながら運用している。つまり、短期的な値上がりを狙うのではなく、不確実性の高い環境下でも資産が毀損しない構造を先につくり、そのうえで資金を働かせていくという考え方だ。</p>

<p>このように、富裕層の資産運用は「指数を買って放置する」という単純な発想ではなく、分析・選別・分散・防御を前提とした高度に設計された資本配分によって成り立っている。結果として、環境が変わっても大きく崩れることなく、長期的に資産を増やし続けることが可能になるのである。</p>

<p>しかし、多額の現金を持っていない者にも、チャンスはある。なにしろ、世界のすべてがリセットされる可能性があるのだから、富める者とそうでない者が固定化してしまった社会でも、それが覆ることは十分にあり得る。二極化された社会がリセットされ、逆転することも可能になる。</p>

<p>そもそも日本は、他国に比べれば格差はさほど深刻ではなく、最も成り上がりが生まれやすい国のひとつだ。今は何も持たない者でも、逆転は十分可能だ。グレートリセットを恐れるか、その混乱に乗じて成り上がるかは、その人次第だ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>狙うのは〝勝ち組都市〞ただひとつ</h2>

<p>全国に空き家があふれかえっている。空き家どころか所有者すらわからない家も多く、もはや資産とは呼べない、不動産の〝負債化〟が全国で進行している。</p>

<p>ただし、すべての地域でそうなるわけではなく、地方であっても「生き残る地域」は存在する。それは産業が集積していて、人口が集積する地域だ。</p>

<p>具体的には、工業団地があって物流拠点がある、あるいは製造業が根を張っているような地域だ。これらの地域では、日本がたとえ人口減少局面にあっても住宅需要が一定以上維持され、空室率は低く、地価も安定するからだ。</p>

<p>産業というのは人の営みそのものであり、人とカネを呼び込む磁場だ。働く場所があり、モノが作られてそれが流れていく、そしてサービスが供給される、こうした機能が集積されている場所には、商業が集まり、人が住み、家庭が形成され、子どもが育ち、生活の需要が生まれる。当然、人が集まる、すなわち人口集積するということは、飲食や医療、教育も必要とされ、住宅の根強いニーズが生まれるのだ。</p>

<p>こうしたエリアの典型例が、トヨタ自動車が本社や工場を置く愛知県豊田市だ。規模の大きい製造業が根を張り、雇用の大きい職場や工場が近隣に存在し、物流の動線もある。</p>

<p>こうした場所では、商業も集積し、それに伴い住宅の根強いニーズがあるうえ家賃も下がりにくく、物件は回転し続けている。日本の地方の中ではこうした地域だけが、生き残るエリアになるのだ。</p>

<p>逆に、産業がない地域では何が起きるのか？雇用はなく、若者は都会へと出ていくため税収が減る一方だ。当然、インフラが維持できなくなる。そしてやがて、そこにある住宅や土地は「資産」ではなく、「処分不能な負債」と化すという悲惨な未来が待っているのだ。</p>

<p>何もないエリアはもちろんだが、観光だけに依存している地方都市や、雇用を支えていた企業が撤退してしまった地域も、資産価値の防波堤を持たないので投資してはいけない。そのエリアに腰を据えて定住する人口が一定規模に達していなければ、道路も鉄道も病院も、間違いなくいずれ維持が難しくなるからだ。</p>

<p>「利回り」や人口、知名度だけで楽観的な判断をするのはご法度だ。「あれ、よく見たら近くに工場も、大きな企業も駅もなかったな」というのでは遅い。もしそんなエリアに不動産を持っているなら、値段が付くうちに一刻も早く手放して、人口集積と産業基盤のある地域に資産を再配置するべきだ。</p>

<p>富裕層はすでに、地方に点在する不動産を、静かに、そして着実に動かし始めている。地方の不動産を売却し、都市部あるいは産業が集積する地域へと再配置しているのだ。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_fudosan.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 25 Apr 2026 18:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小林大祐（不動産投資家・実業家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>勝てばそれでいいのか？ 元代表監督が教える「やり方より、あり方」の真意  倉嶋洋介（元男子卓球日本代表監督）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14084</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014084</guid>
			<description><![CDATA[元男子卓球日本代表監督である倉嶋洋介氏が、指導者として心がけている「勝敗より大事なこと」について語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「卓球最強メソッド」" height="1200" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/202604Kurashima01.jpg" width="1800" /></p>

<p>元男子卓球日本代表監督である倉嶋洋介氏は、「勝ち負け以上に大切なこと」の存在を説く。卓球のみならず、スポーツを通じて得られる人格形成の重要性とは何か。解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、倉嶋洋介著『神コーチが教える卓球「最強」メソッド』（日東書院本社）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>勝ち負け以上に大切なこと</h2>

<p>スポーツは勝ち負けを競うものですが、勝敗にこだわるあまり、選手として、そして人として大切なものを失わないようにしてほしい。これは私が指導者として常に心に留めていることのひとつです。</p>

<p>「グッドルーザー（良き敗者）」という言葉があります。どんなに悔しくても勝者をたたえ、試合後には相手の目を見て握手を交わす。そんな選手を指します。中には、負けて機嫌を悪くしたり、イライラを表に出してしまう選手もいますが、それでは選手として失格です。</p>

<p>私自身も監督として悔しい敗戦は何度も経験してきたので気持ちはよくわかります。しかし、そこで感情をぶつけてしまえば、それまで積み重ねてきた努力やチームの姿勢がすべて台無しになってしまいます。だからこそ、私は相手をたたえ、冷静にインタビューを受けるように心がけています。</p>

<p>そして、勝った時の謙虚さも同じくらい大切です。決しておごるような態度を取ってはいけません。勝った時には謙虚に、負けた時には潔く。それが本当のスポーツマンです。若い選手の皆さんにも、ぜひそんな姿勢を忘れずに、勝っても負けても誇れる選手を目指してほしいですし、それこそがスポーツの原点だと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「社会の中に卓球がある」ことを忘れずに</h2>

<p>指導者として、私が選手たちによく伝えている言葉があります。それは「社会の中に卓球界がある」ということです。全国トップレベルの選手になるような人たちは、幼い頃から卓球に打ち込み、まさに卓球漬けの日々を送ってきたケースがほとんどです。</p>

<p>しかしその一方で、学校の勉強がおろそかになったり、社会的な経験が乏しいまま大人になってしまうことも少なくありません。卓球界の中での常識が世の中の常識だと勘違いし、社会に出てから苦労してしまう例もあります。そうならないためにも、「卓球界は社会の中にある」という当たり前のことを、選手自身がしっかり意識すべきだと私は感じています。</p>

<p>卓球人生がどれほど輝かしいものであっても、競技を終えたあとの人生のほうがはるかに長いのです。だからこそ、「競技者としてどこまで強くなれるか」だけでなく、「人としてどう成長できるか」を常に考えてほしいのです。</p>

<p>スポーツを通して学べることは、技術や勝敗だけではありません。努力する大切さ、相手を敬う心、周囲への感謝の気持ち。こうしたことを身につけた選手は多くの人に支えてもらい、社会でも活躍できるはずです。</p>

<p>そして、そういう選手が一人でも増えていくことで、卓球界、スポーツ界そのものがもっと良い方向に成長していくと、私は信じています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「やり方」よりも大切な「あり方」</h2>

<p>ナショナルチームの監督時代、私が常に意識していたのが「やり方よりもあり方」という考え方です。監督に就いた時にまず「監督とはこうあるべきだ」という理想像を自分の中に作り、そのうえで「監督ならどう声をかけるか、どう行動すべきか」を考えながら、日々の言動に落とし込むようにしたのです。</p>

<p>正直、選手時代の自分はあまい部分も多く、今でも未熟なところはあります。しかし、言葉や行動を意識的に変えていくうちに、少しずつ理想の監督像が自分の姿に重なっていく感覚を持てるようになりました。</p>

<p>指導のテクニックという「やり方」ももちろん重要です。ですがそれ以上に、指導者としてどうあるべきかという「あり方」が根幹だと私は考えています。確固たる信念を持ちながらも柔軟であり、状況を見極めながら最適な選択を導く。それが私の理想とする監督の姿です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>指導者の学ぶ姿勢の大切さ</h2>

<p>指導者は「チームや選手は、リーダーの力量以上には育たない」という視点を持つことが大切です。たとえ選手に大きな可能性があっても、監督の指導法に課題があれば、選手は思ったとおりには成長してくれません。</p>

<p>指導の現場では「何度言っても伝わらない」「なかなか強くならない」という指導者の声をよく耳にします。その時にすべてを選手のせいにするのではなく、説明の順序や言葉の選び方、声のかけ方、練習法など、指導者側で改善できることはないか、自分自身を見つめ直してほしいのです。</p>

<p>「選手が伸びない＝自分の指導力にも成長の余地がある」と受け止められるかどうかが大切であり、そのようにして指導者自身が学ぶ姿勢を持つと、チーム全体も成長していくはずです。</p>

<p>サッカーの元フランス代表監督、ロジェ・ルメールの言葉に「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」というものがあります。まさにそのとおりで、指導者が学ぶことをやめた瞬間、チームの成長も止まってしまうと考えています。</p>

<p>強い選手、強いチームを育成するのであれば、誰よりも指導者自身が学び続けること。その姿勢こそが、選手の成長と勝利を導く&ldquo;本当の指導力&rdquo;だと私は思います。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/202604Kurashima01.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 25 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[倉嶋洋介（元男子卓球日本代表監督）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「高級時計をつける人」ほど自信がない？会議の冒頭5秒で相手の心を見抜く技術  山本大平（戦略コンサルタント）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14131</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014131</guid>
			<description><![CDATA[戦略コンサルタントの山本大平氏は、ビジネスの成否を分けるのは「開始5秒の非言語コミュニケーション」であるという。その詳細を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="THE21オンライン「トヨタの会議は30分」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202606YamamotoTaihei004.jpg" width="1200" /></p>

<p>『トヨタの会議は30分』（PHP文庫）の著者である山本大平氏は、「会議室のドアを開けた直後、『冒頭5秒』の非言語コミュニケーションに、すべてが凝縮されている」と言う。トヨタの会議に潜む「5秒の心理戦」を一つの例として、戦略コンサルタントがあらゆるビジネスに通じる勝敗の法則を紹介する。</p>

<p>※本稿は、累計10万部超のベストセラー『トヨタの会議は30分』（PHP文庫）の内容をもとに、著者が新たに執筆したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>会社の利益を溶かす「思考のアイドリング」</h2>

<p>私が戦略コンサルタントとして数多くの企業を再建する中で、停滞している組織には極めて残酷な共通点があります。それは、週末明けの会議で「では、前回のおさらいからはじめましょうか」と、ダラダラと数分から十数分を無駄にしていることです。</p>

<p>厳しい言い方をすれば、これは参加者の人件費という目に見えない多額のコストを、「思い出す」という非生産的な作業に垂れ流している状態です。アドラー心理学では、人間の行動を過去の原因に求める「原因論」を否定し、未来の目的に向かって動く「目的論」を提唱しています。</p>

<p>一般企業の会議は「前回こうだったから」と過去を向く原因論の罠に陥りがちですが、意思決定が圧倒的に速いトヨタの会議は完全に目的論で動いていました。一つ前の会議の段階で「次、何を話し合うか（目的）」が定義されているため、前置きゼロで、いきなり未来に向けた本題に斬り込める。今になって、そう分析しています。</p>

<p><img alt="「トヨタの会議は30分」" height="1200" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/book2/9784569905587_1.jpg" width="841" /></p>

<p>『トヨタの会議は30分』（PHP文庫）／山本大平 著／935円（税込み）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『孟子』も説いた「5秒」の非言語コミュニケーション</h2>

<p>とはいえ、人間は機械ではありません。常に全員のコンディションが完璧とは限らない。そこで重要になるのが、開始直後の「キャリブレーション（状態把握）」です。</p>

<p>例えば、私のクライアントである老舗メーカーの敏腕役員は、気難しい取引先との商談において、冒頭の5秒で「あえて隙を見せる」という誘導を行います。わざと少し不器用な挨拶をし、相手の優越感を意図的にくすぐる。相手が「自分が優位に立った」と思い込み、警戒心を完全に解いた隙を突き、自社の要求を丸呑みさせるのです。</p>

<p>また、別のクライアントである企業再生を担うCEOは、反発の強い現場との会議室に入るなり、無言で机にストップウォッチを置き、一番の抵抗勢力の目を3秒間射抜きます。そして「今日は言い訳を聞く時間はありません」とだけ告げる。言葉を交わす前の5秒間で空気を完全に支配し、相手の思考を強制的に自分へ従属させるのです。</p>

<p>儒教の古典『孟子』に「その眸子（ぼうし）を観れば、人焉（いずく）んぞ廋（かく）さんや」という言葉があります。人間の本性やコンディションは、瞳（目線や表情）を見れば隠し通せるものではない、という真理です。</p>

<p>真に生産性の高い会議でも、主催者は、開始直後の5秒間で参加者の表情や視線の上がり具合を瞬時に見抜きます。</p>

<p>空気がピリッとしていれば、前置きという予定調和を破壊し、即座に本題へ。もし「少し緩んでいる」と察知すれば、即座にアプローチを変え、「前回の流れ、覚えていますね？」と約30秒で全員のマインドを強制的に同期させます。</p>

<p>これは決して親切心からの「おさらい」ではありません。組織のエンジンをトップギアに入れるための、計算し尽くされた「点火」作業なのです。そして、この「5秒で人を見抜く」観察眼は、社内の会議室にとどまらず、やがて社外でのしたたかな「心理戦」においても最強の武器へと変貌していくのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>名刺交換は「情報戦」の最前線である</h2>

<p>前述した「冒頭5秒のキャリブレーション（状態把握）」は、身内の会議室で完結する生ぬるいスキルではありません。むしろ、社外とのタフな商談や、初対面の相手との交渉事においてこそ、その真価を発揮する「鋭利な武器」となります。</p>

<p>私がトヨタに在籍していた頃、ある上司から「人は5秒で見抜け」と厳しく叩き込まれました。これは決して、「相手のビジネスマナーが正しいか」を採点するような、表面的なお作法チェックではありません。</p>

<p>相手が身につけている時計、表情、仕草、視線の動き、声のトーン、そして名刺の出し方など、あらゆる非言語情報から相手の内面を瞬時にプロファイリングせよ、という極めて高度な情報戦の教えでした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>アドラーが暴く「高級時計という名の鎧」</h2>

<p>例えばビジネスの現場で、不自然なほど目立つアクセサリーや、過度に豪華できらびやかな時計を身につけている人物に出会うことがあります。</p>

<p>アドラー心理学では、これを「優越コンプレックス」と呼びます。強い劣等感を抱えている人間が、あたかも自分が優れているかのように振舞い、権威性を誇示する心理状態です。つまり、彼らの過剰な装飾は、自身の能力や実績に本当の意味で自信がないからこそ身にまとった「虚勢の鎧」に過ぎません。</p>

<p>ビジネスのタフな交渉では、つい相手の威圧感に飲まれそうになるものです。しかし、「この人は自分を偽り、無理をしている」と最初の5秒で観察できれば、見え方は180度変わります。</p>

<p>相手の隠れたコンプレックスを見抜けた時点で、相手に「自分が場を支配している」という心地よい錯覚を与えさせることができれば、盤面全体の主導権はこちらが静かに握り続けることができるようになります。</p>

<p>さらに残酷なほど実力差が浮き彫りになるのが、名刺交換といった初対面の瞬間です。相手がこちらの「目（顔）」をまっすぐ射抜くように見るか、それとも「名刺の文字（肩書き）」ばかりを追うか。私はかつてテレビ局で働いていた時期があり、多くの著名人や芸能人の方にご挨拶する機会がありました。</p>

<p>彼らのほとんどは名刺を持たないため、挨拶の瞬間にこちらの顔をじっと覗き込み、強い視線を合わせて力強い握手をしてきます。これは無意識のうちに相手の「底」を測り、自分のペースに引きずり込もうとする本能的なマウントの取り合いです。</p>

<p>仏教には「如実知見（にょじつちけん）」という言葉があります。対象をありのままに、偏見や肩書きというフィルターを通さずに見極めるという教えです。</p>

<p>もしあなたが、名刺という単なる「紙切れ」の情報に気を取られ、目の前にいる人間の「生身の気迫」から目を逸らしたなら、その最初の5秒間で、すでに主導権は完全に相手に奪われているのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>億単位の交渉も、ドアが開く「最初の5秒」で勝負は決まる</h2>

<p>この「5秒で見抜く」極意は、企業の命運を分ける修羅場においてこそ、その真価を最も残酷な形で発揮します。</p>

<p>私は戦略コンサルタントとして、企業間のM&amp;Aや事業譲渡といったヒリヒリするような大型交渉の場に立ち会うことがあります。そうした極限のプレッシャーの中、相手企業のトップが会議室のドアを開けて入室してくる最初の5秒間にこそ、財務諸表や事前調査の資料には決して載らない「圧倒的な真実」が露呈します。</p>

<p>足取りの不自然な重さ、同行する側近へ送る視線の泳ぎ、あるいは虚勢を張った側近のぎこちない所作。どれほど分厚く完璧な事業計画書を持参していようと、この「5秒の非言語情報」の前では、彼らの水面下での焦りや、資金繰りの嘘を隠し通すことはできません。</p>

<p>億単位の交渉という極限の修羅場を例に挙げましたが、これは決して特殊な世界の話ではありません。ビジネスの本質とは、数千億円が動く買収劇であっても、明日の定例会議であっても、相手との「情報の非対称性」をいかに読み解き、議論の機先を制するかという一点に集約されるからです。</p>

<p>この「冒頭5秒のプロファイリング」を単なる小手先のテクニックではなく、呼吸をするように当たり前の「思考のOS」へと昇華できるか。そこが、ただただその場に「出席」しているだけの凡人と、対話の軌道をデザインし確実に成果をたぐり寄せるプロフェッショナルとの分かれ道となると思うのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202606YamamotoTaihei004.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 24 Apr 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山本大平（戦略コンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>シカゴ・カブスが見せた「褒める組織」の底力。108年ぶりワールドシリーズ制覇の秘密  山本渉（マーケティング会社統括ディレクター）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14120</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014120</guid>
			<description><![CDATA[複数のマネジメント書籍を出版している山本渉氏が、モチベーション・パフォーマンス向上に寄与する「褒め」の秘訣を語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「できるリーダーはどこをほめるのか」" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_succesLIG.jpg" width="1200" /></p>

<p>近年、褒められることでのパフォーマンス向上効果が注目されているという。具体的にどのような事象があるのか。解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、山本渉著『できるリーダーはどこを「ほめる」のか？』（朝日新聞出版）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>チームに奇跡を起こした褒め</h2>

<p>ダルビッシュ有投手など、日本人選手も所属したシカゴ・カブスというメジャーリーグの球団があります。地元でとても愛されているチームですが、成績は振るわず、全球団で最も長くリーグ優勝ができていませんでした。</p>

<p>2016年、カブスはある儀式を導入します。それは、円陣を組んで選手同士がお互いを褒め合うというアクションでした。</p>

<p>選手は仲間からの承認で自信を得て、モチベーションを高めました。チームの空気は前向きに変化し、いきなり71年ぶりのリーグ優勝を果たしたのです。それだけでなく、108年ぶりにワールドシリーズも制覇。観客動員数も過去最高を記録し、まさに奇跡のような成果となりました。</p>

<p>もちろん、褒め合いだけがこれらの成果を生み出したわけではないのですが、チームを強くする一因になったことは間違いないでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>褒めとモチベーション</h2>

<p>例として野球の話を挙げましたが、ビジネスにもそのまま当てはまります。職場で褒め合う文化が育つと、組織の雰囲気はよくなります。褒められた人には自信がつき、新しいことに挑む環境が整い、結果としてイノベーションが生まれやすくなるのです。</p>

<p>また、モチベーション向上にも作用します。モチベーションには「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の2種類があります。前者は給与や昇進など外部から与えられる要因、後者は「成長したい」「チームに貢献したい」といった内面から湧き上がる要因です。</p>

<p>褒めること自体は外的な刺激ですが、その承認が内発的な動機づけを呼び起こします。つまり、自ら学び、成長し、活躍しようとする姿勢につながるのです。その結果、個人のパフォーマンスだけでなく、チーム全体の力も底上げされていくのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>褒める側にもメリットがある</h2>

<p>かつては「厳しく叱責して鍛える」ことが効果的な指導法とされ、威圧や支配によって人を動かすマネジメントも珍しくありませんでした。しかし今、その手法は過去のものになりつつあります。</p>

<p>理由はハラスメント防止だけではありません。過度な叱責は心身の健康を害し、離職や対立を生み、組織の生産性を損なうなどのマイナスの副作用があまりに大きいからです。</p>

<p>もちろん正しい指導や改善のフィードバックは必要です。ただし、本当に人と組織を強くするのは、「追い詰める（ツメ）」よりも「褒めて伸ばす（ホメ）」なのです。</p>

<p>ふつうは「結果が出たから褒める」と考えますが、冒頭のカブスの事例のように、「褒めることによって結果が出る」というアプローチも知っておくと視野が広がります。</p>

<p>褒められた人に自信や意欲が芽生えることは多くの研究でも裏づけられていますが、実は、褒めた側にもよい効果があります。幸福学を専門とするアンソニー・ジャック氏（ケース・ウェスタン・リザーブ大学）は、「人に褒め言葉を贈ることは、ストレス耐性を高める効果がある」と研究で示しています。</p>

<p>マネジメントも育児もストレスがかかるものなので、ぜひ褒めることで自分自身の心を穏やかに保っていきましょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_succesLIG.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 24 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山本渉（マーケティング会社統括ディレクター）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>元ファイターズ・加藤豪将さんの次の仕事「日本にはない役職」とは？ MLBでも希少  トクサンTV（YouTuber）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13924</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013924</guid>
			<description><![CDATA[登録者数87万人超の野球系YouTuber・トクサンTV。その著作より、変化を恐れないメジャーリーグの、ルール変更と改革の歴史を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「野球ビジネス」THE21オンライン" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_USAflag.jpg" width="1200" /></p>

<p>日本トップクラスの野球系インフルエンサーにして、新刊『野球ビジネス』が発売されたトクサンTV。多くの世界的プレイヤーが在籍し、日本にはない多くの特徴を持つメジャーリーグの進化の歴史を解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、トクサンTV著『野球ビジネス』（クロスメディア・パブリッシング）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>MLBで導入されている先行ルール</h2>

<p>MLBでは、2023年に大きなルール改正を行いました。①ピッチクロック（投球間隔を走者なしの場合は15秒以内、走者ありの場合は20秒以内に短縮）②けん制球の制限（投手のけん制は3度まで）③極端な守備シフトの禁止（塁間に内野手を3人置くなどの守備陣形は禁止）④ベース拡大（15インチ＝約38.1センチ四方から18インチ＝約45.7センチ四方に拡大）が主なところです。</p>

<p>①ピッチクロックは、ケースバイケースでいいのではと思います。野球は試合時間が長いがために途中で飽きられ、ファンが減っていくというデータがあったから導入し、実際にスピード化されて試合自体がエキサイティングになったメリットがある。</p>

<p>日本のプロ野球も取り入れるべきだとは思いますが、それは選手ファーストではなく、野球ファンを拡大していくためであり、スポーツエンターテインメントとしての視点で必要です。一方で、「日本の野球」という文化は、間や静寂をとても重んじる。まさに武士の考え方ですよね。斬り合う前、居合を始める直前の「間」自体も、息をのんで見つめるもの。言い換えれば楽しむものであるという捉え方をします。</p>

<p>その観点から考えると、1試合につきピッチクロック解除を3度まで使える、という感じで日本独自のルールとしてやるのはどうでしょうか。全部が全部、アメリカの言う通り、受け売りではなくてもいい。日本の文化ではこれこれこうだから、ときちんと理由が明確にあったうえで決める。</p>

<p>たとえば、7回や8回の緊張感がある場面になったとき、バッテリーなのか監督なのかはわからないですが、ピッチクロック解除を審判に申告。その打者に対してはじっくり時間をかけて1対1の空間で勝負する――見ているほうも手に汗握りますよね。</p>

<p>ただし、データの進化はやはりアメリカは一歩も二歩もリードしています。2025年1月に、元北海道日本ハムファイターズの加藤豪将さんを北海道で取材しました。加藤さんがトロント・ブルージェイズに就職が決まったタイミングだったので、どんな仕事をするのかを聞きました。</p>

<p>選手とデータをつなげる役割だというんですね。選手たちはパフォーマンスを発揮して、そのデータもいろいろ確認している。一方、アナリストはデータをたくさん蓄積して情報は持っている。でも、選手とアナリスト部隊の間に必要な「データを基に選手の能力を発揮させる人」が不在ということで、加藤さんはそのポストに入ることになったのだと。</p>

<p>選手たちには、データを基にどんな練習やトレーニング、休養をすればその選手のパフォーマンスが上がっていくかを事細かく説明する。逆に、アナリスト部隊には選手たちの感覚みたいなものを伝える。いわば中間管理職みたいな仕事をするという話を聞いて、めちゃめちゃ面白いと思いました。</p>

<p>メジャーにも、まだそんなにいないそうなので、おそらく日本のプロ野球球団には存在していない役割かもしれません。すごく重要な役割ですよね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>イメージとは違うMLBの繊細さ</h2>

<p>2025年のワールドシリーズに進出するあたりを見ると、加藤さんの仕事の効果が遺憾なく発揮されたのでしょう。メジャーリーグは「パワー！」「スピード！」「データ！」というイメージですが、足りていなかった繊細な部分を埋めにかかるところはさすがメジャーリーグ、アメリカのビジネス社会という感じがします。</p>

<p>これも、スポーツエンターテインメントの内部を支える必要な役職ですし、すぐにお金を使って、スペシャリストを集めて舞台をつくっちゃう。トロント・ブルージェイズはそれがハマったのだろうなと思いました。</p>

<p>それこそア・リーグ優勝決定シリーズのシアトル・マリナーズとの壮絶な戦い。王手をかけられながらも引っくり返す、という勝負強さを発揮できた理由にも、そういったことがあったのでしょうね。あれだけ猛打を爆発させていたシアトル・マリナーズがトロント・ブルージェイズによって止められた。</p>

<p>きっと、細部を詰めていった結果、「こうなったときには勝てる」という戦い方が見えていたのかもしれません。本当に強かったですから。</p>

<p>グラウンド外のところでは、MLBは変革を起こせる環境があります。5項の「スポーツビジネス 日米の違い」でも触れましたが、MLBには球団のオーナーになりたい富裕層が山ほどいる一方で、日本では球団を保有することが敬遠されてしまう。そこに、変革が起こせなくなる要因が表れていると思います。</p>

<p>日本のプロ野球には日本のプロ野球の良さも当然あります。前述の通り全て手本にする必要はないと思います。ただ独自色が強すぎることは否めません。日本プロ野球が消滅することはないにしても球団が減ってしまうことは可能性としてゼロではありません。そのためにもオーナー、球団運営に携わる人たちの「野球を面白くさせるんだ！」という熱意は根底に持ってほしいところです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_USAflag.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 24 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[トクサンTV（YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>真面目ないい子が「退職代行で突然やめていく」　背景にあった4つの理由  金間大介（金沢大学教授）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11979</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011979</guid>
			<description><![CDATA[若者たちは、なぜ予兆なく、静かに退職していくのか...。金沢大学教授の金間大介氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="静かに退職する若者" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_street02.jpg" width="1200" /></p>

<p>最近、「退職代行サービス」を利用して会社を辞める若者が増えているという。彼らの上司の多くは、退職の予兆をつかむことさえできず、ある日突然かかってくる退職代行サービスからの電話に心底驚くそうだ。「辞めたいなんて言っていなかったのに」「ひと言相談してくれればよかったのに」――そんなすれ違いは一体なぜ起きてしまうのだろうか。</p>

<p>※本稿は、金間大介著『静かに退職する若者たち　部下との1on1の前に知っておいてほしいこと』（PHP研究所）の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>不可解な印象を与える「いい子症候群」とは?</h2>

<p><img alt="いい子症候群の若者たちの特徴" height="642" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250310Kanamadaisuke1.jpg" width="1200" /></p>

<p>感じよく、そつなく、その場に適した返答をする。しかし、決して本音は明かさない。目立ちたくもないし、その他大勢の中に埋もれていたい......。僕はこれを、若者たちの「いい子症候群」と呼んでいる。</p>

<p>なぜ、若者は本音を明かすことを避けるのだろうか。職場における若者たちの不可解な行動の解像度を上げ、その原因となる現象を深掘りすることで、「今の若者」の実像に迫ってみよう。</p>

<p>まずは「いい子症候群」の特徴について説明したい。それは図①の「行動特性（その①）」のようなものだ。</p>

<p>こうした行動特性から、世間ではよく、最近の若者を「素直でいい子」「まじめでいい子」と評する。ただし、彼らは同時に「行動特性（その②）」のような特徴も併せ持つ。</p>

<p>こういった極めて消極的な姿勢を伴うことから、「素直でまじめ」なのにもかかわらず、「何を考えているのかわからない」「自らの意思を感じない」といった不可解な印象を与える。</p>

<p>とはいえ、昔から消極的で主体性のない若者というのは存在した。彼らと「いい子症候群」とは何が違うのか。</p>

<p>それはキャラのわかりやすさだ。かつての消極的な若者は、「行動特性（その①）」のような振る舞いはあまりしなかった。一見しておとなしく、コミュ力が乏しいことがすぐにわかった。</p>

<p>しかし、今の「いい子症候群」は違う。一見、若者らしい前向きさがある。協調性があり、（表面的な）意欲も見せる。</p>

<p>年配者はこれに騙される。そしてこう言う。「今年の新人は優秀だ」。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「量産型」かつ「唯一無二の存在」</h2>

<p>それではなぜ、今の若者はそんなわかりにくい行動を取るのか。その内面にはどんな心理が隠されているのか。それを端的に表すと図①の「心理特性」のようになる。</p>

<p>例えば、大学の講義で「何か質問はありますか?」と問いかけても、今の大学生からまず返答はない。自分だけが反応すると目立ってしまうからだ。</p>

<p>こうしたいい子症候群の若者たちの話をすると、よく「それって若者だけではなく、日本人全体に言えることでは?」という反応が返ってくる。その通りだが、過去の若者よりもわかりにくくなっていることがポイントだ。</p>

<p>以前の若者はもっとわかりやすく、何らかの形で価値観が表面に現れていた。予想ができる分、若手社員たちのマネジメントは楽だった。「彼女はこっちの部署が合いそう」「彼はこの仕事が合うかも」といったふうに。</p>

<p>それが今は違う。みんなさわやかで、みんなコミュ力高め。表面的に観測できる水準（レベル）は明らかに上がっている。</p>

<p>良く言えば、人材としての質的向上だ。悪く言えば、量産化が進行している。量産化といっても、いわゆる雑魚キャラではない。「あなたは他の誰でもない、唯一無二の存在ですよ」と、ちゃんと教えられてきた世代だ。</p>

<p>ここが重要なポイントだと思うので、しっかり主張しておきたい。僕のこれまでの見立てでは、現在の若者の多くは「量産型」であり、「唯一無二の存在」だ。矛盾する2つの概念を組み合わせて生きるのは、今の若者のお家芸だ。</p>

<p>周りと同じではいけない、個としての貴重な体験こそが君を唯一無二の存在にする、と教わり続け、事実、就職活動でも「隣の人と君との違いは何か」、「隣の人ではなく君を採用する理由は何か」を問われ続ける。</p>

<p>それでもなお、他人と違う自分に自信が持てない。平均値付近にいることの安心感、安定感は手放せない。</p>

<p>その矛盾を内包するように得たスタイルが、「量産型」兼「唯一無二の存在」だ。唯一無二の存在というラベルを貼った量産型と言うべきか。</p>

<p>今の若者は、とても難しい役割を演じているのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>若者が会社を辞める4つの理由</h2>

<p><img alt="最近の若者が会社を辞める4つの理由" height="824" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250310Kanamadaisuke02.jpg" width="1200" /></p>

<p>では、今の若者はどんな理由から退職を考えるのだろうか。体調不良やパワハラ被害、ブラック企業からの脱出といった理由を除くと、今の若者が会社を辞める理由は、大きく分けて4つある（図②）。</p>

<p>1つ目は、想定と現実のギャップだ。当然のことだが、仕事は楽しいことばかりではない。多くの若者は「普通の職場環境」「普通の待遇」「普通の上司」を想定して職に就く。しかし、現実は「理不尽な職場環境」「不公平な待遇」「意味不明な上司」のうち、1つか2つには当てはまってしまうのが「普通」だ。事前の想定が甘いほど、このギャップを強く実感することになる。</p>

<p>2つ目は、「ゆるブラック」企業からの退職だ。日本企業の多くは、残業を含めた労働時間を着実に減らすとともに、ハラスメントへの対策を強化することで、職場を働きやすくクリーンな場に変えてきた。</p>

<p>ところが、そんな全国クリーン化計画によって、逆に一部の若者にとっては、「成長」の機会が奪われていると感じられるというのだ。</p>

<p>仮に若手に与える仕事を、誰にでもできるような作業に限ってしまえば、身を切られるようなストレスを感じることはないし、彼らから「理不尽だ」「ブラックだ」「搾取だ」と訴えられるような状況にはならない。</p>

<p>ただし、そのような職場環境に身を置くと、新たな仕事に対する知識やスキルが身につかないのは明白だ。一部の若者は、ここに不安や危惧を覚える傾向にある。</p>

<p>若い世代における「働きがい」と「働きやすさ」は反比例しているという分析結果も散見されるようになった。貴重な人材に配慮し、「働きやすさ」を追求することで結果的に働きがいが低下しているとなれば、これは皮肉なことだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>辞める若者が言う「わかりました」の意味</h2>

<p>3つ目は、配属が希望通りにならなかったときの退職だ。そんなことなら昔からあっただろう、と思われる人も多いと思うが、昔と異なるのは若者のリアクションだ。</p>

<p>昨今の特徴としては、その若手になぜ希望通りの配属にならなかったかをしっかりと説明しそれが理不尽ではないことを、時間をかけて理解してもらう必要がある。</p>

<p>そんな一連の努力を重ねて、ようやく「わかりました。ありがとうございます」という返答が返ってくる。そしてその翌週に退職願を持ってくるのだ。</p>

<p>彼らの「わかりました」は、「会社の考えと自分の考えとは違うということがわかりました」という意味なのである。</p>

<p>昨今の若者の潮流として、会社や組織のことを、自分からは遠く離れた大きな流れのようなものと見なす傾向が強くなっている。それが表れたのが、かつて使われていた「配属（異動）ガチャ」という表現だ（もう誰も言わなくなっているが）。</p>

<p>経営者や上司にしてみれば、配属や異動には当然意味や根拠があり、決して「ガチャ」と呼ばれるようなものではない。にもかかわらず、若者は「ガチャに外れたんで、会社辞めるわ」となるのである。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「手軽に成長したい」進む能力取得のファスト化</h2>

<p>そして4つ目は、「会社は自分に何をしてくれるか」という考えが、若者の間で強くなっていることだ。スキルや能力向上の機会は、会社や上司が「仕組み」として用意すべきものであって、それがない、あるいは自ら作らなければならない会社は理不尽だ、と考えている。</p>

<p>僕はこの背景に、知識やスキル、能力の取得に対する「ファスト化」があると考えている。</p>

<p>2022年9月にレジー著『ファスト教養　10分で答えが欲しい人たち』（集英社新書）という本が出版され、若者を中心とした教養の取得に対するファスト化が話題となった。簡単に言うと、手っ取り早く仕事に役立つ教養を身につけたいという若者が増えている、という主張で、僕もまったく同感だ。</p>

<p>入門書や専門書を何冊も読んだり、大学の講義に参加したりすることは、コスト負担が大きいし、効率も悪い。それだったら、「〇分でわかる△△解説」といった動画はたくさんあるし、何なら詳しい人にさっと教えてもらえれば十分、という考えが強くなっている。</p>

<p>こういった、いわゆるコスパやタイパを計算した行動が目につくようになった。そしてこのファスト化の対象が、教養だけでなくスキルや能力にまで及んでいると、僕は考えている。</p>

<p>そして今の若者の多くは、それらが得られる機会は会社側から提供されてしかるべきであって、それがない会社は良くない会社と考える、というのが僕の主張だ。</p>

<p>今の若者の多くは、成長を実感したい、職業人として通用する能力を身につけたいという気持ちが確かに強い。かといって、がむしゃらに働かなければならないような業務を求めているわけではない。何年もじっくりと時間をかけて身につける職人的下積みを求めているわけでもない。</p>

<p>要するに、今の若者の多くは、「なるべく手軽に成長を実感したい」「周りに遅れないよう効率的に職業人として通用する能力を身につけたい」という気持ちが強いのだ。</p>

<p>だから、スキルや能力向上の機会を無視してこき使う職場を「ブラック」、逆に仕事量が少なく、身につく知識やスキルが少ないと感じる職場を「ゆるブラック」と評して、どちらも敬遠することになる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「見守る」は時代遅れ　若者の理想の上司像</h2>

<p><img alt="今の若者にとっての理想の上司とは" height="1315" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250310Kanamadaisuke03.jpg" width="1200" /></p>

<p>では、そんな今の若者たちが上司に期待しているのはどんなことだろうか。</p>

<p>多くの調査会社が取得・公表しているデータを解きほぐしていくと、今の新入社員にとっての「理想の上司・先輩像」が、図③のように見えてくる。</p>

<p>「わかりやすい言葉で説明してくれる」「具体的なアドバイスをくれる」「いつでも相談に乗ってくれる」「業務に一緒に取り組んでくれる」「部下の意見・要望に対し、動いてくれる」といった項目が票を集め、逆に「場合によっては叱ってくれる」「仕事の成果にこだわる」といった項目は支持を失っている。</p>

<p>Z世代との間に生じるコミュニケーション・ギャップの大きさに戸惑いながらも、上司という立場上、組織の利益と秩序を守るために、若者を何とかコントロールしようとがんばっている人は多いだろう。</p>

<p>若者たちの行為を「なんで」「おかしい」と思う感覚は否定しない。しかし、若者の目線と立場から考え直すことで、そう思う自分たちこそズレてしまっている可能性はないかと、一度立ち止まって考えてみてほしい。</p>

<p>若者たちは、先輩世代の皆さんのことが嫌いではない。むしろ、できることなら仲良くしたいと思っている。</p>

<p>だからこそ僕は、先輩世代の皆さんに若者たちの気質を理解してもらい、それをそのまま受け入れながら、共に前へ進める社会にしていきたいと、強く願っている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【金間大介（かなま・だいすけ）】<br />
金沢大学教授。北海道生まれ。横浜国立大学大学院卒業（博士）。応用物理学の博士後期課程中にバージニア工科大学にてイノベーション・マネジメントに魅了され、以来イノベーション論、マーケティング論、産学連携論等の研究に従事。「イノベーションのためのモチベーション」研究も行なっており、教育や人材育成の業界との連携も多数。著書に『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』（東洋経済新報社）、『静かに退職する若者たち』（PHP研究所）などがある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_street02.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 23 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[金間大介（金沢大学教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「頑張れ」が部下を追い込む理由　ホークスコーチが教える正しい声かけ  伴元裕（福岡ソフトバンクホークスメンタルパフォーマンスコーチ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13986</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013986</guid>
			<description><![CDATA[上司や指導者であれば、部下のモチベーション管理も仕事の一つ。この難題を、どのように解決していけばよいだろうか。語ってもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「集中力革命」" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_managerLIG.jpg" width="1200" /></p>

<p>福岡ソフトバンクホークスのメンタルパフォーマンスコーチとして、チームの優勝・日本一に貢献した伴元裕氏。指導者や上司の立場で、メンバーの集中力向上を目指すにはどうするべきか。解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、伴元裕著『集中力革命　ブレても力を発揮するメンタルの技術』（Gakken）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>仕事に臨む人の頭の中</h2>

<p>スポーツの現場だけでなく、ビジネスシーンでも同じことがいえます。やらなければいけないことは、はっきりしています。締切もわかっているし、この作業を後回しにしても状況が良くならないこともわかっています。それでも、パソコンを開いたまま手が止まり、別のタスクを先に片づけてしまう......。気が進まない、という感覚だけが、静かに残っている状態です。</p>

<p>これまで、何もしてこなかったわけではありません。必要な情報は集めてきたし、段取りも考えています。経験上、どう進めればいいかもわかっています。それなのに、なぜか取りかかれない。自分でも理由がはっきりしないまま、時間だけが過ぎていきます。</p>

<p>気がつくと、意識は少しずつ先へ向かっています。</p>

<p>「この仕事をやった結果、どう評価されるだろうか。中途半端だと思われないだろうか。ちゃんと価値のあるアウトプットになるだろうか」</p>

<p>そんな考えが浮かんだ瞬間、自分の中に「評価する目」が立ち上がります。まだ始めてもいない自分の仕事を、外側から眺め、できそうかどうかを測り始めてしまう、そんな管理者モードに入っていることに、ふと気づきます。</p>

<p>「やる気を出して、ちゃんと集中しなければ......」</p>

<p>そんなふうに自分を整えようとするほど気が進まない感覚は、怠けや甘えのように扱われ、無理に消そうと努力をしてしまうものです。</p>

<p>けれど、そこで一度立ち止まりましょう。</p>

<p>「気が進まないという感覚を、否定しなくていいんだ。面倒だと感じることも重たく感じることも、自然な反応だ」と。</p>

<p>これら自体が、前に進めない原因になっているわけではないのです。</p>

<p>では、このとき「今、自分で、できること」は何でしょうか。ここで求められるのは、やる気を出すことでも、完璧なアウトプットを想像することでもありません。自分がこの仕事で、何を果たそうとしているのかというパフォーマンス目標に、注意を戻すことです。うまくできそうかどうかではなく、少しでもその意図に近づこうとする姿勢を保てているか。その確認が、次の行動を選び直すための土台になります。</p>

<p>そのうえで、注意を置く先は、「今、ここで、実際に手を動かせること」になります。たとえば、資料を一行だけ読み直したり、冒頭の見出しを書き出してみたり、必要な情報を一つだけ整理したりする、などです。完成させようとするのではなく、次につながる最小の行動に注意を向けることが大切です。</p>

<p>注意は、ビジネスシーンでも逸れるものです。メールの通知、別の仕事、評価への不安、うまく進んでいないという感覚......。これらは何度でも顔を出しますが、それでいいのです。集中できているか、やる気があるかどうかが問題なのではありません。良い状態か、悪い状態かを判断する必要もありません。</p>

<p>注意が逸れたことに気づいたら、そのたびに「今、ここで、できる行動」に注意を戻し続けることです。仕事に取りかかれない時間があったとしても、戻る先があれば、行動は必ず再開できるのですから。</p>

<p>注意が逸れたことに気づき、そのたびに戻していく。その過程そのものが、集中なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>導く立場の人の頭の中</h2>

<p>あなたが、スポーツの現場で、あるいは会社で、指導する立場だったとしましょう。目の前の相手が、思うように動けていないことに気づきます。</p>

<p>「やるべきことはわかっているはずなのに、手が止まってしまっているな。準備不足には見えない。けれども、なかなか動けていない」</p>

<p>その様子を見ていると、こちらの中に、落ち着かない感覚が生まれてくるものです。相手の状況も理解しているし、必要なサポートもしてきた。それでも、この沈黙や停滞を前にすると、どう関わるべきか迷いが生じてしまうものです。</p>

<p>気づくと、意識は少しずつ先へ向かっています。</p>

<p>「このままで成果は出せるだろうか。チーム全体に影響はないだろうか。自分の関わり方は正しいだろうか」</p>

<p>そうした考えが浮かんだ瞬間、相手そのものではなく、「結果」や「出来」に注意が向き始めてしまいます。評価する視点が立ち上がり、相手の行動を外側から測り始めていることに、ふと気づきます。</p>

<p>そんなとき、多くの場合、人は何かをしたくなるものです。</p>

<p>「結果への意識を持たせたほうがいいのではないか。確認のチェックリストを増やしたほうがいいのではないか。あるいは、『自信を持て』『落ち着いてやれば大丈夫だ』と感情を整えさせたほうがいいのではないか」</p>

<p>このようにして、相手が止まっている状態を問題として扱い、正しい状態に戻そうとします。</p>

<p>しかし、ここで一度立ち止まって、次のように考えてみましょう。</p>

<p>「相手が今すぐ動けていないことを、否定しなくていいんだ。止まっているように見える時間も、迷っているように見える状態も、この場面では自然な過程かもしれない」</p>

<p>それ自体が、失敗や怠慢を意味しているとは限りません。では、「今、自分にできること」は何でしょうか。</p>

<p>ここで求められるのは、相手を動かすことでも、正解を与えることでもありません。相手がこの場で、何を果たそうとしているのかという意図に、注意を戻してあげることなのです。うまく進んでいるかどうかではなく、相手がその意図に向かう余地があるか。その確認が、関わり方を選び直す土台になるのです。</p>

<p>そのうえで、関わる側ができることはさほど多くありません。注意を適切な場所に戻せる手がかりを、一つ託してあげるだけで十分な場面もあります。すぐに行動を指示するのではなく、戻る先を見えるようにしてあげるのです。</p>

<p>たとえば、「今、どんなプレーをしようとしていたかな」と管理ではなく静かに問いかけるように。このような関わり方が、相手の中にある力を邪魔せずに支える方法の一つなのです。</p>

<p>すでに相手がその「戻る場所」を持っている場合は、静観するという選択がもっとも良い関わり方である可能性もあります。何かを足すよりも、何もしないことで、その人が自分で戻ってくる時間と余白を守るのです。</p>

<p>こちらの注意も、また逸れることもあるでしょう。結果や自分自身の評価への不安、時間的な制約――。これらは何度でも顔を出します。それでも、それを認めましょう。良い関わりができているかどうかを、その場で判断する必要はありません。</p>

<p>注意が逸れたことに気づいたら、そのたびに「相手が意図に戻れる関わり」に注意を戻し続けるのです。関わる側がすべてを整えなくても、戻る先が残っていれば、相手は自分のタイミングで動き出すことができます。</p>

<p>関わるという行為もまた、最初から正しくある必要はありません。相手を動かそうと焦るとき、関わる側の注意もまた、相手の変化や結果のほうへと向いていることがあります。</p>

<p>その注意のズレに気づき、相手が自分で意図や今できる行動に立ち返れるよう関わっていく。そうすることで、相手が自分で動き出せる余地が保たれていきます。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_managerLIG.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 23 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[伴元裕（福岡ソフトバンクホークスメンタルパフォーマンスコーチ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>本番で力が出ないのはなぜ？ 元日本代表監督「結局、準備がすべてです」  倉嶋洋介（元男子卓球日本代表監督）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14078</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014078</guid>
			<description><![CDATA[試合で力を発揮できない原因は、技術不足だけではないーー。元男子卓球日本代表監督が、自信の持ち方や試合への向き合い方を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「卓球最強メソッド」" height="1200" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/202604Kurashima02.jpg" width="1800" /></p>

<p>元男子卓球日本代表監督の倉嶋洋介氏は、試合を&ldquo;発表会&rdquo;と捉え、緊張さえも味方につける思考法を持つという。自信の持ち方や試合への向き合い方を解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、倉嶋洋介著『神コーチが教える卓球「最強」メソッド』（日東書院本社）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>まずは気持ち。自信を持って試合に臨むことが大切</h2>

<p>「本番で実力が発揮できない」というのは、よくある悩みのひとつです。その原因はいくつか考えられますが、まず第一に考えるべきはメンタル。大切なのは自信を持って試合に臨めているかどうかです。</p>

<p>私自身も中学生までは全国大会に出場してもなかなか勝てない時期が続きました。自信がなく、強豪選手と当たると勝てる気がしませんでした。</p>

<p>しかし、ある全国大会で初のランク入りを果たしたところ、「全国でも勝てるんだ」と自信を持ち始めて、その後の大会は自分でも不思議なくらいに勝つことができたのです。</p>

<p>もしかしたら「勝てない」と自分で蓋をしていただけなのかもしれません。そのような経験を通して、やはりメンタルは重要なのだと、改めて感じました。</p>

<p>とはいえ、&rdquo;殻を破って自信をつかむ&rdquo;経験を全員が体験できるわけではありません。試合で結果を出すまでは、練習の中で自信を高めていくしかありません。毎日ひとつでもいいので目標をクリアして、自分の中に自信を溜め込んでください。そうすれば、試合でも理想のプレーができるようになり、いつか殻を破って、大きな結果を残す時が来るはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>試合は「発表会」と思って、自分の卓球をすることに集中しよう</h2>

<p>実力を発揮するために、「自分の卓球をする」ことに集中するというのも非常に大切なポイントです。試合は&ldquo;発表会&rdquo;のようなもの。シンプルに「練習してきたことを出そう」という気持ちがあれば十分です。結果は気にせず、無理に背伸びもせず、いつもの自分のプレーと向き合いながら試合に臨んでみましょう。</p>

<p>メンタル以外の改善点として、日々の練習が試合に活きる内容になっているか見直す必要もあります。よくあるのが、試合で一番多く使うサービス、レシーブではなく、フットワークや切り替えなどのラリー系の練習にたくさんの時間を割いてしまうケース。もちろん基礎練習も大切ですが、実戦的な練習もしっかり取り入れないと、当然ながら試合で勝てる選手にはなりません。</p>

<p>また自分の武器を徹底的に磨くことも重要です。苦手克服の練習ばかりしていると、全体的なバランスは整っても自分の強みが伸びません。特に初・中級者のうちは、できないことに注目しすぎず、「今できる技術でどう戦うか」を考えて、技術を伸ばすことが大切です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>緊張は「目標に近づいている証拠」</h2>

<p>「緊張」も選手にとっては悩ましい問題のひとつです。多くの人は「いかに緊張をなくすか」「どうすれば落ち着けるか」を考えがちですが、無理に打ち消そうとする必要はありません。むしろ、緊張することは良いことだと前向きにとらえたほう良いと私は考えています。</p>

<p>実のところ、緊張は誰もが経験できるものでもありません。本番まで真面目に練習を積み重ね、「絶対に勝ちたい」という強い気持ちを持っているからこそ感じることができるものです。</p>

<p>また、トーナメントの序盤や相手が格下で余裕がある時もあまり緊張しないはずです。本気で勝ちにいく勝負どころ、自分と同じレベル、もしくはそれ以上の相手と対峙した時に緊張感が出てきます。それらを踏まえて考えると、緊張は「本気で卓球をしている証」であり、「努力を重ねて成長してきた証」でもあり、「目標に近づいている証」なのです。</p>

<p>緊張して当然ですし、だからこそ緊張を悪いものと考えず、「こんな緊張を感じられるのは強くなってきた証拠だな」とプラスに考えてください。このような気持ちで緊張と向き合いつつ、あとは「自分の卓球をする」ことに専念すれば、大舞台でも自分らしいプレーができるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>入念な「準備」が力を引き出す一番のカギ</h2>

<p>私自身、選手としても監督としても、数多くの大会を経験してきましたが、結局のところ、一番大切なのは「どれだけ入念に準備をしてきたか」。この一点に尽きると思っています。ここで言う「準備」とは、単に練習を重ねることだけではありません。試合の1球目から最高の集中力と気合いを持って戦うには、細部にまで注意を払い、あらゆる面で準備を整えておく必要があります。</p>

<p>たとえば、対戦相手の研究や戦術の確認。大会の数週間前からのケガ・病気の予防。体調管理や前日の睡眠も気を配らなければなりません。忘れ物がないようにチェックすることも立派な準備の一部です。試合直前のウォーミングアップも非常に重要ですが、これを軽視している選手は少なくありません。</p>

<p>寒い会場で試合直前に選手と握手をした際、手が冷たく「しっかりアップできてない」と感じることがよくあります。実際コートに立っても動きが固く、これはまさに準備不足の典型です。</p>

<p>本気でアップをしていれば、体や手は温まり、手のひらには軽く汗がにじむはずです。同様に心の準備も大切です。試合をイメージし、「戦うモード」を作ってコートに入ることで、スタートから良いパフォーマンスを発揮できます。</p>

<p>「心・技・体」すべての準備を整え、ベストコンディションで試合に臨めてこそ、これまで積み重ねてきた力（もの）が報われます。どれだけ練習を積んでも、準備が不十分では本来の力を発揮できません。だからこそ&ldquo;準備力&rdquo;が勝敗を分ける最大のポイントなのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/202604Kurashima02.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 23 Apr 2026 11:15:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[倉嶋洋介（元男子卓球日本代表監督）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>金利6%でもインフレは止まらない？ 世界が「石器時代」に逆戻りする衝撃のシナリオ  小林大祐（不動産投資家・実業家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14037</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014037</guid>
			<description><![CDATA[YouTuber「不動産アニキ」としても活躍する、不動産投資家の小林大祐氏。その著作より、通貨における信用・価値の消失について、詳細を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「2035年　増える富・消える富」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_SekaiKyokou.jpg" width="1200" /></p>

<p>資産形成YouTuber「不動産アニキ」としても活躍する、不動産投資家の小林大祐氏。とどまるところを知らないインフレと、その根幹に根差す物不足の関係性について、解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、小林大祐著『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』（KADOKAWA）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※本稿は2026年3月時点の情報に基づき著者の考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入を含む投資の判断はご自身の責任で行なうようお願いいたします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>なぜ通貨は信用を失うのか</h2>

<p>今さら自給自足の社会が訪れるなんてばかげている、と考える読者がほとんどだろう。しかし、今私たちの財布にある1万円は1万円として機能しているが、たとえばゴールドの価値という信用の裏付けがない以上、その価値を担保するものは何もない。</p>

<p>なにしろ、その価値を担保しているはずの日本政府は、借金まみれだ。財務省によると、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」は、2024年12月末時点で1317兆6365億円と発表されている。この借金は主に国民から借りたカネだが、政府はまさに「お前のものは俺のもの」というジャイアン状態で、返済する気などさらさらないように見える。</p>

<p>これはドルも同様で、アメリカの債務残高は、現在目を覆いたくなるほどの水準にまで膨れ上がっている。2005年には8兆ドル程度だった連邦政府の公的債務残高は、24年には36兆ドルを突破した。</p>

<p>コロナ禍のロックダウン時、日米をはじめ各国の中央銀行は大規模な金融緩和を実施し、大量に紙幣を刷って資金を市場に投入してきた。このため、お金の価値が相対的に薄まり、世界中でインフレが進行してしまった。各国の中央銀行が大量にお金を刷った結果、市場に流通するお金が増えすぎてしまったのだ。</p>

<p>ロックダウンにより人々の活動と経済が凍結状態になった後に、突然それが解放されたため、抑えられていた需要が一気に噴き出したことも、インフレを加速させた。行動を制限されていた人々が一斉に動き出し、商品やサービスの購入に走ったのである。</p>

<p>供給はすぐに増やせるものではない。したがって、需要が供給を上回り、価格が高騰するという、教科書通りのインフレが起きたのだ。</p>

<p><img alt="2035年　増える富・消える富の見分け方" height="877" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603HueruShisan003.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>抑制を振り払い加速するインフレ</h2>

<p>この事態に対し、アメリカのFRB（連邦準備制度理事会）は金利の引き上げに踏み切った。政策金利は0.25％台から、わずか1年5か月で6％近くにまで引き上げられた。金利を上げることで資金調達コストを高め、企業や個人の借り入れを抑制し、流通する通貨量を減らす。結果として、需要を縮小させ、物価の安定につなげるというのが狙いだ。</p>

<p>しかし、現実には金利を引き上げても、インフレは収束しなかった。なぜならこのインフレは、お金が増えすぎただけでなく、ロシアによるウクライナ侵攻やサプライチェーンの混乱によるエネルギーやモノの供給不足も重なって起こったものだからだ。</p>

<p>需要をどれだけ冷やしても、供給が細っていれば価格は下がらない。これは構造的な問題であり、金利を操作する程度の対策ではコントロールしきれないのだ。</p>

<p>したがって、今求められているのは生産力の回復だ。物が作られなければ、価格の安定も、経済の正常化もあり得ない。金融だけで経済を回す時代は、すでに終わりを迎えている。</p>

<p>この視点で見れば、日本の脆弱性も明らかだ。自給率は低下し、食料やエネルギーの多くを海外に依存している。</p>

<p>万一、輸入による供給が断たれれば、国内で何も手に入らない状況が生まれてしまうだろう。</p>

<p>こうした状況が少し悪化するだけでも、モノ不足とインフレは加速する。それがさらにエスカレートしたときに、原始的な自給自足の世界に逆戻りする可能性を否定できる人などいないはずだ。</p>

<p>かつてのアニメ『はじめ人間ギャートルズ』のようなサバイバル世界が、現実味を帯びてきている。</p>

<p>今のところはまだ通貨の信用が保たれていて、カネさえあればなんでも買えるが、その均衡はいつ崩れてもおかしくはない。通貨に実物資産の裏付けがない以上、「これはただの紙切れだ」と誰かが言い出した瞬間、今までの経済システムは崩壊しかねないという危うさをはらんでいる。</p>

<p><img alt="2035年　増える富・消える富の見分け方" height="871" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603HueruShisan002.jpg" width="1200" /></p>

<p><img alt="2035年　増える富・消える富の見分け方" height="899" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603HueruShisan001.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_SekaiKyokou.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 22 Apr 2026 18:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小林大祐（不動産投資家・実業家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「察して」が通じない部下にどう接する？ 現代の上司に必須の声かけのコツ  ヴィランティ牧野祝子（国際エグゼクティブコーチ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12143</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012143</guid>
			<description><![CDATA[現代に必須の「ポジティブフィードバック」のやり方について、国際エグゼクティブコーチのヴィランティ牧野祝子氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ポジティブフィードバック" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizMTG.jpg" width="1200" /></p>

<p>数年前からときどき耳にするようになった「ポジティブフィードバック」という言葉。語句だけ聞くと「褒めればいいのか」と思ってしまいそうだが、国際エグゼクティブコーチのヴィランティ牧野祝子氏によれば、それは大きな誤解だという。リモート時代のマネジャーに不可欠なその基礎知識について、牧野氏に取材した。（取材・構成：林加愛）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年5月号より、内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「褒めればいい」は大きな勘違い</h2>

<p><img alt="ポジティブフィードバックとは" height="1423" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250407Villanti01.jpg" width="1200" /></p>

<p>40～50代のマネジャーからしばしば聞くのが、「ポジティブフィードバック」という言葉への戸惑いです。叱られて育った世代には、なかなかしっくりこない言葉なのかもしれません。</p>

<p>特によくあるのが「そんな何度も褒めたって、逆に不自然だろう」という誤解。実は、ポジティブフィードバックとはただ褒めることではありません。それどころか、ポジティブフィードバックのうち「褒め」が占めるのは、せいぜい1割程度です。</p>

<p>褒めることよりはるかに大切なのが、肯定的な「対話」。これが9割超と言えます。面談など整った場での対話のみならず、ささやかな雑談や挨拶もその一部。例えば昼休み終わりに「お昼どこ行ったの?」と声をかけるだけでもいいんです。これなら不自然さはありませんよね。</p>

<p>こう説明すると、どこが「ポジティブ」なのかと思われるかもしれませんが、こうしたひと言こそ「あなたを見ているよ」というメッセージ。ポジティブフィードバックとは、ただの褒め殺しではなく、「見ている、認めている、信じている」と伝えることで部下との信頼関係を育む「承認」の技法なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「察して」が通用しない時代にこそ必須のスキル</h2>

<p><img alt="なぜいまポジティブフィードバックなのか" height="1263" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250407Villanti02.jpg" width="1200" /></p>

<p>今後この能力は、従来以上にマネジャーに欠かせないものになっていくでしょう。そこには二つの理由があります。</p>

<p>一つは、働く人の多様性が急速に高まっていることです。</p>

<p>昔の職場は主力の大多数が男性で、しかもそのほとんどが新卒入社。社内の人間関係も「○○大学出身」といった共通項でつながるなど、非常に「似た者同士」が集まる場でした。</p>

<p>そうした場であれば、上司が「それは察しろよ」といった態度でも、部下とそれなりに通じ合うことができたでしょう。多少激しく叱ったり、上司の都合で振り回したりしても、その後の「飲みニケーション」で解決できたのかもしれません。</p>

<p>しかし、女性の社会進出が進み、国籍や経歴もどんどん多様化する今の職場では、上司と部下の間に「普通」が共有されていませんよね。つまり、もはや「察してくれ」のスタンスは通用しなくなっているのです。</p>

<p>そして二つ目の理由は、リモートワークの普及や飲み会の減少により、意識せずとも部下と言葉を交わせる機会が減っていること。これが、上司と部下の対話不足に拍車をかけています。マネジャー側から意識的にコミュニケーションを取らないと、上司の職責を果たせない。そんな時代が、すぐそこまで迫っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>小さな存在承認の「数を打つ」のが基本</h2>

<p>ひと口に「承認」と言いますが、実は全部で四つの種類に分けられます。まず一つ目は、具体的な成果についての感謝を伝える「結果承認」。例えば「ついに成約か。君の粘り強さのおかげだね」「今期のこの数字、○○さんの貢献があってこそだったよ」といったことですね。これは、すでにできている方も少なくないかと思います。</p>

<p>二つ目は「行為承認」です。成果の有無に関わらず、プロセスに言及することを指します。例としては「その視点はなかったな」「人を巻き込むのが得意だね」などがあるでしょう。</p>

<p>そして三つ目は「存在承認」。相手がそこにいること自体に肯定的関心を示すことです。前述の「お昼どこ行った?」もその一例。出勤時の挨拶や笑顔、相手の発言にうなずくなどの反応もここに含まれます。</p>

<p>一見些細なようですが、むしろこの「存在承認」こそがポジティブフィードバックの肝。手軽に取り入れられますし、まずはここから挑戦することをおすすめします。「元気?」「忙しいね～」「最近○○だけど疲れてない?」など、とにかく声かけの「数」をこなしましょう。</p>

<p>逆にこれを怠ると、それはそのまま「無関心」というメッセージになってしまいます。厄介なことに、放置されるだけで人の脳はネガティブに傾いてしまうもの。マネジャーが「彼には何も言うことがない。頑張ってるな」と思っていた若手がある日突然「辞める」と言い出す、なんて事態を防ぐためにも、仕事ぶりが良くても悪くても、はたまたいつも通りでも、声かけを欠かしてはいけないのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ネガティブな指摘は「Ｐ&rarr;Ｎ&rarr;Ｐ」で伝える</h2>

<p><img alt="マネジャーが心がけたい「叱る場合のPNP」" height="640" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250407Villanti03.jpg" width="1200" /></p>

<p>最後は「可能性承認」、つまり相手の未来の可能性を信じることです。例えば、何か指摘や叱責をせざるを得ない場合に、「君なら改善できるよね」といった期待感を言い添えること。ネガティブな内容を前向きに伝える重要な要素です。</p>

<p>といっても、難しくはありません。コツは「サンドイッチ方式」の採用です。ネガティブな指摘（N）をポジティブな言葉（P）で挟む「P&rarr;N&rarr;P」の順番を心がけましょう。例えば、「報告書、ありがとう（P）」&rarr;「提出が遅かったけど、何かあった?（N）」&rarr;「OK、じゃあその防止策で行こう。困ったら相談して（P）」と、前後に「承認」を含む発言を挟むことで相手に安心感を与えるのです。</p>

<p>これを習慣化して、日ごろから部下に「理不尽な叱責はされないだろう」という安心感を育めれば、日ごろの雑談の合間に「最近何か困ったことはない?」と聞くだけで、「実は......」と自らの課題やミスについて話してくれるようになるでしょう。</p>

<p>業務をしていると、注意や改善点の指摘が必要になりますが、PNPならこれをも肯定的に行なうことができます。「たまにビシッと言っても大丈夫」な状況を保つのが、ポジティブフィードバックの趣旨なのです。</p>

<p>そのためには、普段から「承認（P）」を投げかけること。強めの「N」が挟まれても、相手を委縮させずに済みます。その場その場の「PNP」だけでなく、長い時間軸で見ての「ヨコのPNP」構造を作り出すことまで心がけられれば、立派なマネジャーと言えるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>業績アップや時短効果も!</h2>

<p>承認の効果は非常に多岐にわたります。まず部下視点で言えば、当然やる気が出ますよね。上司に「認められている」ことで生まれる安心感や自信は、主体性を強く喚起します。また、仕事ぶりに対するコンスタントな言及があることで、仕事への理解度も深まるでしょう。</p>

<p>そしてもちろん、上司側にも大きなメリットがあります。話しやすい雰囲気が醸成されてくれば、部下のほうから細かい報告が上がってくるようになるものです。細々と管理したりせっついたりせずとも、業務状況を把握できるようになります。</p>

<p>あとは「時短効果」もありますね。安心して本音を開示し合える関係性があれば、何の進展もない「無駄な会議」を、大きく減らすことができますから。</p>

<p>意見や指摘を互いに遠慮なく「開示」できる環境さえ出来上がれば、部下にも上司にも、果てはチーム全体にまで、プラスの効果が波及していくのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>リモートワークでもできる「小さな声かけ」</h2>

<p>最後に、リモートワーク時の声かけ術についてもお話しします。対面の場より難儀しそうに思われがちですが、そんなことはありません。私が働いてきた海外企業には、リモート勤務の体制が数十年前からありましたが、その経験から言って、オンラインと対面にそこまでの差はないはずです。変に構えず、出社時同様に「こまめな承認」を送っていれば、対面同等の話しやすさを確保できるでしょう。</p>

<p>もちろん対面の場合よりも積極的な工夫が必要にはなりますが、例えば毎朝グループチャットで挨拶し、各自の業務を確認する、メールの返信に必ず「助かりました!」と添える、返信不要のチャットにも「いいね」をつけるなど、工夫はいくらでも考えつくはずです。</p>

<p>また、リモート率が高い職場なら、チーム全員が出社する日を定期的に設けることも大切です。例えば「月イチのブレスト会議」のようなものがある職場なら、そこに合わせるのがいいですね。もちろん、皆でランチに行くなどの軽いイベントも、ときどきならアリでしょう。</p>

<p>日々「承認」を繰り返してメンバーとの信頼関係を築き、時代に求められるマネジャーとなっていただければ幸いです。</p>

<p><img alt="リモート時代のポジティブフィードバック" height="2300" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250407Villanti04.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【ヴィランティ牧野祝子】<br />
国際エグゼクティブコーチ。東京都出身、ミラノ在住。INSEAD（インシアード・欧州経営大学院）MBA卒業。国内外10カ国でキャリアを積む。障がいを持つ子が生まれたことを機に個人の能力頼みのビジネスに疑問を感じ、より良い働き方を模索する中でポジティブフィードバックに出会う。現在は独立し、国際エグゼクティブコーチとして活動中。著書に『国際エグゼクティブコーチが教える 人、組織が劇的に変わるポジティブフィードバック』（あさ出版）などがある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizMTG.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 22 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ヴィランティ牧野祝子（国際エグゼクティブコーチ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>AIに負けない思考力を鍛えるには?　理想の未来を実現する「SFプロトタイピング」  樋口恭介（SF作家／ITコンサルタント）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11997</link>
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			<description><![CDATA[SF化する社会で生き残るには? AIに代替されない人材になるための思考法「SFプロトタイピング」を、樋口恭介氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_AI2.jpg" width="1200" /></p>

<p>これまでは「人間にしかできない」とされてきた仕事がAIに奪われ、人間が労働の場を失う──そんなSFじみた筋書きが、ChatGPTをはじめとするAIの飛躍的な発展によって、今まさに現実になろうとしている。</p>

<p>本連載では、ITコンサルタントとして一般企業に勤めながらSF作家としても活躍する樋口恭介氏に、そんな時代に淘汰されることなく生き残る人材・生き残る組織のあり方を聞く。（取材・構成：杉山直隆）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年5月号掲載記事より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>理想の未来を想うことが新たなアイデアを生む</h2>

<p><img alt="SFプロトタイピング" height="1200" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250313Higuchikyosuke01.jpg" width="1046" /></p>

<p>生成AIの急速な発展の中、人間にしかできない仕事をするためには「妄想力」が欠かせません。そしてその力を高めるには、「異質なもの・こと」に触れる機会を増やし、妄想のタネを自分の中に蓄積し続けることが重要です。前回までは、こうしたことをお伝えしてきました。</p>

<p>今回は、その「タネ」をもとにより具体的な「妄想」を引き出し、イノベーションにつなげるための具体的なノウハウ「SFプロトタイピング」についてお話ししましょう。</p>

<p>SFプロトタイピングとは、かいつまんで言えば「SF小説を書く（書こうとする）」ことで思考の自由度を高め、現在の社会の延長線上にはない「ぶっ飛んだ未来」を思い描いて、実現への道筋を探る試みのこと。</p>

<p>妄想を起点に、「この中で、先端技術や最新の理論を応用すればどうにか実現できそうなものがないか」と考えていくことで、新たなプロダクトやサービスのアイデアを生み出すのです。</p>

<p>より端的に表せば、「本当に欲しい未来」を自力で創造するための思考法、とも言えます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>SFプロトタイピングを体現するイーロン・マスク</h2>

<p><img alt="イーロン・マスク" height="1569" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250313Higuchikyosuke02.jpg" width="1200" /></p>

<p>SFプロトタイピングを活用して革新的プロダクトを生み出した人物の代表は、やはりイーロン・マスクでしょう。</p>

<p>彼は相当の変人で、彼が興したどの事業も「このまま地球にいると人類は滅亡する」「人類は火星に移住するほかない」という、唖然とするほど突飛な考えが下敷きになっていると言われています。かの「スペースX」も、元々は火星移住のためのロケットを作るために立ち上げたというのですから驚きです。</p>

<p>もちろん「テスラ」も、地球の環境負荷を下げ、火星移住までの期間を稼ぐために立ち上げたそう。実は彼、気候変動対策をするスタートアップにも相当額の投資をしています。</p>

<p>......もちろん冷静に考えれば「人類滅亡」や「火星移住」など誇大妄想もいいところです。しかしそれでも、彼のしてきた取り組みや事業内容、掲げるビジョンには、かなりの一貫性があります。しかも、非現実的なビジョンを唱えながら、そこから現実的にギリギリ可能なことを抽出して実現し、ビジネスとして成立させているのです。</p>

<p>荒唐無稽な考えを起点に、現実世界にこれまでなかった技術やシステムを生み出すという流れは、まさにSFプロトタイピングそのものと言えます。</p>

<p>ちなみに、彼が強く影響を受けたと公言しているのが、『月は無慈悲な夜の女王』というSF小説。流刑地である月の独立をAIとともに計画し実行に移すという、なんとも彼のお気に入りらしい傑作です。興味のある方はぜひ読んでみてください。</p>

<p><img alt="月は無慈悲な夜の女王" height="643" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250313Higuchikyosuke03.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『ドラえもん』旧主題歌と同じ思考回路で考える</h2>

<p>SFプロトタイピングというと難しそうですが、実はシンプル。たったの3ステップです。</p>

<p>まずステップ1では、ドラえもんの初代主題歌のように「あんなことができたら」と、理想の世界を妄想していきます。自分の仕事と何ら関係ないことでも構いません。自分の「本当にしたかったこと」を、ゼロベースで考えてみてください。</p>

<p>例を挙げると「車椅子がスポーツカーよりも速く移動する」「瞼の動きだけで武器を破壊できる」など。これらは哲学者の小泉義之氏が、著書『「負け組」の哲学』で挙げたものたちです。</p>

<p>古典的なものでは、有史以来至る所で言われてきた「テレパシーがしたい」「地上に天国・楽園を生み出したい」なども類例でしょう。こういったことを自由に妄想してみるわけですね。</p>

<p>僕にも「あんなこと」がいくつもあります。そのうち一つが「身体を分裂させたい」というもの。身体の半分は自宅に、もう半分は仕事場やライブハウスに、といったことが実現したら素晴らしいと思いませんか。</p>

<p>人間、頭の中でなら「仕事のことを考えながら、明日の予定を立てる」なんてこともできるのですから、身体も分裂できて良いように思います。実際、これはメタバース技術を使えば疑似的に再現できそうですよね。</p>

<p>そして、そんな妄想が完成したらステップ2。今度は「私の考えが実現したら、こんな世界になる」というビジョンを共有するための「作品」を仕上げてみてください。小説でもエッセイでも、はたまた絵画でも音楽でも、何を作ってもOKです。</p>

<p>以前まで、このステップは鬼門でした。創作には、多少なりとも時間と労力がかかるものだからです。しかし、生成AIの登場以降は違います。さすがにSFは難しいようですが、エッセイであれば「こんなアイデアがあるから、うまくまとめて」といった頼み方で、ChatGPTがかなりの高水準で出力してくれるようになっています。</p>

<p>音楽にしても、自作の歌詞を入力して曲調を指定するだけで曲を自動生成するようなサービスが登場しているんです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「できたらいいな」を分解し現実でできることを考える</h2>

<p>ただ、いくらステップ2でビジョンを共有できたとしても、やはり「ストーリー」に落とし込まないと、プロダクトやサービスの実現には至りません。人の心を動かし、仲間を集めることも難しいでしょう。特にステップ2を生成AIに頼る場合、クオリティ面にはまだ不安がありますからなおさらです。</p>

<p>そこでステップ3では、そこからあらためてストーリーを紡ぎ出していきます。こんなことができたら、という自分の欲望を深掘りし、実際にその欲望の実現に近づくには、どんな道筋があり得るかを考えるのです。</p>

<p>&nbsp;イーロン・マスクの例で言えば「人類滅亡の危機を脱するために、火星移住を実現する（ビジョン）」&rarr;「そのためには高性能で安く飛べるロケットが必要で、そのためにはまず○○や△△から始め......」と、ビジョンを分解し、そこに至る道筋の解像度を高めていくのです。</p>

<p>これが先ほどの「車椅子に乗った人が、スポーツカーよりも速く移動できるように」というビジョンなら、そこから「そもそも、今の車椅子で時速200kmも出したら死ぬよな。専用のスーツを作るか、車椅子そのものの形を変えるか」「あるいは物体転移装置を発明するという手も......」などと考えを進めます。様々な道筋や方向性を、一つひとつ分析していくのです。</p>

<p>このようにして、思い描いた「ぶっ飛んだ未来」に少しでも近づく方法を考えていけば、第三者にはまるで予想できない未来を自ら「創造」することも、まったく夢ではありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>組織で取り組むことにも大きなメリットがある</h2>

<p><img alt="チームで取り組むSFプロトタイピング" height="1452" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250313Higuchikyosuke05.jpg" width="1200" /></p>

<p>組織で、あるいはチームでSFプロトタイピングに取り組むことができれば、一人で取り組むよりなお良いでしょう。一つの部署で協力するのはもちろん、あえて部署を横断してメンバーを集めるのもおすすめです。</p>

<p>というのも、そうすることで組織力を発揮するための基盤ができるから。生成AIは、人間が個人でしていたタスクは代行できますが、多様な人間が協力し合って「組織で」していたことにはまだ無力。組織力を高めていくことの重要性は、今まさに高まっているのです。</p>

<p>この「組織力」を発揮するには、メンバー全員がビジョンを共有し、ある程度同じ方向に向かうことが不可欠。チームで行なうSFプロトタイピングは、これを誘導することができるという点で非常に優秀な手法と言えます。具体的には、先述したステップ1・2に各メンバーが個人で取り組んだ後で、それらを持ち寄り、チームでステップ3を進めるのが良いでしょう。</p>

<p>個々のメンバーの妄想を皆で深掘りするのも相互理解が深まりますし、メンバーたちの妄想をできる限り合体させていくのも面白い。例えば、「火星移住」と「身体を分裂させる」「天国を生み出す」を一緒にしたら、どデカいストーリーが生み出せるかもしれません。</p>

<p>もちろん、そのディスカッションの成果が即座に仕事に直結するわけではありません。しかし、皆がそろって実現したいと思える共通のビジョンが生まれることは、日々の仕事に同じような方向を向いて取り組む、という点で大きな意義があるでしょう。妄想力は、個人だけでなく組織の「AIに対抗する力」までも高めてくれるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【樋口恭介（ひぐち・きょうすけ）】<br />
SF作家／ITコンサルタント。1989年生まれ、岐阜県出身。早稲田大学文学部を卒業後、外資系コンサルティングファームに勤務。2017年、在職のまま『構造素子』で第5回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞し作家デビュー。20年からは「SFを社会に実装する」スタートアップ・アノンにも参画し、同社のメディア「Anon Press」の運営・編集にも携わる。23年からは東京大学大学院客員准教授。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 22 Apr 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[樋口恭介（SF作家／ITコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>預金1,000万円でも「物々交換」時代に逆戻り？ グレートリセットで変わるお金の常識  小林大祐（不動産投資家・実業家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14036</link>
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			<description><![CDATA[YouTuber「不動産アニキ」としても活躍する、不動産投資家の小林大祐氏。その著作より、インフレの末に訪れるというグレートリセットについて解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「2035年　増える富・消える富」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_money03.jpg" width="1200" /></p>

<p>資産形成YouTuber「不動産アニキ」としても活躍する、不動産投資家の小林大祐氏。小林氏は、お金が意味をなさなくなる「グレートリセット」実現の可能性を示唆する。その根拠は何か。解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、小林大祐著『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』（KADOKAWA）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※本稿は2026年3月時点の情報に基づき著者の考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入を含む投資の判断はご自身の責任で行なうようお願いいたします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>通貨が崩壊し「お金」が紙くずになる日が来る</h2>

<p>近年の急激なモノの値上がりは、約30年にわたってデフレマインドにどっぷり浸かってきた日本人に強烈なショックを与えた。日本人は速やかにデフレマインドを捨ててインフレマインドに切り替えるべきだが、それでも十分ではない。突然のインフレ到来は、来たる「グレートリセット」の予兆に過ぎないからだ。</p>

<p>グレートリセットとは何か。一般的には社会を構成する金融や社会経済などのさまざまなシステムを一度すべてリセットして、再構築を余儀なくされる事態だと言われている。既存の金融システムが根本から見直され、場合によっては機能停止してしまう可能性を示唆する言葉として語られている。</p>

<p>最近の例では、「100年に一度の金融危機」と言われ、さまざまな金融規制や脱グローバル思考の契機ともなった2008年のリーマンショックや、2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大が契機となったパンデミックが、グレートリセットだったといえるだろう。</p>

<p>リーマンショックは、今の日本でいえば三大商社のような、高収入で社会的ステータスも高く、名刺を持っているだけでモテ確定だった証券大手「リーマン・ブラザーズ」という会社が破綻したことが、直接の契機だった。</p>

<p>その衝撃が世界中に伝播して経済はボロボロになり、失業者があふれ（リーマンショック翌年の2009年7月には、失業率は5.5％と戦後最高水準）、株価が半分（2007年10月9日の1万4164ドルから、2009年3月9日には6547ドルまで下落し、下落率は約53.8％）になってしまったのだから、そのインパクトたるや半端ない金融危機だった。</p>

<p>当時の日本では今ほど株式などのリスク投資が一般化していなかったので、資産が半分になったという人はそれほど多くなかったかもしれない。それでも、あらゆる業種で需要が激減し、雇用環境も悪化したので、不況を肌で感じた人は多かったはずだ。</p>

<p>比較的記憶に新しいパンデミックも同様で、生活や価値観がガラリと変わった。今はもうステイホームなどする必要はなく、また飲み会もイベントもできるようになったとはいえ、会議やショッピングなどは一気にオンライン化が進み、この時に変化した私たちの行動は〝コロナ前〟には戻っていないし、もう戻らないものがたくさんある。</p>

<p>そして今、突然のインフレが到来したことで、私たちの消費やお金に対する価値観が強制に近い形で変えられようとしている。このインフレは、これからやってくるであろうグレートリセットの前触れにほかならない。</p>

<p>私は一介の事業家に過ぎないので、次に起こるグレートリセットの中身や時期を言い当てることなどできないが、もはや現状の通貨、すなわちお金が意味をなさなくなるくらい大きな価値観の変化があるかもしれないと考えている。</p>

<p>お金など紙くず同然になって、通貨という存在がなかった太古の昔の、自給自足や物々交換の時代が再びやってくるような社会の大転換が起こっても、おかしくはないのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>物々交換の時代に逆戻りする？</h2>

<p>これはモノのたとえなどではなく、本当に「物々交換の時代」が来る可能性があると私は本気で考えている。要は、お金などいくら持っていたところで意味をなさなくなり、自給自足しないと生きていけない時代が来るということだ。</p>

<p>歴史を振り返れば、人類の始まりはそういう時代だった。人は狩猟採集の社会で自身と家族を養うために、魚を釣って動物を捕らえ、それを食べて生きてきた。</p>

<p>しかし、それだけだと非効率で、この先の生存が難しかったので、多くの人が協力して生きていく共同体が誕生した。そこから農耕を始めたことで食料が安定して供給できるようになり、人類は発展を始めた。</p>

<p>このとき、社会は自給自足から物々交換の世の中に移行し、狩猟がしやすいところに住む人々は動物の肉、農耕に長けた部族の人々は米、海の近くに住む人々は魚などを持ち寄り、交換し始めた。これが物々交換の始まりだ。</p>

<p>しかしそれだけでは保存もきかないし、いつも都合良く物があるわけではないので、貝殻などを貨幣の代わりに使い始めたのが通貨の始まりだ。貝殻そのものに価値はないが、貝殻を価値があるものと交換できるという「信用」をやりとりするようになったわけだ。</p>

<p>これがのちの「金本位制」につながることになる。近代以降、貨幣の信用は金（ゴールド）と結び付けられた。通貨はいつでもゴールドと交換できるという前提が、国家や国際間での取引を支える信任の根拠となっていた。</p>

<p>しかし1929年の世界恐慌や1971年のニクソン・ショックを経て、世界はこの制度を事実上放棄した。貨幣はゴールドという実体の裏付けを失い、信用そのものに依存する存在になってしまった。</p>

<p>現在に至るまで、通貨には本質的な裏付けが存在しない状況が続いている。この貨幣という存在の意味を大きく変えた世界恐慌もまた、当時のグレートリセットだったのだ。</p>

<p>通貨の価値は、それを発行する国の経済力や信用によって支えられている。だから世界一の経済大国であるアメリカが発行する米ドルが基軸通貨として広くやりとりされており、また長い間アメリカに次ぐ経済大国の地位にあった日本の円も、そこそこ信用されてきたわけである。</p>

<p>私たちが今直面している問題は、この信用が揺らぎ始めているということだ。この先やってくるグレートリセットは、これまでのような通貨の信用がいよいよ失われる社会の到来のきっかけになるかもしれない。</p>

<p>それがどんな社会かというと、お店に1万円札を持って行って「1万円の商品を売ってくれ」と言うと、「それはただの紙なので、米か肉を持ってこい」と追い返される世の中だ。</p>

<p>約1世紀にわたって、当たり前のように機能していた信用を前提とした経済システムが、通用しなくなるかもしれないのである。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_money03.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 21 Apr 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小林大祐（不動産投資家・実業家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>17歳日本人が「野球の神様」から9三振 トクサンTVが&quot;歴史的&quot;と熱弁する伝説の名投手  トクサンTV（YouTuber）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13923</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013923</guid>
			<description><![CDATA[登録者数87万人超の野球系YouTuber・トクサンTV。その著作より、日本のプロ野球を変えた選手たちを紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「野球ビジネス」THE21オンライン" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_baseball02_MLIG.jpg" width="1200" /></p>

<p>日本トップクラスの野球系インフルエンサーにして、新刊『野球ビジネス』が発売されたトクサンTV。自身もかつて大学野球の一流選手であり、データや歴史にも深い造詣を持つ氏が、今日の日本野球界の発展に貢献した名選手たちを紹介する。</p>

<p>※本稿は、トクサンTV著『野球ビジネス』（クロスメディア・パブリッシング）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>創世記の名投手・沢村栄治</h2>

<p>これまでさまざまなスター選手がいらっしゃいましたが、日本のプロ野球を変えた歴史的な人物として、1936〜1943年に読売ジャイアンツで活躍された右腕・沢村栄治さんを挙げたいと思います。</p>

<p>プロ野球の創成期である戦前、1937年春（当時は前後期制）に24勝を挙げた剛速球投手。1936年には日本プロ野球初のノーヒットノーランを達成した偉大なる投手で、ノーヒットノーランは合計3度（1936、1937、1940年）達成しました。</p>

<p>しかし、一番すごいのはプロ野球の球団が誕生する前の1934年。日米野球の第9戦で、あのベーブ・ルース（当時ヤンキース）をはじめとするメジャーリーグの強打者打線から9三振を奪った試合です。</p>

<p>このときのメジャーリーグ打線がすごいんですよ。ルースは言わずもがな、この1934年にシーズン三冠王を獲得した〝鉄人〟ルー・ゲーリッグ（同）、前年1933年三冠王のジミー・フォックス（アスレチックス）ら、そうそうたるメンバーがそろって来日したのです。</p>

<p>ゲーリックにソロを被弾して敗れましたが、8回1失点9奪三振。それまで8戦全敗でボコボコにやられているなかで、1失点に抑えて負けるという、とんでもないゲームをやってのけた。沢村投手の活躍によって、体格差があっても「日本もやれるんだ」と希望を抱いた人たちはたくさんいたでしょうね。だからこそ、毎年最も活躍した先発投手に贈られる表彰に「沢村栄治賞」の名前が冠されたわけです。</p>

<p>1944年12月2日、乗船していた輸送船が東シナ海で米軍潜水艦に撃沈されて亡くなられたそうですが、この第9戦が行われた静岡・草薙球場には現在も、当時を記念して沢村投手、ベーブ・ルースの銅像が建っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>野球人気を底上げした一流選手たち</h2>

<p>プロ野球を一躍、国民的人気スポーツに押し上げたのは、戦後ではやはり巨人・王貞治さん、長嶋茂雄さんのいわゆる「ONコンビ」ですよね。</p>

<p>長嶋さんは1959年6月25日の阪神戦、昭和天皇が初めてプロ野球を球場で観戦されたという「天覧試合」でサヨナラ本塁打を放ったことで、日本のプロ野球人気を押し上げた――とされています。たしかにそうなのですが、長嶋さんはその前に東京六大学リーグの人気を全国的なものにした功労者でもあるのです。</p>

<p>日本の野球は学生野球が源流となっていることは第1章でも述べた通りで、「職業野球」と呼ばれたプロ野球よりも、戦前戦後はアマチュア野球のほうが人気。東京六大学リーグはラジオで実況中継されたことで、全国的に知れ渡るようになりました。</p>

<p>戦後まもなくは早稲田大学、慶應義塾大学の「早慶」のいずれかが優勝することが多く、当時のラジオを聞いていた方々のなかには、東京に行ったことはないけれど、早稲田大学の校歌、通称「都の西北」を歌える人もいます。</p>

<p>1954年に長嶋さんが立教大学に入学すると、2年秋から5季連続でベストナインを受賞。4年時には早慶の牙城を崩して春秋連覇を果たし、当時新記録の通算8本塁打をマークしました。</p>

<p>長嶋さんきっかけで全国津々浦々に東京六大学の名前が広がり、地方在住の人たちも「早慶は知っていたけれど、立教？東京六大学リーグってすごいわけ？」のようになっていったと思われます。</p>

<p>そして時は経ち、現在のメジャーリーグブームにつながる分岐点をつくった人物が野茂英雄さんです。1995年に、近鉄との契約更改が難航し国内ではプレーできない任意引退選手扱いとなり、野茂さんは日本球界では前例のない旅立ち方、つまり自分の意思でメジャーリーグへ移籍しました。</p>

<p>野茂さんは移籍1年目、奪三振王と新人王を獲得。その後、2度のノーヒットノーランを達成するなど、日本の選手がMLBでも活躍できることを示してくれました。野茂さんが切り開いた道。</p>

<p>2001年にイチローさん、2003年に松井秀喜さんが海を渡り、メジャーリーグのなかでもトップクラスの活躍をしましたよね。日本のプロ野球はけっして内輪のものではなく、メジャーリーグにも通用するものだったことが証明されたわけです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_baseball02_MLIG.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 21 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[トクサンTV（YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>職人気質な社風のサイゼリヤで、元社長が取り組んだ「言語化」 その効果とは?  堀埜一成（[株]サイゼリヤ元社長）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12036</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012036</guid>
			<description><![CDATA[暗黙知の形式知化、言語化に10年の時をかけ、業績の急速成長を成し遂げたサイゼリヤ元社長・堀埜一成氏に、言語化の重要性について話を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="堀埜一成" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250318Horioissei01.jpg" width="1200" /><br />
サイゼリヤ店舗前にて</p>

<p>カリスマ創業者が一代で築いたレストランチェーン「サイゼリヤ」。生産技術の腕を見込まれ、転職した堀埜が目の当たりにしたのは、原価計算もノルマもない、不思議な会社の実態だった。暗黙知の形式知化、言語化に10年の時をかけ、業績の急速成長を成し遂げた同氏に、「言語化」についての考えを聞いた。（取材・構成：川端隆人）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2025年4月号特集[できるリーダーは必ずやっている「言語化」]より、内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「部下の部下は部下ではない」と肝に銘じる</h2>

<p>――リーダーとして「自分の意図を言葉で伝える」にあたって、堀埜さんが特に気をつけていたことはどんなことでしょう?</p>

<p>【堀埜】ずっと心がけていたのは、「部下の部下は部下じゃない」ということですね。</p>

<p>――と、言いますと?</p>

<p>【堀埜】直接の部下ではなく、部下の部下に「2段飛ばし」で指示をしてしまうと、混乱を招きます。ついやりたくなるものですが。あるいは、指示をするつもりでなくても、そうなってしまうことがあります。</p>

<p>例えば現場へ行って、「この仕事、遅れてるね。急がないと」と「感想」のつもりで言う。本人は「感想」であって、指示や命令をしたつもりはないんです。</p>

<p>ところが、言われた部下の部下は「偉い人に急いでやれと指示・命令をされた」と思ってしまう。そして「大変だ、すぐやらなければ」ということになる。</p>

<p>それで適切に仕事をするならまだいいのですが、たいていは「その上司」と「部下の部下」の間は距離が遠いので、共有している前提が少なく意識のギャップは大きい。その結果、見当違いの作業を急いでやってしまったりするわけです。</p>

<p>私自身、こんな失敗は何度もありました。現場を見に行くと、明らかに無意味な作業をしている。「誰が指示したんだ?」と聞くと、私の指示だと言うんです。「俺、そんなこと言ったっけ?」と思うんですが、そういうときは「感想」のつもりで言ったことが思わぬ受け止められ方をしてしまっているんですね。</p>

<p>――よくある話かもしれません。耳が痛い人も多いでしょう。</p>

<p>【堀埜】私がこの点に気をつけるようになったのは、味の素時代に、ブラジル工場へ出向していたときの経験がきっかけです。現地の部下がとても優秀で、私が「部下の部下」に向かってうっかり何かを言うと、「堀埜さん、だめです」と厳しく「指導」されました。文化が違う中で、ロジックで相手を説得する能力を磨けたのがブラジル時代だったと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>文書にするだけではNG&nbsp;疑問に答えて言語化は完成する</h2>

<p><img alt="明文化" height="1820" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250318Horioissei04.jpg" width="1200" /></p>

<p>――サイゼリヤに入られてからは、それまで社内になかった言語化・明文化の習慣を根付かせる努力をされたとか。</p>

<p>【堀埜】そもそも、従来のサイゼリヤでは、「来た仕事をこなす」という店のオペレーションの感覚に慣れていて、「自分たちでゴールを決めて、そこに向かっていく」というプロジェクトの文化がありませんでした。そこで、私が社長になってから、専門家を講師に呼んで、プロジェクトマネジメントを叩き込んでもらうことにしたんです。</p>

<p>そのときに始めたのが、オーナー要求書です。プロジェクトのオーナー（責任者）が、ゴールとして何を目指すのかを、1枚の紙に明文化したものがオーナー要求書。</p>

<p>当初はもっぱら私がオーナーとして要求書を書きました。それを部下に渡すと、そこから質問が始まります。私からすれば紙1枚にまとまる内容なのですが、読んだ部下からは「ここはどういう意味ですか?」という疑問が次々と出てくる。紙1枚分の内容について質問に答えると、だいたい1時間かかりました。</p>

<p>つまり、指示する側は、明確な言葉で、わかりやすくまとめているつもりだけれど、実は相手に正しく伝わる表現になっていないということです。例えば6W2Hをチェックすると、だいたいは一つか二つ抜けているものがあったり。そもそも一番重要なWHAT、何をすべきかが曖昧なことも珍しくありません。</p>

<p>――伝える側は言語化できているつもりでも、実はできていないんですね。</p>

<p>【堀埜】「どこに不備があるのか」「相手がどこがわかっていないのか」はわかりませんから、そこを対話で補っていく。すると、一つのテーマについて1時間ほどのやりとりが必要だったということです。</p>

<p>言語化ということで言えばもう一つ、私がよく言っていたのが「技能を技術にしろ」ということ。</p>

<p>技能というのは、見様見真似で継承される技。「背中を見て覚えろ」ということです。これに対して、文字媒体を通して伝えることができるのが技術です。</p>

<p>私は技術者ですから、「技能の会社に技術を導入するのが自分の仕事」だと考えていました。もともとサイゼリヤは職人気質の会社で、報告書を作るとか、報告会を行なうというのを社員たちは嫌っていました。そこで技能を技術に変えることを目指して、文書化やマニュアル化を進めたんです。</p>

<p>――「職人気質」の会社で、全体に言語化の文化を広げていくのは大変だったでしょう。</p>

<p>【堀埜】文書を書くのがみんな嫌いだというのはわかった。でも言語化は大事だから、書かなくてもいいから口頭で発表してくれ、ということで、「発表会」という場をつくったりと、色々な工夫をしましたね。</p>

<p>――前社長の正垣会長のやり方とは違ったやり方を取り入れていくのが、堀埜さんの役目だったんですね。</p>

<p>【堀埜】会長の言葉がまた難しいんですよ。例えば、店で使うレタスにどんな食感を求めるか。会長は「ガラスを噛み砕いた食感にしてくれ」と。わからないでしょう（笑）? 経営会議のあとには必ず会長講演があるんですが、これがまた、とても難解。抽象的で哲学的なんです。</p>

<p>そこで私は、会長の言葉を「翻訳」する担当者を決めて、「社内報に載せられるよう、高校生でもわかる表現に噛み砕いてくれ」と指示して、全社に伝えられるようにしました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>名詞プラス動詞で表現すると、意図は伝わりやすくなる　</h2>

<p>――天才肌のトップの言葉だからこその苦労ですね。わかりやすく、明確に言語化するうえでは、どんなことに留意されたんでしょうか。</p>

<p>【堀埜】バリューエンジニアリングという考え方から学んだのが、物事の「機能」に着目すること。物事には必ず機能があり、機能は必ず名詞プラス動詞で表現されます。「◯◯を◯◯する」というかたちです。言語化するときにはこれを守ると、正確に伝わりやすくなります。</p>

<p>例えば、「私の言ったことを、書き留めてください」と言えば、指示は正確に伝わります。これを、「発言の記録、頼むよ」と言ったとしましょうか。ちょっとした違いのようですが、実は伝わり方は大きく変わります。全部記録するのか、要約なのか。</p>

<p>それとも「俺の言ったことをちゃんとチームに共有しておけよ」という要望まで含んでいるのか......といった混乱が生じてしまうのです。最初に言ったような「したつもりのない命令や指示が伝わってしまう」原因の一つもこれでしょうね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>言語化力を鍛える秘技、ストラテジック・コスモス</h2>

<p><img alt="ストラテジックコスモス" height="1706" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250318Horioissei03.jpg" width="1200" /></p>

<p>――堀埜さんの言葉としては、社長に就任されたときに「2025年に客数14億人を目指す」というビジョンを掲げられたのも印象的です。</p>

<p>【堀埜】当時の年間客数は1億1千万人ほどで、もう少しで日本の人口を突破するというところ。そこで、次は世界トップの中国の人口を目指そうと考えたんです。</p>

<p>――ずいぶん大きな目標ですよね。</p>

<p>【堀埜】「チェーンストアの目標は大きくしないと潰れる」という現象を見てきたからです。例えば店舗数を2割増やすとか、同業種の中でトップを目指すといった現実的な目標を掲げた会社が、達成したところで失速するというのはよくあります。だから「不可能限界くらいを目標に設定しろ」とよく言われるんです。</p>

<p>トップが大きいことを言うと、ロマンを感じる人が出てきます。「この会社、すごいことをやろうとしてるんだな」「自分はこの会社を選んで良かった」と思ってくれればいい。指示や命令を明確にするのとはまた違って、明るい未来を示す言葉を発するのもリーダーの役割です。</p>

<p>その良い例が2010年に起きたチリのコピアポ鉱山の崩落事故です。33名の作業員が坑道に閉じ込められ、69日間もの救出劇の結果、全員無事に帰還した。このときも、リーダーがみんなに「必ず生きて帰る」という明るい未来を示し続けたからこそ生き残れたわけです。</p>

<p>もちろん、ただ大きなことを言うだけではだめです。目標に向かう施策がそれなりに見えていないと、ロマンは信じられるものになりません。</p>

<p>そこで、年間客数14億人というビジョンに関して、私は「ストラテジック・コスモス」というものを作成したんです。</p>

<p>――聞き慣れない言葉ですが、どういったものでしょう?</p>

<p>【堀埜】戦略の宇宙、という意味ですが、目標達成に向かって考えられる課題、やるべきこと、やりたいこと、などなどを、3日間にわたって思いつくままにしゃべって、記録してもらいました。すると、全部で2000ほどのテーマを書き出すことができた。</p>

<p>2000の要素がそれぞれどうつながっているかを関連づけて、戦略を一つの宇宙のようにまとめたものがストラテジック・コスモスです。</p>

<p>――スケールの大きい言語化の手法ですね。</p>

<p>【堀埜】ちょうど宇宙物理学に興味を持っていたので、そこからの影響です。もちろん、目標に向かっていく中でテーマは増えていく。つまり、膨張していくという意味でも宇宙なわけです。</p>

<p>おそらく、どこの会社でもビジョンをテーマに細分化していったら2000やそこらはあるでしょう。チームや部署を任されている中間管理職の人でも、チームとしての役割を細分化すると、数百個のテーマが出てくるはずです。</p>

<p>これを関連づけて「宇宙」として全体の絵をつくる。これをやっておくと、メンバーに説明するのが楽ですし、自分自身の言語化のトレーニングにもなる。ビジョンなりゴールなりに向かって、関連性がないことをやってしまうこともなくなります。</p>

<p>ちなみに、初めて社長として長期計画を組んだとき、チームのメンバーに選んだうちの一人は、話すのがとても苦手な社員でした。「まったくしゃべらない」というくらいの。</p>

<p>――大抜擢ですね。どうしてまた?</p>

<p>【堀埜】計画は立てるだけではなく、全社に発表しないといけないし、変更があるたびに発表する必要があります。それまで無口だったこの社員は話さざるを得ない仕事についてみるみる成長し、その後の中国進出で活躍してくれるまでになりました。言語化が苦手という人ほど、言語化の機会を増やすと効果があるということです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「共通言語」を生み出すのは一緒に過ごした時間</h2>

<p><img alt="コミュニケーションにたっぷり時間をとる" height="1708" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250318Horioissei02.jpg" width="1200" /></p>

<p>――堀埜さんは、自分の言葉を明確にすると同時に、一緒に仕事をする人の言葉を引き出すことにも注力していたんですね。</p>

<p>【堀埜】そうですね。私がリーダーとして一番時間を使った仕事は、面接かもしれません。味の素時代から、工場に作業職として入ってきたメンバー一人ひとりと、半年に1回は「能力開発面接」とか「業績面接」をやっていました。長い人だと３時間くらいしゃべるんです（笑）。話を聞いていくと、その人がどういう人間か、どんな仕事をしたいと思っているのか、といったことがわかってきます。</p>

<p>――今風に言うと1on1ですね。サイゼリヤに入ってからも同じように?</p>

<p>【堀埜】ええ。ただ、サイゼリヤにはそういう文化がありませんでしたから、みんなびっくりしていましたね。最初に事業部長として約100店舗を任されたときは、5店舗ごとにいる地区長全員と面接しました。</p>

<p>――コミュニケーションにたっぷり時間をとるわけですね。</p>

<p>【堀埜】みんな最初のうちはビビって何もしゃべれない。コミュニケーションが成り立たないんですよ。でも、この時間が大事です。一見無駄な時間を過ごすことで、だんだん話してくれるようになる。</p>

<p>地区長たちが会議で集まる機会には、午後から一緒にフットサルをしました。チームプレイをすると、メンバーの人間性がわかるんです。一緒に汗を流して気心が知れると、よくしゃべるようになる人もいます。</p>

<p>――なるほど。言葉を使ったコミュニケーションだけでは、言葉は引き出せない、と。</p>

<p>【堀埜】相手を正しく理解して、適切なアドバイスをしたり、その人の力を引き出せる仕事を与えるためにも、フットサルはとても役に立ちました。</p>

<p>仕事以外でのコミュニケーションというと、飲みニケーションを考える人もいるのでしょうが、飲み始めると時間がかかるし、愚痴ばかりになりがちだし（笑）、あまりお勧めしません。</p>

<p>前述した正垣会長の難解な表現にしても、理解できるようになったのは一緒に多くの時間を過ごしたからです。特に最初のうちは、試食会をずっとご一緒していましたね。</p>

<p>結局、コミュニケーションがうまくいかないのは、自分と相手に共通言語がないから。そして、共通言語がないのは、共通の経験が少ないからです。</p>

<p>味の素からサイゼリヤに移って、改めて痛感したのが「会社にはそれぞれ独特の言語がある」ということ。自分が何気なく使っていた言葉は「味の素語」で、サイゼリヤでは全然通じないということが多々ありました。会社を変わらなくても、部署が違えば使う言葉が違う、という経験をされた方も多いでしょう。</p>

<p>そして、共通言語を成り立たせるためには、みんなで一緒に何かをする経験、共通経験を増やすのが一番です。</p>

<p>――そこでフットサルというわけですか。そういう機会があればいいですが、リモートワークが増えて、共通経験が減っていくばかりの現状です。</p>

<p>【堀埜】ですから、それで仕事ができているのはすごいなと思いますよ。</p>

<p>昔は運動会とか社員旅行とか、一緒に働く人たちを理解するためのレクリエーションの機会が頻繁にあったわけです。それに代わる何かを考える必要があるでしょうね。フットサルに限らずチームで競い合うスポーツはお勧めですよ。一人ひとりの特徴が見えてきますから。</p>

<p>ちなみに私は、学生時代にアメリカンフットボールをやっていて、特にスカウティング（敵の視察、分析）が専門でした。この経験が、あとあと「観察して、言語化する」ことに活きたのかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250318Horioissei01.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 21 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀埜一成（[株]サイゼリヤ元社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「永久歯はもう生えない」が覆る&quot;歯生え薬&quot;とは  木原洋美（医療ジャーナリスト）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14130</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014130</guid>
			<description><![CDATA[乳歯、永久歯に続く「第3の歯」の研究が進んでいるという。実用化に向けた研究の詳細について、話を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="からだスマイル26年5月号" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_teeth.jpg" width="1200" /></p>

<p>「大人の歯は、一度抜けたら生え変わらない」そんな常識が、変わりつつあることを知っているだろうか。京都大学発のベンチャー企業が開発に取り組んでいる「歯生え薬」について、医療ジャーナリストの木原洋美さんに解説していただきます。</p>

<p>※本稿は、『からだスマイル』2026年5月号の内容を一部抜粋・再編集したものです。<br />
※写真はイメージです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>歯の「成長を止めるのを止めれば」歯は生える</h2>

<p>「毛生え薬」ならぬ「歯生え薬」が、もうすぐ実現しそうな段階に来ていることを知っていますか。</p>

<p>取り組んでいるのは京都大学発のベンチャー企業「トレジェムバイオファーマ」です。2030年からの実用化をめざして研究・開発を進めてきましたが、昨年9月、開発中の薬（抗USAG-1抗体「TRG035」）がついに、厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されました。</p>

<p>「まずは、重症型先天性部分無歯症という生まれつき永久歯が6本以上欠如する病気の治療薬として使用し、次のステップとして、虫歯や事故などの後天的な要因で失われた歯の治療に取り組みます」と語るのは、社長の喜早ほのか氏。2024年までは京都大学医学部附属病院に勤務する歯科医師でした。</p>

<p>私たちの歯は、「歯胚」という〝歯の芽〟から生まれます。最初に乳歯の歯胚が、次に永久歯の歯胚が成長することで新しい歯が形作られ、その歯が歯茎を押し上げて、乳歯から永久歯に生え替わるのです。</p>

<p>実は、私たちの顎の骨の中には、乳歯、永久歯に続く「第3の歯」の芽（第三歯堤）があるのですが、その芽が歯として成長することはありません。</p>

<p>しかし、2007年、通常よりも多くの歯が生えているモデルマウスが発見されたのをきっかけに、パラダイムシフト（歴史的転換）が起こりました。そのマウスは歯の芽が歯へと成長するのを阻害するタンパク質「USAG-1」が欠損していることで、歯胚が過剰に育った状態でした。</p>

<p>つまり、歯の発生は、歯の成長を阻害するUSAG-1によってコントロールされていることが判明したわけです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「第3の歯」を生やしてオーラルフレイルを予防</h2>

<p>そこで元京都大学准教授でトレジェムバイオファーマCTOの髙橋克氏が開発したのが、USAG-1の働きを抑えることで新しい歯を発生させて「歯生え薬」となり得る「抗USAG-1抗体」です。</p>

<p>「実際に、マウスやビーグル犬、フェレットなどの動物の体内に、抗USAG-1抗体を投与したところ、歯が欠如していた箇所から新しい歯が生えることが確認できました」（喜早氏）</p>

<p>現在、先天性部分無歯症に対しては、根本的な治療法は存在せず、義歯（入れ歯）やインプラントを入れる治療が行なわれています。ただし、子どもの場合は顎が成長する段階なのでインプラントではなく義歯を使います。義歯は、顎が大きくなるのに合わせてその都度作りかえなくてはなりません。</p>

<p>また、大人の場合でも、顎の骨の作り直し、骨移植をしてからインプラントを埋入して噛み合わせを矯正して―と大変な手間と時間を要します。</p>

<p>昨今、インプラントの品質は向上しており、噛む力や耐久性は天然歯とそれほど遜色がなくなっているといいます。しかしながら、手入れを怠るとインプラントを支える骨を溶かすインプラント周囲炎になる可能性は依然として高いので、長持ちさせるためには、自分の歯以上に気を付ける必要があります。</p>

<p>「歯科医師として患者さんを診る中で、お子さんの無歯症が分かって悲しむ保護者の方々に多く接してきました。そうした方々に、一筋の光になるような治療薬を1日も早く届けたいと思っています」（喜早氏）</p>

<p>さらに、永久歯が欠損してしまっても、歯生え薬で第3の歯を生やすことが可能になれば、歳をとっても自分の歯で噛めるようになります。すると、加齢等にともなって口腔機能が衰えるオーラルフレイルの予防につながり、認知機能や身体機能が低下するリスクを軽減させて、健康寿命の延伸も期待できます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「歯を失うことが怖くない」未来はすぐそこに</h2>

<p>喜早氏たちは、永久歯の次の歯の芽である第三歯堤に抗USAG-1抗体を注射で投与することで、歯が生えそろった大人であっても、永久歯の次の「第3の歯」を生やすことができる可能性があると考えています。</p>

<p>現在、日本国内の先天性無歯症の患者数はおよそ60万人、後天的に歯を失う人の数はおよそ300万人と推定されています。歯の有無は、すぐさま生命にかかわりませんが、健康寿命に大きな影響を与えます。「歯を失うことが怖くない」未来が、すぐそこに来ています。</p>

<p>◎監修：喜早ほのか（歯科医師・医学博士／トレジェムバイオファーマ株式会社代表取締役社長）</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_teeth.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 20 Apr 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木原洋美（医療ジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ファミコン世代はゲームをどう攻略していた？ ファミ通、友達との情報交換...  ジャンクマン（ゲーム配信者）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13844</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013844</guid>
			<description><![CDATA[レトロゲーム愛するゲーム配信者・ジャンクマンさんに、「アナログだったあの頃の」のゲーム情報収集について思い出を語ってもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ファミ通" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260310junkman02.jpg" width="1200" /><br />
「ファミコン通信（現：週刊ファミ通）」1992年1月3日号</p>

<p>Twitchを中心に活躍するゲーム配信者、ジャンクマンさん。</p>

<p>「レトロゲーム1000本ノック」という壮大な挑戦を掲げ、膨大な数のタイトルを遊び尽くしてきた、筋金入りのゲーム愛好家としても知られています。本連載では、そんなジャンクマンさんに、今なお色褪せない名作の数々をたっぷりと語っていただきます。</p>

<p>第2回となる今回は、現代の検索文化とは対極にあった「アナログだったあの頃」のゲーム情報収集について。ファミ通やゲーム情報番組を駆使し、攻略本を立ち読みしては走って帰宅した――そんな、不便だけど楽しかった時代の遊び方についてお話を聞きました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>攻略情報は「雑誌」と「テレビ番組」がすべてだった</h2>

<p><img alt="1000ガバス" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260309junkman01.jpg" width="1200" /><br />
（写真提供：週刊ファミ通）</p>

<p>――今と違って、当時は気軽にネットで攻略法を調べることはできませんよね。ゲームの情報はどこから手に入れていたのでしょうか？</p>

<p>ジャンクマン：もちろん友達との情報交換もありましたが、基本はゲーム雑誌でしたね。特に『ファミ通』は欠かせませんでした。中高生になると自分で買うようになり、読者投稿コーナーにハガキを出す「ハガキ職人」もやっていましたよ。四コマ漫画が掲載されたこともあります。</p>

<p>――それはすごい！どんな四コマを描いていたんですか？</p>

<p>ジャンクマン：『ストリートファイターII』のパロディ漫画を描いていました。当時は「ガバス」というファミ通オリジナルの通貨があって、それを貯めてゲーム機やグッズと交換することができたんです。今の雑誌にはないシステムだと思いますが、当時はあれが大きなモチベーションになっていました。</p>

<p>――週刊で情報を出し続けるというのは、よく考えてみるとすごいことですよね。</p>

<p>ジャンクマン： 本当によくネタが尽きないものだなと思います。誌面の内容は新作紹介が中心でしたが、発売直後のタイトルに関しては攻略情報も載っていました。毎週発売される雑誌を読みながら、「今週はここまで進めよう」と、誌面の進行に合わせてゲームをプレイしていたこともありますね。</p>

<p>他にも編集者の方々が新作に点数をつける「クロスレビュー」を参考に、どのゲームを買うか決めていた時期もありました。自分の好みに合うかどうか、点数やレビューの文章から想像を巡らせていたものです。</p>

<p>――雑誌以外に、何か情報源はありましたか？</p>

<p>ジャンクマン： テレビ番組ですね。テレビ東京系列で放送されていた『スーパーマリオクラブ』という番組は、当時の子供ならみんな見ていたんじゃないかな。新作ゲームの紹介や、子供たちがゲームで対決するバラエティー番組で、学校から帰ってきたらちょうど放送している時間帯だったので、毎週楽しみにしていました。任天堂のゲームが中心だったと思いますが、いつもワクワクしながら見入っていましたね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本屋のおっちゃんに怒られながら...立ち読みの思い出</h2>

<p>――今考えると、ネットでパッと検索するよりも、情報に価値があった気がします。</p>

<p>ジャンクマン：確かにそうですね。圧倒的に不便ではありましたが、その分、試行錯誤のプロセスに達成感がありました。攻略本も当時は高価で、あまり気軽に親に買ってと強請れるものではなかったんですよ。だから、基本的には本屋で「立ち読み」でした...。</p>

<p>――立ち読み、懐かしい響きです（笑）。</p>

<p>ジャンクマン：本屋のおっちゃんに怒られるんですよね。「帰れ！」って（笑）。だから、怒られる前に攻略情報をパッと頭に叩き込んで、家まで猛ダッシュして急いでゲームをプレイする。そして次の日また本屋に行って...の繰り返しです。今考えれば本屋さんには本当に迷惑な話ですが、不便なりに必死で情報を集めていたあの時間は、今思うと楽しかったですね（笑）。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>攻略本がないとクリア不能？「嫌がらせ」のような難易度</h2>

<p>――そこまでして攻略本が必要だったということは、当時はクリアが難しいゲームも多かったのでしょうか？</p>

<p>ジャンクマン：多かったですね。ファミコン時代には、プレイヤーへの嫌がらせかとも思えるようなゲームがたくさんありました。攻略本がないと、まずクリア条件すら思いつかないような。</p>

<p>今、ゲーム配信でレトロゲームをプレイしていますが、当時の子供たちがどうやってクリアしたのか謎に思うようなタイトルも多いです。あまりの難解さに、「攻略本を買わせるために、わざと理不尽なクリア条件を導入したんじゃないか？」と疑うレベルのものもあります（笑）。</p>

<p>――それでも、学校で友達と「あそこ、どうやって進むの？」と情報交換するのが、当時の醍醐味だったわけですね。</p>

<p>ジャンクマン：そうなんです。不便だけど、あの場でしか共有できない濃いコミュニケーションがありました。検索して一瞬で答えが出る時代も便利ですが、必死に試行錯誤して、友達と知恵を出し合って辿り着いたその先に、本当の達成感があったような気がします。</p>

<p>今の子供たちも、スイッチで遊ぶゲームの攻略や裏技を友達と話したりしているとは思いますが、あの限られた情報の中で悩み抜いた経験は、今振り返っても特別なものですね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>（取材・文：THE21オンライン編集部）</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260310junkman02.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 20 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ジャンクマン（ゲーム配信者）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>集中力は「保つ」ものではない？ プロが教える注意を戻し続ける技術  伴元裕（福岡ソフトバンクホークスメンタルパフォーマンスコーチ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13981</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013981</guid>
			<description><![CDATA[仕事を頑張らなければならないのに、どうしても集中できないーー。そんな現実的な悩みに対する解決策を、メンタルパフォーマンスコーチの伴元裕氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「集中力革命」" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_biztechG.jpg" width="1200" /></p>

<p>福岡ソフトバンクホークスのメンタルパフォーマンスコーチとして、チームの優勝・日本一に貢献した伴元裕氏。仕事や勉強を前に「集中できていない」と感じる場合、どうすればよいのか。プロの見識を解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、伴元裕著『集中力革命　ブレても力を発揮するメンタルの技術』（Gakken）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「集中できていない」という気づきから始まる</h2>

<p>たとえば、勉強しようと机に向かった瞬間、「何から手をつけるんだっけ......」と立ち止まってしまうことがあります。やることがまったくわからないわけではない。</p>

<p>ただ、集中を戻す先がまだ整理されていないと気づく瞬間です。このとき、落ち着かない感覚だけが先に立ち、注意の置き場所が定まらなくなり、周囲の人がとても集中しているように見えることがあります。その瞬間、頭の中でこんな言葉が浮かび始めます。</p>

<p>「集中できていないな」「勉強のペースが遅れているかもしれない」「ちゃんとやれているだろうか」</p>

<p>その言葉が出てきた瞬間、注意は今の行動から離れ、結果や評価のほうへと引き寄せられ始めています。</p>

<p>ここで大切なのは、この状態を「失敗のサイン」だと決めつけなくていいということです。集中できていないと感じたとしても、何かが壊れているわけでも、能力が足りていないわけでもありません。ただ、これから何に注意を向けるかを、整理し直せる地点に立っているだけです。</p>

<p>集中できていない瞬間を切り取ると、注意を向けられる対象はいくつも存在しています。やるべき行動もあれば、うまくやれているかどうかという問いもあります。不安や焦りといった感情もあれば、その瞬間に起きている事実もあるでしょう。私たちは、その中から無意識のうちに一つを選び、そこに注意を向けています。</p>

<p>今、注意がどこに向いていたのかに目を向ける――。選択肢の整理が必要な瞬間に気づくことが、すべてのスタートになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>試合に臨む人の頭の中</h2>

<p>試合に向かう時間は、いつも独特の緊張感があります。会場に入る前、アップを終えたあと、あるいは試合開始や自分の出番を待っている数分間......。まだ何も始まっていないはずなのに、頭の中ではすでに何かが動き始めている、そんな感覚です。</p>

<p>準備を怠ってきたわけではありません。これまで通り練習を重ねてきたし、やるべきこともやってきました。身体の動きも、感覚も決して悪くはありません。少なくとも、自分でわかるほどの不安要素があるわけではない状態です。</p>

<p>それでも、気づくと意識は少しずつ先へ向かっていきます。</p>

<p>「結果はどうなるだろうか」「うまくやれるだろうか」「失敗したらどう見られるだろうか」</p>

<p>こうした考えが頭の中に浮かんだ瞬間、自分の中に「評価する目」が立ち上がります。プレーする前の自分を、外側から眺め、ちゃんとできているかどうかを確認し始めてしまう、そんな、自分を外側から確認する管理者モードに入っていることに、ふと気づいてしまうのです。</p>

<p>そんな意識に気づいたとき、多くの場合、人は焦るものです。このままではいけない、ちゃんと整えなければならない。湧いてきた緊張や不安を、どこか間違ったものとして扱い、正しい状態に戻そうとします。あるいは、感情を否定し、消そうとし、落ち着こうとする人もいるでしょう。</p>

<p>しかし、そこでふと立ち止まってほしいのです。</p>

<p>「違う、感情は否定しなくていいんだ」と。</p>

<p>緊張していることも、不安を感じていることも、この場面では自然な反応なのです。それ自体が、これからのパフォーマンスを壊しているわけではありません。</p>

<p>ではこのとき、「今、自分で、できること」は何でしょうか。ここで求められるのは、結果を変えようとすることではありません。自分がこの場で、どんなプレーをしたいのかというパフォーマンス目標に、注意を戻すことなのです。うまくやれているかどうかではなく、少しでもその意図に近づこうとする姿勢を保てているか。その確認が、次の行動を選び直すための土台になります。</p>

<p>そのうえで、注意を置く先は、「今、ここで、実際に動かせるもの」になります。</p>

<p>たとえばゴルフであれば、うまく打てるかどうかを考える前に、アドレスに入ったときの足裏の感覚に注意を向けます。地面に体重がどう乗っているか、呼吸がどこまで下りてきているかなどを確認します。</p>

<p>あるいは、サッカーやバスケットボール、ラグビーであれば、自分の役割や保ちたいプレーの意図に一度立ち返り、そのうえで、ボールを受ける前の立ち位置、視線の置き方、身体の向きといった、次のプレーにつながる行動に注意を戻します。</p>

<p>注意が再び逸れることもあるでしょう。周囲のノイズ、人の動き、結果への期待や不安、自分のパフォーマンスへの評価......。これらは何度でも顔を出しますが、それでいいのです。できているか、できていないかが問題なのではありません。良い状態か、悪い状態かを判断する必要もありません。</p>

<p>注意が逸れたことに気づいたら、そのたびに「今、ここで、できる行動」に注意を戻し続ける。そのあり方を保てばいいのです。集中とは、保ち続けるものではありません。逸れたことに気づき、戻し続けるものなのです。そして、その過程そのものが、パフォーマンスを支えることになります。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_biztechG.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 20 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[伴元裕（福岡ソフトバンクホークスメンタルパフォーマンスコーチ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ジャクソン・ポロックの「絵の具を撒き散らす描き方」が揺るがした絵画の根本  末永幸歩（美術教師／アーティスト ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11758</link>
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			<description><![CDATA[美術教師でアーティストの末永幸歩さんが、ジャクソン・ポロックの描き方について解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ジャクソン・ポロック" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_brush.jpg" width="1200" /></p>

<p>美術教師の末永幸歩です。このコラムでは、アート作品に向き合ったり、小さな子どもがみつめる世界に想いを馳せてみることで、物事を異なる角度からみつめ直し、自分だけの答えをつくる「アート思考」をしてゆきます。本稿では、ジャクソン・ポロックの制作方法について解説します。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年12月号連載「ビジネスパーソンのためのアート思考トレーニング」より、内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>風変わりな描き方の先にあるもの</h2>

<p>第一次世界大戦直前にアメリカで生まれ、戦後のニューヨークで活躍したのがジャクソン・ポロック（1912〜1956年）というアーティストです。『Number 1A』をはじめとする絵画作品は、今日に至るアートの歴史の中でもとりわけ高く評価されています。</p>

<p>ポロックの制作方法は一風変わっています。彼は部屋の床に大きなキャンバス生地を敷き、絵の具をたっぷりと含ませた筆や棒切れなどを振って、絵の具をキャンバスに撒き散らしました。キャンバスの周りを動き回りながら腕を振って描く変わった制作方法は、アクション・ペインティングと呼ばれます。</p>

<p>しかし、ポロックの作品がアートの歴史に名を刻んでいるのは、単に描き方の斬新さからではありません。その描き方を通じて、絵画の根本を問い直したところにこそあります。</p>

<p>例えば、リンゴが描かれた油絵作品を想像してください。鑑賞者がその絵に目を向けるとき、当然ながら「リンゴ」というイメージを見るはずです。しかし、そのイメージは頭の中の架空のものでしかありません。</p>

<p>鑑賞者の目の前に実際に存在しているのは、絵の具とキャンバスという3次元の物質です。リンゴの絵の正体は、「ある配列の油絵具で覆われたキャンバス」でしかないのです。</p>

<p>「絵は絵の具とキャンバスでできているなんて当然のことだ」と感じられるかもしれません。</p>

<p>しかし、ポロック以前のアートの長い歴史の中で、絵画を描く人も見る人も、そこに実在する絵の具とキャンバスを通り越して、架空のイメージばかりに目を向けていました。</p>

<p>「床に敷いたキャンバスに、ただ絵の具を撒き散らす」という独特の手法で描かれたポロックの作品は、「なんらかのイメージを映し出すもの」という絵画の在り方の根本を揺るがすことになったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>子どもが答えられなかった質問</h2>

<p><img alt="紙コップを使った工作" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/240114Suenagayukiho03.jpg" width="1200" /></p>

<p>話は転じますが、娘が大人の手を借りずに1人で工作をするようになったのは、3歳になったばかりのときでした。</p>

<p>ちょうどその頃のこと、娘と私は近所の公園で行なわれていた小さなイベントに参加しました。そこでは、その場にある様々な素材や廃材、道具などを自由に使って工作することができます。</p>

<p>娘は材料置き場にあった紙コップを手に取ると、早速工作に取りかかりました。ずいぶんと集中している様子でしたので、私はあえて何も話しかけずにそっと見守っていました。</p>

<p>娘が作ったものはいかにも素朴ですが、よく見ると案外いろいろな細工が施されています。紙コップの飲み口からは、いくつもの切れ込みが入っていて、穴あけパンチで開けた穴もあります。</p>

<p>紙コップの底には、1辺が折れ曲がった正方形の紙が貼りつけられていますし、側面の所々にテープが貼られていたり、紫のペンで何かが描かれていたりもします。</p>

<p>これは一体なんなのか、作品を見た限りではわかりませんが、これだけ一生懸命に作っていたからには、娘の心の中にはなんらかのイメージが湧き上がっていたことでしょう。</p>

<p>制作がひと段落ついたころ、私はようやく「すごいね! 何を作ったの?」と尋ねてみました。</p>

<p>しかし娘は答えてくれません。私は話を引き出そうと、「なんだかタコみたいに見えるなあ」「何に使うもの?」などと言ってみましたが、それでも娘は「そう」とも「違う」とも教えてくれませんでした。</p>

<p>結局わからずじまいで、「あれはなんだったんだろう」とその後も私の頭の片隅に引っかかっていましたが、ポロックの絵画について考えを巡らせていたとき、はっと思い当たりました。</p>

<p>娘は「タコ」を表現しようとしていたわけでも「何かに使うもの」を作っていたのでもなく、それどころか、なんのイメージも抱いていなかったのではないかと思ったのです。</p>

<p>使えるようになったばかりのハサミを手に取る。<br />
大きく開いた紙コップの飲み口は、ハサミの刃を差し込むのにぴったりだ。 ジョキッと切れ込みを入れる。<br />
もう一回やってみよう。カップを回転させて、もう一回、もう一回。<br />
そのハサミを使って、今度は紙を切り取ってみる。<br />
切った紙をどこに貼ろうか。ちょうどいいスペースを見つけた。<br />
紙コップの底の平らなところに紙を貼りつける......。</p>

<p>あのとき娘を熱中させていたものの正体は「切る」「貼る」といった行為そのものだったのではないか。そうして出来上がった作品は「何」と言い表すことはできない、身体を通した行為の痕跡だったのではないか......そう私には思えました。</p>

<p>もちろん本当のところはわかりませんし、仮に娘に問い直してみたところで、雄弁に答えてくれるわけではないでしょう。それでも、少なくとも私の中に、作品を見る視点が1つ増えた気がしています。</p>

<p>子どもの工作に限らず、美術館でアート作品を見るときにも、「何を描いたのか」「どんなイメージを抱いていたのか」という視点だけではなく、「どこから作り始めたのだろう」「どうしてこの行為に至ったのだろう」と、1つの行為が次の行為へと連鎖していく、作者の身体の動きを辿ってみようと思うのです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_brush.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 19 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[末永幸歩（美術教師／アーティスト ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>対立は成長の証 チームが成熟する4つのフェーズ「タックマンモデル」とは  堀田創（AI×認知科学研究者）、水野貴明（Nexus Frontier Tech共同創業者兼CTO）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13885</link>
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			<description><![CDATA[多彩なメンバーが集まるチームは、組織としてどのような成長曲線を描いていくべきなのか。ビジネス立ち上げ・チームマネジメントに定評のある両氏に解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「まとまらないチームのまとめ方」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_casualmeeting.jpg" width="1200" /></p>

<p>単彩チーム以上に複雑で、調整が必要とされる多彩チーム。そんなチームを成長させるうえで、たどるべきプロセスを確認しておくことが重要だろう。堀田創、水野貴明両氏の著書『まとまらないチームのまとめ方』（翔泳社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、堀田創、水野貴明著『まとまらないチームのまとめ方』（翔泳社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>チームが成長する4つのフェーズ</h2>

<p>筆者の経験上、多彩チームは本当に大きな成果を出す可能性がある一方で、比較的似たような価値観や能力をもつメンバーからなる単彩チーム以上に成長時のストレスが生じやすく、メンバー間の調整に時間がかかります。しかし、チームの成長には学術的に確かなプロセスが存在します。</p>

<p>チームが形成されてから成熟し、高い成果を出すようになるまでのプロセスを示す理論として有名なのがタックマンモデルです（図表4-1）。</p>

<p>チームビルディングの進行段階を整理したフレームワークで、フォーミング、ストーミング、ノーミング、パフォーミングという4つのフェーズでチームが成熟するとされています。1965年にアメリカの心理学者ブルース・タックマンが提唱し、現代のチームづくりでも根強く指示されている考え方です。</p>

<p>図4-2で示すようにタックマンモデルのフェーズは必ず進捗するわけではありません。新メンバーが入ったりメンバーの心理状態の遷移など、さまざまな理由で振り出しに戻ります。そのたびにその状況を謙虚に受け止めるアンラーニングが重要になります。</p>

<p>なお、タックマンモデルは第5のフェーズとして「アジャーニング（Adjourning）」や「モーニング（Mourning）」とよばれる散会期を経て一連のライフサイクルが集結するという考え方なのですが、本書ではビジネス現場での活用を考慮して上述の4つのステージを中心に解説します。</p>

<p><img alt="「まとまらないチームのまとめ方」" height="1179" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603MatomaranaiTeam41.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フェーズ1・フォーミング</h2>

<p>チームメンバーがはじめて集まるとき、お互いの期待や役割を探りあうことが多いのではないかと思います。この段階をフォーミング（Forming：形成期）とよびます。多様なバックグラウンドをもつメンバーが集まることで、まだチームとしての一体感がなく、混乱や不安が生じやすい段階です。</p>

<p>AIプロダクト開発を例に考えてみましょう。チームでキックオフミーティングを実施しました。</p>

<p>プロジェクトマネージャーの佐々木は、大企業で培ったPM経験から「細かな計画を練ってから進めることが重要」と考え、詳細なスケジュールを提案したいと思っていました。一方、シニアエンジニアの山本は過去のスタートアップでの経験から慎重なアプローチを好まず、「まずは行動してから、計画を修正すればいい」と考えていました。ところが、ジュニアエンジニアであるマイケルは、「考えすぎては手が止まる。状況に応じて即座に対応すればいいのでは」となんとなく感じていました。それぞれの考えや思いはありつつも、あまり積極的な意見交換には至りませんでした。</p>

<p>このように、それぞれの意見を引き出して妥協案を探りつつ、プロジェクトは進めていくような状態、各メンバーの働き方や価値観の違いはぼんやり表明されつつも、ディスカッションはあまり深まることなく各自が小さな妥協をしながらチームが形成されようとしている状態がフォーミングです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フェーズ2・ストーミング</h2>

<p>ストーミング（Storming：混乱期）は、メンバーがそれぞれの視点や考え方を積極的に表明しはじめ、対立が生まれやすくなる段階です。</p>

<p>異なる文化や個性をもつメンバー同士の意見の食い違いが明確になり、チーム内で摩擦が生じます。チームが成長するための試練の時期でもあります。</p>

<p>先に紹介したAIプロダクト開発のキックオフミーティングから2週間後の定例会議でのことでした。</p>

<p>シニアエンジニアの山本は「なぜこんなに計画にこだわるのか？もっとスピーディーに進めるべきだ」といい出しました。それに対してプロジェクトマネージャーの佐々木は「計画を守らなければ、信頼を失ってしまう」と主張し、意見が対立しました。</p>

<p>ジュニアエンジニアのマイケルは両者の議論を聞きながら、状況に応じた即座の対応を望んでいたため、計画の詳細に時間をかけることにフラストレーションを感じ、不機嫌な態度をあらわにしはじめました。</p>

<p>このように、ストーミングでは、メンバー同士が自分の意見を強く主張し、コミュニケーションの衝突が激化することが一般的です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フェーズ3・ノーミング</h2>

<p>ノーミング（Norming：統一期）はチームが対立を乗り越え、共通のルールや価値観を形成しはじめる段階です。ここで重要なのは、対立を避けるのではなく、摩擦を建設的に活かし、チームとしての共通のゴールに向けて協力しあうルールを自然に育むことです。メンバーが対立しながらも、それぞれの意見を尊重する対話がはじまるような状態といえます。</p>

<p>AIプロダクト開発のキックオフミーティングから6週間後の定例会議でのことです。</p>

<p>「行動してから、計画を修正すればよい」と主張していたシニアエンジニアの山本は「確かに計画は必要だが、柔軟性をもたせよう」と提案しました。計画を顧客に説明する立場でもあり、これを重んじざるをえないプロジェクトマネージャーの佐々木も「スピード重視の対応も取り入れてみよう、顧客にそのように説明してみる」と歩み寄りました。</p>

<p>「状況に応じて即座に対応することが重要」と考えていたジュニアエンジニアのマイケルも「即時対応を入れながら、全体の進行を確認していく」と柔軟な対応に同意しました。互いの価値観や働き方を理解しあい、チームメンバーが互いに協力できる体制が整いはじめてきました。</p>

<p>このように、ノーミングでは、フィードバックセッションや定期的なミーティングでお互いの意見を確認し、改善を重ねることでチームとしてのまとまりが生まれてきます。チームメンバーは、初期の対立を振り返り、いまではそれが役立ったことを実感しながら、共通のルールに基づいたコミュニケーションをとるようになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フェーズ4・パフォーミング</h2>

<p>パフォーミング（Performing：機能期）は、チームが完全に成熟し、互いに頼れる仲間としてスムーズに協力できる状態となった段階です。</p>

<p>メンバー同士が信頼しあい、各自の強みを活かしながら、プロジェクトを進めていくことができるようになります。メンバー全員が役割を理解し、各自が自律的に働きつつも、チームとしての成果を常に意識して行動できるような状態です。</p>

<p>「細かな計画を練ってから進めることが重要」と考えていたプロジェクトマネージャーの佐々木は計画を立てることの重要性を認識しながらも、急な変更に柔軟に対応するスキルを身につけました。「まずは行動してから、計画を修正すればいい」と考えていたシニアエンジニアの山本も、スピードだけでなく計画的なアプローチへの対応も許容できるようになりました。</p>

<p>「考えすぎは面倒」と思っていたジュニアエンジニアのマイケルも、全体のバランスを取りながら即時対応と長期的な計画の調整に協力できるようになってきました。</p>

<p>このように、パフォーミングでは、各自が自らの役割を理解し、チームの成功に向けて協力しあうことができます。外から見ても「息がぴったりあっている」「スピード感がある」と評されるようになり、各自が自律的に動いていても、チームとしての方向性はズレにくくなります。多彩チームの強みはこの段階で最大化され、創造的なアイデアや大きなイノベーションも生まれやすくなります。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_casualmeeting.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 19 Apr 2026 11:40:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田創（AI×認知科学研究者）、水野貴明（Nexus Frontier Tech共同創業者兼CTO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>美術教師が娘の工作を見て感じた「想像力がいかにも乏しい作品」の豊かさ  末永幸歩（美術教師／アーティスト ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11757</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011757</guid>
			<description><![CDATA[「目に見えないものに意識を向け、想像の世界に足を踏み入れる」ことについて、美術教師でアーティストの末永幸歩さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="紙コップと段ボールでできた「チョコ味のかき氷」（筆者撮影）" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250114Suenagayukiho02.jpg" width="1200" /><br />
紙コップと段ボールでできた「チョコ味のかき氷」（筆者撮影）</p>

<p>美術教師の末永幸歩です。このコラムでは、アート作品に向き合ったり、小さな子どもがみつめる世界に想いを馳せてみることで、物事を異なる角度からみつめ直し、自分だけの答えをつくる「アート思考」をしてゆきます。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年10月号連載「ビジネスパーソンのためのアート思考トレーニング」より、内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>工夫のないかき氷屋さんの工作</h2>

<p>4歳の娘と私は、よく工作をします。 工作といっても、作るものや作り方は特に決まっていません。自宅の部屋の片隅にある段ボール箱には、空き箱や容器などの廃材がストックしてあるので、思いついたときに好き勝手に工作を楽しんでいます。</p>

<p>夏休みのある日、100円ショップで売られていた「氷」ののれんに娘の目は釘付けになりました。使い道のなさそうなのれんを買うことに私は躊躇いましたが、娘はどうしても欲しいと言い張ります。</p>

<p>願いが叶って手に入れたのれんを手に提げて自宅に帰ると、すぐにかき氷屋さんの工作が始まりました。まずは、チョコ味のかき氷を作りたいと言います。</p>

<p>さて、氷の部分を表現するには綿を使おうか、チョコシロップは絵の具で表現するのが良いかな......などと私が思案しているうちに、娘は、廃材置き場から見つけ出した紙コップの上に、段ボールの切れ端を重ねて私に差し出しました。</p>

<p>段ボールの茶色い色から「チョコかな？」と見当はつきましたが、廃材置き場にあった段ボールに手を加えた形跡はなく板状のままでしたので、かき氷とは程遠い見た目をしています。</p>

<p>しかし娘はそんなことはお構いなしに、「そう、チョコ味のかき氷!」と自信ありげに答えました。</p>

<p>私がかき氷を食べるしぐさをしていると、今度は、別のカップの上にピンク色の大きな包装紙が被さったものが手渡されました。</p>

<p>やはり何の加工もない状態でしたが、聞くと「モモ味のかき氷」だそうです。その後もこのやりとりが続きます。かき氷の種類は次々に増えていき、チョコ、モモ、メロン、ブドウ......と豪華な品揃えになっていきました。</p>

<p>しかしどのかき氷も、カップの上に、アンバランスな大きさの段ボールや包装紙が何の加工もなく載せられているだけです。</p>

<p>「どの素材を使えば氷のように見えるかな」と考えたり、「材料を切ったり丸めたりすることでかき氷らしい形に近づけよう」などと工夫したりした形跡もありません。</p>

<p>出来上がったものはごく単純な形態で、お世辞にも「豊かな想像力だ!」とは言い難いような作品です。</p>

<p>先述の通り、娘は普段からよく工作をしていることもあり、器用にハサミやテープを使ったり、カラフルな色彩で絵を描いたりすることもお手の物です。きっとこの日も私の声掛け次第で、もっとかき氷らしい、凝った作品を作ることもできただろうと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>想像力がいかにも乏しい想像豊かな作品</h2>

<p>それでも私には「このままでいいんじゃないかな」という想いがあります。</p>

<p>それはもちろん、自宅で好きに工作を楽しんでいるだけなのだから......ということもありますが、理由はそれだけではありません。単純極まりないようなこの工作こそが、想像力が豊かに発揮された結果と言えるのではないかと感じるからです。</p>

<p>チョコ、モモ、メロン、ブドウ......と夢中になってかき氷を作り続けていたその瞬間、娘は想像の世界に足を踏み入れていたのではないか。「紙コップ」や「段ボールの切れ端」でしかなかったものが、想像の世界では「本当のかき氷」として輝き出していたのではないか......。</p>

<p>私の目に映るのが材料そのままの工夫のない形であったとしても、娘の目に映るのが、その特徴を十分に備えた「本当のかき氷」であったとしたら、わざわざ他の素材を使ったり、素材を切ったり丸めてみたりする必要なんてないわけです。</p>

<p>飽きることを知らずに、かき氷を作ったりお店屋さんごっこに熱中したりする姿からは、娘が想像を豊かに働かせ、私に見えているものとは異なる、もう１つの現実を見ているかのように感じられました。</p>

<p>段ボールの切れ端を通して娘が見ていたかき氷は、どんな姿をしていたのだろう......私にはそれと同じものを見ることはできませんが、心の中でそれを思い描いてみたいと思うのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自分だけの答え」をつくるということ</h2>

<p>拙著『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』の冒頭で、クロード・モネの『睡蓮』という作品を見て、4歳の男の子が「かえるがいる」とつぶやいたという、大原美術館のエピソードをご紹介しました。</p>

<p>『睡蓮』にはカエルは描かれていません。その場にいた学芸員が「えっ、どこにいるの」と聞くと、男の子は「いま水にもぐっている」と答えたそうです。</p>

<p>「子どもじみた発言だ」とか「実際にはカエルはいない」と言えばそれまでですが、その瞬間に男の子の心に映る『睡蓮』にはカエルが確かに存在していたはずです。</p>

<p>目に見えるものだけを見ようとしていては、決して感じ取れないものがあるはずです。</p>

<p>子どもだけではなく時には大人も、目には見えないものに意識を向け、想像の世界に足を踏み入れて「自分だけの答え」をつくる必要があるように、私には感じられます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【末永幸歩（すえなが・ゆきほ）】<br />
美術教師／アーティスト。武蔵野美術大学造形学部卒業、東京学芸大学大学院教育学研究科（美術教育）修了。アートを通して「ものの見方を広げる」ことに力点を置いたユニークな授業を、都内の中学校や高等学校で展開してきた。子どもの創造性を育むワークショップ、大人向けアート思考セミナーなど、アートに関する活動を年間100回以上行なう。プライベートでは4歳児の子育て中。著書に22万部突破のベストセラーとなった『13歳からのアート思考』（ダイヤモンド社）がある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250114Suenagayukiho02.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 18 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[末永幸歩（美術教師／アーティスト ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ柳田悠岐は不調でも打てるのか？ 超一流が実践する「集中力を育てる」3段階  伴元裕（福岡ソフトバンクホークスメンタルパフォーマンスコーチ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13980</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013980</guid>
			<description><![CDATA[「来た球を打つだけ」とたびたび述べる、ホークスのスター・柳田悠岐選手。そう言い切れるだけの集中力は、いかにして身につけられたのか。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「集中力革命」" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_baseball02_MLIG.jpg" width="1200" /></p>

<p>福岡ソフトバンクホークスのメンタルパフォーマンスコーチとして、チームの優勝・日本一に貢献した伴元裕氏。氏が実際に目にした、トップアスリートの集中の技術について解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、伴元裕著『集中力革命　ブレても力を発揮するメンタルの技術』（Gakken）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>柳田悠岐選手が証明する「集中とは技術」</h2>

<p>「来た球を打つだけ」――。</p>

<p>柳田悠岐選手は、よくそう表現します。すごい選手ほど、最初から何も考えずにプレーしているように見えるかもしれません。注意が逸れても、無意識のうちに自然と戻せている。そんな印象を受ける人も多いでしょう。ただ、本人に話を聞くと、必ずしもそうではありません。</p>

<p>柳田選手も、若い頃は自分が反応できるゾーンを意識的に絞り、その範囲に来た球だけ、反応しようとしていたと言います。結果を考えないようにするため、というよりも、反応できる場所を限定することで、注意が散らないようにしていたのでしょう。</p>

<p>その積み重ねの中で、反応できる範囲が少しずつ広がっていきました。今は「来た球を打つだけ」と感じられる状態ですが、それはゾーンを意識しなくなった、という意味ではありません。調子が悪いときには、あらためてゾーンを絞ります。</p>

<p>つまり、意識的に注意を戻そうとする段階に、必要に応じて戻しているのです。これは打撃技術の話のように聞こえるかもしれません。しかし実際には、「どこに注意を戻すか」という集中の設計の話でもあります。</p>

<p>このエピソードは、集中とは「あるかないか」で決まるものではないということを教えてくれます。集中とは技術であり、一気に身につくものではないのです。</p>

<p>注意が逸れたとき、その戻り先がわかっていても、実際の場面では、いつもそこに戻れるとは限りません。頭ではわかっているのに、うまく戻れない。むしろ、戻ろうとするほど注意が散っていく。そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。</p>

<p>実際の現場を見ていると、集中の技術には、いくつかの段階があるように見えます。ここからは、その違いを整理していきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「集中の技術」にはいくつかの段階がある</h2>

<p>最初の段階は、自分にとっての「戻り先」がどこにあったのかに気づく段階です。あとから振り返ってみると、その場では「何もできなかった」と感じていても、時間の流れは完全には途切れていなかった、あるいは身体のどこかにかすかな感覚が残っていたなど、注意のすべてが失われていたわけではなかったことに少しずつ気づき始めます。</p>

<p>この段階では、何かを立て直した感覚はありません。それでも、完全に崩れていたと思っていた状況の中に、次につながる手がかりが残っていたことに気づき始めます。</p>

<p>次に見られるのが、注意がズレたときに、意識的に戻り先へ戻そうとする段階です。どこかに戻れる場所があるとわかってくると、人は自然と、そこに注意を戻そうとします。視線を戻そうとする、リズムを整えようとするなど、頭の中では「今はここに注意を戻すべきだ」という理解がはっきりしています。</p>

<p>ただ、この段階では、思った通りに戻れないことも多くあります。戻そうとした瞬間に、「本当にこれでいいのか」「まだズレているのではないか」と確認が入り、注意が再び忙しくなる。戻れないこと自体が問題なのではなく、戻そうとする操作に意識が向きすぎることで、注意が散りやすくなる段階でもあります。</p>

<p>さらに、注意を「戻そう」とする操作そのものが、あまり意識にのぼらなくなる段階があります。ズレたことに気づいても、それを問題として扱わず、評価や確認を挟まずに、出来事の流れにそのまま注意が向き続ける時間が増えていきます。</p>

<p>この場合、注意は特定の戻り先に引き戻されるというより、行動や出来事と同調したまま動いていきます。ここでは、「集中している」という感覚すら、あまりはっきりしません。ただ、行動が途切れず続いている。あとから振り返ったときに、「あの場面は、何も考えていなかった」という言葉が出てくるような状況です。</p>

<p>これらの段階は、一度到達したら、そこから先に進む一方というものではありません。先ほど触れたように、柳田選手でさえ調子が悪いと感じたときは、意図的にゾーンを絞るなど、意識的に注意を特定の戻り先に向けようとする段階に戻ることもあります。</p>

<p>この整理が意味を持つのは、「わかっていても戻れなかった」という経験の捉え方が変わる点にあります。戻れなかったことは、失敗でも、集中力の欠如でもありません。そのときも、戻す技術を育てている過程にいただけなのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Sat, 18 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[伴元裕（福岡ソフトバンクホークスメンタルパフォーマンスコーチ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>AIに対抗するスキル「妄想力」を鍛える3つの具体的な方策  樋口恭介（SF作家／ITコンサルタント）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11993</link>
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			<description><![CDATA[AIに仕事を奪われないために身につけるべき「妄想力」の鍛え方について、樋口恭介氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_lightbulb.jpg" width="1200" /></p>

<p>これまでは「人間にしかできない」とされてきた仕事がAIに奪われ、人間が労働の場を失う──そんなSFじみた筋書きが、ChatGPTをはじめとするAIの飛躍的な発展によって、今まさに現実になろうとしている。</p>

<p>本連載では、ITコンサルタントとして一般企業に勤めながらSF作家としても活躍する樋口恭介氏に、そんな時代に淘汰されることなく生き残る人材・生き残る組織のあり方を聞く。（取材・構成：杉山直隆）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年4月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>静かに考えるだけでは「妄想力」は高まらない</h2>

<p><img alt="妄想力は沈思黙考では手に入らない" height="1361" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312Higuchikyosuke21.jpg" width="1200" /></p>

<p>連載初回では、長らく人間の領域だった「情報処理」の分野に生成AIが本格的に進出してくる以上、人間にしかできない仕事を再定義し、それに関するスキルを改めて養わねばならない、というお話をしました。</p>

<p>そのスキルとは「妄想力」とそれを引き出す「好奇心」、そして「関係性構築力」の3つ。今回からは、それらのスキルを醸成するには具体的にどんなことに取り組めばいいか、というお話をしたいと思います。</p>

<p>まず扱うのは、中でもとりわけ重要な「妄想力」です。前回のおさらいですが、「妄想力」とは「強い主観によって自分独自のものの見方を構築する力」のこと。思い込みに縛られずに情報を処理できるAIは、その反面「独自の発想」を生み出すことが著しく苦手です。</p>

<p>つまりAIに対抗するためには、客観的な視点より、独自の発想を生み出す「主観的」なものの見方を鍛えることが効果的なのです。</p>

<p>妄想と聞くと「一人静かに部屋にこもり、物思いにふけって内省を重ね......」というイメージを抱く方も多いかもしれませんが、ただ黙々と考えるばかりでは、妄想力は高まりません。</p>

<p>妄想力を高める鍵は、端的に表すなら「外部からの刺激」です。普段自分と関わらないものに、積極的に触れてください。</p>

<p>というのも、人の思考はその人が見聞きしたものや知覚したものに、無意識のうちに影響されるものだから。世に跋扈する「フツーのアイデア」「平凡な文脈」から自由になるには、いまだ出会ったことさえないような「異質なもの・こと」に触れる機会が不可欠なのです。</p>

<p>その手段として手堅いのは、例えば「これまで足を運んだことのない土地への旅」といったことでしょう。風景が変わる様子を眺めながら時間をかけて移動し、初めて通る道を歩き、喧噪や匂いを感じ......といったことですね。</p>

<p>こうした「自分の中になかった知見」を得る経験を重ね、内面に「妄想の種」を蓄積することで初めて、ふとした拍子に斬新なアイデアや革新的な考え方が浮かぶようになるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>あなたも「Bot化」していないか?</h2>

<p><img alt="Bot化した情報にむしばまれていないか?" height="1472" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312Higuchikyosuke23.jpg" width="1200" /></p>

<p>それでなくとも、昨今AIの急速な発展を受け、インターネット上に存在する情報は急速に「Bot化」しつつあります。</p>

<p>Botとは、一定のタスクの処理を自動で行なうプログラムの通称です。近頃のネット空間は、AIを用いたBotが自動生成しただろう低質なアウトプットで溢れています。</p>

<p>ブラウザの検索結果は浅い一般論やコピペだらけのブログに埋め尽くされ、SNSの投稿にも、大衆の耳目が集まるテキストを自動生成・自動投稿しただけのものが少なくありません。</p>

<p>そうした情報ばかり見ていると、人間も次第に「Bot化」していきます。異質な経験が独自性を育むのとは逆に、そうした「平凡な意見や考え方」にばかり接していると、いつの間にかどこかで見たようなありふれたアウトプットしか生み出せなくなってしまうのです。</p>

<p>その意味でも、意識的に未知のもの・ことに触れ続ける習慣の重要性は、日に日に高まっていると言えます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>身のまわりに、あえて「異物」を置いてみる</h2>

<p><img alt="妄想力を養う3つの方策" height="607" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312Higuchikyosuke22.jpg" width="1200" /></p>

<p>先ほど、異質なものに触れるための行動例として「旅行」を紹介しましたが、会社勤めをしている人がそう頻繁に旅に出るわけにもいきませんよね。</p>

<p>そこで思い出したいのが、昨年の「M‒1」で真空ジェシカがつかみとして繰り出した「呪物コレクター」という語句。実は「呪物コレクター」の方は実在するんです。その方曰く、部屋に一つ「呪いの○○」を置くだけで「人生これでいいのか」という謎の緊張感が生まれ、なんでもないはずの生活が適度に乱される、とのこと。</p>

<p>ですので、皆さんもまず「呪物」を買ってください。</p>

<p>......というのは、半分くらいは冗談です。呪物というほどではなく、ちょっとした「異物」で構いません。日々の生活空間（特に自室）に、本来自分が置くはずのないものを置いてみるのです。</p>

<p>すぐできる例としては、自分がまず着ないような色・デザインの服を買い、クローゼットに置いておく、といったことが挙げられます。たとえろくに着なくても、着替えのたびに目に入ればそれでOK。普段の変わり映えしない生活に「裂け目」を生み出せるものならば、十分役目を果たしてくれるでしょう。</p>

<p>他にも、普段使わない交通手段を使う、普段聞かないジャンルの曲を聞く、初めて見る食べ物を買う、創作活動に挑戦するなど、1日1つ「普段と違う経験」をする、というマイルールを設ける方法もおすすめです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>紙の本、特にSFの「呪い性」は段違い</h2>

<p>僕が学生時代に実践していたのは、自分が「ダサいな」と思う本を、あえて本棚に置くという方法でした。例えばデール・カーネギーの『人を動かす』はその一つ。コテコテのビジネス書が、大の苦手だったのです。</p>

<p>しかし不思議なもので、最初は「ネタにして笑ってやる」と思って買ったものでも、いざ読むと「意外といいことも書いてある」と感じてしまうことがよくありました。</p>

<p>その後も、ふとしたときにその内容に影響された考え方をしている自分が確かにいたのです。これもまた「見聞きしたものや知覚したものに思考が影響される」ことの一例かと思います。</p>

<p>やや話が逸れますが、現代魔術研究家のバンギ・アブドゥル氏は「呪った」という意識が当人の中に生まれた時点で、その人のその後の思考や行動に影響するという意味で、呪いは実際に機能し始める、と述べています。それを踏まえると、世のあらゆる情報はすべてが一種の「呪い」なのかもしれません。</p>

<p>特に本は、最初から「人に影響を与える」ために作られたものであり、物質的な存在感も十分。非常に「呪い性」の高い物品でしょう。中でも「まだ存在しないもののビジョンを、読み手に提示する物語」であるSFは別格。読み手のその後の思考やアイデアに与える影響の度合いを考えれば、SFの「呪い性」は他を圧倒するはずです。</p>

<p>実際、現実世界に強く影響を与えたとされるSF作品は多くあります。代表的なのは、ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』と、ニール・スティーヴンスンの『スノウ・クラッシュ』でしょう。</p>

<p>ギブスンの『ニューロマンサー』は、電脳空間「サイバースペース」の中でどう文化が生まれるかを描いた作品で、黎明期のウェブカルチャーに多大な影響を与えました。一方の『スノウ・クラッシュ』は、現実と異なるもう一つの世界がある未来の世界を描いた作品。こちらは今の「メタバース」概念の生みの親と言われています。</p>

<p>実際に生み出された技術の背景にも、SFという妄想の産物が隠れていることがあるのです。</p>

<p><img alt="実現した技術の背景となった2冊" height="2162" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312Higuchikyosuke24.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スマホを持たずに数日生活してみる</h2>

<p>もう一つ、僕が実践して良かったと思っているのが「スマホを手放してみた」ことです。スマホが故障した際、店に行くのが面倒で......というのが最初のきっかけでしたが、数日してふと生活の調子が良くなったことに気づき、結局そのまま1年持っていませんでした。</p>

<p>スマホを持たないと、時間感覚が非常にゆったりとして、認知リソースが蘇る感覚があります。困ることと言えば、飲み会後にみんなで二次会の店を探すとき、手持ち無沙汰になって気まずくなることくらい。1年と言わず、数日持たずにいるだけでも発見があるかと思います。</p>

<p>そもそも「スマートフォン」という言葉に、万能感がありすぎですよね。その意味では「スマホ」に代わる汎用性の低そうな呼称を考えるのも効果的かもしれません。私自身、スマホのことを「オーディブルマシン」と呼び始めてから、どうでもいいときにスマホが頭に浮かぶことが減りました。</p>

<p>このようにして「妄想力」の源を自分の中に集めていくと、今ビジネスの世界でも注目される「SFプロトタイピング」への道が開けてきます。次回はその技法について、詳しくお話しさせていただきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【樋口恭介（ひぐち・きょうすけ）】<br />
SF作家／ITコンサルタント。1989年生まれ、岐阜県出身。早稲田大学文学部を卒業後、外資系コンサルティングファームに勤務。2017年、在職のまま『構造素子』で第5回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞し作家デビュー。20年からは「SFを社会に実装する」スタートアップ・アノンにも参画し、同社のメディア「Anon Press」の運営・編集にも携わる。23年からは東京大学大学院客員准教授。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 17 Apr 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[樋口恭介（SF作家／ITコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「人間にしかできない仕事」は何か?  SF化する社会で生き残るための3つのスキル  樋口恭介（SF作家／ITコンサルタント）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11992</link>
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			<description><![CDATA[SF化する社会で生き残るには? AIに代替されない人材になるための3つのスキルを、樋口恭介氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="AI" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_AI.jpg" width="1200" /></p>

<p>これまでは「人間にしかできない」とされてきた仕事がAIに奪われ、人間が労働の場を失う――そんなSFじみた筋書きが、ChatGPTをはじめとするAIの飛躍的な発展によって、今まさに現実になろうとしている。</p>

<p>本連載では、ITコンサルタントとして一般企業に勤めながらSF作家としても活躍する樋口恭介氏に、そんな時代に淘汰されることなく生き残る人材・生き残る組織のあり方を聞く。（取材・構成：杉山直隆）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人間は生まれながらに「サイボーグ」である</h2>

<p><img alt="生成AI登場までの人間と機械" height="1139" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312Higuchikyosuke01.jpg" width="1200" /></p>

<p>自己紹介の際によく言われるのが、「SF作家とITコンサルタントなんて、両極端の仕事を両立しているんですね」といったひと言です。しかし、僕の中ではSFとコンサルティングはとても近しく、密接に結びつくものだと考えています。</p>

<p>というのも、SFを生み出す想像力は、コンサルティングやビジネスに大変役立つものだからです。そもそも僕は「コンサルティングはSF的であるべきだ」とさえ感じています。</p>

<p>本連載では、SF作家とコンサルタントという2つの視点から、これから来る「AI時代」に求められるビジネススキルや組織のあり方について、お話ししていきたいと思います。&nbsp;</p>

<p>まず扱いたいのは「なぜAIの発展が、組織や人材に変革を迫るのか」ということです。</p>

<p>生成AIの登場により、組織や人材に求められるスキルが変化する、といったことは各所で盛んに言われているものの、その理由については曖昧なことも少なくありません。しかし、それでは何を言われたところで納得感が得られませんよね。</p>

<p>そこで、より確かな理解のために、まずこの理由から、しっかり述べていくことにします。</p>

<p>まず、有史以来、人間社会は「人間ドリブン」のもと発展してきました。人間の優れた身体能力と情報処理能力を基盤に、何をするにも「人間の力」を使うという人体中心主義が、考え方の軸だったわけです。</p>

<p>ただ、その歴史の中で、人類は徐々に「人体以外のツール」に頼ることも覚えていきます。エポックメイキングは「数字の発明」と「文字の発明」によって、世界のあらゆる物事を数字や文字で表し、共有できるようになったことでしょう。</p>

<p>それにより、時間認識能力をアウトソーシングできる「時計」が生まれ、距離や長さの算出能力をアウトソーシングできる「物差し・巻尺」といったものも開発されました。仕事も格段に精密なものになり、一人ひとりに仕事を割り振って、それを組織的に管理することも可能になったのです。</p>

<p>近現代では、食料や衣服の生産を農業機械や工業機械に、移動を自動車や飛行機に、と物理的な行動は軒並みアウトソーシングされています。時代を遡れば人間の身体が行なっていたことを、すっかり機械に移管している。こう考えると、近現代の人間は生まれながらに「サイボーグ」だと表現することもできるように思われます。</p>

<p>ただ、それでも大量の自然言語処理や画像処理、企画力やコミュニケーション力などの領域では、機械は――コンピュータですら――長らく人間の汎用性に勝てませんでした。逆に言えば、そうした作業が必要な仕事こそ、人間に残された「聖域」だったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人間だけの抽象情報処理もアウトソーシングが可能に</h2>

<p>ところが今、生成AIの飛躍的な発展が、そんな常識を覆そうとしています。ChatGPTをはじめとするAIが、人間の領域だったはずの言語処理能力で、ついに人間を上回ろうとしているからです。</p>

<p>こう言うと、きっと「AIは言語の並びを予測しているだけで、人間のように理解できているわけではない」という反論が出てくるでしょう。しかし正直なところ、人間の言語処理だって、実際には今のAIとほぼ変わらず、言語の連なりを確率的に処理しているにすぎないように思えてなりません。</p>

<p>ChatGPTをはじめとする生成AIは、膨大な量の書き言葉や話し言葉を学習し、それをもとに「ある言葉の後にどんな言葉が来るか、ある一文の後に次の一文がどう来るか」といったことを予測しています。これに対し、読者の方々は自信をもって「自分はそうではない」と言うことができるでしょうか。</p>

<p>結局人間だって、各人が蓄積した言語コーパス（言葉のデータベース）の中から、その時々で最も妥当に思えるパターンを取り出しているにすぎない。僕は真剣にそう考えています。</p>

<p>であれば、標準的な人間を超える2兆以上の言語パラメータを持ち、そこから適切な言葉をスピーディに、主観や思い込みに邪魔されることなく取り出す能力も備えたChatGPTは、言葉を扱う能力では、すでに人間を上回ってしまっていると考えるのが自然です。</p>

<p>こうなると、人間の聖域の大部分を占めていた自然言語処理も、近く機械（生成AI）にアウトソーシングすることになっていくでしょう。</p>

<p>加えて、早いと半年後にはもう、AGI（汎用人工知能）が市場に展開されると言われています。ここで言うAGIとは、言語に加えて音声情報や視覚情報の処理能力まで備え、かつ長期的な記憶機能まで持った人工知能。まさに「世界のSF化」とでも言うべき事象が、間近に迫っています。</p>

<p>このAGIが本格的に運用できる水準に達し、それが普及し始めれば、論理的思考やコミュニケーションなど、ホワイトカラーの仕事とされてきた抽象的な情報処理までも、そちらに取って代わられていくでしょう。</p>

<p>そうなれば、人間も「人間にしかできない仕事」を再定義して、身につけるスキルの優先度を見直さないと、存在意義を失ってしまうことは自明です。</p>

<p>一人ひとりはもとより、旧来のホワイトカラー中心主義で設計されてきた企業の組織形態や業務プロセスなども、根本的に設計し直さなくてはならないでしょう。</p>

<p>これこそ、「生成AIが、人材や組織に変革を迫る」と僕が考える理由です。そのほうがベターなのではなく、そうでなければ生き残れない時代が、到来しようとしているのです。</p>

<p><img alt="生成AI登場以降の人間と機械" height="2143" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312Higuchikyosuke02.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>技術の進歩が「人間力」の重要性を高める</h2>

<p><img alt="AI時代を生き残る人材の3スキル" height="625" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312Higuchikyosuke03.jpg" width="1200" /></p>

<p>では、AIには担えない、「人間にしかできない仕事」とはどんなものでしょうか。</p>

<p>結論から言うと、僕はそれを「AIはもちろん、他の人も考えつかないような、独自の企画や提案を考え出すこと」と「他人と親密な関係を築き、それらの企画やアイデアに人を巻き込む（または巻き込んでもらう）こと」だと考えています。</p>

<p>これらの要素は、現在開発中のAGIがどれだけ進化しようと、当面「人間以上」のものにはならないでしょう。</p>

<p>ですが一方で、これらが「人間なら誰でもできる」ことでないことも、おわかりいただけるかと思います。私たちはAIに代替されないためのスキルを、あらためて磨いていく必要があるのです。</p>

<p>端的に言って、そのスキルとは「関係性構築力」「妄想力」「好奇心」の3つだと、僕は考えています。</p>

<p>1つ目の「関係性構築力」とは、文字通り人間関係を構築する能力のこと。いくら技術が進もうと、ビジネスで最後にものを言うのは人間同士のつながりです。そして、そうした関係性を作り出すには、相手に「この人なら」という信頼感、あえて言うなら「幻想」を抱かせる力がなくてはいけません。</p>

<p>それは、肉体や表情を持たないAI・AGIにはできない芸当です。やさしさや共感、そして「上手に秘密を共有する力」のような、1対1で相手と向き合うための「人間力（非常にイヤな言い方ですが）」を持つ人には、今後も「人間ならではの仕事」が巡ってくるでしょう。</p>

<p>その意味では、現代では嫌われがちな「接待会食」や「喫煙所コミュニケーション」といったものも、今後復権してしまうのかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『すばらしい新世界』に見る「妄想」の力</h2>

<p>厄介なのは、2つ目に挙げた「妄想力」についての理解。これは、強い主観によって自分独自のものの見方を構築する力のことを指します。「社会を変な角度から見る力」と言ってしまってもよいでしょう。</p>

<p>先述のように、AIには主観がありません。それは偏見や思い込みなく言葉を操れるということである一方、「独自の文脈」「尖ったアイデア」を生み出すことができない、ということでもあります。</p>

<p>つまり、自分だけのアウトプットを生み出す土壌となる強い主観、すなわち「世界観」を持つことこそ、AIにできないことができる人間になるために重要だということです。</p>

<p>SFの世界には、そうしたユニークな世界観がたくさんあります。わかりやすいのは、オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』です。</p>

<p>この作品が発表されたのは1932年。大量生産・大量消費社会が生まれつつあった時代です。その契機となったのが、フォードが自動車の生産工程を分業化し、まったく同じ規格の車（T型フォード）の大量生産を可能にしたことでした。</p>

<p>徹底的な生産管理体制によって、モノを計画的に大量生産し、そこで働く人も皆同じスケジュールで労働に勤しむ「フォーディズム」が生まれた時代です。</p>

<p>作中では、この大量生産・大量消費社会を極端に推し進めた世界が描かれています。使われる暦は「ポスト・フォード〇〇年」。人々は誰もが国家の管理下にあり、家族制度も解体されていて、すべての赤ん坊は「国家のもの」として工場で計画的にデザイン・生産されています。</p>

<p>階級も固定化されていて、赤ん坊も生産段階から「支配者層に何人、中級階層に何人、被支配者層に何人」と、計画的に振り分けられているのです。育つ場所はもちろん、持って生まれる知能すらも「生産」時点から階級ごとに分けられており、彼らが現実に不満を持つことはありません。生理的な気分の浮沈に対してさえ、政府から合法的なドラッグが定期的に配布されるという徹底ぶりです。</p>

<p>フォーディズムを際限なく拡張して作品世界を創造した結果、少なくとも主観的には、永続的に「幸福」を維持する国家が出来上がっていると言えます。</p>

<p>ハクスリーが示したこの強烈な世界観をフィルターとしてフォード以降の大量生産・大量消費社会を見直すと、世界の見え方が激変することでしょう。</p>

<p>そんな「少しぶっ飛びすぎているものの見方」こそ、新たなアイデアや企画を生み出すヒントであり、それらを実現するための強烈な推力です。</p>

<p>哲学者である千葉雅也氏の言葉を借りれば、どこか「キモい」くらいの信念を得ることが、AI発展後にも必要とされる人間になるためには欠かせません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>抑圧されてきた主観を解放するための「好奇心」</h2>

<p>もっとも、世渡りがうまいビジネスパーソンほど、これまでこうした主観を「抑制」してきたはず。その方針を今から180度転換するのは、簡単なことではないでしょう。</p>

<p>そこで、そんな「抑圧されてきた主観」を解放するために大切なのが、3番目に挙げた「好奇心」です。好奇心とは、未知のものに興奮する力。まさにこれこそ、主観を形成するための「狂気」になり得る力です。</p>

<p>中には、だからと言って誰もがそんなに好き勝手なことを言い始めたら会社が円滑に回らないし、採算も取れなくなってしまう、と考える人がいるかもしれません。</p>

<p>しかし、誰もが主観を極力排して論理的思考によって意思決定し、統率された通りに動くことが是とされてきた従来の会社組織やビジネスプロセス、人材育成の方法は、今後AIによってコモディティ化されていきます。</p>

<p>有り体に言えば、そうしたスタティック（静的）に回転し続けるだけの組織や、そのために有用な人材ばかりを抱えていても、周りと差がつかない＝儲からないということ。</p>

<p>今後ビジネスパーソンに求められるのは、AIによって回る組織に、＋&alpha;のエッセンスを与えて動かしていく力なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「本能の壊れた有機生命体」として生きるために</h2>

<p>最近、文庫化されたことを機に、浅田彰氏の『構造と力』を久々に読みました。約40年前の名著ですが、今回述べたのと似たようなことが書かれています。</p>

<p>この本の冒頭で主張されるのは「人間は本能の壊れた有機生命体」というテーゼです。人間は他の生き物と異なり、プログラム（本能）で命令されたこと以上の行動をしてしまうという点で、狂った生き物である。</p>

<p>しかし、それこそが人間特有の本質ならば、それを抑圧するのではなく、どんどん解放することこそ、人間の本来的な生き方なのではないか──こういったことが提言されています。</p>

<p>まさに現代のビジネスパーソンも、本能に反して主観を解放していくことが必要なのです。</p>

<p>これらの「妄想力」「好奇心」「関係性構築力」を磨くには、具体的に何をすれば良いか。そして、そんな人材を活かすためには、組織をどう変革していくことが必要なのか。これらについては、次回以降で述べさせていただければと思います。</p>

<p><img alt="読むべき2冊" height="2308" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312Higuchikyosuke04.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【樋口恭介（ひぐち・きょうすけ）】<br />
SF作家／ITコンサルタント。1989年生まれ、岐阜県出身。早稲田大学文学部を卒業後、外資系コンサルティングファームに勤務。2017年、在職のまま『構造素子』で第5回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞し作家デビュー。20年からは「SFを社会に実装する」スタートアップ・アノンにも参画し、同社のメディア「Anon Press」の運営・編集にも携わる。23年からは東京大学大学院客員准教授。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_AI.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 17 Apr 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[樋口恭介（SF作家／ITコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>仕事ができる人はなぜ職場で対立しないのか？　感情的にならずに協力を得る伝え方  木暮太一（一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13955</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013955</guid>
			<description><![CDATA[多くのビジネス書を執筆し、著者累計は195万部を誇る木暮太一氏。ビジネスの場において対立を避けるための、「仕事のできる人」の立ち振る舞いを解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「仕事ができる人の頭のなか」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Bizcommunication.jpg" width="1200" /></p>

<p>一つの会社で仕事をしていれば、時に対立の火種も生まれるだろう。そんな時、「仕事ができる人」はどのように対処するのか？木暮太一氏の著書『仕事ができる人の頭のなか』（ダイヤモンド社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、木暮太一著『仕事ができる人の頭のなか』（ダイヤモンド社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>たしかに、仕事ができる人は「対立」しなそう</h2>

<p>仕事ができる人は、周囲と協力しながらタスクを進めていきます。他のメンバーと協力するのは当たり前のことに見えて、じつは簡単ではありません。対立してしまうのです。本来であれば助け合わなければいけないチームメイトと対立してしまい、むしろ協力を拒んでいる人はとても多いです。</p>

<p>特に製造部門と営業部門が対立するのは「あるある」の事例で、ぼくがサポートに入っている企業でも「こっちは一生懸命にやっているのに、あっちがちゃんと仕事しないから売れない」という愚痴をよく耳にしています。かつてぼくが所属していた組織でもメンバー同士の対立が常態化していて、何かにつけてお互いに相手の悪口を言っていました。</p>

<p>でも対立しているだけでは仕事は進みませんし、お互いにストレスをためるだけです。仕事ができる人は、仮に相手に対して納得できない感情があってもそれをぶつけることなく、うまく処理をしています。</p>

<p>ぼくが新人のころ、「そんな状況なら絶対に怒ってしまうだろう」という場面でも落ち着いて、相手との協調関係を崩さずに仕事を進めている先輩がいました。どうしてそんなに落ち着いて接することができるのか、イライラしたりしないんだろうか、と半ば不思議に思い、そして自分も精神的に大人にならなければと反省もしていました。</p>

<p>ですが、仕事ができる人が対立を解消できるのは、その人たちが精神的に大人だからではありませんでした。嫌なことがあっても我慢する精神力があるから、対立を解消できるわけではなかったのです。</p>

<p>お互いの立場があり、お互いの事情が違うので意見が合わないことがあっても仕方がないです。しかし、仕事ができる人はそれでも対立せず、相手に頼ることができます。感情的に少し波立っていても、それを抑える方法を知っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分の恐怖心を言葉にして伝える</h2>

<p>そもそも対立するのは、お互いに考えていることが違うからです。これを「価値観が違う」と表現するケースが多いですが、それでは言葉としてあいまいです。</p>

<p>違うのは価値観ではなく「べき論」です。自分が「こうするべき」と思っていることを相手がやらないからイラつくんです。自分が「正義」だと思っているものも、相手はそう思っていないケースはよくあります。立場が変われば「正義」も変わりますので、どちらが正しいとも言えません。</p>

<p>こちらが相手に「こうするべきだ！」と強く主張しても、そもそも相手はそう思っていません。だからやりません。そもそも、もしかしたらこちらが間違っている可能性もあります。つまり、ぼくらは勝手に自分の考えを相手に押し付けて、勝手に怒っている可能性があるわけですね。</p>

<p>対立が生まれたとき、相手がこちらを理解しないと怒るのではなく、まずは自分が持っている「べき論」を整理したほうがいいです。何をする「べき」と思っているのか、この案件はどうする「べき」と思っているのか、それを書き出してみましょう。そうすることで、まずは感情的にならずに自分の考えを自分で確認できます。</p>

<p>そして、同時に考えてもらいたいことが「『べき論』の背景にある自分の恐怖」です。自分が何かに対して「べき」と感じるとき、その「べき」の背景には必ず「さもないとこうなってしまう」という恐怖があります。恐怖があるから「これはこうするべき」という発想になるわけです。</p>

<p>そして、その恐怖が強ければ強いほど、持っている「べき」も強くなり、譲れなくなります。譲れなくなれば、その「べき」を守らない人とは強く対立することになってしまいます。</p>

<p>でも、ここで少し考えてみます。その恐怖は本当に起きてしまうものなのでしょうか？もしかしたら自分が勝手にそう思い込んでいるだけで、単なる妄想かもしれません。恐れていることは起きないかもしれませんし、仮に起きたとしても大したことがないかもしれません。</p>

<p>仕事ができる人は、お互いの「べき論」を確認すると同時に、「さもないとこういうことが起きてしまうのではないか？」という自分が持っている恐怖を自覚しようとしています。そして、相手に対して「これをやらないと、こういう事態になってしまうと私は思っているんです」と冷静に伝えています。</p>

<p>相手に伝えることで、相手の認識が変わり、あなたが懸念している恐怖に賛同してくれる可能性もあります。となると、相手も同じように「べき論」を持つことになり、お互いの認識がそろいます。</p>

<p>もしくは相手と話し合うことで、自分の想定が妄想だったと気づけるかもしれません。相手が、あなたが知らなかった新情報を教えてくれ、あなたの恐怖がなくなるかもしれません。もしそれで恐怖がなくなれば、あなたが固持していた「べき論」もなくなり、相手に対して抱いていた対立心も和らいでいきます。</p>

<p>どちらにしても、自分が相手と対立しているのには理由があり、無意味に感情的になっているわけではないことを伝えることができます。</p>

<p>一番いけないのは、言わないことです。自分が考えていることを相手に伝えず、相手に漠然とした嫌悪感を抱くことです。</p>

<p>そうなってしまうと、やがては「あいつは人間的に嫌な奴。もう話もしたくない」と決裂してしまうでしょう。</p>

<p>仕事ができる人は、感情的に大人だから対立しないのではなく、対立をしないように相手に伝えられるから、対立しないのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 17 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木暮太一（一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「情報共有の会議は最もムダ」残業をなくすために必要な徹底的見直し  榊巻亮（ケンブリッジ・テクノロジー・ パートナーズ代表取締役社長）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12022</link>
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			<description><![CDATA[ムダな会議は生産性を下げ、チームの残業増加にもつながってしまう。見直すべき会議のポイントを、榊巻亮氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="会議" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting03G.jpg" width="1200" /></p>

<p>ビジネスパーソンであれば誰しも、「会議を何とかしてほしい」「会議が長い」「時間のムダだ」と多かれ少なかれ不満を持っているもの。「会議」のやり方を改善できれば、不要な残業を減らせ、さらに休みも取りやすくなり、同時にチームの生産性も上がるはずだ。ベストセラー『世界で一番やさしい会議の教科書』の著者・榊巻亮氏に、会議見直しのポイントを聞いた。（取材・構成：村上敬）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2025年3月号特集[休みたいのに休めないリーダーを救う「休養術」]より、内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>情報共有の会議は最初から開催しない</h2>

<p>ビジネスパーソンが生涯に費やす会議時間を計算したことがあります。若手のときは週3回程度でも、職位が上がるごとに回数が増え、マネジャーになると1日中会議ばかり。それを1回2時間だとすると、合計3万時間になりました。すると、なんと人生の時間のうち8年分を会議に費やしていることになります。</p>

<p>ただ、ワークライフバランスを整えるために仕事の生産性を高めようとしている人も、会議の効率化は後回しになっていることが多いでしょう。会議は自分一人のことでなく、必ず他の人がかかわるからです。</p>

<p>だからといって放置するのはもったいない。会議はムダの宝庫。会議の主催者や進行役なら様々な工夫ができますし、参加者としても隠れファシリテーターとして会議を効率化させることは可能です。早速、その方法を紹介していきましょう。</p>

<p>まず考えたいのが、ムダな会議自体を減らすこと。参加者の立場だと会議そのものをなくすことは難しいですが、部署やチームのリーダーなら、自分が主催者となって開催している会議も多いはずです。それらの会議は本当に必要なものなのか、棚卸ししたいところです。</p>

<p>最もムダなのは、情報共有の会議です。今は直接集まらなくても、情報共有できるツールが色々あります。高度なツールである必要はありません。単に情報を知ってもらうことだけが目的なら、資料をメールに添付するだけでも十分に用は足ります。</p>

<p>ただ、情報共有の会議がすべてムダだというつもりはありません。会社として重大な事案や事故が発生した際の対応のように、情報を収集したあとの緊急措置が必要なケースもあれば、ビジョンの共有のようにリーダーが熱を込めて直接語りかけたほうがいいケースもあるでしょう。判断の基準は情報共有を同期で行なう必然性があるかどうか。非同期でもかまわないものは、会議そのものをなくすことを検討すべきでしょう。</p>

<p>中には、「メールは数も多く、読み飛ばすこともあるから、会議を開いて口頭で教えてほしい」という人もいます。しかし、その水準に合わせると、チーム全体の生産性が下がってしまいます。そうした人に対しては、教育も含めて、リーダーが個別にフォローするしかないでしょう。</p>

<p>開催しないと困る会議が残ったら、次は出席者の厳選を検討します。「議論には加わってもらわないものの、情報共有のために呼んでおいたほうがいい」という微妙な立ち位置の人は呼ばないことです。</p>

<p>必要のない人を出席させると、その人の時間を奪うだけでなく、会議自体の熱量が下がります。出席しないと会議の目的が達せられない人だけを呼んで開催すべきです。</p>

<p>自分が呼ばれている場合も、出席するかどうかは、同期でないと困るかどうかで判断しましょう。会議後に議事録を共有してもらえればそれで済むこともありますし、会議の録画データがあるなら、自身でAIツールを使って要約するといった方法もあります。何か代替手段があれば欠席する方向で調整してください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ダラダラ会議になるのは｢終了条件｣が不明だから</h2>

<p><img alt="会議を見直すチェックポイント" height="1837" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250317Sakamakiryo01.jpg" width="1200" /></p>

<p>次は、会議時間を短縮するための考え方を紹介します。会議において、主催者に必ずやってほしいのは会議の設計です。事前に決めておくべきことはたくさんありますが、ここではその中でも重要な二つ、「終了条件」と「時間」について解説しましょう。</p>

<p>会議のノウハウ本には、よく「最初に目的を明確にする」とあります。目的が共有されてない会議は迷走しやすいので、最初に目的を明確にするのは間違いではありません。ただし、目的だけでは不十分。どうなったら会議の目的が達成されたといえるのかがよくわからないからです。</p>

<p>例えば、「今日の会議の目的は議論すること」という目的設定では、おそらく時間いっぱい議論をして、結局何が決まったのかよくわからない状況になりがちです。それを防ぐために「ゴールの設定が必要」と解説する本もありますが、ゴールという言い方もやや抽象的です。「この状態になったら会議が終わる」という終了条件を具体的に設定したほうが出席者は迷わずに済みます。</p>

<p>この終了条件は、「～すること」ではなく、「～の状態になること」で考えます。例えば「議論すること」ではなく、「議論した結果、参加者が感じている課題を出し切った状態になること」「重要度の高い課題三つに絞り込んだ状態になること」というレベルまで明確にすれば、目的が達成できたのかどうか判定しやすくなります。</p>

<p>終了条件がうまく思い浮かばない人は、「この会議で何を変化させたいか」という切り口で考えてください。<br />
会議で変化させられる対象は「人の状態」「物理的なモノ」「意思・合意」の三つです。</p>

<p>具体的には、人の状態とは「誰々さんが&times;&times;の作業ができる状態」「出席者全員が腹落ちした状態」、物理的なモノとは「報告資料が完成した状態」「企画のたたき台ができた状態」、意思・合意とは「案を一つに絞った状態」「決裁者が承認した状態」といった終了条件が考えられます。</p>

<p>終了条件が明確に示されていれば、議論が脇道に逸れることが減り、目的をより早く達せられるはずです。そして1時間を予定していた会議で45分に終了条件をクリアしたら、15分早く切り上げてもかまいません。自分やメンバーを解放して、次の仕事に取りかかってもらったほうが生産的です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>事前に時間配分を決めて、出席者に意識させる</h2>

<p>さらに、会議時間を何時間にするかという設計も重要です。</p>

<p>会議に必要な時間はケースバイケースであり、一律に時間を決めるのは乱暴です。ただ、「慣例だから1時間」とやっていると、時間が足りなくてまた追加の会議を調整する必要に迫られたり、逆に余裕がありすぎて間延びしてしまうこともあります。主催者なら、議題や出席者数などから、あらかじめ適正な時間を割り出しておきたいものです。</p>

<p>最初は時間の見積もりに苦労するかもしれません。コツは会議全体ではなく、プロセスごとに時間を見積もって積み上げること。</p>

<p>例えば、「最初の情報共有に5分」「課題の洗い出しに20分」「課題の絞り込みに10分」というように時間配分を決めていけば見積もりやすくなります。慣れないうちはプロセスごとの見積もりにもズレが生じると思いますが、会議の経験を積んでいくうちに精度は上がっていきます。</p>

<p>時間配分を決めたら、出席者にも共有します。必ずしも事前に決めた通りにはいかないかもしれませんが、時間配分を共有することで出席者にも「20分で課題の洗い出しを終わらせないといけない」という意識が芽生えます。</p>

<p>この締切があるかないかで会議の密度は大きく変わります。できれば会議進行中にも「10分経過しました」「あと5分」と経過時間や残り時間をアナウンスして、出席者に時間を意識させましょう。</p>

<p>あらかじめ決めた時間配分が、途中で多少ズレていくのは仕方ないことです。ただ、各プロセスが押して会議全体が終了予定時間までに終わらなければ問題です。ファシリテーターは、時間オーバーが見えてきた段階で「延長するのかしないのか」「延長するとしたら何分か」「延長しない場合は次にどうするか」を確認してください。</p>

<p>「このまま終了条件をクリアできなければ来週また会議となります」と言えば、参加者全員の時間に対する意識も高まるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>プレゼンは禁止! 代わりに黙読時間を設定</h2>

<p><img alt="会議時間を短くするテクニック" height="2000" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250317Sakamakiryo02.jpg" width="1200" /></p>

<p>会議時間を短くするテクニックは他にも色々あります。ぜひ実践してほしいのは、資料の読み上げの禁止です。本来、資料は事前に配布して共有しておくことが望ましいですが、配布しても読まずに出席する人は少なくありません。かといって資料をその場で誰かが時間を取って説明するのは非効率です。</p>

<p>共有しておきたい資料がある場合、私は会議の冒頭に黙読の時間を設けるようにしています。プレゼンすると1枚1分かかる資料も、各自に黙読してもらえば1枚10～20秒で済みます。10枚の資料なら2～4分。時間を区切って読んでもらい、そのあとに「わからないところがあれば説明します」とやったほうが早く議題に入れます。</p>

<p>ファシリテーターの腕の見せ所になるのが、発言が長い人や脱線する人への対応です。この類の出席者をうまくコントロールできないと、独演会が始まって時間配分が狂います。</p>

<p>対応策としては、事前に「発言は2分以内」というように会全体のルールを決めておくことや、終了条件を盾に発言を遮ることなどが考えられます。ただ、直接的な言い方は角が立ちます。</p>

<p>「〇〇さんの話、とても興味深いですね。今日の終了条件をクリアしたあとにもう一回お話ししてもらっていいですか」</p>

<p>このように相手を否定することなく、終了条件に意識を向けさせる言い方を心がけると良いでしょう。</p>

<p>雑談の扱いも難しいところです。単に時間短縮だけを考えたら雑談禁止が効率的です。しかし、雑談の中から新たなアイデアが生まれたり、普段顔を合わせないメンバー同士が雑談で関係構築するといった効果もあります。雑談を全面禁止にするのはやりすぎだと思います。</p>

<p>ここでファシリテーターがコントロールすべきは、雑談のタイミングではないでしょうか。私がファシリテーターをやるときは、会議の開始時刻になったら雑談は原則禁止。終了条件をクリアしたら、予定されていた終了時間まで好きなだけ雑談オーケーにしていました。</p>

<p>もちろん忙しい人は退出してもかまいません。その旨を告げたあとで、「せっかく集まったのだから、他に気になることがある人は何でもどうぞ。プライベートの話でもいいですよ」と促します。話が長い人や脱線する人も、この時間に発散してもらえばいいので一石二鳥です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>会議の生産性を下げる「内職」を撲滅せよ</h2>

<p><img alt="会議では「議論の可視化」が重要" height="2226" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250317Sakamakiryo03.jpg" width="1200" /></p>

<p>会議の時間を短縮できたとしても、もともとの目的の達成度が弱いと意味がありません。</p>

<p>例えば「情報は一応理解したが、理解度が浅い」「課題に対して対応策を決めたが、他にも方法がある気がする」だと、結局もう一度会議をやることになりかねません。大切なのは会議の密度を上げること。時間を短縮しても中身の濃い会議を実現すべきです。</p>

<p>会議の質を下げる敵の一つが「内職」です。当然ですが、内職すると集中力が下がって理解や議論が浅くなります。時間短縮の方法として「資料の読み上げ禁止」を挙げましたが、これは内職をやめさせるためでもあります。時間をかけて誰かがプレゼンしているのに、出席者は内職して説明をろくに聞いていない――。これでは二重のムダになります。各自に黙読させれば資料の理解に集中できます。</p>

<p>パソコンを禁止する手もあります。パソコンはうまく活用すると強力な武器になりますが、反面、内職に向いたツールでもあります。例えば、活発に議論してもらいたいときなどは「いったんパソコンを閉じて議論しましょう」と禁止タイムを設けるのもいいと思います。</p>

<p>一方で、パソコンの使い方としてお勧めなのは、リアルタイムの議事録作成です。会議の質を高める特効薬は、発言を書いて可視化し、みんなで共有すること。誰がいつ何を言ったのか、その場で確認できるようにすることで、議論を整理しやすくなります。</p>

<p>これまでのリアルの会議の場ではホワイトボードを活用することが多かったと思いますが、オンラインのメモソフトをホワイトボード代わりにしてもいい。全員がパソコンを見ると内職が発生しやすいので、ファシリテーターや書記役がメモを書き、会議室の大きなモニターに映すというやり方がいいと思います。</p>

<p>メモソフトでリアルタイムに議事録をつくるテクニックを磨けば、リモート会議でもそのまま使えます。リモート会議のコツは「会議資料」「議事録」「出席者全員の顔」を同時に表示すること。出席者の表情が見えないとファシリテーションが難しいし、リアルタイムの議事録がないと議論が混乱しやすい。リモートでもできるだけ対面と変わらない環境をつくりましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>議論を活性化させる3つの基本質問</h2>

<p>出席者からの発言が少なく、どうも議論が盛り上がらない――。このような状況になるのは、心理的安全性を出席者に感じさせられなかったファシリテーターの責任です。まずは普段から、安心して意見を言いやすい職場づくりをすることが大切です。</p>

<p>会議の場でできることもたくさんあります。私がよく使うのが、出席者に自分が考えたことを逐次メモしてもらうこと。そしてそれを議論の合間に時間を取って読み上げてもらうのです。</p>

<p>いきなり「Aさんはどう思いますか」と質問すると、相手は「考える」と「話す」という作業を同時にやらなくてはいけません。</p>

<p>一方、「メモにどんなことを書きましたか。一つ選んで発表してください」なら二つの作業が分割されます。階段を二段上がるのは大変ですが、一段ずつなら上がりやすい。抵抗感が薄れて意見が出やすくなるでしょう。</p>

<p>応用編として、事前に宿題を出しておくのもいいでしょう。「課題を５個書いてきて」「アイデアを一人三つ発表してもらいます」と事前に伝えておけば、たいていの出席者は真面目に宿題をやってきます。その場でいきなり振るよりスムーズにいくはすです。</p>

<p>発言の数はあるものの、一つひとつの意見が浅いと感じるときは、三つの質問で深掘りしましょう。</p>

<p>「具体的には?」<br />
「なぜそう思うのですか?」<br />
「他にありませんか?」</p>

<p>これらの質問は、発言の正確さや真意、漏れの有無を確認するためのもの。フワッとした意見も、これらの質問を投げかけることでシャープになります。</p>

<p>ファシリテーターと出席者が一対一で会話を繰り返し、出席者同士の議論にならないパターンも避けたいところです。</p>

<p>「今のAさんの意見、Bさんはどう思いますか?」</p>

<p>このようにファシリテーションすることが基本ですが、実はここでも先ほどの三つの質問が意味を持ちます。Aさんの意見がフワッとしたままではBさんも答えようがありません。まずは意見を深掘りしてから外間の人に振るという流れを意識しましょう。</p>

<p>そして会議の最後には、必ず「確認」をしてください。確認するのは「決まったこと」「やるべきこと」「決まらなかったこと」の三つ。やるべきことは「担当者」「期限」も漏れなく確認します。</p>

<p>ファシリテーターが確認するのもいいですが、人材育成を兼ねて、この役は若手にやらせてもいいと思います。事前にその役回りを伝えておくと、任されたメンバーは、いつも以上に会議に真剣に参加するでしょう。</p>

<p>確認をしたうえでまだ時間があれば、会議自体の振り返りをすることをお勧めします。</p>

<p>「今日の会議、どうだった?」<br />
「気になることがあったら教えてほしい」</p>

<p>心理的安全性があれば、メンバーから忌憚のないフィードバックがくるはず。これを会議のたびに繰り返すことで、会議はより密度の高いものへと進化していくでしょう。</p>

<p>＊</p>

<p>このように「参加不要な会議には参加しない」「会議時間を短縮しつつ質を高めていく」などを意識して実践すれば、残業も減らせ、休暇を取る余裕も生まれるはず。その時間で生活の質を高められたら、それは仕事の質の向上にもつながります。「自分のチームでは無理」と思いこまず、まずはできるところからチャレンジしてみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting03G.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 16 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[榊巻亮（ケンブリッジ・テクノロジー・ パートナーズ代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ミドル世代が転職で必ず押さえるべき「面接・書類」アピール術  中園久美子（キャリアクレッシェンド代表）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11924</link>
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			<description><![CDATA[ミドル世代が転職を成功させるために有効な「面接・書類」アピール術を、キャリアクレッシェンド代表の中園久美子氏が教える。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ミドル世代の転職" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tenshoku.jpg" width="1200" /></p>

<p>転職におけるミドルの強みは、なんといっても経験の豊富さ。しかし「話せること」が多いからこそ、アピールの仕方が勝負を分ける。そこで面接での話し方や書類の書き方のコツについて、関連する著作を多く持つキャリアコンサルタントの中園久美子氏に取材した。（取材・構成：横山瑠美）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号の掲載記事より、内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>転職活動の第一歩は「職務経験の棚卸し」から</h2>

<p><img alt="まずは強みを整理する" height="1416" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250221Nakazonokumiko01.jpg" width="1200" /></p>

<p>転職を目指すミドルには、若手に真似できない、長年の経験で培われたスキルが必ずあります。転職活動を始める前に、これまでの職務経験の棚卸しを進め、自分の強みを理解しておくことが欠かせません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>①経験の「棚卸し」を進める</p>

<p>新卒で入った会社でずっと同じ職務に就いている人でも、携わるプロジェクトの変遷や「このときはとりわけ頑張った」といった仕事が必ずあるはず。それらを振り返り、書き出すことから始めましょう。複数の部署を渡り歩いた人は、部署ごとに書き出してください。</p>

<p>厚生労働省が提供する無料のツール「ジョブ・カード」でも職務経験の整理ができますので、ぜひ活用してみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>②強みを「ひと言」で表す</p>

<p>書き出した経験を眺めてみると、複数の経験に共通する、あなたの強みが見えてくると思います。長々と説明しなければわからない強みではなく、例えば「交渉力」や「周囲を巻き込む力」のように、ひと言のキーワードで表現できる形で見つけておくのが理想です。</p>

<p>なお、ここで若手と同じ土俵で勝負するつもりになってはいけません。マネジャーとして培ってきた能力や、数十年にわたりプレイヤーを続けたことで得たスキルをアピールするほうが、ミドルの転職では得策と言えます。面接官の印象にも、残りやすくなるでしょう。</p>

<p>また、強みのキーワードは、1つや2つではなく5つ程度は準備していただきたいと思います。なぜなら「どの会社にも同じ強みをアピールする」のは悪手だから。</p>

<p>若手であれミドルであれ、転職活動の際に肝となるのは、求人を出している企業が「どんなスキルを求めているか」を、求人内容や公開情報から分析し、把握することです。</p>

<p>会社が変われば、当然求められる強みも変わります。応募先の企業に合わせて強みの組み合わせやアピールの優先順位を変え、担当者に「この人はウチにぴったりの人材だ」と思わせる必要があるわけです。</p>

<p>そのためには、カードゲームの「手札」のように相手に合わせた様々な見せ方、戦い方ができなくてはいけません。そうなると、やはり5枚程度は手札が欲しいように思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>③「PREU法」でまとめる</p>

<p>強みを見つけることができたら、次はその強みをアピールするための「予定稿」を作りましょう。ここで意識してほしいのが「結論&rarr;理由&rarr;事例&rarr;活かし方」の順番で内容を伝える「PREU法」です。</p>

<p>例えば「調整力」をアピールしたいとき、ただ「調整力があります」と言うだけでは説得力がありません。重要になるのは「何を通してその力を獲得したか」「その力を発揮した事例はあるか」「それを応募先の会社でどう活かすか」の3つ。これらを漏れや滞りなく、自然に語れるようにしておきましょう。</p>

<p>1つの応募先ごとに2～3個ほど、その会社にフィットしそうな「強み」を考え、準備しておけば十分かと思います。PREU法については、下の図も参考にしてくださいね。</p>

<p><img alt="PREU法で相手に伝わるアピール" height="2169" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250221Nakazonokumiko02.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>職務経歴書はわかりやすく、A4で2ページ以内に</h2>

<p><img alt="職務経歴書のNG" height="1158" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250221Nakazonokumiko05.jpg" width="1200" /></p>

<p>また、転職の際に多くの方がつまずくのが応募書類、特に職務経歴書です。面接に呼んでもらうには「会って話を聞いてみたい」と思われるような、わかりやすい書類づくりを心がけねばなりません。</p>

<p>まず問題なのが、文字の大きさが一定のまま、用紙を文字で埋め尽くす人。自分が最も伝えたい強みやアピールポイントに視線が集まるよう、文字の大きさにメリハリをつけたり、見出しを設けたりといった「仕事で資料をまとめるとき」同様の工夫を重ねてください。</p>

<p>また、ミドルは職務経験豊富だからこそ、こうした書類の枚数が増える傾向にあります。しかし、何ページも続けるのは完全にNG。多くてもA4で2ページにとどめるのが鉄則です。</p>

<p>それに、実績だけを羅列するのもいけません。先述したPREU法を応用し、その実績を挙げられた要因（理由）や、そこで得た経験やスキルを応募先でどう活かすかについても、必ず言及してください。</p>

<p>そして最後に、応募書類が完成したら、必ず第三者に読んでもらうことを勧めます。可能なら、自分と年齢や性別といった属性が異なる人にしてください。そのほうが、古い価値観や仕事のやり方がにじみ出ていないか、強みのアピールが単なる自慢になっていないかなど、指摘してもらいやすいからです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ミドルの面接で頻出する年齢に関する質問への対応</h2>

<p><img alt="採用担当者がよく抱きがちな疑問" height="1377" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250221Nakazonokumiko04.jpg" width="1200" /></p>

<p>ミドル世代を採用する際、企業の採用担当者が気にしがちなのが「この人は、ウチにいる年下上司や社員とうまくやっていけるのか」という点です。そのため、ミドルの面接では「あなたは弊社の平均年齢よりだいぶ上ですが、どう思いますか」といった質問が頻出します。</p>

<p>そこで大事なのは、相手の言葉をいったん受け入れること。ここで「まだ衰える歳ではありません。若い者には負けないですよ」などと、妙にやる気を前面に出したり、ムキになったりするのは逆効果です。面倒な人と思われかねません。</p>

<p>この質問をされたときは、まず「自分の年齢」を客観的に捉え、若い人と協働して仕事にあたりたいと考えていることを、自己PRも織り交ぜながら伝えるのが最適解。とっさの返しは難しいので、こういったよくある疑問・質問への答えは、前もって準備しておきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「話しやすい面接」は面接官の罠かもしれない</h2>

<p><img alt="「話しやすい面接」は面接官の罠" height="1160" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250221Nakazonokumiko06.jpg" width="1200" /></p>

<p>面接でミドルにありがちなのは、自分の過去の実績や「武勇伝」を長々話してしまうことです。中にはパワハラまがいの手法で実績を上げたことを自慢げに語ったりする人もいて、そうなると目も当てられません。</p>

<p>面接官は応募者に気持ちよくしゃべらせて、人柄を見抜くのに長けた人たちです。過去の実績を聞かれたときや、面接中に「今日はやけに話しやすいな」と思ったときは、面接官による「トラップ」が張られていると疑ったほうがいいでしょう。実績は軽く語るに留め、それを「この会社でどう活かすか」を中心に、簡潔に語ることを意識してください。</p>

<p>また、転職においては当然清潔感や笑顔、ビジネスマナーといったことが必須ですが、ミドルの場合はそれらに加えて「偉そうでないか」「デキる感を出しすぎていないか」にも、気をつける必要があります。</p>

<p>特に、部長以上の役職を経験した人や「自分はハイパフォーマー」という意識がある人は要注意。どこか「お客」のような態度が見えて、面接官を怒らせるケースもしばしばです。新卒の頃の謙虚な姿勢を、意識的に取り戻していただければと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>転職に成功するのは「執着」がない人</h2>

<p>この仕事をする中で、転職に成功するミドルの方には、ある特徴があると感じています。それは「過去の肩書きや自分のこだわりに、必要以上に固執しない」ということです。</p>

<p>私の知る中で、かつて企業の部長や役員をしていたのに、退職後は大幅に給料が下がる銀行の駐車場管理の仕事に応募し、採用された方がいました。</p>

<p>私も少し驚きましたが、週3日の駐車場管理という名目で採用されたにもかかわらず、しばらく経つとその能力を見込まれて、銀行の業務も一部請け負うようになり、結果的に待遇も良くなったとか。このように、無用な頑固さを捨て去れば、転職先で仕事が自然と広がっていく、といったこともあるのです。</p>

<p>長年の職務経験は、学生や若手にはない「誇れるもの」であることは間違いありません。ですが一方で、転職活動ではそうしたものを「リセット」できる素直さも、ときには必要になることを知っておきましょう。</p>

<p>最後になりますが、転職活動は誰にとっても精神的負担の大きい活動です。悩みは溜め込まず、家族や友人、そしてキャリアコンサルタントにどんどん相談してください。私たちの仕事には、そういったことも含まれていると思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【中園久美子（なかぞの・くみこ）】<br />
キャリアクレッシェンド代表。経理専門学校を卒業後、大手通信社勤務を経てパソコン講師として活動。子育てや夫の転勤に伴い、何度も転職を余儀なくされた経験をもとに、2012年にキャリアコンサルタントの資格を取得。17年に独立し現職。面接指導を得意とし、これまでに1万人以上への指導実績を持つ。著書に『それでも採用される! 転職面接の受け方・答え方』（日本実業出版社）などがある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tenshoku.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 16 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中園久美子（キャリアクレッシェンド代表）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>自信がなくても結果は出せる！ プロ野球選手が本番で実践する「注意の向け方」  伴元裕（福岡ソフトバンクホークスメンタルパフォーマンスコーチ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13979</link>
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			<description><![CDATA[大事な物事の前に不安や緊張を覚えることは多い。それらの感情は、本当によくないのだろうか？プロ野球選手の実例も交え、語ってもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「集中力革命」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_breath_.jpg" width="1200" /></p>

<p>福岡ソフトバンクホークスのメンタルパフォーマンスコーチとして、チームの優勝・日本一に貢献した伴元裕氏。氏は、「自信をもって臨めばよい結果が出る」という考え方は正確ではないという。その理由を解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、伴元裕著『集中力革命　ブレても力を発揮するメンタルの技術』（Gakken）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自信」は過大評価されている</h2>

<p>正しく対処しようとするほど余裕が削られたり、本番で思うように力が出せなかったりします。そんなとき、私たちはその原因をどこに求めようとするのでしょうか。</p>

<p>多くの場合、そこで持ち出されるのが「自信」という言葉です。「自信を持って臨めた」「自信がなかったから崩れた」「まずは自信を持とう」。競技の現場でも、仕事の場面でも、こうした言葉が交わされる光景は珍しくありません。</p>

<p>実力が発揮できたかどうかは、「自信があったか、なかったか」と結びつけて語られがちです。振り返りの場面でも、状態を一言で表す言葉として、「自信」という表現が選ばれることがあります。</p>

<p>確かに、自信があると感じているときは、注意があちこちに飛び回りにくくなる側面があります。余計な確認や評価が入りにくくなり、目の前の行動に腰を落ち着けやすくなる。そうした感覚があること自体は否定しません。</p>

<p>ただし、ここで押さえておきたいのは、実力を発揮できるかどうかを決めているのは、自信そのものではないということです。</p>

<p>本当に影響しているのは、注意がどこに向いているかです。注意が「今、やるべきこと」に戻り続け、行動が途切れなければ、力は発揮されます。自信があってもなくても、注意が戻り続けていれば、力は自然と発揮されていきます。</p>

<p>問題になるのは、自信を「必要な条件」として扱い始めたときです。「自信を持てているかどうか」が確認項目になると、「今の自分は自信を持てているのだろうか」「まだ自信が足りないのではないか」といったチェックが入りやすくなります。その瞬間、注意は行動から内側へと引き戻されます。自信という言葉が、ここで〝うまくやれているかどうかを測る指標〟として機能し始めてしまうのです。</p>

<p>すると、「まずい、自信を持てていない」という新たな焦りが生まれ、その状態をどうにかしようとする意識が強まります。その結果、注意はさらに目の前から離れ、「管理者モード」のスパイラルに入っていきます。正しくやろうとしているのに、かえって余裕が削られていく構造は、ここでも繰り返されてしまうのです。</p>

<p>自信を持てているかどうかよりも、そのとき注意はどこに向いていたのか、どんな感情や思考があり、何に注意を向けていたのかという点に注目してみましょう。自信が十分だとはいえない状況の中でも、適切な注意と行動によって力が発揮されていた経験があったことに、きっと気づくはずです。</p>

<p>そういう意味で、「自信」は過大評価されていると感じています。実力を引き出しているのは、自信という感覚ではなく、注意の向きと、そこから選ばれる行動なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>感情を否定しないという選択肢</h2>

<p>誰もが、本番が近づくにつれて、呼吸が浅くなったり、視界が狭く感じられたりなど、体の感覚が少しずつ変わっていくのを感じたことがあると思います。スポーツの試合前でも、プレゼンの直前でも、あるいは大事な話を切り出す直前でも、似た感覚が訪れることがあります。</p>

<p>多くの場合、その変化は「緊張しているから」「不安になっているから」と説明されます。そしてその瞬間、自分の中で、こんな評価が立ち上がります。「今日は硬いな。このままだと失敗しそうだ。集中できていない......」</p>

<p>注意が未来や評価に向いていると、同時に目の前の動きや感覚から注意が離れていきます。呼吸の深さやリズム、足裏の接地感、手の感覚や重さといった五感を経た情報が、以前ほどはっきり届かなくなり、視野が狭まり、周囲の音も感じにくくなっていきます。</p>

<p>不安や緊張には、注意を動かす働きがあります。さらに、危険や失敗の可能性を知らせ、視野を狭め、あちこちを確認させます。その意味では、不安や緊張は、注意を「今」から離れやすくする反応でもあるといえるでしょう。</p>

<p>ここで大切なのは、不安や緊張を抑えようとしすぎないことです。不安や緊張は、突然どこからか表れて体を支配しているわけではありません。注意が未来や評価に向き、目の前の動作から離れ続けた結果として、あとから立ち上がってくる感覚のまとまりのようなものです。</p>

<p>問題になるのは、その感情を消そうとしたり、抑え込もうとしたり、戦おうとしたときです。その瞬間、注意はさらに内側へ引き戻され、「今の自分は大丈夫か」という確認と評価が増えていきます。その結果、注意はますます目の前から離れてしまいます。</p>

<p>実際、同じくらいの緊張感の中でも、体の感覚が保たれている人はいます。呼吸が浅くなりながらも、一定のリズムで話すことができている。胸がざわついていても、目の前の動作に集中できている。その違いは、メンタルの強さではありません。性格でも、意志の強さでもありません。どんな感情があっても、注意をどこに戻せばいいのかがわかっているかどうかの違いです。</p>

<p>「緊張しているからダメ」「不安があるから集中できない」、そう結論づけてしまうと、体に起きている変化が、すべて敵のように見えてきます。そして、余計にそれを消そう、抑えよう、整えようとする方向へ進んでしまいます。</p>

<p>けれど、体に起きている変化そのものは、何かが壊れたサインではありません。ただ、注意が別の場所に居続けた結果として、自然に起きている反応です。</p>

<p>「不安があるから集中できない」のではありません。注意が未来や評価にとどまり続け、そして、その状態をどうにかしようと感情と戦い始めた結果、注意がさらに「今」から離れていくのです。</p>

<p>たとえば、2025年にパ・リーグ最高出塁率のタイトルを獲得した柳町達選手は、シーズン序盤のみならず、終盤になっても試合前、私のところに来ては「伴さん、僕、緊張しています」と話してくれました。</p>

<p>ただそれは、「緊張しているから、何とかしてほしい」という意味ではありません。自分が緊張している状態を把握したうえで、その中で何をすべきか、何に注意を向けるべきかを整理するためでした。</p>

<p>スポーツの世界では、「緊張すること」自体がタブーとされがちです。そのため、本当は緊張しているのに、「していない」と自分に言い聞かせてしまう選手も少なくありません。</p>

<p>一方で、柳町選手は、「緊張している」という事実を否定せずに受け取りながら、その状態の中で、どこに注意を向ければ自分のパフォーマンスが出せるのかを理解していました。だからこそ、シーズンを通して安定したプレーを続けることができたのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_breath_.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 16 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[伴元裕（福岡ソフトバンクホークスメンタルパフォーマンスコーチ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「企業命令の異動が最も多い国」　日本でキャリア自律が難しい本当の理由  小林祐児（パーソル総合研究所上席主任研究員）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11878</link>
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			<description><![CDATA[なぜ日本では「キャリア自律」が難しいのか? パーソル総合研究所上席主任研究員の小林祐児氏に話を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utility2/pixta_hukyou.jpg" width="1200" /></p>

<p>パーソル総合研究所の小林祐児氏は、「日本でのキャリア自律は難しい」と言い切る。それは、日本の労働市場の伝統的な仕組みと、海外から持ち込まれた「キャリア自律」という概念にねじれが生じているからだ。誰もが感じていながら言語化しきれていないモヤモヤの正体を明らかにしてもらった。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>上がっていない転職率大きく変わった「意識」</h2>

<p><img alt="転職者比率はどの年代でも大きくは変化していない" height="949" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207Kobayashiyuuji01.jpg" width="1200" /></p>

<p>「終身雇用が崩壊し、会社員も自律的にキャリアを考えなくてはならなくなった」と言われるようになってしばらく経ちます。</p>

<p>しかし、実は終身雇用自体、もともと「大卒・男性・大企業勤め」というごく限られた人々にしか当てはまらないもので、転職率は現在のミドルシニア層が社会人になってからそう大きく変化していない、と言ったら、意外に思われるでしょうか。</p>

<p>そもそも転職率は景気の動向に合わせてかなり上下するものですが、どのデータを見ても、この30年ほどの間で転職率が大きく上がったという事実は確認できません（図①）。ただし、転職に対する「意識」は大きく変わっています。</p>

<p>通勤電車の広告で、テレビCMで、あるいはウェブ広告で、今や転職情報を目にしない日はありません。インターネット転職も当たり前になり、転職やキャリア形成についての言説が盛んになって、実際に行動するかどうかは人それぞれでも、転職情報に圧倒的に囲まれて生きるような社会になっているのです。私はこれを「転職情報社会」と呼んでいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>キャリア自律が進まない日本企業の特殊性とは?</h2>

<p>そうした中で、いまの40代・50代を取り巻く状況を難しくしているのが、「キャリア自律」という言葉とムーブメントです。</p>

<p>いまも昔も、海外とは異なる日本企業の特徴は、「企業主導でジョブを決める」ということです。安定雇用と引き換えに、企業命令による異動がこれほど行なわれる国はほとんどありません。これが、日本のキャリア自律推進の落とし穴だと、私は考えています。言ってしまえば、日本でのキャリア自律は難しいのです。</p>

<p>その理由は、単純に言えば、日本には、企業横断的な賃金調整機能とスキルの維持・獲得機能がないからです。賃金相場を調整する組合と職業資格、教育制度──国ごとのグラデーションはありつつも、欧米先進国にはこの3つが企業横断的に揃っています。</p>

<p>アメリカでは労働組合は衰退してきていますが、コンサルティング会社によって、職種別のかなり細かい給与データが提供されています。要するに、海外では自分のジョブの価値はどのくらいか、何を学べばそれが上がるのかが、だいたいわかるのです。</p>

<p>雇用の流動性は国によって異なりますが、ドイツは日本ほどではないにしてもそこそこ長期雇用の国です。しかし、会社勤めの人々は、会社人であると同時に、企業横断的な労働組合員であるし、それ以上に自分のジョブに対してプロフェッショナリティーを持ちやすくなっています。</p>

<p>「自分はこの会社に勤めるんだ」ではなく、「自分はこの仕事をやるんだ」というキャリア観を、ホワイトカラーもブルーカラーもみんな持っているのです。ですから、「キャリア自律」のようなことは会社からわざわざ言いません。</p>

<p>一方、日本の企業は、賃金相場の調整、職業資格、教育制度のすべての機能を内部で調達してきた「内部労働市場」です。業界他社の水準はある程度意識されるにしても、社内の調整で賃金が決まり、職業資格が必要とされるのは超ハイグレードな一部の専門職だけ。社会人向けの教育制度は手薄で、社会人大学院はあっても、実際に行く人は圧倒的少数派です。</p>

<p>会社員からすれば、企業が配属先を決めて、スキルのない状態から育ててくれる、キャリア自律を必要としない環境であったわけです。ところがそこに、海外からキャリア自律という概念だけが持ち込まれてきたのです。そのねじれの中で、みんなモヤモヤしつつも、キャリア自律について考えなければならないような気がして焦っている。これが前提の構図だと私は考えています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>能動的でも完全に受動的でもない日本のキャリア</h2>

<p><img alt="日本のキャリアは受け身ではなく中動態的" height="1682" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207Kobayashiyuuji02.jpg" width="1200" /></p>

<p>日本の、特にミドルシニア世代のキャリアを考えるとき、「受け身のキャリア構築から能動的なキャリア構築へ」と二分法で語られることも多いのですが、私はこれも間違っていると思っています。</p>

<p>比較言語学の話になってしまいますが、古代の言語体系には受動態と能動態のほかにもう一つ、「中動態」というものがありました。例えば、「I love you.」は能動態ですが、「I fall in love with you.」ならどうでしょうか。恋に落ちているのは自分だし、文法的にもたしかに能動態ですが、「落とされている」という受け身の感覚も含まれますよね。これが中動態的な感覚です。</p>

<p>日本のキャリアも同じで、とても中動態的なのです。特に正社員の場合、企業が配属先やジョブ、賃金を決めるけれど、従業員側も完全に受け身ではありません。そこでどのくらい頑張るかは従業員次第だからです。</p>

<p>訓練を受けて適応するのも、皆勤賞を目指すのも、査定評価のために目標管理をするのも、全部従業員側の意思によるもの。ジョブに対するwillはなくても、主体性を発揮する余地はものすごくあるのです。</p>

<p>だから「あなたたちのキャリアは受け身だ」と言われてもピンと来ません。これまで中動態的に生きてきたミドルシニアは、主体的にジョブを選んだり学んだりはしてこなかったけれど、仕事は楽しかったし給与も上がってきたし、人との出会いを通じて成長もしてきたという感覚がある。突然キャリア自律を突き付けられて戸惑うのは、その感覚の裏返しでもあるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>お勧めは社会人大学院　積極的な他者との対話を</h2>

<p>では、ミドルシニア世代はこれからどうしていけばいいのでしょうか。端的に言えば、「自分の意思を信じないこと」が大事です。</p>

<p>いまお話ししたような環境の中では、主体的にキャリアを考えようとしても続きません。個人の意思なんてそんなものだと思います。できることと言えば、なるべく人と話をして、社会関係資本を増やしていくこと。</p>

<p>世界価値観調査によると、日本人は圧倒的に他者に対する信頼がないという結果が出ています。初めて会う人をまったく信頼しないのです。一方、もともと知っている人に対する信頼度は高いので、すでに所属しているコミュニティに閉じこもりがちな傾向があります。</p>

<p>しかし、何かやりたいことを見つけてチャレンジしている人は、ほぼ例外なく既存のコミュニティの外に出たり、コミュニティの外の人と交流したりといった経験をしています。</p>

<p>会社の中でも外でも、自分のキャリアや仕事について、腹を割って話し合える人はどのくらいいますか？　もし一人も浮かばないのであれば、おそらくあなたの中でやりたいことも見つからないと思います。自分のキャリアについて一人でじっと考える暇があったら、キャリアについて話し合える友達をつくりにいきましょう。</p>

<p>一番のお勧めは社会人大学院です。大学院は最強です。仕事上の力関係が一切存在しない他者ばかりですから、視野が一気に広がります。お金はかかりますが、ほとんど確実に人生観、キャリア観が変わるはずです。</p>

<p>他者との対話というものの効果をいかに信じられるか──これが中動態的に生きてきたミドルシニア世代の皆さんの、キャリア自律への一歩になると思います。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utility2/pixta_hukyou.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 16 Apr 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小林祐児（パーソル総合研究所上席主任研究員）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>中高年専門のアドバイザーが解説する「定年後の独立」に向けた具体的準備  木村勝（中高年専門ライフデザインアドバイザー）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11864</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011864</guid>
			<description><![CDATA[中高年専門ライフデザインアドバイザーの木村勝氏がおすすめする、定年後の&quot;半&quot;個人事業主とは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="半個人事業主" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_middleman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「サラリーマン以外の働き方がしたい」とは思っても、会社員しか経験していない人にとってはなかなかハードルが高いもの。中高年専門ライフデザインアドバイザーの木村勝氏は、定年を迎えたら&quot;半&quot;個人事業主になることをおすすめしている。リスクを抑えながら、会社員の経験が活かせて、さらには長く活躍もできる働き方とは？（取材・構成：石澤寧）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>独立への扉を開くカギは目の前の仕事の中にある</h2>

<p>&quot;半&quot;個人事業主を目指すにはどうしたらいいのか。時間的には５年ほどあれば十分でしょう。55歳の人が60歳の定年時に&quot;半&quot;個人事業主になるイメージです。まずは意識の面から変える必要があります。</p>

<p>「一人事業主宣言」と私は呼んでいますが、「これまでの経験、スキル、知識を徹底的に活用し、個人で付加価値を創造できる存在になる」と自らに宣言することです。人に言う必要はありません。自分が持っているものを、暗黙知も含めて見える化し、自分の商品・武器として磨き上げるのです。</p>

<p>より具体的には、「現場、現物、現実＆原則、原理、原点」の「６ゲン主義」を大切にして、目の前にある仕事の問題を自分の力量を磨く機会と捉えてより真剣に向き合うことです。「いまの職場に自分はコンサルタントとして契約して入ってきた」とイメージしてもいいでしょう。</p>

<p>そのうえで、例えば、いまの仕事を10分の１以下の時間で終わらせることを真剣に考えてみる。10％や20％の改善では現状を打ち破るアイデアは出てきませんから、ドラスティックな改革案を考えてみるのです。慣れ親しんだ仕事であっても、こうして自分のスタンスを変えることで、独立にふさわしいマインドに近づいていきます。</p>

<p>あわせて取り組みたいのが「キャリアの棚卸し」です。自分のスキルや経験、知識などの「自己資産」を振り返り、確認する作業を行ないます。その際に有効なのが「ブレインダンプ」です。学習指導者の谷澤潤さんが紹介している方法で、頭にあるものを片っ端から紙に書いて吐き出すことで、脳を空っぽにし、必要なアイデアや行動イメージを引き出すことができます。これにより、自分の現状や強みが再確認でき、取るべき行動が見えてきます。</p>

<p>そして、準備としてもう一つ大切なのが「人脈」です。実は、独立に役立つのは、サラリーマン時代の人脈です。独立後に人脈を作ろうとすると、相手はなんとなく「売り込まれ感」を感じてしまいますが、会社員同士の間ではそれがありません。ですから、会社員の立場にあるうちに人脈形成を意識すべきです。</p>

<p>特に効果的なのは、自分と同職種の他社の人とつながること。例えば人事部門の人なら、別の会社の人事部門の人と、社外の勉強会などを利用して親しくなる。懇親会などにも積極的に顔を出し、名刺交換だけで終わらないように、SNSなどでつながっておくとよいでしょう。そうして個人的な親交のある人のネットワークを広げていくことが、独立する際の貴重な財産になります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>今の会社との交渉・契約で注意すべきポイントは？</h2>

<p>&quot;半&quot;個人事業主となるには、こうした準備を進めつつ、会社に業務委託契約を受け入れてもらう必要があります。それには、自分自身が個人事業主の特徴を十分理解し、双方にメリットがあることを会社にきちんと説明し、理解してもらうことが重要になります。</p>

<p>会社の人事部は雇用契約には慣れていても、個人事業主との業務委託契約は経験がない場合もありますから、自ら知識や情報を収集・提供し、契約に必要な書類等も準備するなど、主体的に動く必要があります。</p>

<p>契約を提案するタイミングも重要です。時系列で言えば、①役職定年、②定年退職、③定年後再雇用の毎年の契約更新、④65歳での再雇用契約満了時の４つの大きなチャンスがありますが、実現のしやすさから言えば、④&rarr;③&rarr;②&rarr;①の順に可能性が高いと言えます。</p>

<p>ただ、業務委託契約が成立するかどうかは、本人の能力はもちろん、会社の状況にも左右されますから固執しないことも大切です。「業務委託契約ができなければ辞めます」というニュアンスで会社に伝わってしまうと元も子もありません。②や③でＮＧの場合には、通常通り再雇用での勤務を希望することをきちんと伝えておきましょう。こうした柔軟な姿勢は、報酬の設定についても同様です。</p>

<p>&quot;半&quot;個人事業主の報酬のベースとなるのは、「そのまま雇用契約で働いていたら会社はいくら負担するか」という&quot;実質&quot;給与です。社会保険など様々な費用があるため、会社は給与の約１.４倍の金額を実質的に負担していると言われます。</p>

<p>これをベースに個別条件を加味して交渉する形になりますが、支払う金額が同じなら会社に経済的なメリットはありません。「手間が増えるだけ」と思われては契約が難しくなりますから、会社側にメリットがあると思わせる条件設定をすることも、&quot;半&quot;個人事業主として必要な駆け引きになります。</p>

<p>個人事業主の報酬は、「出した成果」が市場原理によって評価され、決定されるのが原則です。しかし特に最初の契約に関しては、市場相場で決めることは難しいのが実情です。私も最初は会社員時代からはずいぶん減額になりました。まずは定期的な収入源を確保し、&quot;半&quot;個人事業主としてスタートを切ることを優先したほうがいいでしょう。</p>

<p>業務の効率化や高付加価値化に努め、その実績を元に新しいクライアントを開拓していけば、個人事業主として本格的に独り立ちできるようになり、会社員時代を超える収入を得ることも可能になります。</p>

<p>東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎氏は、「自立とは依存先を増やすことである」と言っています。私も自分の経験から同じように感じます。独立とはたった一人で立つことではありません。今いる会社という大事な&quot;取引先&quot;の役に立ちながら、自分の力で貢献できる先を少しずつ増やしていく。それこそが、ビジネスパーソンとしての自立につながっていくと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【木村勝（きむら・まさる）】</p>

<p>1961年生まれ。日産自動車(株)で長年人事畑を歩む。2006年、人事専門の関連会社に転籍。中高年のセカンドキャリア支援業務に従事。14年、人事を専門とする独立業務請負人として独立。中高年サラリーマンのキャリアの悩みに対し、個別面談やセミナーを通じて支援を行なっている。著書に『老後のお金に困りたくなければ今いる会社で「&quot;半&quot;個人事業主」になりなさい』（日本実業出版社）など。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_middleman.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 15 Apr 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木村勝（中高年専門ライフデザインアドバイザー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「鬼ごっこ」がなぜビジネスになるのか？遊びを&quot;人とお金が集まるコミュニティ&quot;に変える仕組み  嶋村吉洋（実業家・投資家・映画プロデューサー）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13938</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013938</guid>
			<description><![CDATA[新刊『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』を上梓した、実業家の嶋村吉洋氏。これからの時代にこそ、コミュニティに属することが重要だという。その理由を解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「億万長者のコミュニティ資本論」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizpplrun.jpg" width="1200" /></p>

<p>これまでいくつものコミュニティに属してきた嶋村吉洋氏。嶋村氏の考える、コミュニティの原型とは何か。氏の著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』（プレジデント社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、嶋村吉洋著『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』（プレジデント社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>子どもが「鬼ごっこ」をする理由はなんだろう？</h2>

<p>私が24時間365日、ずっとコミュニティの拡張をしてきた理由は、子どもの頃に夢中になった「鬼ごっこ」を思い出していただくと、わかりやすいかもしれません。</p>

<p>公園で鬼ごっこを夢中になっている子どもに、「どうしてそんなに頑張っているの？」と聞いたとき、「鬼ごっこを頑張って社長になるんだ！」と答える子はいないと思います。たぶん、その瞬間が楽しいから、ただ鬼ごっこをしているだけなのでしょう。ほかに目的があるわけではなく、「面白いからやる」、それだけなのだと思います。</p>

<p>私がコミュニティづくりをしてきたのも、多くの仲間が私のコミュニティに集まっているのも、同じことです。</p>

<p>鬼ごっこを楽しんでいると、仲間がどんどん増えて、公園が手狭になることもあるでしょう。そうなったら、みんなでお金を出し合って、もう一つ新しい公園をつくればいい。遊具が古くなったら、みんなで新しいものを選んで買い替えればいいのです。</p>

<p>鬼ごっこで汗をかいたら、「スーパー銭湯があったら便利だよね」とみんなで投資してつくってみるのもいいかもしれません。お腹が空いたら、レストランをつくるのも一つの方法です。</p>

<p>鬼ごっこをしていた子どもが大人になり、今度は自分の子どもを育てるようになったとしても、やっぱり鬼ごっこは続けたい。それなら、隣に託児所をつくるのもありだと思います。</p>

<p>こんなふうに、仲間と「もっと楽しもう」と思う気持ちが、「コミュニティ&times;ビジネス」になり、「社会資本」「人的資本」「金融資本」を手に入れるという目標につながったのです。</p>

<p>私たちは、何か大きな目的のために、皆で我慢しているわけではありません。外から見ると、「このコミュニティは一体何をしているのだろう？」と思われるかもしれません。</p>

<p>実際、あまりにもいろいろなビジネスに取り組んでいる人がいるので、何の集まりなのかわかりにくいと感じる人もいるでしょう。</p>

<p>でも、本質はとてもシンプルで、「コミュニティづくりが面白い！」と感じる人たちの集まりなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ビジネスが難しい時代だからこそコミュニティが生きる</h2>

<p>現在、ビジネスモデルの寿命はどんどん短くなり、流行のサイクルも加速しています。法人の平均寿命も、日米で20年ほどと、以前より短くなっているようです。また、消費者の関心は移ろいやすくなり、新たな商品やサービスもすぐに飽きられてしまう傾向が強まっています。</p>

<p>大会社ならともかく、小さな会社や個人事業では、何度も失敗する余裕はありません。一度失敗すると、再起までに時間がかかることが多いと思います。</p>

<p>しかし、コミュニティで始めるビジネスの場合、前述したように、最初は「内部消費」、次に「リファラル（紹介）」、「一般売上」という流れで、仲間が支えてくれます。</p>

<p>コミュニティ内で十分なテストマーケティングを行うこともできます。たとえ最終的に撤退することになっても、リスクはかなり抑えられます。コミュニティのアシストがある分、再起も早いのです。</p>

<p>法人の寿命は約20年とも言われてきましたが、今や大会社でさえ時代の変化から逃れることは難しくなっています。</p>

<p>これまでも建設業界や電気業界では再編が続いてきましたが、今やその波は自動車業界などの基幹産業にも及んでいます。</p>

<p>こうした状況の中で、会社に人生を預けることは、どう考えてもリスクが高い選択なのではないでしょうか。</p>

<p>有名企業に勤めていたとしても、いつ業績が悪化し、会社が解散に追い込まれるかわかりません。そのとき、誰かがあなたを支えてくれる保証はあるのでしょうか。</p>

<p>その点、コミュニティを基盤にしていれば、たとえ失敗しても、死ぬまで一緒に活動を続けられる可能性が高いです。</p>

<p>自分が関わっているビジネスがうまくいかなくても、コミュニティのどこかには成功しているビジネスがあります。メンバーが増えれば、まるで巨大な財閥のようにリスクを分散できるのです。</p>

<p>ある企業が拡張し、衰退する。<br />
ある技術が流行り、陳腐化する。<br />
あるビジネスモデルが世の中を席巻し、衰退する。</p>

<p>そんな中で、変わることがない価値を提供するのがコミュニティなのだと私は確信しています。私はコミュニティこそが世界で最も価値のある資産だと感じています。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 15 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[嶋村吉洋（実業家・投資家・映画プロデューサー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>欧米では謝罪≒弱さ？ 国によってここまで違う、仕事への向き合い方  堀田創（AI×認知科学研究者）、水野貴明（Nexus Frontier Tech共同創業者兼CTO）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13883</link>
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			<description><![CDATA[多彩な価値観を持つメンバーが集まるチームにおいては、自分の「当たり前」を疑うことも大切であるという。ビジネス立ち上げ・チームマネジメントに定評のある両氏に解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「まとまらないチームのまとめ方」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_worldmap.jpg" width="1200" /></p>

<p>多彩なメンバーが集まるチームでは、時に理解できないような他者の価値観に驚かされることもあるだろう。不和やすれ違いを避けるために、どのような心構えをすべきだろうか？堀田創、水野貴明両氏の著書『まとまらないチームのまとめ方』（翔泳社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、堀田創、水野貴明著『まとまらないチームのまとめ方』（翔泳社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>世界中全員クセが強い</h2>

<p>もしいま、あなたの職場やチームで「あの人の行動が理解できない」「なんか裏があるんじゃないか」といったように相手の行動が理解しがたいと感じる場面があるなら、いま一度自分の思考を疑ってみてください。</p>

<p>「もしかしたら文化や個性・価値観の違いでそう考えているのではないか？」<br />
「これは認知的フュージョンやホスタイル・アトリビューションの影響ではないか？」<br />
「本当に悪意があるのか？」</p>

<p>こう問い直すだけでも、世界は少し違って見えるはずです。余計な憶測や怒りを抑制できます。深呼吸していったん立ち止まり、実際に相手と対話してみることで「なるほど、そういう事情があったのか」と気づけるのです。</p>

<p>自分の当たり前を疑い、相手の行動に過剰に負の意図を投影しないだけで、はるかに生産的なやりとりが実現できるのです。常識なんて幻想です。日本人・外国人に限らず、世界中全員クセが強いのです。</p>

<p>これを前提に、自分の思考と現実を混同しない姿勢をもてば、多彩チームの摩擦や衝突は驚くほど減っていきます。そしてなにより、背筋が凍るような人間関係の対立から抜け出して、「そうか、こういうやり方もありなのか」と新たな可能性に目を向ける余裕が生まれます。</p>

<p>こうした痛みを越えた先にある開放感こそ、多彩チームへと生まれ変わるための大きな一歩となるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分たちの特異性を客観視してみよう</h2>

<p>ここで、「時間」「謝罪」「場の空気」「意思表示」「根回し」といった観点で、筆者が経験したことのあるさまざまな常識をA、B、Cと3つのタイプに分類したものを紹介します（図表1-1）。「あるある」「確かにそうだ」と感じたなら、ぜひそれを出発点にして自分自身のクセを振り返ってみてください。</p>

<p>もしかすると、それが誤解や衝突の原因になっているかもしれません。チームメンバーからすれば「そこまで謝るのはどうして？」「空気を読みすぎて本当の意思が見えないんだけど」といった違和感を覚えているかもしれないのです。</p>

<p>図表1-1はあくまで多様な常識の一端を示したそれぞれの一例に過ぎません。実際には常識B（ややアジア的な価値観）に近い日本人もたくさんいますし、外資系での就労経験が多い人は日本人であっても常識C（やや欧米的な価値観）をもつ人も多くいます。あるいは業種や世代などによっても異なり、変化するものです。</p>

<p><img alt="「まとまらないチームのまとめ方」" height="1200" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603MatomaranaiTeam11.jpg" width="1078" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「当たり前」をあえて疑う</h2>

<p>チームをまとめようとするとき、私たちはつい「この行動様式は当たり前だから、メンバーみんなに説明しなくても伝わるはずだ」と思い込んでしまいがちです。</p>

<p>ところが、ここまで見てきたように、「当たり前」は性別や年代、出身地や文化的背景、さらに個人単位で大きく異なります。互いに当たり前を押しつけてしまうと、衝突や誤解を生む原因になってしまいます。</p>

<p>そこで重要になってくるのが、自分が普通と信じて疑わなかった前提や常識をいったん手放し、あらためて学び直す「アンラーニング」です。文化や個性・価値観が異なるメンバーからなる多彩チームでは、次のような姿勢が、問題が起こった際の解決の出発点になります。</p>

<p>「自分が正しいと決めつけない」<br />
「相手が悪いのではなく異なる可能性をあえて疑ってみる」</p>

<p>図表1-2は、相手の行動が気にさわったときの考え方の大まかな流れを示しています。最初は「なんでそんなことをするの？」という苛立ちや違和感が生まれるかもしれません。</p>

<p>しかし、それを即座に「悪意だ」と断定するのではなく、「文化の違いでは？」「価値観のすれ違いでは？」と疑ってみる。加えて「なにかを訴えているのでは？」と、相手の意図や背景を探るうちに、「実はまったく悪意など存在せず、単に価値観のすれ違いだった」という結論に至ることが少なくありません。</p>

<p>もし本当に悪意があるなら、その原因を見極めて別の対処が必要になりますが、ほとんどの場合は存在しない悪意を相手の中に一方的に見出してしまっているだけなのです。</p>

<p>相手と話しあう過程で「朝9時の始業は当然だと思っていたが、そもそも渋滞事情や交通インフラといった前提が自分の常識とは異なっていた」ことに気づければ、お互いが納得できるルールをあらためて設定できるでしょう。</p>

<p>会議中に電話に出る習慣が「ある文化圏では失礼でもなんでもない」という事実を知れば、「一度はやめてほしいが、どうすればスムーズに変えてもらえるだろう」と建設的な対話を進められます。</p>

<p>こうしたやりとりが日常的に起こるのが、多彩チームの特徴です。一見するとコミュニケーションの手間がかかるように思えますが、その過程で「こんな視点もありなのか」「こうしたやり方が実はよいかもしれない」と自分の視野が広がり、新たな発想を得られるメリットがあります。</p>

<p>いったんコツをつかめば、組織がよりいっそう寛容になり、自然とイノベーションが生まれやすくなるのです。「自分の当たり前をあえて疑う」姿勢こそが、コミュニケーションの壁を越える第一歩です。</p>

<p><img alt="「まとまらないチームのまとめ方」" height="1200" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603MatomaranaiTeam12.jpg" width="965" /></p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 15 Apr 2026 11:40:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田創（AI×認知科学研究者）、水野貴明（Nexus Frontier Tech共同創業者兼CTO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>活かされない人材はいない...パソナマスターズ社長が語る「要となる管理職の役割」  中田光佐子（[株]パソナマスターズ代表取締役社長）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12034</link>
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			<description><![CDATA[パソナマスターズ代表取締役社長の中田光佐子氏は、リーダーとして、これまでどのようにキャリアを積んできたのか。自己成長論を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="中田光佐子" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250318Nakatamisako02.jpg" width="1200" /></p>

<p>(株)パソナマスターズは、総合人材サービス大手のパソナグループの一社として、中高年・シニア人材の能力開発と活躍機会の創出を支援する会社だ。人生100年時代に注目されているこの会社を率いるのが中田光佐子氏。「かつてはリーダーになんてなれないと思っていた」と語る中田氏は、なぜ経営トップとなったのか。リーダーとしての自己成長論を伺った。（取材・構成：石澤寧、撮影：まるやゆういち）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2025年3月号[私の体験的リーダー論]より、内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自分が応える」決意がリーダーの基礎力に</h2>

<p>――中田さんの最初のリーダー経験とはどんなものでしたか?</p>

<p>【中田】20代後半に、営業支援担当の内勤メンバーを束ねる役割が最初でした。営業職のスケジュール調整や派遣スタッフの方々に仕事を依頼したあとのセットアップなど、部門全体の支援業務を行なうチームのチーフです。人数は6人程度でした。</p>

<p>――当時はどんなことを心がけていましたか?</p>

<p>【中田】それまで私は外勤の営業職だったのですが、当時の役員から言われたんです。「この仕事は、チームのメンバーや営業マンから、1日に何回質問や相談を持ち掛けられるかが大切。その数が、あなたがチーフの役割を果たしているかどうかの指標になるから」。それで、「そうか、声を掛けられるのがチーフの仕事なのか」と。</p>

<p>私は素直なので、その日から声を掛けられたくて仕方なくて（笑）。「何かない?」と自分から動き回って、相談や頼まれた仕事には、絶対にノーと言わないと決めて取り組みました。</p>

<p>――リーダーになりたての頃から強い気持ちがあったんですね。</p>

<p>【中田】私がリーダーになったのは、決して早いほうではなかったんです。同期でも早い人なら入社3年目くらいでなるところを、私は6年目くらいでした。でも、それがかえって良かった。それだけ自分自身の体験からメンバーの気持ちを理解できるようになりましたから。だから、自分がリーダーとしてできることは精一杯やろうと心に決めていました。</p>

<p>とはいえ、内勤の仕事は初めてですから、相談されたり頼まれたりしても、知らないこと、できないことがたくさんあります。そこで今度は私が人に聞いたり相談に行ったりするわけです。</p>

<p>すると、この件ならこの部署に聞けばいい、こういう問題なら○○さんに相談するといい、というのがわかってくる。自分一人でわかること、できることも増えてきます。そのうち別の部門からも相談がくるようになりました。　</p>

<p>人からの頼まれごとや相談でも、自分がボールを持って応えると決めたことで、自分の知識が増えて、社内人脈もできて、人から頼られるようにもなった。リーダーとしての基礎力を鍛えることができたのが、このときの経験だったと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自分の中のプロ」のアラートに従う</h2>

<p><img alt="中田氏のリーダー術" height="1814" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250318Nakatamisako03.jpg" width="1200" /></p>

<p>――担当する組織が大きくなるにつれて、直接目が届かないメンバーも増えてくると思います。どんな工夫をなさっていましたか?</p>

<p>【中田】コミュニケーションがないと仕事は絶対にうまくいきませんから、直接話す機会をできる限りつくるようにしていました。地方の支店にも定期的に足を運んでいましたし、メールだけでなく、電話でこまめに連絡するようにしていました。</p>

<p>私は「ある人が心に浮かんだら、その人に必ず電話を入れる」ということを習慣にしているんです。</p>

<p>営業職時代に、取引先の担当者の方や派遣スタッフさんの顔がふと思い浮かぶことがあり、そのままにしていたら何らかのトラブルが起きてしまった、という経験が何度かありました。これは、私の中にいる「人材のプロ」が、私に対してアラートを出していると自己理解しました。それ以来、私の中にいるプロを信頼してこの習慣を続けています。</p>

<p>思い起こせば、私がメンバーだったときも、急に上司から電話がかかってくることがありました。当時は気づきませんでしたが、そうやって見守られて私は育ってきたのだと、今になってわかります。</p>

<p>私も同じように、そばにいないメンバーについても、いつも目に見えないところから見守る気持ちを持っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「活かされない人材」なんていない</h2>

<p>――中田さんのような頼れるリーダーになるには、どんな能力を鍛えればいいのでしょうか。</p>

<p>【中田】リーダーとしてまだまだの私が、それでも社長を務めさせていただいているのは、「自己認知」に努めてきたからだと思います。自分がどういうときに喜びを感じて力を発揮できるのか。逆に、何が苦手で不得意なのか。自分の観察を重ねてそれがわかり、自分で力を入れるべき仕事と人にアサインすべき仕事の区別がついたのです。それでチームとしての成果を挙げることができました。</p>

<p>自己理解で養った観察眼は、メンバーの理解にも役立ちます。例えば、毎朝誰よりも早く出社するのに、営業成績がなかなか上がらないメンバーがいました。早朝出社の意味がない、と周りの人は言うのですが、私はそうは思いませんでした。従来の評価軸から外れたところにこそ、人の可能性が眠っています。</p>

<p>このメンバーは、しっかりと準備して仕事に取り組みたいタイプ。そういう人は数をこなすスピード重視の営業は苦手だけれど、時間をかけて企画を進める仕事には向いています。実際このメンバーも企画重視の仕事に変わったら、見違えるような活躍を見せてくれました。</p>

<p>リーダーに、「メンバーをしっかり見てその人の良さを活かそう」という意識があれば、「活かされない人材」なんていないんですよ。</p>

<p>――リーダーの立場にある人は、肝に銘じておきたい話です。</p>

<p>【中田】私はこれまでたくさんのメンバーと一緒に仕事をしてきましたが、その中で影響を受けなかった人は一人もいません。誰と話をしても必ず気づきや学びがあります。誰もがオリジナルですから。</p>

<p>私はメンバーの話を聞くときは必ず「なるほど」と言って聞くようにしています。そう意識して言うことで聞く姿勢が整います。</p>

<p>しっかり向き合って聞いていると、そこには新しい事業につながるすごいアイデアが含まれているかもしれない。リーダーの見識が浅ければ組織のリスクになりますから、常に学ぶ姿勢で聞くことが大切だと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>マネジメントのやり方が劇的に変わったきっかけ</h2>

<p>――最近は、年上の部下や、派遣社員や外部スタッフ、外国人のメンバーでチームが構成されるなど、多様性が増しています。今のリーダーにはどんな態度が必要でしょうか。</p>

<p>【中田】推進する方向性の芯は持ちつつ、メンバーに合わせて、リーダーは自らの姿勢を変化させることも必要だと思います。私自身も壁にぶつかり、自分のリーダーシップを見直した経験があります。</p>

<p>それは30代後半にパブリック事業部の部長になったときです。メンバーの多くは40代、50代で、私の先輩や元上司もいました。私よりも経験が豊富な人たちですから、指示がすんなりとは通りません。私も「べき論」を振りかざしてしまい、ぶつかることも少なくありませんでした。</p>

<p>そこで当時の上司に、「10も15も年上のメンバーが相手だと言いづらい」「会社としてもっとやりやすいかたちを整えてほしい」と相談をしたんですね。</p>

<p>するとその上司から、中田は勘違いしていないか、と言われました。</p>

<p>「部長は一つの役割に過ぎないのに、相手が年上だから言うべきことを言えないのは、部長は上だという驕りがあるからではないのか。それに、会社がもっとうまくやってくれと言うが、メンバーから見たらお前が会社そのものだ」と、私の甘さをはっきりと指摘されたのです。</p>

<p>「そうか、私は会社なんだ」と遅まきながらリーダーの立場を認識したのがこのときです。私＝会社なら、その会社をもっと知らなくてはなりません。経営陣が発信するメッセージを読み込み、自部署の事業とのつながりを再確認して、メンバーに自分の言葉で伝えるように努めました。</p>

<p>メンバーの経験に敬意を持ちながらも、部長として言うべきことは言う。ただし、借りてきたような言葉ではなく、腹落ちしたものを自分の思いとして伝える。このやり方に変えてから、マネジメントが劇的にうまくいくようになりました。</p>

<p>同質性の高いチームなら勢いで促すこともできるかもしれませんが、多様性の高いチームでは通用しません。メンバーの役割、ミッションを言語化して、相手が納得するまで説明する。その姿勢が、今のリーダーには必要だと思います。</p>

<p>――最近は、リーダーになることに消極的な人も増えています。</p>

<p>【中田】私も管理職になることに消極的という時期がありましたから、気持ちはよくわかります。会社に取り込まれて、自分を失うような気持ちになるのでしょう。</p>

<p>でもそれは、「社会の一部になりたくない」と言うのと同じでは、と思うのです。どんな会社も、社会に役立っているから存在しています。そこで働く人はその一部を担っているのですから、すでに会社の一部になっているわけです。</p>

<p>それに、リーダーになるということは役割が変わるということであって、自分が失われるわけではありません。実はその逆で、自らの役割を自覚したうえで、「自分ならどうするか?」と自分に軸を置いて答えを出していくのがリーダーだと思います。</p>

<p>リーダーになれば、仕事の大変さや責任の重さに増して、より広い視野を手に入れることができます。それは、より大きな自由を手にすることでもあります。</p>

<p>メンバーとお互いに助け合い、成長し合いながら、より自分らしい働き方を追究できる。それがリーダーという仕事だと私は思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【中田光佐子（なかた・みさこ）】<br />
(株)パソナマスターズ代表取締役社長。1997年、(株)パソナに入社。人材に関わる様々なビジネス経験を経て、2018年4月、(株)パソナマスターズの代表取締役社長に就任。新会社にて「生涯現役社会」の実現に向けて、ミドル・シニア層の活躍機会の創出や企業のセカンドキャリア施策の支援に取り組んでいる。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250318Nakatamisako02.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 15 Apr 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中田光佐子（[株]パソナマスターズ代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「日本人は我慢して働いている」　仕事がつらい状態を脱するための3Cとは?  藤井薫（リクルート HR統括編集長）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11877</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011877</guid>
			<description><![CDATA[仕事に対するエンゲージメントが低い日本人。「我慢して働く」状態から脱するには? リクルート HR統括編集長の藤井薫氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utility/pixta_ningenkankei.jpg" width="1200" /></p>

<p>国際調査の結果から、日本では職場や仕事に不満を持ちながらも辞めることは考えず、「我慢しながら働いている」人が多いことがわかっている。一方で、リクルートの調査によると、50代のおよそ6割は転職経験者だという。我慢しながらいまの職場に留まり続ける人と、キャリアシフトに積極的な人は一体何が違うのだろうか。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>同世代の中での二極化が進んでいる</h2>

<p>いま50代の人々が就職したばかりの頃と比べると、現在の日本全体の社会構造は大きく変わりました。年齢別労働人口は逆ピラミッド型になり、商品やサービスは目まぐるしく入れ替わり、それらを提供する企業も海外資本になったり事業を売ってしまったりと、様々な形で企業や事業が短命化しています。</p>

<p>ビジネスパーソンのキャリアの考え方も変わりました。「仕事を一律化して、みんなで同じようなユニフォームを着て同じ時間に出勤して、同じだけ残業して横並びに昇進して幸せになっていた」のが30年前だとすると、いまは一人ひとり介護や子育てなど異なる事情を抱えて働いています。</p>

<p>そうした変化の中で、ミドルシニア世代の人々も、同じ仕事を連続的に積み重ねていけば確実な未来が見えた時代と違って、不確実で非連続な働き方やキャリア形成を強いられるようになっています。そのことに不安を覚えている人も多いでしょう。</p>

<p>ただ、シニア世代でもデジタル化社会にまったくついていけないと嘆く人もいれば、80代になってプログラミングを学び、スマホアプリをつくってしまうような方もいます。同じ世代の中でも、前向きにチャレンジする人と、不安に陥って身動きが取れなくなる人の二極化が進んでいるとも言えるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>終身雇用より「終身自在」50代の約6割が転職を経験</h2>

<p><img alt="" height="951" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207fujiikaoru01.jpg" width="1200" /></p>

<p>二極化の傾向は、転職の動向でも同じです。「50代で転職なんて現実的ではない」と言ってまったく活動しない方もいる一方、「いまこそチャンスだ」と言って、自分の経験や才能を活かせる転職先を積極的に探している人もいます。</p>

<p>実際、私たちが実施した転職や価値観に関する実態調査の結果からは、二極化が浮き彫りになりました（図③）。</p>

<p>50代で転職経験のある人は58％。一方、転職活動自体をまったくしたことがないという50代も、35.8％いました。転職経験のある50代では、4回以上転職を経験しているという人も29.7％に上ります。</p>

<p>また、いまの会社にずっといられるかどうかより、自由であることを重視する感覚を持つ人が年々増えています。この「終身雇用より終身自在」を求める傾向は若い世代だけでなく40代・50代も同様ですが、年代によって転職の際に重視する項目は少し違います。</p>

<p>50代以上になると、自分がそれまで培ってきたものを社会に役立てたいと考える人が多くなるのです。若い世代だと、親の期待もあって規模の大きな有名企業に入りたい、という人も多いかもしれませんが、ミドルシニアになると企業の知名度や規模は気にしないという人が多く見受けられます。</p>

<p>例えば大手ゼネコンで30年やってきたけれど、これからは地元密着型の中堅企業で地域に貢献していきたいとか。自分の能力が活かせるのであれば、お給料はそんなに高くなくてもいい、という方が多いのも、ミドルシニア世代の転職の特徴です。そういう意味で、ミドルシニアのキャリアシフトは、人材不足で困っている中堅中小企業からしてもチャンスだと思うことがあります。</p>

<p>また、別の調査でミドルシニア世代とほかの世代の差が大きかったのが、「大規模な製品やサービスの一部を担うよりも、小規模な製品やサービスの決定権を持てるほうが嬉しい」という項目を選ぶ人が多かったことです。裁量権を持って自分で自分のハンドルを握りたい、そう望むミドルシニアがとても多いことがわかります。</p>

<p>企業側もこうしたミドルシニア世代のキャリア観を重視して採用活動をすると、マッチングがうまくいくのではないでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>いまの仕事や職場が嫌でも会社を辞める気はない理由</h2>

<p><img alt="現在の働き方に対する満足度" height="1682" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207fujiikaoru02.jpg" width="1200" /></p>

<p>では、転職に積極的な人とそうでない人の違いはどこにあるのかといえば、環境の違いです。これは転職前の職場環境に不満があるかどうか、ということではありません。</p>

<p>社外に出た場合の自分の選択肢を具体的にイメージし、主体的に何かを選択する経験をたくさんできる環境かどうか、ということです。選択肢をたくさん持てる人、選択の経験をたくさん積んできた人ほど、転職に積極的なのです。</p>

<p>一方、転職なんて考えたことがないという人の多くが、いまの会社や仕事を積極的に選んで残っているわけではないようです。日本人は、ほかの国々の調査結果と比較しても会社に対するエンゲージメントが極端に低いという特徴があり（図④）、「みんなが我慢して働いている」のです。</p>

<p>会社の経営理念に共感しているわけではないし、仕事にのめり込んでいるわけでもない、給与も不満、人間関係にも不満。自分のスキルや才能が活かされているとも思っていない。だけど、会社を辞めようとも思っていない――これは、会社の外に出たところで、自分が何をしたいか、何ができるのかわかっていない人が多いからです。</p>

<p>実際、1万人に対する実態調査の結果では、「キャリア自律といっても自分のスキルや能力に対する評価基準もあいまいだし、どこでどんなことができるか自分でキャリアを考えるなんてできない」「勤め先のキャリアパスが不明瞭で、自分の未来も描けない」「将来のキャリア展望について上司と話をする機会なんてない」といった回答が多く見られました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>働く喜びを取り戻す「3C」とは?</h2>

<p>では、転職するにしても、今の仕事を続けるにしても、仕事への前向きな気持ちを取り戻すためにできることはないのでしょうか。リクルートでは毎年5000人以上を対象とした「働く喜び調査」を約10年行なっているのですが、働く喜びを感じている人たちには、3つの共通項「3C」があることがわかりました。</p>

<p>1つ目のCは「クリア」。自分のやりたいことや持ち味がはっきりわかっていること。<br />
2つ目のCは「チョイス」。持ち味を発揮できる仕事や職場を選択していること。<br />
3つ目のCは「コミュニケーション」。顧客や上司、同僚と密なコミュニケーションを取り、自分が期待されていると感じられること。</p>

<p>転職活動を一度もしたことがないと、自分のキャリアを本格的に棚卸しする機会もないので、自分の持ち味を知らないまま50代になっている人も多いでしょう。その場合は、3つのCを逆回しにしてみましょう。</p>

<p>社内外の人とたくさんコミュニケーションを取り、得た情報をヒントに選択肢を広げ、その中からチョイスする経験を重ねていく。そうするうちに、自分の持ち味や、やりたいこと、 働くうえで重視する価値観がクリアになってくるはずです。</p>

<p>もちろん、ほかの選択肢も認識したうえで、いまの仕事を選択している人もいるでしょう。ですが、ずっと同じ仕事をしてきた人の場合、ほかの選択肢を知らないだけで、もっと自分が生き生きと働ける仕事があるかもしれません。少なくともいまあなたが「我慢して働いている」状態であれば、自分のやりたいことをクリアにすることは、そこから抜け出すための第一歩にはなるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【藤井薫（ふじい・かおる）】<br />
リクルートHR統括編集長。1988年、リクルートに入社。以来、人と組織、テクノロジーと事業、今と未来の編集に従事。『B-ing』、『TECH B-ing』、『Digital B-ing（現『リクナビNEXT』）』、『Works』、『Tech総研』の編集、商品企画を担当。TECH B-ing編集長、Tech総研編集長、アントレ編集長・ゼネラルマネジャーを歴任。2016年、リクナビNEXT編集長に就任（現職）、19年からはHR統括編集長を兼任（現職）。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utility/pixta_ningenkankei.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 15 Apr 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[藤井薫（リクルート HR統括編集長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>年収260万円が10倍に...経済アナリストが実践した「収入アップ勉強法」  馬渕磨理子（経済アナリスト）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11794</link>
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			<description><![CDATA[「年収を上げる勉強法」とはどんなものか? 経済アナリストの馬渕磨理子氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="年収を上げる勉強法" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_goalbiz.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事の傍ら、勉強を始めようとしている社会人は多いだろう。同じ勉強をするのなら、「年収を上げる勉強法」で取り組んではどうだろうか? それを自ら実践し、現在は「日本一忙しい経済アナリスト」として活躍する馬渕氏に、その極意を聞いた。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年2月号の掲載記事より、内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>手っ取り早く年収を上げるために身につけたいスキル</h2>

<p>皆さんは「年収を上げる勉強法」をご存じでしょうか? 私自身、その勉強法を実行することで、駆け出し時代の年収約260万円を、10倍近くにすることに成功しました。</p>

<p>信じられない人も多いでしょう。もちろん、ただ闇雲に勉強するだけではいけません。定期テストや受験のために仕方なく行なっていた「学生の勉強」から決別し、主体的な意識を持った「社会人の勉強」にシフトする必要があります。</p>

<p>学生の勉強と社会人の勉強の最大の違いは、社会人の勉強は「誰かのためにやるもの」という点です。勉強して得た知識と経験を活かして周りに喜んでもらうこと。これが社会人がやるべき勉強です。</p>

<p>では、周りに喜んでもらうために勉強すべきこととは、どんなことでしょうか。</p>

<p>例えば、私の肩書である経済アナリストに必要とされているのは、次のような能力です。</p>

<p>・ 様々な情報を大量に集め、的確に「分析する能力」<br />
・ 積極的に情報収集を行なう「好奇心」<br />
・ 効率良く必要な情報を「拾い上げる能力」<br />
・ 誰にでもわかりやすくプレゼンできる「情報発信力」<br />
・ 金融行政の担当者や経営者などにインタビューするための「コミュニケーションスキル」<br />
・ 最新情報をすぐにキャッチし素早く活用する「判断スピード」</p>

<p>実はこれらのスキルは、経済アナリストに限らず、あなたが手っ取り早く年収を上げるために身につけるべきものでもあります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>経済アナリストが実践する4つの勉強法</h2>

<p>では、これらの能力を身につけるには、どんな勉強をしたらいいのでしょうか。私が実践している勉強法は、主に次の4つです。</p>

<p>① 基礎のインプット：専門的な新聞・雑誌・本を読む<br />
② 現場でのインプット：仕事に関連する人に会う、現場に行く、モノに触れる<br />
③ 現場の再現：仕事現場で出会った人のやり方を真似して、真似を超える<br />
④ 独自性を活かす：自分だけの切り口を持ち、他人に伝わるように発信する</p>

<p>一つずつ見ていきましょう。</p>

<p>まず、①基礎のインプット。基礎から何かを学ぼうとするとき、まず本を読もうと考える人が多いのではないでしょうか。</p>

<p>ですが、最初に読むべきものは、「雑誌や新聞のコラム」です。本から読んではいけません。</p>

<p>本から入ると勉強は長続きしにくいもの。本は著者によって考え方や理論が様々で、必ずしも読んだ本の理論がリアルな現場と一致しているとは限りません。そのため、実践の現場で使えず、勉強がいやになってしまいがちなのです。</p>

<p>一方の雑誌や新聞のコラムは、各分野のトレンド情報で構成されています。リアルなビジネスの現場に直結する情報を得ることができるので、学びの取っかかりとして最適だと言えるでしょう。そして、新聞や雑誌を充分に読み込んだ後に、本を読むのがベター。新聞や雑誌を読んでいれば、目を引く意見や専門家が出てくるでしょう。それについて、本を読むことで深掘りをすればよいのです。</p>

<p>次に②現場でのインプット。結果を出し続ける人は、常に現場とデータの両方を大事にしています。データ分析ばかりして現場を疎かにしていると、実態と認識が乖離してしまいますし、現場にだけ張りついていると、俯瞰的な視点が欠けがちになります。常に現場を走りながら、俯瞰してデータを分析することを意識しましょう。</p>

<p>例えば経済アナリストの仕事なら、経済トレンドを把握するのに、株式市場の話題が役立ちます。金融・株式市場は、実態経済より少しだけ先の未来を予想して、その期待で動くからです。</p>

<p>そのため、株式投資をしなくても株式の動きをチェックしている人は、ビジネスでも大きな成果を出しやすくなります。</p>

<p>一方で、ビジネスの「事実」「現実」は、現場にあります。ですから私は、株式市場の動向をチェックするのと同じくらい、企業取材を大事にしています。企業を訪れて人に会い、話を聞く。現場の苦悩やお困りごとをヒアリングする。</p>

<p>そうして実態に即した事例を豊富に分析・ストックし、そこに俯瞰の視点もかけ合わせることで、「ほかの企業ではこんな取り組みをして成功していますよ」といった提案をすることもできるようになり、それが信頼や実績につながっていくのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>できる人の「真似」で学びのスピードを上げる</h2>

<p>続いて、③現場の再現。学びの効率を上げるためには、一人で学ぶことに加え、「知の共有」によって学びを増幅させていく必要があります。</p>

<p>例えば、自分と同じ専門職の頼れる先輩や上司を「お手本」にして、考え方の手法などを真似すると、学びのスピードは飛躍的に高まります。彼らに読むべき本などを紹介してもらうのもお勧めです。成果を出している人から紹介された情報は、成果が保証されていて、無駄がないからです。</p>

<p>同じプロジェクトを進めている仲間も、「壁打ち相手」として頼りになる存在です。プレゼン資料なども、最初から最後まで一人で完成させるより、8割程度の完成度で仲間と共有し、違う視点からフィードバックをもらったほうが、最終的にいいものができあがります。</p>

<p>そうして知の共有によって学びのスピードを上げていくと、あなたの知識やスキルは雪だるま式にどんどん大きくなり、それがあなた独自の強みになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スキルを稼ぎにつなげる「伝える力」の磨き方</h2>

<p>最後に、④独自性を活かす。あなただけの強み＝独自性があると、会社の仕事以外に、副業でも収入を得ることができるようになります。</p>

<p>副業になり得るスキルは、エンジニアリング、マーケティングなど多種多様ですが、どの分野にも共通して必要な要素は「書くこと」と「話すこと」です。この2つのスキルがあるかないかで、収入は２倍変わってくると言ってもいいでしょう。スキルは、伝わらなければ意味がないからです。</p>

<p>この2つのスキルを磨くためにお勧めなのは、SNSで発信することです。</p>

<p>情報をコンパクトに要約する力もつきますし、どんな言葉を使えばよりわかりやすいかなど、伝える力がブラッシュアップされていきます。そうするとプレゼンのスキルにも大いに役立ちますし、内容に対するコメントをもらえれば、自分の学びも深まります。</p>

<p>今回ご紹介した勉強法はほんの一部ですが、この内容を参考に、皆さん一人ひとりに合った勉強法を確立していただければ幸いです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【馬渕磨理子（まぶち・まりこ）】<br />
1984年、滋賀県生まれ。2013年、某関西医療法人に入社後、資産運用トレーダー業務を始める。15年からアナリストに転身。現在は講演やセミナーのほか、雑誌・webでの連載でも精力的に活動中。著書に『日本一忙しい経済アナリストが開発! 収入10倍アップ超速仕事術』（PHP研究所）など。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_goalbiz.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[馬渕磨理子（経済アナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>70代前半の就業率は30％超に...「会社に残り続ける人」に待ち受ける未来  木村勝（中高年専門ライフデザインアドバイザー）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11858</link>
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			<description><![CDATA[70代まで働く時代。会社員はいつまで続けるべきか。中高年専門ライフデザインアドバイザーである木村勝氏に聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="65歳以降の働き方" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizstress.jpg" width="1200" /></p>

<p>「サラリーマン以外の働き方がしたい」とは思っても、会社員しか経験していない人にとってはなかなかハードルが高いもの。だが、そんな人でもお勧めの方法があるという。リスクを抑えながら、会社員の経験が活かせて、さらには長く活躍もできる働き方とは？（取材・構成：石澤寧）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>会社員のまま働き続けるという選択をすると？</h2>

<p><img alt="会社に残り続けた場合の収入シュミレーション" height="1180" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250205kimuramasaru01.jpg" width="1200" /></p>

<p>2023年に総務省が発表した調査によれば、65～69歳の就業率は10年連続で上昇し、50.８％と半数を超えました。また、70～74歳でも33.５％と過去最高を同様に更新。今や「働けるうちは働く時代」です。</p>

<p>背景にあるのは深刻な懐事情です。年金だけで豊かな生活を送ることは難しく、また、退職金制度も廃止や減額の動きが加速しています。定年後も教育費や住宅ローンの負担が続くという人も少なくありません。「70歳くらいまでは定期収入を確保したい」と切実に願う人も多いのではないでしょうか。</p>

<p>しかし、そうした願いにもかかわらず、何の準備もないまま、大勢に流される働き方を続けてしまう人が多いのが実情です。上の図は、役職定年と60歳の定年退職を経て、65歳まで契約社員として働いて最後まで会社に残り続けた場合の収入シミュレーションです。</p>

<p>この場合、収入は役職に就いていた頃をピークに、役職定年でピーク時のおよそ75％、60歳定年でピーク時の50％と、段階的に下がるのが一般的です。そして、65歳で企業に雇用の義務はなくなりますから、再就職の当てがなければ、イチから新しい仕事を探さなくてはなりません。</p>

<p>この年齢で希望に合う仕事に出会える人は決して多くないでしょう。会社員のままで働き続けるという選択は、決して安泰とは言えないのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>今の会社を顧客にする「&ldquo;半&rdquo;個人事業主」</h2>

<p><img alt="60歳の定年退職時に&quot;半&quot;個人事業主となった場合の収入のシミュレーション" height="648" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250205kimuramasaru02.jpg" width="1200" /></p>

<p>では、どうしたらいいのか。私がお勧めするのは、独立して「一人社長」になるという選択です。といっても、いきなり会社を立ち上げるわけではありません。今の会社の仕事を業務委託で請け負いながら、スキルアップや新しい取引先の開拓を目指す「&quot;半&quot;個人事業主」というやり方を提案しています。</p>

<p>「独立起業」という言い方がありますが、「独立」と「起業」は別物です。私は会社員時代の専門である人事の仕事で個人事業主として「独立」しましたが、新たな事業を「起業」したわけではありません。「起業」しなくても「独立」は可能なのです。</p>

<p>若い世代ならともかく、定年を迎えるシニアが、未経験の事業や多額の初期投資が必要な事業を起こすのはかなり無理があります。肉体的に負担の大きい仕事や過剰なストレスのある仕事も長続きしないでしょう。</p>

<p>しかし、いままでの仕事を続けての独立なら無理がありません。独立の最大の課題は「顧客の確保」ですが、&quot;半&quot;個人事業主の場合、自分が働いている会社が顧客ですから、ニーズも課題もわかっています。未経験の分野での起業を「清水の舞台から飛び下りる」とたとえるなら、&quot;半&quot;個人事業主の独立は、「２階から手すり付きの階段を下りてくる」ようなもの。気をつけていればそうそう失敗がありません。</p>

<p>収入の面でも期待が持てます。上の図は、55歳で役職定年を迎え、60歳の定年退職時に&quot;半&quot;個人事業主となった場合の収入のシミュレーションです。一時的には会社に残り続けた場合の収入を下回るものの、スキルアップや顧客の開拓を行なうことで、反転して収入をアップすることは十分可能です。また、働けるうちはいつまででも働くことができます。65歳まで会社に残り続けるよりも、生涯収入を大きく増やせる可能性もあるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>時代の追い風が吹いている「業務委託｣という働き方</h2>

<p>&quot;半&quot;個人事業主という働き方には法律面でも追い風が吹いています。高齢者雇用安定法により、希望者全員を65歳まで雇用することが企業の義務になっています。</p>

<p>その方法として、①「定年延長」、②「定年の廃止」、③「契約社員などでの再雇用」があり、多くの企業で③が採用されているのはご存じの通りです。あわせて、65～70歳の雇用者については、先の３つに加えて、④「業務委託契約を締結」、⑤「事業主自らが、あるいは委託、出資（資金提供）する団体が行なう社会貢献事業」という５つの形で70歳まで雇用することを、企業の「努力義務」としています。</p>

<p>努力義務とはいっても、65～70歳を一律で雇用し続けることは企業にとって負担が大きいですから、多くの人は65歳で会社を離れることになります。しかし、まだまだ活躍できる人、会社の側も活躍してほしい人には、「業務委託」という選択肢が加わりました。国もこの働き方を推奨している、とも言えます。</p>

<p>また、企業の側の意識も変化しています。経団連が2022年に行なったアンケート調査では、回答企業の30.２％が、社外からの副業・兼業人材の受け入れを認めている、もしくは認める予定だと答えています。常用労働者が300人未満の企業に限れば、37.７％とさらに多くなります。</p>

<p>伝統的な企業が多く、正社員を重視する傾向のある経団連の会員企業でさえ、雇用以外の働き方（＝業務委託）を受け入れるようになっています。この傾向は今後もさらに進んでいくでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>特別な資格や能力は不要注目の「リリーフマン型」</h2>

<p>「業務委託は特別な資格や能力がなければ難しいのでは？」と考える人もいるでしょう。しかし必ずしもそうではありません。</p>

<p>確かにこれまでは法務部などの専門職やITの専門家、公認会計士など、特別な資格やスキルを持った人たち（「スペシャリスト型」）が、業務委託契約の主役でした。しかし最近では、それとは異なる個人事業主へのニーズも増えてきています。</p>

<p>例えば、「会社の業務プロセスを熟知し、実務能力と人間関係、人柄などによる信頼感をベースに仕事を請け負う」「実務の即戦力として、実力をよく知る人からの依頼で仕事を行なう」「誰かが対応しなくてはならないエッセンシャルワークを担う」といった業務委託です。</p>

<p>こうした性格の個人事業主を私は「リリーフマン型」と呼んでいます。これまで企業は、契約社員や派遣社員を活用してリストラや人手不足に対応してきました。しかし、2013年の労働契約法の改正で５年間契約更新を繰り返した契約社員に無期転換権が発生するようになり、15年の派遣法改正で派遣社員は同じ職場で３年以上の勤務ができなくなりました。言葉は悪いですが、企業は非正規社員を都合よく利用できなくなったのです。</p>

<p>また、シニア社員を雇用し続けることも企業にとってリスクになります。「働かないおじさん」問題はその典型です。こうしたギャップを埋めるのが&quot;半&quot;個人事業主であり、とりわけ「リリーフマン型」はその主役となり得ます。</p>

<p>企業は雇用リスクを抱えることなくベテランの経験やスキルを活かせますし、&quot;半&quot;個人事業主の側も、フルタイムではなく、稼働日を限定した勤務によって自由な時間を得られます。業務委託契約は企業と対等な関係で交わすものですから、指揮命令を受けることもなく、年下上司との微妙な関係も解消されます。</p>

<p>現在、多くの企業が「介護・育児休業の社員の業務をどうカバーするか」に頭を悩ませています。例えば、男性の育休は人によって数週間～年単位と期間が一定ではなく、その期間の仕事を非正規社員に依頼するのがなじまない場合もあります。育児や介護で休業する人は今後さらに増えるでしょうから、それに伴って、特にリリーフマン型の&quot;半&quot;個人事業主の活躍の場も増えていくと思われます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【木村勝（きむら・まさる）】</p>

<p>1961年生まれ。日産自動車(株)で長年人事畑を歩む。2006年、人事専門の関連会社に転籍。中高年のセカンドキャリア支援業務に従事。14年、人事を専門とする独立業務請負人として独立。中高年サラリーマンのキャリアの悩みに対し、個別面談やセミナーを通じて支援を行なっている。著書に『老後のお金に困りたくなければ今いる会社で「&quot;半&quot;個人事業主」になりなさい』（日本実業出版社）など。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizstress.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 17:30:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木村勝（中高年専門ライフデザインアドバイザー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>社会人が勉強のモチベーションを保つには? リスキリングを成功させるポイント  柿内秀賢（Reskilling Camp Company代表）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11577</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011577</guid>
			<description><![CDATA[働きながらリスキリングをする際に重要なポイントとは? 柿内秀賢氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="リスキリング" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_superbusinessman.jpg" width="1200" /></p>

<p>リスキリングを始めても、働きながら勉強をすることは大変なもの。学習のモチベーションを維持し続けるのは簡単なことではない。本稿では、Reskilling Camp Company代表の柿内秀賢氏が教える「リスキリングメソッド」を、書籍『リスキリングが最強チームをつくる』より紹介する。</p>

<p>※本稿は、柿内秀賢著『リスキリングが最強チームをつくる　組織をアップデートし続けるDX人材育成のすべて』（ディスカヴァー・トゥエンティワン）を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「受け身」の学習から「アウトプット中心」の学習へ</h2>

<p>実際に新たなスキルや知識を得るためには、Udemyなどのオンラインサービスや書籍といった学習コンテンツが役に立ちます。</p>

<p>しかし、ここで知識習得上の問題が発生します。そうしたコンテンツをただ受け身で享受しているだけでは、内容を本当に理解できているか不安になってしまうという問題です。</p>

<p>たとえば、ニュースで流れてくる政策の内容を自分では分かっているつもりでも、いざ人に話そうとするとうまく説明できなかったり、子どもの無邪気な質問にうまく答えられなかったりといった経験は、皆さんもお持ちではないでしょうか。</p>

<p>学習においても同じことが起こります。この問題を解消するためには、学習の早い段階で、定期的にアウトプットすることが重要になります。</p>

<p>リスキリングの支援の事例では、資格を獲得する前段階で、模擬試験を定期的に受けていただきました。最初は合格点に程遠くとも、出題された内容の意味が理解でき、何について答えればいいのかが分かったうえで解答できた問題があれば、それだけで自信になります。</p>

<p>逆に、あてずっぽうで解答して間違えた問題に対しては、どの程度の深さで理解しておかなければ解けないのか、学習するうえでの大きなヒントになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>モチベーションの維持は3つの視点で</h2>

<p>これまで、業務時間内での学習や、業務後の自主的な学習をほとんどしたことがない場合、習慣がなければ、とても大変です。</p>

<p>実際の支援でも、3日、1週間、1か月......と学習が止まってしまうことがありました。やらなくてはいけないのは分かっているのだけれど、今日は忙しかったし、トラブルもあって疲れたし、明日頑張ろう......。誰もが一度は経験したであろう自分への言い訳が、ほとんどすべての方に発生します。本稿で紹介するリスキリングメソッドには、この問題を解決するための3つの視点が盛り込まれています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>①最初に決意を自問自答する機会を持つこと</p>

<p>②誰かと約束を交わすこと</p>

<p>③楽しくなるまで信じて続けられるよう伴走すること</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>①は学習開始時の上司との対話の中で行われます。学習することについて対話することが、その後のモチベーションにつながります。</p>

<p>忙しい日々の中で、ある日を境に、他人が立てた学習計画に従って学習を続けるのは、容易なことではありません。人が決めたことをやらされていると感じている状態では、学習を続けることはおろか、開始することすら難しいでしょう。自分でやると決めて、学習計画に従うと腹落ちすることが大事なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>②についていえば、自分でやると決める、つまり自分と約束するだけでは不十分です。中には意志の固い方がいて、自分とした約束を何が何でも守り切れるという人もいるかもしれません。そのような資質を当てにしないのが、このメソッドの考え方です。</p>

<p>自分に甘くて、やらない言い訳、今日サボってもよい理由、それを押し返しきれない人でも、意外と人は誰かと約束したことは守れたりします。</p>

<p>だらしがない人間だと思われたくない、言い訳ばかりしている人間だと思われたくない、あの人も頑張っているのだから自分も頑張ろう、認めてもらいたいから頑張ろう、一緒にやっていると楽しいから頑張ろう&hellip;&hellip;このように、誰かと約束することは継続のモチベーションになるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>③についていえば、学習の最初の頃は分からないことがたくさんあります。分からないことを楽しめといわれても、普通はなかなか難しいものです。</p>

<p>趣味やスポーツにおいて、最初はうまくできなくても、少しずつできることが増えて、人から褒められたり、試合で結果が出たりといった過程を経るうちに、次第に楽しさを感じるようになってきます。学習もそれと似ています。楽しくなるまで信じて続けることが重要なのです。</p>

<p>そのためにも、分からないことを分からないまま放置することや、分かったのか分かっていないのか曖昧な状態で続けないことが大事です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>ある支援の事例では、3か月で80時間以上、多い人は120時間学習しましたが、もっと継続的に学習したいかどうか聞くと、80％から「はい」という答えが返ってきました。</p>

<p>「もうやりたくない、うんざりだ」と学習が終わる日を心待ちにする人も、中にはいらっしゃいます。しかし、「次はこれを学びたい」と、さらなる目標を自ら設定する人も少なくありません。これまでさまざまな方を拝見してきましたが、成長することに強い喜びを感じる人は、実はとても多いのです。</p>

<p>最初は三日坊主で終わりそうになって嘆いていた人も、何とか続けて、終わる頃には喜びに変わっている。日々の学びが楽しい時間に変わっている。学びの成果が出たら喜んでいる。これらは性格や行動特性、能力によらず発生する感情のように感じられます。成長に喜びを感じるのは人の性なのかもしれません。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_superbusinessman.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[柿内秀賢（Reskilling Camp Company代表）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>単語でメモする人は仕事ができない理由とは？ 思考を変えるメモ術  木暮太一（一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13954</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013954</guid>
			<description><![CDATA[多くのビジネス書を執筆し、著者累計は195万部を誇る木暮太一氏。仕事ができる人は備えている、言語化力の鍛え方を解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「仕事ができる人の頭のなか」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_writing_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>木暮太一氏は、言語化を「明確化」と定義する。では、言葉を明確に使えるようになるためには、どのようなトレーニングが必要なのだろうか？木暮氏の著書『仕事ができる人の頭のなか』（ダイヤモンド社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、木暮太一著『仕事ができる人の頭のなか』（ダイヤモンド社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>意味がわからない言葉は、その場で確認をする</h2>

<p>仕事ができる人は、不明確な言葉をそのまま放置しておきません。自分で調べたり、相手に確認したりして、自分の中で明確にしています。</p>

<p>「早めに来て」と言われたら、「早めとは、8時半くらいでしょうか？」と確認をします。「心理的安全性を高める施策を考えて」と指示されたら、「自分の中で『心理的安全性』の理解があいまいなので、確認させてください」と相手に質問をします。</p>

<p>質問しづらいときもあるかもしれませんが、その場で確認したほうが相手の負荷は小さくて済みます。「なんとなく」で進めてしまうと、あとで軌道修正に時間がかかり、より相手に負担をかけてしまいます。</p>

<p>確認すべきなのは相手からの指示だけではありません。たとえば、みんなで雑談をしているときに、「最近、子どもが減ってきている」という話題が出たとしましょう。少子高齢化と言われてから久しいので、みんな「子どもが減ってきている」という共通認識は持っています。でも、どのくらい減っているか、去年は何万人生まれたのかはあやふやかもしれません。</p>

<p>そのとき、仕事ができる人は「減ってきた」を明確にするためにスマホで検索をします。とにかくすぐ調べます。</p>

<p>去年生まれた赤ちゃんの数を調べることが大事なのではなく、あいまいな認識をそのままにせず、自分の中で明確になるまで調べるクセがついていることが重要なんです。</p>

<p>「SNSで○○がバズっている」と聞いたら、それがどのくらいを指すのかすぐに調べます。Googleトレンドでキーワードの検索回数の増え方を調べたり、SNSでその関連キーワードを検索して何がヒットするかを見たりします。</p>

<p>「みんなこう考えている」「みんなこれをやっている」「最近はこうだから」など、一見もっともらしい総論を聞いたときには、そのまま受け入れずに、「流行ってる」「みんなやってる」などがどういう意味なのかを確認します。そうすることで、ものごとをより明確に理解しようとしています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>単語ではなく、文章でメモする</h2>

<p>言葉を明確に捉えるために習慣づけていただきたいのが、「文章でメモすること」です。ぼくは仕事柄、多くのビジネスパーソンとお会いします。</p>

<p>そしてみなさんに質問を投げかけています。ここで仕事ができる人と、そうでない人は明確に答え方が違うことを強く実感しています。</p>

<p>「仕事ができる人は、本質を突いた回答をする、斬新なアイディアを持っているに違いない」と感じるかもしれません。でも、そういうことではありません。仕事ができる人とそうではない人は、答えの内容ではなく、答え方が違うんです。</p>

<p>仕事ができる人は、文章で答えます。一方で、そうでない人は単語で答えます。</p>

<p>たとえば、「経営に重要なものは？」と質問した場合、「人材！」など単語で答える人も多いです。この回答をする人はなかなか仕事ができる人に成長していきません。というのは、「単語で答える≒単語で考えている≒何をどうすればいいかを考えていない」から、です。</p>

<p>「人材」がなんなのでしょうか？人材を育てることなのか、人材を辞めさせないことなのか、そもそもいい人材を採用することなのか、単語で考えている人は自分の中で明確にしていません。でも、単語だけならあいまいなままでも回答できてしまいます。本人も「なんとなく」で考え、それ以上つきつめて考えてはいません。</p>

<p>単語で答えるクセがついてしまっている人は、そもそも単語で考えるクセがついてしまっています。そしてさらにその前に単語でメモるクセがついています。会議で何か重要なことを聞いたとき、単語でメモをします。セミナーや研修で勉強するときも、重要なキーワードを書くだけで終わっているケースが多いです。</p>

<p>キーワードを書くことがいけないのではなく、キーワードしか書かないことが問題なんです。単語だけをメモし、それが大事だと思えたとしても、それをどうすればいいのか、何につなげればいいのかがわからなくなっています。これでは意味がありません。</p>

<p>ぼくは、自分の仕事をほぼGoogleカレンダーで管理しています。打合せや講演の予定を入れるのはもちろんですが、その時間に作業することもそこに書いています。ただ、このときに自分がやることを必ず文章で残します。</p>

<p>たとえば、「○月○日10時　A社のデータ」ではなく、「○月○日10時　A社のデータを確認して、プレゼン資料に反映させる」と文章で書き入れます。こうすることで自分が何を考え、何をしなければいけないかが明確になるんです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>漠然とした言葉は分解する</h2>

<p>あいまいな言葉が「あいまい」なのは、いろんな意味合いや解釈を含んでしまっているからです。なので、その言葉を明確にするためには、分解しなければいけません。たとえば、「商品のブランディングをしたいんです。何を勉強すればいいですか？」と聞かれたとします。あなただったら、この質問にどう答えますか？</p>

<p>自分が過去に読んだ本を紹介するかもしれないし、YouTubeなどの動画を勧めるかもしれません。もしくは、タスクをこなしながら現場で覚えていくことを推奨するかもしれませんね。どれも正解と思いたいですが、じつはどれも「不正解」の回答です。</p>

<p>というのは、「ブランディング」という言葉がいろんな要素を包括した概念だからです。</p>

<p>つまり、相手が何を目的にし、何を学びたいのか、そもそも「ブランディング」をどういう意味で使っているのか、いろんな可能性があります。そしてあなたはまだそれを特定していません。それがわからないのに「これをやったほうがいいよ」と勧めてしまうと、方向性を間違える可能性があります。</p>

<p>相手は高くても買ってもらえるようになることをイメージして「ブランディング」と言っているかもしれません。でもあなたは「口コミを発生させる方法」が書いてある本を勧めてしまうかもしれません。もしくは、ブランディング総論のような基礎から応用まですべて学べるものを紹介しちゃうかもしれませんね。</p>

<p>わからない言葉はだいたい「幅が広い言葉」です。いろんな要素を含んでいて、いろんな側面があります。そのときはまず分解し、小分けして「どの部分を指しているのか」を考えることが必要です。</p>

<p>仕事ができる人は、言葉を分解して考えています。言葉を明確に定義すると同時に、その中のどれを話題にしているのか、どれを指しているのかを分解して考えているのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木暮太一（一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「緊張するな」と念じるほど逆効果？ ホークスコーチが教える&quot;心理の罠&quot;の解き方  伴元裕（福岡ソフトバンクホークスメンタルパフォーマンスコーチ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13978</link>
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			<description><![CDATA[緊張を消そうとすればするほど心が乱れる......。そんな経験をしたことのある人も多いだろう。メンタルコントロールのプロが、本番に強い意識の向け方を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「集中力革命」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_busyBizman.jpg" width="1200" /></p>

<p>福岡ソフトバンクホークスのメンタルパフォーマンスコーチとして、チームの優勝・日本一に貢献した伴元裕氏。アスリートに限らず、誰しもが頭を悩ませる「緊張」とどう向き合うべきか。プロの目線で解説してもらった。</p>

<p>※本稿は、伴元裕著『集中力革命　ブレても力を発揮するメンタルの技術』（Gakken）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「考えないようにする」はうまくいかない</h2>

<p>大事な場面を前にして、頭の中でこんな言葉を繰り返した経験はないでしょうか。</p>

<p>「緊張するな」「不安になるな」「余計なことを考えるな」</p>

<p>スポーツでも仕事でもプレゼンでも、自分を整えようとして、こうした言葉を自分にかけるほど、胸の奥がざわつき、呼吸が浅くなり、かえって余裕がなくなっていく。そんな感覚を味わったことがある人は、決して少なくないはずです。</p>

<p>私たちはこれまで、「冷静に考えられればうまくいく」「不安を抑えられれば結果につながる」と教わってきました。その努力自体が間違っていたわけではありません。ところが、実際の心理学の分野では、以前からこんな逆説が知られています。</p>

<p>「考えないようにしよう」と思った時点で、私たちはすでに、そのことについて考えている――。</p>

<p>「今は緊張してはいけない」と意識した瞬間、頭の中にはまず「緊張」という言葉や感覚が浮かんでいます。「不安になるな」「ネガティブなことは考えるな」と自分に言い聞かせるほど、私たちは無意識のうちに、不安やネガティブな考えを何度も確認することになるのです。結果として、それらはかえって存在感を強めていきます。</p>

<p>これは、スポーツの場面でもよく起こります。たとえばゴルフで、右側に池があるホールに立ったときのことを想像してみてください。池が視界に入った瞬間、「あそこだけは避けたい」「池には入れないようにしよう」と頭の中で言い聞かせます。</p>

<p>すると、意識の中では、避けたいはずの池のイメージを、知らないうちに何度もなぞることになります。その結果として、実際には池に入る確率が高まっていく。そんな経験に、心当たりがある人もいるかもしれません。</p>

<p>この性質を、春季キャンプの中でホークスの選手たちにも体験してもらったことがあります。まず、ある写真を見せました。黄色いジープが写っています。形も色もはっきりした、少し目を引く車を、数秒間しっかり見てもらいました。そのあと、こう伝えます。</p>

<p>「これから1分間、黄色いジープのことを一切考えないでください」</p>

<p>1分が経過したあとに聞いてみると、試してもらった60人ほどの選手の中で、本当に一度も思い出さなかったと言えたのは、数名だけでした。多くの選手が、「ダメだと思った瞬間に浮かんできた」「消そうとしたら、逆に頭に残った」と口を揃えていました。これまで、黄色いジープのことなど、特別に考えたことがなかったにもかかわらずです。</p>

<p>ゴルフの池の例も、黄色いジープの実験も、起きていることは同じです。考えないようにしよう、避けようとしようとした対象に、注意が強く向いてしまう。その結果として、頭の中では何度もそのイメージが再生され、現実の行動にも影響を及ぼしてしまう。これは、意志が弱いからでも、メンタルが弱いからでもありません。人の心に備わっている、ごく自然な反応です。</p>

<p>これまで見てきたように、感情は出来事そのものから直接生まれているわけではありません。出来事と感情の間には、注意や捉え方といった段階があります。「考えないようにする」というアプローチは、その対象にかえって強く注意を向けてしまいます。だからこそ、良かれと思ってやっていることが、うまくいかない場面が生まれてしまうのです。</p>

<p>では、どうすればいいのでしょうか。考えないようにするのではなく、無理に前向きに捉え直すのでもありません。大事な場面で力を発揮するためには、これまでとは少し違う視点が必要になります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大切なのは「注意がどこに向いているか」</h2>

<p>これまで見てきたように、「考えないようにしよう」とするほど、かえってその対象が頭から離れなくなる、という逆説があります。</p>

<p>緊張するな、余計なことを考えるなと自分に言い聞かせた瞬間、私たちはすでに、その対象を意識の中心に置いてしまっている。これは人の注意が持っている、ごく自然な性質です。</p>

<p>また、スポーツの現場では、こんな声かけもよく交わされます。</p>

<p>「自信を持っていけ」「ミスを気にするな」「楽しめ」</p>

<p>これらの言葉が、選手を楽にすることも確かにあります。しかし同時に、こうした言葉が、思いがけず別の反応を引き起こす場面もあります。</p>

<p>自信を持とうとした瞬間に、ふと「今の自分は本当に自信を持てているだろうか」と浮かんでしまう。あるいは、楽しもうとしたはずなのに、「楽しめていない自分」に気づいてしまう。そんな経験に、心当たりがある人もいるかもしれません。</p>

<p>どちらの例でも起きているのは、捉え方をコントロールしようとしたときに、かえって考えたくなかった思考が浮かんでくるという現象です。</p>

<p>考えないようにしようとすると、そのことを考えてしまう。自信を持とうとすると、本当に持てているかを意識してしまう。良かれと思って行っているはずの試みが、意図とは別の方向へ注意を動かしてしまう。ここでは、まずその構造がある、という点を押さえておきましょう。</p>

<p>不安や緊張そのものが悪いわけではありません。それらは、本気で取り組んでいるときに、自然に起こる反応です。大切なのは、その中身をどうにかしようとすることよりも、そのとき注意がどこに向いているかです。</p>

<p>私たちの内側では、出来事があり、そこに注意が向き、その先で捉え方が生まれ、感情が立ち上がり、行動へとつながっていく流れがあります。</p>

<p>「考えないようにする」「整えようとする」という試みは、この流れの途中で、注意の向きに影響を及ぼしやすくします。その結果として、注意が当初とは違うところへ向いてしまうことがあるのです。</p>

<p>このように、注意は私たちが思っている以上に揺れ動きます。良かれと思って行ったことが、意図とは別の方向へ注意を動かしてしまうこともあります。不安や緊張、浮かんでくる思考そのものが問題なのではありません。大切なのは、「今自分の注意がどこに向いているのか」という点なのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 13 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[伴元裕（福岡ソフトバンクホークスメンタルパフォーマンスコーチ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>10代で「早朝5時のジム」に通い詰めた結果 成功者と出会い、人生を変えるコミュニティの見つけ方  嶋村吉洋（実業家・投資家・映画プロデューサー）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13937</link>
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			<description><![CDATA[新刊『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』を上梓した、実業家の嶋村吉洋氏。かつては、フィットネスクラブに通い詰め、コミュニティに参加した経験もあるという。当時の記憶を回想してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「億万長者のコミュニティ資本論」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_yoga.jpg" width="1200" /></p>

<p>これまでいくつものコミュニティに属してきた嶋村吉洋氏。はじめてのコミュニティづくりは、どのような経緯で行われたのか。氏の著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』（プレジデント社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、嶋村吉洋著『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』（プレジデント社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>まずは世にあるコミュニティに参加してみることから</h2>

<p>第1章と第2章で、コミュニティとは何か、そしてなぜ今後ますます重要になるのかについて、ある程度ご理解いただけたのではないかと思います。</p>

<p>次の課題は、「どのようにコミュニティに参加し、また、どのようにして自分を中心としたコミュニティをつくっていくか」という点です。</p>

<p>これを説明するには、私自身の経験をお話しするのが一番わかりやすいかもしれません。私は子どもの頃からコミュニティづくりを意識していました。そのせいか、就職や学校教育にまったく興味がありませんでした。</p>

<p>その代わりに学校では教えてくれないビジネスや経済については、できるだけ早く学びたいと考えていました。そして、自分の考えに賛同してくれる仲間と一緒に、何か事業を始めてみたいという気持ちが強かったのです。</p>

<p>もちろんオフィスなどはなく、集まる場所といえば、ファミレスくらいしかありませんでした。</p>

<p>そこで、私が本で読んだことを話したり、仕事で成功している人を呼んで話を聞いたりして、勉強会を開くことからコミュニティを始めました。</p>

<p>当時は今のようにネットやSNSで簡単に集客できる時代ではありませんでした。告知はほとんど口コミに頼るしかなく、集まるのは昔からの遊び仲間が中心です。</p>

<p>そうなると、付き合いも長く、お互いのこともよく知っていますから、コミュニティの発展には都合がよいように思えます。</p>

<p>しかし、実際にはそうした昔馴染みの人がビジネスに興味を持つとは限りません。私の話を何度聞いても、特に刺激を受けることもなく、遊び仲間としては最高でも、理念を共有するには距離があると感じました。これは、パートナーや家族、親友であっても、必ずしも自分の理念に共感してくれるとは限らないのと同じです。ビジネスの現場でも、よくある話ではないでしょうか。</p>

<p>そこで私が考えたのは、自分から積極的に外に出て新しい人と出会ったり、他のコミュニティに参加して人に会ったりすることでした。</p>

<p>運が良ければ、自分の考え方に賛同してくれる人と手を組めますし、そうでなくてもコミュニティ運営のノウハウを学ぶことができます。</p>

<p>もちろん、他のコミュニティに参加するよりも自分でつくったほうが全体を把握しやすく、勉強になる面が多いと思います。</p>

<p>ただ、知識がないまま始めても限界がありますし、1人で集められる人の数にはどうしても限界があります。ですから、自分のコミュニティをつくりたいと考えるなら、まずは多くのコミュニティに参加してみるのが一番手っ取り早い方法かもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フィットネスクラブで人脈を探す！</h2>

<p>私が勉強や人脈づくりのために参加したコミュニティの多くは、異業種交流会や勉強会でした。ただし、それだけではありません。</p>

<p>今でもよく覚えているのは、フィットネスクラブでの経験です。10代のときの話ですが、早朝から営業しているフィットネスクラブの会員になり、運動の合間に更衣室で他の会員に積極的に声をかけていました。</p>

<p>「おはようございます」<br />
「私、商売で成功したいと思っています」<br />
「もしよろしければ、仕事について教えていただけませんか？」<br />
こんな感じです。</p>

<p>なぜそんなことをしたかというと、「早朝のフィットネスクラブには、成功している経営者が多く通っている」という話を聞いたからです。たしかに、健康の大切さを理解している経営者は多いですが、夕方や夜は忙しくて時間が取れません。だから運動するなら朝早くになるのだと思います。</p>

<p>実際、朝5時や6時に声をかけてみると、夜に行われる異業種交流会や勉強会では出会えないような、成功した経営者と知り合うことができました。</p>

<p>私は当時まだ10代でしたので、珍しがられて可愛がってもらえたのだと思います。その場で「頑張っているね」とアドバイスをくれる人もいれば、「事務所に来てみなよ」と誘ってくれる人もいました。</p>

<p>いざ事務所に行ってみると、中には少し怪しげなビジネスをしている人もいましたが、ほとんどの経営者が素晴らしい人たちでした。</p>

<p>私がすでにビジネスを始めていることを知ると、知り合いを紹介してくれる人もいました。若い頃に成功した人から聞いた話は、今でも自分の中で大きな財産になっています。</p>

<p>たとえば、<br />
・どんなきっかけで今の仕事を始めたのか<br />
・成功してどうなったか<br />
・成功の要因は何だと思うか<br />
・若い自分にアドバイスするとしたら、何を伝えるか</p>

<p>こうしたことを多くの人から聞くだけでも、自分の成長に大きく役立ちました。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_yoga.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 12 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[嶋村吉洋（実業家・投資家・映画プロデューサー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>多様性を収益に変える多彩チームの運用術 イノベーションとリスク分散を両立する具体策  堀田創（AI×認知科学研究者）、水野貴明（Nexus Frontier Tech共同創業者兼CTO）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13895</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013895</guid>
			<description><![CDATA[価値観や国籍の異なるメンバーが多く在籍する「多彩チーム」によって、ビジネスにどのようなイノベーションが起こせるのだろうか。ビジネス立ち上げ・チームマネジメントに定評のある両氏に解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「まとまらないチームのまとめ方」" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting04LIG.jpg" width="1200" /></p>

<p>異なる背景を持つメンバーが集まる「多彩チーム」。それによって得られるメリットについて、１つ１つ詳細に解説。堀田創、水野貴明両氏の著書『まとまらないチームのまとめ方』（翔泳社）より紹介する。</p>

<p>※本稿は、堀田創、水野貴明著『まとまらないチームのまとめ方』（翔泳社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>イノベーションの確率が上がる</h2>

<p>AIは急速に発展し私たちのやりたいことを軽々とサポートしてくれるようになっています。と同時に、AIはあくまで使い手の想像力を超えられません。人間が「こんなものをつくりたい」「こういう世界を築きたい」という意志とビジョンがなければ、AIはただの道具にとどまってしまいます。</p>

<p>だからこそ、「チームでなにかをつくり上げる」ことの価値がさらに大きくなる時代になります。誰かひとりの想像力を超えてイノベーションを生むためには、多彩チームのメンバーがそれぞれ想像もしなかったアイデアをぶつけあうことが欠かせません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>包容力のあるプロダクトがつくれる</h2>

<p>多彩チームではプロダクトのアイデアに対して、さまざまな価値観で評価できるようになります。その結果、多様なペルソナの「当たり前」が議論の俎上に上がるようになります。</p>

<p>日本国内での開発プロジェクトにおいて、ウェブサイトに表示する文字の大きさを議論したときのことです。若手エンジニアの渡辺は大きなディスプレイにできるだけ小さな文字で情報を詰め込むスタイルで仕事をするので、文字はできる限り小さい方がよい、現在は文字が大きすぎるから使いづらいと主張しました。</p>

<p>筆者は文字はある程度大きい方が見やすいと思っていましたし、情報を詰め込んで表示するという使い方はまったく想定していなかったので、自分の視野の狭さに気づかされることとなりました。同じ日本人で同じエンジニア職であっても感じ方の違いはあるのですから、職種や文化・価値観が違えばなおのこと、さまざまな違いが出てくるはずです。</p>

<p>自分の思考の殻を打ち破り、他者への想像力を働かせられるようになり、結果として包容力のあるプロダクトをつくれるようになるのです。</p>

<p>また多彩チームでは同調圧力がかかりにくく、反証・反論が出やすい環境にもなるため、拙速な合意や安易な楽観視を抑制できることも期待できます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>優秀な人材を探しやすくなる</h2>

<p>多彩チームであれば、当然「外国人の採用」についてもハードルが低くなります。</p>

<p>たとえばソフトウェアエンジニアは、よい人材を確保するのが非常に難しいといわれてきました。しかし、日本国外に目を向ければ、より多くの人材を探すことができます。</p>

<p>実際、筆者はロシアや中央アジア、ネパールなどでソフトウェアエンジニアの採用活動を行い、多くの優れた人材を確保してきました。さらに、優秀な人材は多くの優秀な人材とつながっています。多彩チームのメンバーが新たな人材を連れてきてくれるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>コンテクストの言語化が資産となる</h2>

<p>単彩チームでは、メンバーそれぞれが比較的似たような価値観や能力をもっているため、コンテクストは自ずと共有されている状態になりやすい傾向にあります。しかし多彩チームでは、そう簡単ではありません。多彩チームにおけるリーダーの役割は、まさにコンテクストの合意・共有です。</p>

<p>多彩チームでコンテクストをあわせるには暗黙知を言語化せざるを得ず、その「合意されたコンテクスト」が手順・原則として文書化されて蓄積されていくことになります。その結果、オンボーディングや組織拡張の再現性が高まり、より安定したチーム運営を行えるようになります。</p>

<p>本書でも繰り返し述べていきますが、多彩チームでは暗黙の了解はチーム運営の大きな障害となるため、必然的に言語化が進んでいきます。そしてそのこと自身が、チームをさらに強くするための大きな資産となるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>24時間365日を最適化できる</h2>

<p>多彩チームの究極系は、日本に住む外国人をメンバーにするどころではなく、外国に住む日本人や外国人もメンバーとして迎え入れられる状態です。</p>

<p>パキスタン、日本、アメリカの3か国にいるメンバーで共同プロジェクトをやっていたときのことです。アメリカ西海岸とパキスタンでは12時間の時差があったため、リモート会議の時間をパキスタンは朝8時、日本は昼12時、アメリカは夜8時に設定しました。</p>

<p>たとえばコールセンターでは、世界中に拠点を置いて24時間対応を実現しているところがありますが、プロダクト開発においても、アメリカ西海岸でのタスクが終わったあとに、パキスタンで引き継ぐことでチームとして24時間稼働できる、といった効率化が図れます。</p>

<p>正月や祝日も国によって異なり、たとえば1月1日は休日でも1月2日から通常業務するところもあります。筆者はかつて正月気分に浸っていた1月2日に「今日の定例会議、はじまってるから早く来て」とパキスタンのメンバーから連絡があり、冷や汗をかきましたが、このことを逆手に取れば、祝祭日の違いを利用して効果的なタスク配分もできるでしょう。</p>

<p>また補足的なことですが、多様な国のメンバーからなるチームで働いていると、紛争や内戦、政変や災害の影響でメンバーと連絡が取りづらくなったりすることも起こりえます。</p>

<p>筆者もこれまで、ロシア、ミャンマー、エチオピアなどにいたチームと連絡が取りづらくなったり、送金が難しくなったりした経験があります。もちろん平和が一番なのはいうまでもありませんが、チームがさまざまな地域に分散していれば、プロジェクトが止まってしまうリスクを抑えることができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>雑多チームに注意しよう</h2>

<p>さてここで多彩チームにおいて、コンテクストの共有がうまく行えていない場合のことにもふれておきましょう。</p>

<p>コンテクストがそろっていないと、メンバーそれぞれが自分のもっている文化・価値観で判断して動いてしまい、チームとしてのまとまりがない状態となってしまいます。</p>

<p>もちろん明らかにメンバー間の衝突をしている場合もありますが、表面上なんとなく当たりさわりない会話をしながらも、相互にそれほど信頼していない、という場合もよく見かけます。こうした場合、多彩チームとしてのメリットを活かすことができません。</p>

<p>これはいわば雑多チームともよぶべき状況といえます（図）。雑多チームでは、リーダーや調整の得意な人が調整役を担い、メンバー間の齟齬を解消していくようなマネジメントが行われることになります。</p>

<p>しかしコンテクストの共有ができていないと、こうした調整にかけるコストがとても高くなってしまうのです。</p>

<p><img alt="「まとまらないチームのまとめ方」" height="1084" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603MatomaranaiTeam02.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting04G.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 12 Apr 2026 11:40:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田創（AI×認知科学研究者）、水野貴明（Nexus Frontier Tech共同創業者兼CTO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「お客様を大事に」って具体的にはどういうこと？　曖昧な指示を明確にする方法  木暮太一（一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13953</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013953</guid>
			<description><![CDATA[多くのビジネス書を執筆し、著者累計は195万部を誇る木暮太一氏。近年よく話題になる「言語化」と仕事の関係性を解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「仕事ができる人の頭のなか」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_speech2.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事ができる人の言葉の使い方には、どのような特徴があるのだろうか？言語化力を高めるためにはどうすればよいのだろうか？木暮太一氏の著書『仕事ができる人の頭のなか』（ダイヤモンド社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、木暮太一著『仕事ができる人の頭のなか』（ダイヤモンド社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>たしかに、仕事ができる人は「言語化」が得意そう</h2>

<p>拙著『すごい言語化』『リーダーの言語化』（ともにダイヤモンド社）はおかげさまでベストセラーとなり、より多くの方が「言語化」に注目してくださるきっかけとなりました。これまで言葉で表現してこなかったものを言葉にしよう、言葉で伝えなきゃいけない、という意識が強まっています。</p>

<p>そして、仕事ができる人は、言語化ができるイメージがあります。弁が立つし、表現も秀逸だし、例えたり表現したりするのがうまいです。それを見て「自分もあんな気の利いたことが言えたらなぁ」と羨ましく感じるかもしれません。</p>

<p>ですが、その感覚は忘れていただいたほうがいいです。というのは、弁が立っても、表現がうまくても、仕事ができる人にはならないからです。</p>

<p>仕事中に「うまいこと」を言う必要はありません。会議中にキャッチコピーを作る必要もほとんどありません。また、自分の感情を言葉にするにしても、それは感想文を書くためではありません。</p>

<p>言語化をする目的は、「相手の負荷を減らすため」です。</p>

<p>ぼくは、言語化を「明確化」と定義しています。言葉にすればいいわけではなく、うまい表現をすればいいわけでもありません。自分が考えていること、伝えたいことが明確にできていれば「言語化できた」、そうでなければ「まだ言語化できていない」です。</p>

<p>たとえば、「いい感じにやっておいて」という指示は言葉にはなっていますが内容がまったくわかりません。なので「まだ言語化されていない状態」です。言語化されていないので、「いい感じ」にするために何をすればいいかわかりませんし、成果物を「いい感じ」にすることもできません。</p>

<p>一方、「今回の資料は取引先企業に1回の提案で購入判断をしてもらうために作ります。大事なのは他社の成功事例だから、3社分の事例を入れて作ってください」と伝えれば、自分が思っている「いい感じ」を明確に示すことができます。</p>

<p>まず、ぼくらは自分たちが何を求め、何をしなければいけないかを明確に言葉にする必要があります。そしてさらに、仕事ができる人は自分の頭の中だけでなく、相手が考えていること・言いたいことを言<br />
語化しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>まず自分が使っている言葉に目を向ける</h2>

<p>相手の頭のなかを言語化するために、まずは自分が言葉を正確に使う習慣をつけなければいけません。正確に言葉を使うと言っても、辞書的な意味を正確に把握しておけということではありません。自分の意図が相手に正確に伝わる言葉を使わなければいけないということです。</p>

<p>たとえば、形容詞や副詞は不明確で人によって解釈が異なります。「多め・少なめ」「早く・遅く」などは人によって程度が違います。そのため、できるだけ数字で表現しようと言われますね。「早めの対処が必要」ではなく、「○月○日までに」と数字に置き換えたほうが明確になります。</p>

<p>あいまいなのは形容詞や副詞だけではありません。ぼくらが何気なく使っている日本語にもこのような言葉はたくさんあります。たとえば、「ご配慮ください」「顧客とすり合わせをしてください」とは、何を指しているでしょうか？</p>

<p>おそらく相手はこちらの意図を正確につかむことはできないでしょう。そして意図していることが伝わらなければ「伝えた」ことになりません。</p>

<p>また、あいまいな言葉を使っていると、じつは自分が何も捉えていないことに気づけなくなってしまいます。「社会貢献」「相手の立場に立つ」という言葉がよく使われています。</p>

<p>でも、「社会貢献をする」をよくよく考えてみると、何をすることを指しているのかわかりません。さらに「相手の立場に立って顧客とすり合わせて社会貢献しよう」など、あいまいな言葉が連続すると、もはや何もわからなくなります。</p>

<p>しかし、これらの言葉は特に違和感なく多用されています。何も具体的な内容を指さない言葉ですが、自分でもそれに気づかないことがほとんどです。気づけないのは「言葉を正確に使っていないから」です。同時に、自分が使う言葉を自分で理解しないまま会話をしていると、相手が発したあいまいな言葉にも気づけなくなります。</p>

<p>「慎重に状況を見極めて、適切に対処いたします」<br />
「課題を深掘りして、来期の計画に落とし込みます」</p>

<p>というフレーズでさえも「了解しました」と返事をしてしまうようになります。これらの文章は何も内容がありません。でも、それに気づけなくなってしまうのです。気づけないから質問も確認もできません。そしてあとから、「あれ......、誰が何をすればいいんだろう......？」となってしまうのです。</p>

<p>この状態を避けるために、まずは自分がどういう意味でその言葉を使っているのか、自分で明確に捉えておかなければいけません。そして、しっかり自分の意図を把握したうえで、それが伝わる言葉を選ぶ必要があるわけです。</p>

<p>「お客様を大事にしよう」と言うときは、あなたは何を指しているのか？<br />
「組織風土を変えなければいけない」は、あなたは何を指し、何を伝えたいのか？</p>

<p>それを意識して考えるようにしましょう。とはいえ、最初は難しいです。ぼくらは漠然とした言葉を使うことに慣れてしまっているので、改めて「それってどういう意味？」と聞かれるとすぐに答えられません。</p>

<p>自分が指している内容を自分で理解するためには、まず「たとえば」で具体例を話すことをお勧めします。抽象的な言葉はどうしても漠然としてしまうので、「お客様を大事にしよう」ではなく、「たとえば、こういう状況では、お客様にこのように声掛けをしよう」などと伝えます。そうすることで、自分が考えていることが相手に伝わりやすくなります。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_speech2.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 11 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木暮太一（一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「先生に読んでほしかった」トップジョッキー戸﨑圭太が亡き恩師へ捧げる初の著書  戸﨑圭太（JRAジョッキー・YouTuber）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14098</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014098</guid>
			<description><![CDATA[現役のトップジョッキーでありながら、YouTubeなどの活動にも注力している戸﨑圭太氏。初の著書制作の裏話を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="戸﨑圭太「やり抜く力」サイン会" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/202604Tosaki001.jpg" width="1200" /></p>

<p>現役のトップジョッキーでありながら、YouTubeなどの活動にも注力している戸﨑圭太氏。著書『やり抜く力　天才じゃなくてもトップになれた「ベリベリ」シンプルな理由』発売記念イベントでのインタビュー内容を紹介する。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>初著書の裏で改めて気づいた感謝の気持ち</h2>

<p>ーー初著書『やり抜く力　天才じゃなくてもトップになれた「ベリベリ」シンプルな理由』が発売されて1週間がたちました。</p>

<p>【戸﨑】僕自身が本を出せるなんて思ってもいなかったことなので、とても嬉しく思っています。この本は僕の人生にとって本当に大切な宝物になったと思っています。</p>

<p>ーーこの人にぜひ読んでほしい、という方はいらっしゃいますか？また、誰にプレゼントする予定とか、すでにその方から感想が届いていましたら、ぜひ教えてください。</p>

<p>【戸﨑】大井競馬在籍時代に、僕を主戦騎手として起用してくれた川島先生（正行調教師・2014年に死去）には読んでもらいたかったなーーというのはすごく思っています。</p>

<p>初めて交流重賞を制覇したパートナーであり、僕の騎手人生において思い出深い1頭であるフリオーソも川島先生の管理馬でしたし、本当に多くのことを学ばせてくれた先生です。</p>

<p>あとは、大井や南関東で一緒に乗っていた後輩ジョッキーには強制的に買ってもらって(笑)、読んでほしいなと思っています。&nbsp;</p>

<p>ーー書籍の中で、戸﨑さんが一番気に入っているページはありますか？</p>

<p>【戸﨑】一番気に入っているところは、章と章の間に挿入されている、石崎隆之さん（元騎手）と福永祐一さん（元騎手・調教師）へのインタビューです。</p>

<p>石崎さんは大井時代、福永さんは中央に移籍してからお世話になった先輩で、そんなお二人から改めて僕のことを語っていただけたことは、身に沁みました。</p>

<p>ーー読者に対して、特にここを読んでほしいというページはありますか？</p>

<p>【戸﨑】僕のありのままがこの本のいたるところに詰まっているので、特にここを、というよりは全部を読んでいただけたら。</p>

<p>ーーご著書を出されるということ自体が初めてのご経験とのことですが、その中で最も苦労した点はどこでしょうか？</p>

<p>【戸﨑】本の中では、僕の幼少期から大井時代、中央に移籍して現在にいたるまで振り返っています。ですので昔のことを思い出しながらの制作過程だったのですが、細かな年や物事の順番を結構忘れてしまっていることに気づいて...。それらを思い出したり調べなおしたりするのは少し苦労しました。</p>

<p>ーー昨年のドバイシーマクラシック制覇から丸1年が経過しました。今回の書籍発売のほか、YouTubeチャンネル開設や各種メディアへの出演など、戸﨑さんにとってまさに転機となった1年だったと思います。心境や考え方の変化はありましたか？</p>

<p>【戸﨑】2025年は、本当にいろいろな挑戦をさせていただきました。 それらはどれも僕一人ではできないことで、これだけ多くの人が自分を支えてくれているんだと改めて感じた1年でしたね。また、SNSやYouTubeを始めたことでファンとの距離が近くなったと思います。</p>

<p>そういった方々に対して、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/202604Tosaki001.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 11 Apr 2026 06:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[戸﨑圭太（JRAジョッキー・YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>モネが描いた『ルーアン大聖堂』は、なぜ非現実的な色彩をしているのか?  末永幸歩（美術教師／アーティスト ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11714</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011714</guid>
			<description><![CDATA[美術教師でアーティストの末永幸歩さんが『ルーアン大聖堂』について解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ルーアン大聖堂" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_art.jpg" width="1200" /></p>

<p>美術教師の末永幸歩です。このコラムでは、アート作品に向き合ったり、小さな子どもがみつめる世界に想いを馳せてみることで、物事を異なる角度からみつめ直し、自分だけの答えをつくる「アート思考」をしてゆきます。本稿ではクロード・モネの作品『ルーアン大聖堂』についてご紹介します。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年8月号連載「ビジネスパーソンのためのアート思考トレーニング」より、内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>なぜこの作品は非現実的な色彩をしているのか</h2>

<p>蜃気楼にぼんやりと浮かぶかのような形、燃える炎のような色彩......。この作品には、想像上の世界や作者の感情が描き出されているのでしょうか?</p>

<p>そんな予想に反し、これはフランスのノルマンディー地方に実存する建築物がストレートに写生された作品です。題名も建築物の名称そのままに『ルーアン大聖堂』といいます。</p>

<p>作者であるクロード・モネは、この作品を制作した当時、この建物がよく見える真向かいのビルにアトリエを構えており、窓辺から見える実際の風景を目に映る通りに描きました。</p>

<p>とはいえ、実物の聖堂の色は、決して真っ赤ではありません。ヨーロッパの一般的な古い建築物と同様、グレーがかった色をしています。なぜ、実際の建物を見たままに描いたにもかかわらず、現実とはかけ離れたかのような色彩になってしまったのでしょうか。</p>

<p>意外と実感されていないことですが、質量や体積を伴った「色」という物質はこの世に存在しません。色は「存在するもの」ではなく、物体に光があたり反射した波長を視覚で受け止めることで、その人の脳内に「感じられるもの」です。</p>

<p>つまり、実物の大聖堂は「グレー」という固有の色を有しているわけではなく、移り変わる外光によって、見る人に一瞬ごとに異なる色味を感じさせるものであるはずです。</p>

<p>そこで、モネは「この建物は常にグレーだ」という思い込みを捨て去り、その瞬間の光の下で、自分の目に映る色をありのままに捉えました。それによって、従来の絵画以上に目に映る世界を正確に描き出そうとしたのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢毎日新しいものを発見しているのです」</h2>

<p>一般的に「ありのままに対象を捉える」というとき、それは思い込みによって見失っていた対象の本当の姿をつかむことを意味します。しかし、モネがしていたのはそれとは異なる試みでした。</p>

<p>彼は、一連の作品の制作中に人に宛てた手紙に次のように綴っています。</p>

<p>「（制作が）まったく順調には進んでいません。なぜなら、毎日、前日には見たことのないものを発見しているからです」</p>

<p>実は、『ルーアン大聖堂』と題されたモネの作品は1つではなく、なんと33作品も存在します。モネは同じ建物を、約2年間にわたって描き続けました。</p>

<p>しかし、33枚のうち1枚として同じ色で描かれた作品はありません。</p>

<p>モネにとって「ありのままに対象を捉える」ということは、対象に一瞬ごとに新しい視線を注ぎ続けることであり、それによって対象の見え方を多重に増やしていくことだったのです。それは、対象の正体を明らかにするどころか、目を向けるたびに、対象の存在を不明瞭にしていくことでもあるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>立ちすくむ子どもの姿から 見えてきたこと</h2>

<p>もうすぐ4歳になる娘は、この春から幼稚園に通い始めました。 朝、幼稚園に到着した子どもたちはすぐに園庭で遊び始めます。</p>

<p>しかし、娘は元気のない様子で入り口付近に立ちすくんだまま。「おいで、遊ぼう!」と先生に声をかけられても動こうとせず、一歩踏み出すまでにかなりの時間がかかってしまいます。 毎日こんな調子では困りものですので、どうにかして早く慣れさせなければと私は思い悩んでいました。</p>

<p>しかし、クロード・モネの「ありのままに見る」ことへの探究について思いを巡らせたとき、悩みの種であった娘の姿が違ったふうに感じられてきました。</p>

<p>目の前の状況に真正面から向き合い、自分の胸のざわめきを全身で感じ取っている瞬間......。それは、目の前の対象や自分自身の心に目を向け、ありのままに捉えている、まさにその瞬間なのかもしれないと思ったのです。</p>

<p>逆に考えると、私はいつの間にかあらゆる物事に対し、既存の知識や経験を当てはめ、その瞬間に実際に目の前で起こっている状況に視線を注いだり、自分の心の微妙な揺らぎを感じ取ったりすることが疎かになっていたような気がします。</p>

<p>戸惑い立ちすくむ姿こそ、娘がありのままに対象を捉えていることの現れなのだと考えれば、必ずしもその時間を短くしようと促したり、早く慣れさせようとする必要はないのかもしれません。</p>

<p>言うまでもなく、何もかもをありのままに捉えようとするのは現実的ではありません。 しかし、型にはまったものの見方で物事が単純明快になればなるほど、日常は平坦で味気ないものになってゆきます。</p>

<p>アーティストや子どもが対面している世界は、なんと拠り所がなく不確かで、しかし飽きさせることを知らないものなのだろうかと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【末永幸歩（すえなが・ゆきほ）】<br />
美術教師／アーティスト。武蔵野美術大学造形学部卒業、東京学芸大学大学院教育学研究科（美術教育）修了。アートを通して「ものの見方を広げる」ことに力点を置いたユニークな授業を、都内の中学校や高等学校で展開してきた。子どもの創造性を育むワークショップ、大人向けアート思考セミナーなど、アートに関する活動を年間100回以上行なう。プライベートでは4歳児の子育て中。著書に22万部突破のベストセラーとなった『13歳からのアート思考』（ダイヤモンド社）がある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_art.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[末永幸歩（美術教師／アーティスト ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>阿吽の呼吸が招く組織の硬直化 似た者同士が集まるチームに潜む見えないリスク  堀田創（AI×認知科学研究者）、水野貴明（Nexus Frontier Tech共同創業者兼CTO）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13882</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013882</guid>
			<description><![CDATA[価値観や国籍の異なるメンバーが多く在籍する「多彩チーム」には、どのようなメリットがあるのだろうか？ビジネス立ち上げ・チームマネジメントに定評のある両氏に解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「まとまらないチームのまとめ方」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" width="1200" /></p>

<p>メンバーの世代や職種、国籍などが異なるチームでは、その違い故のすれ違いやトラブルが起こりかねない。しかし、うまく運用することができれば、多くのメリットを享受できる。堀田創、水野貴明両氏の著書『まとまらないチームのまとめ方』（翔泳社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、堀田創、水野貴明著『まとまらないチームのまとめ方』（翔泳社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>違いを活かす「多彩チーム」という選択肢</h2>

<p>「自分の常識が相手には通じない」という現象は、なにも海外に限った話ではありません。</p>

<p>同じ日本人同士であっても、世代や職種、価値観などの違いから、思わぬすれ違いや誤解が生じることは日常的にあります。</p>

<p>「察する文化」で働いているときでさえ、相手の意図を読み違えて戸惑うことがあるのです。</p>

<p>それが文化や個性・価値観、世代が異なればなおさらです。ですから、日々の仕事の中で、当然こうするはずだ、という前提がまったく通じず、些細な誤解が大きな火種になってしまう場面は枚挙にいとまがありません。</p>

<p>世界中から才能ある人材を集めてプロジェクトを進めているはずなのに、誤解と衝突の連鎖でチームがストレスを抱え、期待していた成果が一向に出ないという状況は、現実に頻繁に起こりますし、それを目にしたことのある方も多いのではないかと思います。</p>

<p>しかし、それでも筆者は、そういった文化や個性・価値観が異なるメンバーで集まり、それでもちゃんとまとまったチームこそ、想像もつかないアイデアが生まれ、予想外の成果を手にすることができると痛感しています。</p>

<p>さて、ここで世の中のチームを単彩チームと多彩チームというふたつのタイプに分けて考えてみたいと思います（図）。</p>

<p>ひとつは、メンバーそれぞれが比較的似たような価値観や能力を獲得している状態、色でたとえるなら単色のチームです。本書では単彩チームとよびます。そのような人材を選別し採用して構成する場合もあれば、トップダウン的に上司から部下へ価値観を伝達して統率する場合があります。</p>

<p>オペレーションを正確に実行する必要のあるようなチームであったり、数の組織力で勝負するような営業チームであったりする場合には、単彩チームがうまく機能することが多くあります。</p>

<p>もうひとつは、文化や価値観、職能、世代などいろいろなタイプのメンバーが、それぞれの個性や強みを活かしつつも、同じ方向を見ている状態、色でたとえるなら多色のチームです。本書では多彩チームとよびます。</p>

<p>この「同じ方向」のことをコンテクスト（文脈）といいます。コンテクストがチーム内で合意され共有されているからこそ、一般的にはリーダーが担うことになる「調整役」がそれほど介在することなく自律した問題解決や合意形成ができる底力があります。</p>

<p><img alt="「まとまらないチームのまとめ方」" height="986" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603MatomaranaiTeam01.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>多彩チームの5つのメリット</h2>

<p>筆者は、多彩チームにならざるをえない環境でプロダクト開発やAIプロジェクトを続けたことで、日本国内にとどまっていては得られなかったチャンスや気づきを手にしました。</p>

<p>グローバル競争がますます激化していく時代、AI技術の急速な進化やリモートワークの普及とともに、年齢、性別、職種、所属している（していた）会社、そして文化や個性・価値観がさまざまなメンバーからなるプロジェクトが当たり前になるいまこそ、多彩チームがもつポテンシャルを最大限に引き出すことは企業の生き残りに直結する、といっても過言ではありません。</p>

<p>次回は、多彩チームのメリットとして次の5つを紹介しましょう。<br />
・イノベーションの確率が上がる<br />
・包容力のあるプロダクトがつくれる<br />
・優秀な人材を探しやすくなる<br />
・コンテクストの言語化が資産となる<br />
・24時間365日を最適化できる</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田創（AI×認知科学研究者）、水野貴明（Nexus Frontier Tech共同創業者兼CTO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜピカソはキュビズムを生んだ？ クレイジーとみなされた「ものの見方」  末永幸歩（美術教師／アーティスト ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11713</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011713</guid>
			<description><![CDATA[パブロ・ピカソがキュビズムで表現したかったこととは? 美術教師でアーティストの末永幸歩さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="バイオリンとギター" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_brush.jpg" width="1200" /></p>

<p>美術教師の末永幸歩です。このコラムでは、アート作品に向き合ったり、小さな子どもがみつめる世界に想いを馳せてみることで、物事を異なる角度からみつめ直し、自分だけの答えをつくる「アート思考」をしてゆきます。本稿ではパブロ・ピカソの作品『バイオリンとギター』についてご紹介します。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年6月号連載「ビジネスパーソンのためのアート思考トレーニング」より、内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>クレイジーと呼ばれた人</h2>

<p>Apple Computer（現・Apple）が1997年に打ち出した「Think different.」という広告映像があります。あえて日本語訳するなら「異なる視点で考える」といったところですが、そこには一企業の宣伝とは言い切れないメッセージ性があるように感じられます。</p>

<p>その映像は、次のナレーションから始まります。</p>

<p>「クレイジーな人たちがいる。反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。四角い穴に丸い杭を打ち込むように、物事をまるで違う目で見る人たち。彼らは規則を嫌う。現状を肯定しない」</p>

<p>ナレーションとともに、20世紀に活躍した人物が次々に映し出されていきます。アルベルト・アインシュタイン、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、ジョン・レノン、トーマス・エジソン、モハメド・アリ......。その映像の最後に映し出されるのが、パブロ・ピカソです。</p>

<p>パブロ・ピカソは、人物の目や鼻の向きをチグハグに描いたり、『バイオリンとギター』という作品のように、静物をまるで積み木のようにカクカクと描いたりする、「キュビズム」と呼ばれる表現を生み出したことでよく知られています。</p>

<p>非現実的な作品からは想像できませんが、ピカソはキュビズム表現を生み出す過程で「リアリティーのある表現」を追求していました。</p>

<p>その結果、「1地点から見える光景を描く」という従来の絵画の考え方から離れ、「様々な角度から捉えた複数の光景を1つの画面に再構成する」というまったく新しい表現に至ったのです。</p>

<p>しかし、キュビズム絵画に対する当初の評価は惨憺たるものでした。ピカソはパリを中心に活動していましたが、それまで彼の作品を高く評価していたコレクターですら、「フランス美術にとって何たる損失だ」と言って落胆したといいます。</p>

<p>ピカソ独自の「ものの見方」は、創造性が賛美されるはずのアートの世界ですらも「クレイジー」とみなされてしまったのです。</p>

<p>わずか13歳から美術学校に通い、写実絵画の腕前を発揮したピカソであれば、既存の絵画技法をさらに極めたり、その延長線上の表現をしたりすることで周囲から称賛される絵を描くこともできたはずです。</p>

<p>それでも、他の人とは異なる「自分のものの見方」に蓋をしておくことができない──アトリエで一人、新たな表現を模索するピカソの姿が目に浮かびます。</p>

<p>その後、キュビズムは絵画表現の新たな地平を切り拓き、20世紀以降のアートに多大な影響を与えることとなりました。</p>

<p>「Think different.」の最後は次の言葉で締めくくられます。</p>

<p>「彼らはクレージーだと言われるが、私たちは天才だと思う。自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えているのだから」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>グチャグチャと塗っていると思っていたが実は...</h2>

<p>話は転じますが、3歳の娘が描く絵は、私の目には「変わったもの」として映ることがあります。</p>

<p>気持ちの良いお天気の日、絵の具セットを携えて娘と公園に行ったことがあります。私が草花の絵を描くことにした傍らで、娘は赤い絵具を筆につけると、何を描くでもなくただグチャグチャと塗り始めました。</p>

<p>1歳児ならまだしも「もう少しまともなものを描いたら......?」と私は内心思ってしまいました。</p>

<p>しかししばらくして、娘が絵の具を塗りながら何か呟いているのに気がつきました。耳を傾けると、「お掃除、お掃除」と言っているのが聞こえます。</p>

<p>私は「なるほど!」と合点しました。娘にとって、絵筆は「モップ」、絵の具は「洗剤」、画用紙は「床」であり、モップを洗剤液に浸して、床を隅々まで掃除していたのです。</p>

<p>画用紙に筆と絵の具で「絵を描こう」としていた私と、白い床をモップと洗剤で「掃除しよう」としていた娘とは、絵に対する「ものの見方」がまったく異なっており、その結果として、私と娘の描くものがまるで違うのだと気づきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>多様な「ものの見方」を心に携えることの意味</h2>

<p>アーティストたちは、自分なりの「ものの見方」を信じ、新たな表現を生み出しています。</p>

<p>他方、子どもたちは、ごく自然に大人の常識とは異なる「ものの見方」で世界を捉え、独自の表現をすることがあります。</p>

<p>アーティストや子どもから教わることは、「ものの見方」を変えるとまったく別の世界が広がり、それまで当たり前だと思っていたのとは異なる答えの可能性があるということです。言い換えれば、多様な「ものの見方」を心に携えることによって、1つの物事に対しより多くの答えを見出すことができるのではないでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【末永幸歩（すえなが・ゆきほ）】<br />
美術教師／アーティスト。武蔵野美術大学造形学部卒業、東京学芸大学大学院教育学研究科（美術教育）修了。アートを通して「ものの見方を広げる」ことに力点を置いたユニークな授業を、都内の中学校や高等学校で展開してきた。子どもの創造性を育むワークショップ、大人向けアート思考セミナーなど、アートに関する活動を年間100回以上行なう。プライベートでは4歳児の子育て中。著書に22万部突破のベストセラーとなった『13歳からのアート思考』（ダイヤモンド社）がある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_brush.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 09 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[末永幸歩（美術教師／アーティスト ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>AIにちょっと頼めばアプリ完成？ バイブコーディングが日本のホワイトカラーを救う理由  鈴木貴博（経済評論家、経営戦略コンサルタント）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14046</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014046</guid>
			<description><![CDATA[業務上の細かな問題点や改善点。それらの解決を生成AIが本格的に担う日が近いかもしれない。その詳細について語ってもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="鈴木貴博「THE21」" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_technolosy5gG.jpg" width="1200" /></p>

<p>本連載では、未来予測の専門家（フューチャリスト）である鈴木貴博氏に、5回にわたってこれから起こりうる未来について、様々な切り口から読み解いてもらう。今回は、業務レベルでAIがもたらすと予想される革新について解説する。</p>

<p>※本稿は、全5回の短期集中連載「2040年の経済学」の第3回です。<br />
『THE21』2026年5月号の内容を一部抜粋・再編集してお届けします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「Claude Cowork」がもたらした騒動</h2>

<p>2026年年初のアンソロピックショックで、ソフトウェア会社の株価が3割も下落する事態が起きました。アンソロピック社は、AIでOpenAIと肩を並べる勢いのある会社です。そのアンソロピックが、生成AIに法律や会計などの専門知識を組み込んだと発表したのです。</p>

<p>この結果、アンソロピックのAIツールは、営業、マーケティング、データ分析などの業務や、そのバックオフィスで必要な契約書のチェック、見積もり、請求書の発行なども自動的にこなせる能力を持つことになりました。</p>

<p>「つまり、高価な業務ソフトウェアに頼らずに、AIが代わりにやってくれるようになるということだよね」と多くの人が気づくことになりました。そして、「だとしたら、セールスフォースとかサービスナウといった企業活動のバックオフィスを担当するSaaS（Software as a Service）がいらなくなるんじゃないの？」</p>

<p>「富士通やIBMに頼らなくても、数年後にはAIがシステム開発してくれるようになるよね」という疑念が湧いて、ソフトウェアを提供する企業の株価が急落したのです。</p>

<p>この騒動、株式市場の動揺という視点では、いったん落ち着いています。先に結論をお伝えすると、それは正しい落ち着き方だと思われます。</p>

<p>その前提で、長期的に見て何がAI脅威論の本質なのか？</p>

<p>それでも最終的に「SaaSの死」はなぜ起きないのか？という問いについて考えていきたいと思います。</p>

<p>さて、アンソロピックショック後、わずか1カ月で私の周囲で起きたことからお話しします。</p>

<p>何人かの知人が、アンソロピックのClaude CoworkというAIを使い始めて、「はまった！」と騒ぎ始めています。</p>

<p>ある友人の場合、もともと個人会社を運営しているのですが、Claude Coworkをいじっているうちにどんどん自分専用の業務アプリで仕事を効率化してしまいました。</p>

<p>別の友人の場合は、やはり個人営業のコンサルタントなのですが、営業アシスタント、調査・資料作成スタッフ、財務担当スタッフのそれぞれの役割をこなすAIエージェントをClaude Coworkで作った、と主張しています。</p>

<p>これはバイブコーディングというアプリ開発手法です。AIに対話形式で「こんな感じのプログラムを作ってほしい」と伝えるだけで、AIがほとんどのコードを書いてくれるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>業務アプリのサービスを生成AIが次々と代行？</h2>

<p>バイブ（Vibe）とは、音楽シーンの用語で「ノリ」とか「フィーリング」を意味する言葉です。ノリでプログラムを書いてもらうので、最初はだいたい不具合があるのですが、何度か対話で書き直させていくうちに、数十分から1時間程度で実用レベルのプログラムが出来上がります。</p>

<p>AI以前は、プログラミング言語を知らない人にはプログラムは書けなかったのですが、2026年時点の生成AI事情では、多くのツールで文系の素人ユーザーでもこのバイブコーディングを実用レベルでこなせるまでに進化しています。</p>

<p>さて、これをいったん経験してしまうと、その次もできそうな気がします。</p>

<p>零細企業の場合、日常業務で頼っている業務アプリといえば、①会計、②給与計算、③受発注、④請求書（インボイス）といったサービスを有料で利用しています。積もり積もってサブスク料金は年間30万円ぐらいにはなっているはずで、経営者なら、「これを生成AIが代わりにやってくれないかな？」と考えるでしょう。ないしは生成AIのエージェント機能を使うことで、「フリーソフトで日常業務を実行できるように業務の仕組みを再設計して」と頼める気がしてきます。</p>

<p>小さな会社であればあるほど、月額3000円の生成AIで業務システムをどんどん効率化できるならば、それは助かるはずです。そして、それに近いことが現実にできる環境になってきているのも事実です。</p>

<p>それではその次の段階はどうでしょう？</p>

<p>トヨタやパナソニック、日本航空といった大企業で、十数万人の社員がいっせいに同じように、業務カイゼンを始めたらどうなるでしょうか？細かい業務のカイゼンがどんどん積み上がっていって、生産性は一気に向上するでしょうか？実はここがこのアイデアのボトルネックです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>バイブコーディング実用化の4つの問題点</h2>

<p>実際に問題点を理解できるように、バイブコーディングの手法で大企業の業務システムのプログラミングを変更してみましょう。</p>

<p>航空会社のイチ社員が、ある日、「空港に早く着いちゃった人が、スマホアプリから簡単に前の便の空席に無料で予約変更できるサービスを始めたらどうだろう」と、便利なシステム改修を思いついたとします。</p>

<p>確かに私も、大阪や福岡に出張する際に、空港で無駄に待って時間をつぶす経験をよくします。「いやいや、前の便を空席で飛ばすのは無駄だよね。後の便に空席ができたら他の人が乗ってくれるかもしれないしね。オレって天才かもと感じたよ」というノリでやってみましょう。</p>

<p>それを新しいスマホのアプリを作るのではなく、航空会社のアプリ自体のプログラムコードを改良して、予約システム自体をノリで改修するとしましょう。</p>

<p>この話の前提として、彼が使う生成AIは非常に性能が良くて、2028年バージョンぐらいの性能だと仮定します。つまり、今あるすべてのAIよりも力量は上だとします。それで何が起きるでしょうか？おそらく、うまくプログラミングできた場合でも、数百人目ぐらいの利用者の段階でエラーが出ます。致命的なバグがあった場合は、おそらく予約システムが止まります。</p>

<p>ものすごく簡単に、4つの問題として説明します。</p>

<p>まず、AIが作ってくれたプログラムは、AIも思いもよらないバグがあるものです。何度も動かしてテストしてはバグを発見する。このプロセスが当然必要です。これが一番目。</p>

<p>二番目に、プログラム自体はうまくできている場合でも、何らかの例外処理が引き金になってエラーが出るものです。企業のシステム改修においては、テストプログラム自体をきちんと作って、どのような利用者が使っても使えることを確認するプロセスが必要です。</p>

<p>この二つの問題は、それでもAIが進化して、バイブコーディングのプロセスに組み込むことは理論的には可能でしょう。近い将来、ここまでを生成AIが肩代わりしてくれる可能性はないとはいえません。</p>

<p>問題は三番目の、本番環境にそれをのせる段階です。大企業の業務システムは様々なシステムと連携しています。それぞれのシステムは様々なハードウェアで構成されていますし、中には年代物の古い言語で組まれたレガシーシステムも存在します。</p>

<p>そういった環境で新しい改修をしたところ、処理能力が不足してダウンするケースもあります。また、自分のシステムは動くけれども、隣のシステムとの連携がとれずに起きる障害もあります。</p>

<p>これを回避するには、新しい仕組みが必要でしょう。先端工場で使われるデジタルツインのように、システム上にシステムのツインを構築して、事前に問題点を洗い出す必要があるでしょう。これはシステム開発環境がかなり高度化する想定であり、並の大企業がこのレベルに到達するにはAIの進化以上の時間がかかります。</p>

<p>四番目の問題として、思いつきで行なった改修が、セキュリティの問題を引き起こす点も対処が必要です。大企業の業務システムはパソコンとは違うのです。</p>

<p><img alt="鈴木貴博「THE21」" height="1423" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202605Suzuki01.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>業務プロセスのカイゼンにAIを利用するには？</h2>

<p>さて、これらの問題点を考慮したうえで、それでも大企業の社員が、バイブコーディングで巨大な業務プロセスを自在にカイゼンして生産性を上げるための前提条件は何かを考えてみましょう。</p>

<p>わかりやすい解決策は二つ。業務システムをすべてアマゾンやマイクロソフト、グーグルなど巨大企業のクラウド上にのせてしまうこと。そして共用できる部分はできるだけSaaSに任せてしまうことです。</p>

<p>業務システムによっては、古いミニコン時代にCOBOL（プログラミング言語）で書いたプログラムがまだ走っている場合があるかもしれません。AIを駆使して、そういった古いシステムをリバースエンジニアリングして、新しい言語でクラウド上に再構築するといったことも、2030年代には当たり前に行なわれるようになるはずです。</p>

<p>そうすることで、大企業はハードウェアの運用に起因する能力不足や接続障害を気にしなくてもよくなります。また、運用面でのナレッジや人材も他の企業と共有できるようになります。</p>

<p>この環境ができるとどうなるのか？社員が思いつきのバイブコーディングで、業務プロセスをカイゼンしても大丈夫になります。たとえて言えば、大企業の基幹システムが、サイボウズのキントーンと同じように業務プロセスをいじって変えられるようになるのです。</p>

<p>この環境を前提にして、生成AIが今よりも進化した近未来であれば、現場の社員が思いつきで考えた業務プロセスのカイゼンについて、プログラムを改修し、適切なテストケースを自動生成したうえでテストを行ない、バグやセキュリティ上の脆弱性をなくしたうえで実装するという一連のやりとりが、AIエージェントの手で速やかに行なえるようになることが予想できます。</p>

<p>要するに、生成AIが進化をすることで起きるAI脅威論の本質とは、自社システムが時代遅れになってグローバルクラウドに取って代わられる未来がやってくるということです。</p>

<p>「ということは、大企業はクラウド上で、零細企業は生成AIによるバイブコーディングで、業務がカイゼンされる未来になるの？」と捉えるのも正しい未来予測ではないでしょう。</p>

<p>というのも、全世界のビジネスパーソンが業務改善のタスクを生成AIに頼るようになると、AIのパワーが足りなくなるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>アンソロピックショック後の「SaaSの進化」</h2>

<p>「生成AI、僕が使いやすい会計システムをイチから作って」「生成AI、わが社の次期システムを設計して」とお願いするのはできないことではありませんが、それに使われるトークンの規模を想像すると、生成ＡＩが有料化された近未来にそのタスクをAIに頼むのは現実的ではありません。</p>

<p>そうではなくて、「生成AIで従業員が次々と業務カイゼンできる、コスパとタイパが一番いいシステム環境を構築して」と頼むほうが、限られた資源を有効に使うという視点ではより現実的です。これがおそらく、アンソロピックショック後のソフトウェア産業に起きる変化です。</p>

<p>基本的には、世界の業務サービスは巨大なクラウド上で使われるいくつかのSaaSへと集約されていき、それらのサービス上では法務や会計、マーケティングやデータ分析などの専門サービスを提供するAIが実装されます。</p>

<p>そして利用者は、それらAIを使いこなすことで、自分向けにサービスをカスタマイズしてごきげんに業務をカイゼンするようになる。</p>

<p>これからやってくるのは「SaaSの進化」という未来なのです。</p>

<p><img alt="鈴木貴博「THE21」" height="1420" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202605Suzuki02.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_technolosy5gG.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 09 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木貴博（経済評論家、経営戦略コンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「草野球から大谷翔平は生まれない」は本当か? 人生を劇的に変える&quot;環境選び&quot;の残酷な真実  嶋村吉洋（実業家・投資家・映画プロデューサー）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13936</link>
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			<description><![CDATA[新刊『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』を上梓した、実業家の嶋村吉洋氏。コミュニティ選びの重要性を解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「億万長者のコミュニティ資本論」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_discussion.jpg" width="1200" /></p>

<p>コミュニティの重要性を説く嶋村吉洋氏。どんなコミュニティに属するかも、その後の人生において重要であるという。氏の著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』（プレジデント社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、嶋村吉洋著『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』（プレジデント社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>草野球をやっている限り、誰も大谷翔平になれない</h2>

<p>第1章でも触れましたが、会社組織にいるにせよ、あるいはコミュニティを活用して生きるにせよ、いずれの場合でも「幸せなお金持ち」になるために必要なのは、人生を通じて、以下の3つの資本をバランスよく築いていくことだと思います。</p>

<p>〇社会資本（ソーシャル・キャピタル）&hellip;&hellip;信頼できる人間関係やネットワーク<br />
〇人的資本（ヒューマン・キャピタル）&hellip;&hellip;自分で働いて稼ぐ力<br />
〇金融資本（ファイナンシャル・キャピタル）&hellip;&hellip;お金や資産</p>

<p>私のコミュニティに参加している人々は、基本的にこの3つの資本を意識しながら人生を設計しています。</p>

<p>人は環境の生き物である、とよく言われます。「どんなコミュニティに属するか」、あるいは「どんなコミュニティを自分で築くか」が、あなたの人生を大きく左右するでしょう。</p>

<p>たとえば、私のコミュニティでは、初めは従業員として参加した人でも、当たり前のように脱サラするケースが多いです。</p>

<p>これは、私のコミュニティに属しながら3つの資本を本気で得ようとすると、「従業員のままでは限界が見えてくる」という現実に直面するからかもしれません。しかし、何よりも私のコミュニティに属することによって、「当たり前」や「常識」が変化したことが大きいと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>どのコミュニティを選ぶかで人生も変わる</h2>

<p>繰り返しますが、人は環境の生き物です。環境の生き物だから、自分の求めている目的･目標･ライフスタイルに合ったコミュニティを選ぶことが大切です。</p>

<p>コミュニティのメンバーによく話すことですが、従業員をしながら草野球を続けていて、「気がついたら大谷翔平になっていた」ということは絶対にありません。本気で一流を目指すなら、最初からその道を、その環境を選ぶ必要があります。</p>

<p>私は、現在のようなコミュニティをつくり上げるまで、いろいろな仕事をしてきました。</p>

<p>たとえば、関西でトラック運転手をしていた時期もあります。その際、同業者からは「もっと大きなトラックで長距離を走れば、もっと稼げるよ」とよくアドバイスを受けました。そのアドバイスはとてもありがたかったのですが、私はその道を選びませんでした。</p>

<p>なぜなら、長距離運送を始めてしまうと、真の目的であるコミュニティをつくる活動に割ける時間がほとんどなくなってしまうからです。</p>

<p>当時、駆け出しだった頃の私のコミュニティはまだまだ小さく、そこから収入を得られる状況ではありませんでしたが、それでも自分の本業はコミュニティづくりにあると考えていました。</p>

<p>世の中には本当に多くのコミュニティや組織があり、そこで生まれる人間関係や「当たり前」が、知らないうちに自分の人生を形づくっていることがあるように思います。</p>

<p>逆に言うと、属しているコミュニティの影響で「気がついたら望まない人生を選んでいた」という人を、これまでに何人も見てきました。</p>

<p>だからこそ、コミュニティを選ぶ前に「自分がどんな人生をつくり上げたいのか」について、真剣に考えてみることが大切なのではないでしょうか。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 09 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[嶋村吉洋（実業家・投資家・映画プロデューサー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>発表当時は不評だったが...アンリ・マティス『赤いアトリエ』が覆したアートの常識  末永幸歩（美術教師／アーティスト ）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11705</link>
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			<description><![CDATA[アンリ・マティスの作品『赤いアトリエ』が教えてくれる「小さな興味」の大切さとは? 美術教師でアーティストの末永幸歩さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="赤いアトリエ" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_art.jpg" width="1200" /></p>

<p>美術教師の末永幸歩です。このコラムでは、アート作品に向き合ったり、小さな子どもがみつめる世界に想いを馳せてみることで、物事を異なる角度からみつめ直し、自分だけの答えをつくる「アート思考」をしてゆきます。本稿ではアンリ・マティスの『赤いアトリエ』についてご紹介します。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年4月号連載「ビジネスパーソンのためのアート思考トレーニング」より、内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「これは要らない」と断られた作品</h2>

<p>20世紀を代表する画家、アンリ・マティスによる『赤いアトリエ』という作品があります。実際のアトリエ風景が描かれているにもかかわらず、その3分の2以上が真っ赤に塗り込められた、異色の作品です。</p>

<p>本来ならばアトリエの壁に掛かっているはずの絵画や、テーブルに置いてあるであろう植物やグラスは、まるで左右上下のない無重力空間を浮遊しているかのようにも見えます。</p>

<p>まだ抽象画も誕生していなかった当時、色彩は目に映る通りに世界を描くための「手段」として使われるものでした。例えば、白いテーブルを描くのであれば白い色を用いる、という具合にです。</p>

<p>しかし、『赤いアトリエ』は、テーブルも床も壁も、非現実的な赤一色で、奥行きのない平面的なベタ塗りで描かれています。それまでマティスの作品を評価してきたコレクターからでさえ、「これは要らない」と買い取りを断られたほどの問題作なのです。</p>

<p>『赤いアトリエ』が評価され始めたのは、描かれてから約40年も後のことでした。今ではマティスは「20世紀のアートを切り拓いたアーティスト」と位置づけられています。</p>

<p>マティスは、それまでのアートが暗黙のうちに色彩に課していた「現実の世界の色を説明する」という役目を放免し、色彩を独立したものとして存在させたのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「この絵のことが自分でもわからないんだ」</h2>

<p>マティスはどのようにして常識を覆し、歴史に刻まれる作品を生み出したのでしょうか。</p>

<p>従来のアートに対して大きな疑問を抱き、新しいあり方を主張する、強い信念を持った画家の姿が思い浮かびます。しかし、彼のアトリエにやってきたジャーナリストに『赤いアトリエ』について尋ねられた際、マティスによる答えは意外なものでした。</p>

<p>「自分でもこの絵のことがわからないんだ。何故このように描いたのか、自分がこの絵で何をしたのかがわからないんだ」</p>

<p>「画面を真っ赤に塗る」というマティスの決断は、従来のアートに対する問題提起や、「アートを変革させよう」という強い意志によるものではないのです。</p>

<p>それはきっと、描きかけのキャンバスに対峙したとき心にふと灯った「これを真っ赤に塗りつぶしたらどうなるだろう?」という、「小さな興味」がもたらした行為であったのではないかと思われます。</p>

<p>その時々に心に灯る「小さな興味」に従った試行錯誤が、結果的に、マティス自身に「大きな問い」をもたらしたり、新たなアートの可能性を切り拓いたりすることにつながったのではないでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>玄関先で見つけた「小さな興味」</h2>

<p>マティスの話から転じますが、気持ちの良い天気の日曜日、3歳半の娘と自転車で公園に行くことにしました。玄関のドアを開け、目と鼻の先にある自転車置場に向かおうとしたとき、娘は足元に何かを見つけました。</p>

<p>水道栓の四角い蓋に、太陽のように見える水道局のマークが刻まれていました。いくつも並んだ蓋の上に1つずつ順に乗りながら、「おひさま!」と指でなぞっていきます。せっかくの休日、公園で娘を楽しませたいと思っていた私は「もう早く行くよ!」とヤキモキして言いました。</p>

<p>ちょうどその頃、私はこの記事のために、アンリ・マティスの「小さな興味」について考えを巡らせていました。いっこうに急ごうとしない娘を待ちながら、そのことが頭をよぎりました。</p>

<p>水道栓の蓋に「おひさま」を発見している今こそ、娘が自ら目の前のものに興味を抱き、楽しんでいる、まさにその瞬間なのだと思ったのです。</p>

<p>一方で私は、「公園」というゴールに早く到達しなければということに気をとられ、それが達成されるまではできるだけよそ見をしないようにしていました。その結果、目の前のものに目を向け興味を抱いたり、今この瞬間に楽しみを見出したりすることができなくなっていたようです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>今この瞬間の興味の連続が新しいものを生み出す</h2>

<p>アンリ・マティスの話に戻ります。</p>

<p>マティスが『赤いアトリエ』を描いていたとき、彼自身、自分がどこに向かっているのかを明確に把握してはいませんでした。それでも、何らかの「小さな興味」が芽生えていたからこそ、赤い絵筆を勇敢に振るうことができたのだと考えられます。</p>

<p>それは、暗闇の中にふと浮かんでは消える頼りない灯火だけを頼りに、その明かりに導かれ暗中模索するような感覚かもしれません。</p>

<p>どこに向かっているのかわからない、それが何につながるのかもわからない。それでも、今この瞬間の興味に従う──『赤いアトリエ』がアートを一変させてしまったように、この連続こそが真に新しいものを生み出すための秘訣なのではないでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【末永幸歩（すえなが・ゆきほ）】<br />
美術教師／アーティスト。武蔵野美術大学造形学部卒業、東京学芸大学大学院教育学研究科（美術教育）修了。アートを通して「ものの見方を広げる」ことに力点を置いたユニークな授業を、都内の中学校や高等学校で展開してきた。子どもの創造性を育むワークショップ、大人向けアート思考セミナーなど、アートに関する活動を年間100回以上行なう。プライベートでは4歳児の子育て中。著書に22万部突破のベストセラーとなった『13歳からのアート思考』（ダイヤモンド社）がある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_art.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 08 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[末永幸歩（美術教師／アーティスト ）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>雑務を他人に任せる人ほど評価される？ 3万人を分析した著者が気づいた間違い  木暮太一（一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13950</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013950</guid>
			<description><![CDATA[多くのビジネス書を執筆し、著者累計は195万部を誇る木暮太一氏。氏が若手時代に体感したという、「仕事ができる人」の具体的な特徴について解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「仕事ができる人の頭のなか」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_middle.jpg" width="1200" /></p>

<p>「仕事ができる人」と聞くと、業務効率化や時短に秀でた人を想像するかもしれない。しかし、本当にそれだけが重要なのだろうか？木暮太一氏の著書『仕事ができる人の頭のなか』（ダイヤモンド社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、木暮太一著『仕事ができる人の頭のなか』（ダイヤモンド社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>仕事ができる人は、任せるのがうまい人？</h2>

<p>ぼくが社会人1年目だったときの話です。ぼく自身は周囲が驚くほどダメ人材でしたが、それでもなんとか「成果」を出そうと長時間労働を自主的にしていました。できることが少ないので長時間労働でカバーしようとしていたんです。</p>

<p>一方で、同じ部署の先輩たちは、仕事ができて、かつものすごく忙しく動き回っていました。当時のぼくからは、みんなが超人に見えました。そして、どれだけ業務を効率化させているんだろうか？どんな仕組みを持っているんだろうか？なんでそんなに結果が出せるんだろうか？と考えていました。</p>

<p>当時読んでいた仕事術の本には、「自分ができることは自分でやり、他人に任せられることはどんどんまわりに任せていこう」と書いてあったので、ぼくも人に任せて効率化させよう、無駄な業務を見極め排除しよう、などと考えていました。</p>

<p>でも、これがいけなかった。このときぼくがやっていたのは本当に「筋違い」だったんです。</p>

<p>あるとき、超優秀な先輩のHさんが、「仕事術」の理論と真逆のことをやっているのを目にしたんです。そのHさんは、毎日朝7時前には出社し、終電まで会社にいる超ハードワーカーです。しかも、ものすごく優秀で、部内の全員から信頼されていました。こなしている仕事の量は、少なく見積もっても当時のぼくの20倍程度あったように思います。大げさではなく、それくらいスーパーマンな方でした。</p>

<p>でもある日、Hさんが会議資料をファイリングする手伝いをしていたんです。資料作りではなく、出力した資料に穴をあけ、ファイリングする雑務です。言葉を選ばずに言えば、ファイリングなんてぼくのような下っ端にやらせておけばいいタスクです。そして実際、入社1年目～3年目のメンバーが呼ばれてファイリングをするように指示を受けていました。</p>

<p>そこに、ものすごく忙しかったであろうHさんも来て、一緒に作業をしてくれたんです。</p>

<p>「Hさんは一体なにを考えているんだろう......？」ぼくは不思議で仕方がありませんでした。仕事術の理論で言えば、これはHさんがやるべきことではありません。しかし、彼は率先して手伝っていたんです。</p>

<p>実は、ここに「仕事ができる人」の本質がありました。しかし残念ながら、ぼくはその意味に気づくことができませんでした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>仕事ができる人は、負荷を減らしてくれる人</h2>

<p>業務効率化や時短、生産性向上の視点で考えると、どうしても単純作業や人に任せられる仕事は誰か他の人に任せるという発想になりがちです。たしかにそれも必要かもしれません。でも、単に仕事を人に任せれば「仕事ができる人」になるかというと、そうではありません。むしろ逆です。</p>

<p>実際、仕事を右から左に受け流しているだけの人は、仕事ができる人とは思われないでしょう。自分は何もせず人に任せてばかりの人は反感を食らい、逆に評価を下げてしまうと思います。</p>

<p>ここに仕事ができる人が共通して持っていた、重要な認識があります。結論を言うと、「仕事ができる人」とは、「相手の負荷を減らせる人」です。ぼくは3万人以上のビジネスパーソンを見てきました。業界はさまざまですが、仕事ができる人は例外なく「相手の負荷を減らすこと」を考えている人でした。</p>

<p>「相手の負荷を減らす」には、大きく分けて2つあります。1つ目は「相手の脳内ストレスを減らすこと」、そして2つ目は「相手のタスクを肩代わりすること」です。</p>

<p>まずは、相手の脳内ストレスを減らせれば、「仕事ができる」と評価されます。脳内ストレスとは「考えなきゃいけない」「理解しなければいけない」「覚えておかなければいけない」「伝えなければいけない」など、仕事をするうえで脳にかかる負荷のことです。</p>

<p>嫌な思いをしているわけではないですが、考える・相手の話を理解する・大事なことを忘れずに覚えておくなどは、それなりに大変でエネルギーが必要です。この脳にかかるストレスを減らしてくれる人は「仕事ができる」と評価されるのです。</p>

<p>話をわかりやすく整理して伝えたり、相手が動きやすいように整えたりしてあげられれば、相手の脳内ストレスが減ります。また、あなたが締め切りを守り、段取りよく仕事を進めれば、相手はスケジュールどおりに進めることができ余計な気を遣わずに済みます。これも相手の脳内ストレスを減らすことになります。</p>

<p>忙しい人であればあるほど「考える」「気を遣う」「心配する」など労力がかかることを減らしたいと感じています。あなたがそれを減らせれば相手の負荷は減ることになります。</p>

<p>逆に、延々と論点がズレた話をしたり、何度も同じ指摘をされてしまったり、言われないと行動できない人は、相手の脳内ストレスを増やしていることになります。</p>

<p>だから「仕事ができない人」と思われてしまうわけです。そのうえで、本来相手がするべきタスクを肩代わりしてあげることが相手の負荷を減らすことになります。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_middle.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 08 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木暮太一（一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ陰謀論者は科学的根拠を拒むのか？ 『エビデンスを嫌う人たち』【書評】  大村壮太（作家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12111</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012111</guid>
			<description><![CDATA[ビジネスパーソンのスキル向上に役立つ書籍『エビデンスを嫌う人たち』について紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="言葉と思考" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book2.jpg" width="1200" /></p>

<p>日々、多忙なビジネスパーソン。限られた時間の中で、いかに効率良く知識や教養を身につけるかは、常に頭を悩ませる問題だろう。本連載では、そんな悩みを抱えるビジネスパーソンに、スキル向上に役立つ書籍を厳選してご紹介する。今回は、リー・マッキンタイア著『エビデンスを嫌う人たち』（国書刊行会）を取り上げる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『エビデンスを嫌う人たち』</h2>

<p><img alt="エビデンスを嫌う人たち" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250401oomurasota02.jpg" width="1200" /></p>

<p>SNSなどを通じて根拠の薄い主張やデマが瞬く間に拡散されるのが、現代社会の現実である。では、人はなぜ明らかに矛盾を孕んだ説を信じ、科学的根拠を拒むのだろうか。本書『エビデンスを嫌う人たち』は、科学哲学者リー・マッキンタイアが、自ら陰謀論者の集会に潜入しながら、証拠を覆すほど強固な信念はどのように生まれるのかを追究した一冊である。</p>

<p>著者は、地球平面説の信奉者やワクチン忌避派の人々と直接対話を重ねる。その過程で浮かび上がってくるのは、科学を否定する姿勢が決して「無知」や「愚かさ」だけから生まれるのではないという事実だ。論理を尽くした説明がなぜ通じないかといえば、彼らは「事実より自分が属するコミュニティの価値観」を優先しているからであり、そこにはアイデンティティや社会的疎外感が深く関わっていると著者は見抜く。</p>

<p>本書の核心は、ただ証拠を提示するだけでは相手の信念を揺るがすことは難しい、という点を強調していることにある。</p>

<p>エビデンスを拒む人々とは、往々にして「正論の押し付け合い」になりがちだ。だが著者によれば、頭ごなしに批判したり嘲笑したりする態度は、相手の防御本能をさらに強固にし、深刻な亀裂を生む可能性があるという。むしろ、敬意をもって相手の言葉に耳を傾け、なぜそのような考えに至ったのか、その背景を探る姿勢を持つことが、対話の糸口になると説く。</p>

<p>さらに本書では、「論理的飛躍や誤謬を指摘すること」と「相手を嘲笑すること」はまったく別物であると強調される。自分の主張だけを押し通すのではなく、相手に「自分の話をしっかり聴いてもらえている」という安心感を与えることで、相手が身構えなくなり、はじめてエビデンスに耳を傾ける土壌ができるのだ。</p>

<p>本書の中で、著者は様々な科学否定論者と実際に対話を行い、根気強く傾聴の姿勢を示すことで、相互理解を達成する瞬間を見せてくれる。こうしたプロセスを克明に描いている点こそ、本書の大きな魅力である。</p>

<p>科学否定論の極端な事例を追体験することで、事実と感情をどう両立させ、互いの納得につなげるかが浮き彫りになる。読者は、否定論者を一方的に糾弾するのでなく、誠実な対話を重ねることの重要性を痛感させられるだろう。</p>

<p>「誠実な対話」を重んじる姿勢は、ビジネスの場でも同様に求められる。急速に変化する経済環境では、エビデンスに基づいた情報収集と意思決定が欠かせない。だが同時に、多様なバックグラウンドや価値観をもつ人々の声に耳を傾け、対立ではなく合意形成を目指すプロセスも重要だ。</p>

<p>本書を通じて、証拠を拒む人たちと向き合う難しさを学ぶことは、組織運営やチームマネジメントにも示唆を与えてくれる。読み終えたときには、相手の思考背景を丁寧に理解しようとすることが、いかに大きな成果につながるかを改めて実感できるはずだ。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book2.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 08 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大村壮太（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「みんなの前で褒める」は逆効果？ Z世代のマネジメントに役立つ書籍３選  本の要約サービス「flier(フライヤー)」</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14057</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014057</guid>
			<description><![CDATA[本の要約サービス「flier(フライヤー)」がおすすめする「Z世代社員のマネジメント」を知るための書籍３選。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="Z世代のマネジメント" height="742" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_turningpoint.jpg" width="1200" /></p>

<p>ビジネス書を中心に、1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier（フライヤー）」（https://www.flierinc.com/）。これまで約4,200冊の書籍をご紹介してきました。</p>

<p>本記事ではフライヤー編集部が、特にワンランク上のビジネスパーソンに読んでほしい本をピックアップ。今回は「Z世代社員のマネジメント」をテーマに、選りすぐりの3冊をお届けします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>Z世代マネジメントの正解とは？</h2>

<p><img alt="Z世代の社員マネジメント" height="1199" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260330flier01.jpg" width="1200" /></p>

<p>「若手社員と何を話せばいいのかわからない」「自分たちが新人だった頃は○○だったのに......」。そう頭を抱えるミドル世代は多いのではないでしょうか。</p>

<p>主に20代の若手社員に当たる「Z世代」。育った時代や感覚がまるで違う彼らとどう接して、マネジメントをすればいいのか。悩める管理職にぜひ読んでほしいのが『Z世代のマネジメント』（小栗隆志／日本経済新聞出版）です。</p>

<p>本書では、45万人のデータからZ世代の特性を明らかにし、彼らに適したマネジメント方法を提案します。たとえば、Z世代のモチベーションには「夢よりも現実」「競争よりも協調」「賞賛より承認」という傾向がありますが、そのため「熱いビジョンを語っても響かない」「みんなの前で褒められるのを嫌がる」という現象が見られるようです。これを知らないと、良かれと思った行動が逆効果になる可能性もあります。</p>

<p>さらに、若手社員の早期離職を防ぎ、会社に定着してもらうには「We感覚」を育むことだといいます。「We感覚」とは、「うちの会社」と感じられる自分と会社が一体化したような感覚を指します。これを育むことで会社へのコミットメントが増し、離職しにくくなるのだそうです。</p>

<p>優秀な若手人材の獲得が難しくなってきている今、せっかく入社したメンバーに戦力になってもらうためにも、彼らにマッチしたマネジメントは欠かせません。上司・マネジャーは、必読必至の一冊です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>&ldquo;無茶ぶり&rdquo;しないで若手を成長させるには</h2>

<p><img alt="『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』" height="1199" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260330flier03.jpg" width="1200" /></p>

<p>「働き方改革」などの取り組みにより、職場環境は以前に比べてかなり&ldquo;ホワイト&rdquo;になりました。残業を伴うハードワークをこなしてきた世代からすると、夢のようであり、少し物足りなさを感じることもあるかもしれません。</p>

<p>労働に対する常識や環境が従来とは異なる中で、どうやって若手を育てていければいいのか。『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』（古屋星斗／日本経済新聞出版）は、現代ならではの「若手教育」の難しさを指摘し、その対応策を提示していきます。</p>

<p>本書によると、今の若者は「自分は他の会社では通用するのか」という不安を潜在的に抱えているといいます。その傾向は優秀人材であるほど強く、「自分の技量や知識が発揮できない」「この職場では成長できない」と感じることが「キャリア不安」につながり、転職のトリガーになるのだそうです。</p>

<p>本稿の読者世代が20代だった頃は、上司からの&quot;無茶ぶり&quot;は珍しいことではありませんでした。文句を言いながらもキャパシティを超えた仕事に全力で取り組み、その結果、それなりの充実感や成長実感を得てきたはずです。</p>

<p>ですが、いまの環境でそれを課すのは難しい。ではどうすればいいのか――。その解決策の一つとして挙げるのが「短期で成長実感が得られる業務にアサインする」。経験を積んでいきたい若手にとって、仕事は長距離走ではなく短距離走。ゴールテープの見える距離の業務をアサインし、その中で着実な成長実感を得ることが、キャリア不安の軽減にもつながるのです。若手教育に携わる人におすすめの書籍です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「若者に過剰に気を遣ってしまう」はあなただけじゃない</h2>

<p><img alt="『若者恐怖症』" height="1199" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260330flier04.jpg" width="1200" /></p>

<p>「イマドキの若者は会社の飲み会が嫌い」というイメージはありませんか? メディアやSNSを中心に「若者の飲み会離れ」が発信されるなか、「部下を飲みに誘いづらい」「声をかけるだけでハラスメントになりそう」と、若者を恐れる空気が生まれています。</p>

<p>では、本当に「若者は飲み会が嫌い」なのでしょうか? 日本生産性本部の調査によると、2016～18年の3年間、8割の新卒社会人が「友人よりも職場の飲み会を優先したい」と回答したそうです。</p>

<p>「若者の飲み会離れ」を語るうえで欠かせないのが、コロナ禍です。今の若者は、飲み会デビューをする大学時代の大半をコロナ禍で過ごしています。それが「飲み会離れ」に結びついているとしたら、好き嫌いの問題というより社会構造の影響による側面が大きいのではないでしょうか。</p>

<p>このように、若者に対する様々なイメージを取り上げ、彼らの実像と向き合い方を教えてくれるのが『若者恐怖症』（舟津昌平／祥伝社）です。人材不足が進み、いまや若者は「希少人材」として丁重に扱われる存在です。年長世代は彼らを過剰に恐れるようになり、その症状を本書では「若者恐怖症」と名付けています。</p>

<p>では、若者への恐れを手放すにはどうしたらいいでしょうか。著者が強調するのは「理解をすること」です。お化けの正体がわかれば怖くなくなるように、巷の「若者像」に踊らされず、彼らの実像を知ること。それにより、恐怖心は軽減されていくでしょう。</p>

<p>世代は違っても、若者も同じ人間です。適切な距離感で上手に付き合い、ともに組織を盛り上げていくためのヒントを、本書で見つけてはいかがでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_turningpoint.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 07 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[本の要約サービス「flier(フライヤー)」]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>日本がハイパーインフレに？「世界基準の人材」だけが生き残れる&quot;残酷な未来&quot;と対策  藤巻健史（元米モルガン銀行（現・JPモルガン・チェース銀行）在日代表兼東京支店長,前参議院議員[2期]）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14045</link>
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			<description><![CDATA[藤巻健史氏は、「真の資本主義国になれば日本は復活する」と語る。これからの時代を生き抜くため、日本はどのような道を辿ればよいのだろうか。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="藤巻健史「THE21」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_leader.jpg" width="1200" /></p>

<p>元米モルガン銀行（現・JPモルガン・チェース銀行）東京支店長の藤巻健史氏は、ハイパーインフレが日本を襲うその日の到来を予言する。連載最終回の今回は、日本が今後辿るべき道筋と、資産を守るためにすべきことを解説してもらった。（取材・構成：坂田博史）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2026年5月号の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>真の資本主義国家になれば日本は復活できる</h2>

<p>この連載で繰り返し述べてきたように、ハイパーインフレが日本を襲う「Xデー」が来ることは、まず間違いないだろうと私は考えています。</p>

<p>しかし、絶望する必要はありません。日本が抱えている借金約1342兆円（2025年12月末）という大マイナス状況がリセットされ、またゼロからスタートできると考えればいいのです。終戦後、どん底から復活したように、日本には復活できるだけの十分な潜在力があります。</p>

<p>ただし、条件が2つあります。1つは、何が悪かったのか、何を間違えたのかをきちんと検証し、原因を特定し、二度と同じ過ちを繰り返さないための法律や制度などをしっかりと整備すること。</p>

<p>2つめは、「資本主義国家日本」となる青写真を描き、それを実行すること。こう言うと、日本はすでに資本主義国家だという声が聞こえてきそうですが、私は、日本は社会主義国家だと考えています。政治家と官僚が主導する計画経済は、社会主義です。行きすぎた格差是正など、結果平等を求めるのも社会主義です。</p>

<p>私は、資本主義の宗主国であるアメリカの銀行で働き、生活した経験もあります。そうした目で見ると、日本は結果平等主義の社会主義国家にしか見えません。モルガン銀行（現・JPモルガン・チェース銀行）時代の外国人部下たちは、口をそろえて「日本は世界で一番成功した社会主義国だ」とその当時言っていました。</p>

<p>私の息子がアメリカ留学から帰ってきたとき、「国民の95％を比べれば、アメリカ人よりも日本人のほうが優秀だと思うけど、アメリカは超優秀な5％の人間が新しいシステムをどんどんつくって95％の人たちを引き上げている」と言っていました。</p>

<p>それを聞いて私もうなずきました。その5％の人のほとんどは、海外からの移民です。アメリカに行けば儲かる。アメリカに行けば世界で評価される。アメリカに行けば大金持ちになれる。こうした夢をもって天才がアメリカを目指し、アメリカの競争社会で揉まれながら切磋琢磨して成果を出しています。</p>

<p>他方、日本では円安が進んでいることもあり、海外に行く人が減っています。飛行機代も、現地での生活費も高くて「行けなくなった」というのが本当のところかもしれません。世界を知らない「井の中の蛙」ばかりになってしまっています。</p>

<p>日本に行きたいという外国人もいますが、その多くは観光目的です。日本で働きたい人たちは減っています。なぜなら、日本に行っても給料は高くない。慣習や規制が多くて新しいことに挑戦できない。ひと財産つくれたとしても相続税でもっていかれる。こんな国に来て働きたい人はいません。夢がないと人は集まりません。働いた人が儲かる。成功した人が金持ちになる。それによって経済も成長するのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>競争社会からしかスーパースターは生まれない</h2>

<p>こうしたことは、スポーツの世界を見ればよくわかります。大谷翔平選手が日本にいたら、日本のスターで終わったでしょう。野球の本場、アメリカの大リーグに行き、その熾烈な競争社会で勝ち抜いたから、アメリカの、世界のスーパースターになれたのではないでしょうか。</p>

<p>野球に限らずスポーツの世界では、海外に飛び出し、世界トップを競っている日本人がいます。あるいは世界トップを目指して、世界各国の競争社会に身を投じて研鑽を積んでいる若い日本人が大勢います。こうした人たちが世界中で結果や成果を出しているのは、皆さんご存じの通りです。</p>

<p>日本人は世界の中でも間違いなく優秀な民族だと私は確信しています。競争社会に身を投じれば、負けたくない、勝ちたいという気持ちが強くなります。1つの勝負に勝てば、さらに強い相手と勝負したくなります。日本で勝てば、世界の強者に挑戦したいと思うのは何も特別なことではありません。だからスポーツ選手は世界に出ていきます。</p>

<p>ビジネス界においても、同じことができるはずです。日本経済が成長していないのは、海外に飛び出して競争社会に身を投じる人が少ないからなのではないでしょうか。裏を返せば、それは日本のビジネス界が競争社会ではないから。あるいは、ぬるい競争社会だから次への挑戦心が湧いてこないのかもしれません。</p>

<p>アメリカのビジネス界は、スポーツの世界に負けず劣らず厳しい競争社会です。新入社員と社長の年収が100倍違うことなどざらにあります。社長は多くの権限をもち、トップダウンで多くのことを決めることができます。何も変えないトップは無能と評価されます。だからトップによって業績は大きく変わりますし、業績を上げられないトップは即クビです。</p>

<p>企業のオーナーである株主は、給料が安くて無能な経営者よりも、給料が高くてもボーナスがバカ高くても、結果を出す能力の高い人を経営者に選びます。社内にそうした人材がいなければ、外部から呼んできます。自分が所有している株の価格を上げてくれる経営者を選ぶのは、株主として当たり前のことです。</p>

<p>一方、日本の多くの企業は、社内の出世競争は激しいのかもしれませんが、社外との人材競争は少ないように見えます。企業ファミリーの中で、最も活躍した人がトップになり、新入社員から社長までが段階的に連なっているため、給料が100倍違うということもそうはありません。</p>

<p>日本は株主資本主義ではありませんし、真の意味での資本主義社会でもないと思うのです。</p>

<p><img alt="藤巻健史「THE21」" height="1491" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202605Fujimaki01.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>私が「小さな政府」を支持する理由</h2>

<p>私が最低限の税収による「小さな政府」を支持するのは、これまでの日本政府の施策とその結果を見てきたからです。政府に大金を渡しても、ムダづかいするだけで経済成長につながらないことは明らかです。これまでできなかったのだから、これからもできない。そう考えるのが自然なのではないでしょうか。</p>

<p>また、日本人は税金が嫌いなようです。2026年2月に行なわれた衆議院議員選挙において、チームみらいを除く、すべての政党が消費税減税を公約に掲げました。それがなぜかと言えば、選挙に勝てるからでしょう。減税を声高に叫ぶと票が集まるからです。</p>

<p>ポピュリズムに走り、確固たる政治信念のない政治家と政党ばかりなのは非常に残念ですが、そうした政治状況を生んでいるのは私たち国民であることも間違いありません。</p>

<p>税金を払いたくないのであれば、高い社会保障を受けたいなどと思わないことです。税金は払いたくない、社会保障は手厚くしてほしい。そんな都合の良い話はありません。</p>

<p>最低限の税収で最低限の社会保障の小さな政府が良いと思うのか、逆に、高い税収で高い社会保障が受けられる大きな政府が良いと思うのか、国民的議論がなされ、支持の多いほうが政権を担い、国家運営を行なっていく。これが世界の常識です。</p>

<p>しかし日本では、こうした議論が成立しません。自由民主党は、消費税減税と「責任ある積極財政」を公約に掲げましたが、両方を一度に実現することはできません。できないことを公約に掲げ、さもできたかのように帳尻合わせをする。だから世界の借金王になってしまったのです。</p>

<p>健康保険もそうです。日本の健康保険は、本来の保険ではなく、所得分配装置です。本来の保険は、収入に関係なく同じ保険料を支払います。実際、自動車保険や火災保険は、収入によって保険料が異なることはありません。</p>

<p>アメリカの健康保険は、年収に関係なく自分が選んだ補償内容に応じた保険料を支払います。手厚い補償を選べば、年収がゼロであろうと高い保険料を払わなければなりません。それが保険です。</p>

<p>日本の健康保険制度は、資本主義をフル回転させ、国力がグングン伸びているときにのみ持続可能な制度です。これだけ国力が落ちた日本では持続不可能になっています。稼げない国は、皆平等に貧しくなっていくのが世界の常識であり、皆が手厚い医療を受けられる制度が持続可能なわけがありません。</p>

<p>こうした発言をすると、「人道主義に反する」と言われるのですが、国家といえども金がなければ何もできません。倫理観だけで国家運営はできないのです。税金を払いたくないのであれば、小さな政府を選べばいい。税金が嫌いな人が多く、政府もお金の使い方が下手くそなのですから、日本にぴったりだと思うのですが、いかがでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>Xデーに備えよ！できることはまだまだある</h2>

<p>最後に述べておきたいのは、日本人は勤勉で、まじめで、努力家で、世界に誇れる非常に優秀な民族だということです。資源が何もない日本がこれまで世界と伍してきたのは、ひとえに「人」のおかげです。人こそが日本のパワーの源泉です。</p>

<p>日本人が最大限に活きる、きちんとした社会の仕組みをつくり、真の資本主義国家となれば、日本は必ず復活できます。</p>

<p>Xデーが来ることは避けられず、Xデー後の4～5年間は、終戦後と同様、私たち国民はとても苦しい生活を強いられることになるでしょう。それは仕方がない。世界の借金王になるほど、赤字を垂れ流し続けてきてしまったのですから。</p>

<p>そして、そうした艱難辛苦を乗り越えるために政府は何もしてはくれません。１ドル150円台は、私に言わせれば円安ではなく、まだ円高です。日本経済が好調だった1980年前後、1ドルは250円でした。まだ円高のうちに、保険に入るつもりで資産防衛策を講じるなど、私たちにはXデーに備える時間がまだ残されています。</p>

<p>勉強し、知識を得て、様々な対策を講じておく。英語を身につけ、外資系企業に転職し、世界基準の仕事ができるようにしておく。日本の常識にとらわれることなく、世界の常識を知る努力も必要かもしれません。できることは色々あります。自分と自分の家族を守る方法を自分なりに考えてみてください。</p>

<p>苦境の時期に、真の資本主義国家を目指す青写真を描き、そのための体制をきちんと整え、着実に前に進むことが日本にとって重要になります。終戦後と同様、「今日より明日のほうが良くなる」と思えれば、人間は生きていけます。日本人は優秀なのだから大丈夫。絶対に復活できる。そう信じて千辛万苦の時代を生き抜いていきましょう。それができれば、日本は必ずや力強く復活します。</p>

<p><img alt="藤巻健史「THE21」" height="1712" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202605Fujimaki02.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 07 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[藤巻健史（元米モルガン銀行（現・JPモルガン・チェース銀行）在日代表兼東京支店長,前参議院議員[2期]）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>資産数百億円でも「幸せになれない」のはなぜ？ 億万長者が最後に重視する&quot;3つの資本&quot;  嶋村吉洋（実業家・投資家・映画プロデューサー）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13935</link>
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			<description><![CDATA[新刊『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』を上梓した、実業家の嶋村吉洋氏。嶋村氏の支持する、「3つの資本」の考え方とは何か。解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「億万長者のコミュニティ資本論」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_stepup.jpg" width="1235" /></p>

<p>嶋村吉洋氏は、幸せに生きるために注目すべき「3つの資本」があるという。その詳細とは何で、それらを得るためには何ができるのか。氏の著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』（プレジデント社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、嶋村吉洋著『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』（プレジデント社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>幸福に生きるための「3つの資本」</h2>

<p>私がお伝えしたいのは、結局のところ、この先どのような時代になっても、「信頼できる仲間がいれば大丈夫」ということです。</p>

<p>あなたがどれだけ独自の道を選んでも、信頼できる人がいれば孤立することはないと思います。協力してくれる人も現れると思いますし、情報も仲間から自然と入ってきます。また、信頼できる人の勧めであれば、騙されるリスクはまずないでしょう。</p>

<p>すでに述べたように、資本主義社会で最後まで幸福に生きたいのであれば、以下の「3つの資本」が必要だと考えられます（図5）。</p>

<p>○社会資本（ソーシャル・キャピタル）&hellip;&hellip;信頼できる人間関係やネットワーク<br />
○人的資本（ヒューマン・キャピタル）&hellip;&hellip;自分で働いて稼ぐ力<br />
○金融資本（ファイナンシャル・キャピタル）&hellip;&hellip;お金や資産</p>

<p>この「3つの資本」の考え方は、作家の橘玲氏が提唱するものですが、私は特に「社会資本」を重要だと考えています。仕事だけを追い求めるのは、人的資本に偏る生き方です。</p>

<p>たしかに、医師や弁護士のように人的資本を極めて成功する人もいますが、社会資本に恵まれず、信頼できる友人がいないというケースは少なくありません。さらに、金融資本の運用で失敗する専門職の人々も多いようです。</p>

<p>たとえば、不動産業界では、医師が営業マンに勧められるままに投資対象として不適切なマンションを買ってしまい、その瞬間からキャッシュフローが赤字になる、という話もよく聞きます。人的資本はあっても、情報収集の時間と人脈が足りないため、こうした失敗が起こるのだと思います。</p>

<p>人生には予想外のことが起こります。勤めている会社が倒産したり、重い病気になったり、突然親の介護が必要になったり―そんなとき、金融資本が不足していると、生活が一気に苦しくなることもあるのです。私自身の経験でも、父は自営業で、友人の父親は従業員が多かったのですが、皆、明るく振る舞っていても、金銭的な苦労をしているように見えました。</p>

<p>もちろん、金融資本だけを増やしても、必ずしも幸せになれるとは限りません。「すごい家に住んでいるけれど、孤独な人」が世の中にはたくさんいるはずです。</p>

<p>一方、私がよく出入りしていた山の手の富裕層の人々は、前述した3つの資本をすべて持っていました。私が「そうなりたい」と思ったのも、自然なことだと思います。</p>

<p><img alt="「コミュニティ資本論」" height="811" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603Okumanchoja001.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_stepup.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 07 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[嶋村吉洋（実業家・投資家・映画プロデューサー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>外国語を学ぶことの真の意味とは？ 『ことばと思考』【書評】  大村壮太（作家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12107</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012107</guid>
			<description><![CDATA[ビジネスパーソンのスキル向上に役立つ書籍『ことばと思考』について紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_2.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 06 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大村壮太（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>お笑い芸人・寺田寛明が語る「大喜利の世界」　誰でも簡単に参加する方法  寺田寛明 （お笑い芸人）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11980</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011980</guid>
			<description><![CDATA[お笑い芸人・寺田寛明による大喜利入門講座。「異世界系お題」「ツッコミ力」について解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="大喜利" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_oogiri.jpg" width="1200" /></p>

<p>お笑い芸人・寺田寛明さんによる「大喜利入門講座」。今回は、「異世界系お題」「ツッコミ力」 といった大喜利テクニック、そして「実際に大喜利に参加する方法」について解説します。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年4月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>流行の最先端「異世界系お題」</h2>

<p><img alt="お題が広すぎて困ったときは狭めよう" height="1404" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250310Teradahiroaki01.jpg" width="1200" /></p>

<p>近年、「異世界系」と呼ばれるコンテンツが大流行しています。その影響を受けてかはわかりませんが、大喜利でも「異世界系お題」が増えているように感じます。</p>

<p>とはいえ、マンガやアニメのような壮大なものではありません。「通貨がプリンになっている世界」とか、そんなのです。</p>

<p>そんな異世界系お題ですが、これが結構な曲者です。「世界」という言葉の含む意味が広すぎて、何とでも回答できるあまり、どう考えていけばよいかわかりにくいのです。回答の自由度が高いお題のことを、私は個人的に「出口が広いお題」と呼んでいます。基本的にお題の出口は広いほうが回答しやすいのですが、広すぎると逆に困ってしまうもの。</p>

<p>そんなときは、あえて出口を狭くする方法がお勧めです。「世界」だと広すぎるので、シチュエーションを限定することで考えのとっかかりを作るのです。</p>

<p>例えば、「みんな基本的に逆立ちで生活している世界」というお題が出されたとします。その光景を思い浮かべるだけで面白いですが、その面白さを言葉にして抽出しなければいけません。</p>

<p>そのために、「みんな基本的に逆立ちで生活している世界のヤンキー」と、お題を限定してみましょう。</p>

<p>【回答】ヤンキーの膝と膝がぶつかって喧嘩になる</p>

<p>このようになります。では続いて、「みんな基本的に逆立ちで生活している世界のお葬式」としてみましょう。</p>

<p>【回答】お葬式で棺桶の窓を開けたらつま先が見えた</p>

<p>このとき注意すべきなのは、「ヤンキーの」「お葬式で」といった、自分が限定したシチュエーションを回答に盛り込むことです。他の人からすれば、お題は「みんな基本的に逆立ちで生活している世界」のままなので、説明不足で伝わらなくなるようなことは避けましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大喜利で身につく「ツッコミ力」</h2>

<p>ここまで全3回にわたって、大喜利でボケるコツをお伝えしてきましたが、趣味で大喜利を始めるメリットは、「ボケる」力がつくことだけではありません。</p>

<p>むしろ社会において実用的なのは、ツッコミ的な目線を持つことではないでしょうか。</p>

<p>大喜利では、お題（フリ）が出て、回答（ボケ）が出されます。それらを見続けていくうちに、世の中にある様々なボケのパターンが見えてきます。つまり、自身も回答を出しつつ、人の回答を見れば見るほど、ボケの意図が見えるようになってくるのです。</p>

<p>皆さんの身の回りにも、「これは冗談で言っているのか? 真面目に言っているのか?」と周囲を困惑させてしまう人が、一人くらいいるのではないでしょうか。その人が冗談のつもりだった場合、その冗談が伝わらなければ、本人も悲しいし周囲も困ってしまいます。誰も得していません。</p>

<p>そんな中で、一人その意図を察して的確にツッコむことができれば、ボケた本人も嬉しいですし、周囲もホッとします。ツッコミって、「人を助ける」という側面が強い気がしています。</p>

<p>大喜利のライブに出演しているときも、そう痛感する場面がよくあります。それは「ライブMCのツッコミに助けられたとき」です。MCの主な仕事は、回答を出す前にお題を読み上げたり、次に回答する人を選んだりすることですが、回答に合いの手やツッコミを入れて場を盛り上げてくれたりもします。</p>

<p>大喜利ライブで「真面目に言ってるのか?」と疑われることはさすがにありませんが、こちらの意図が伝わらず、お客さんと温度差ができてしまうこともあります。回答を出した瞬間に笑いが起こらず「やべっ」と思ったときに、「いやそれ○○じゃねーか!」とMCにツッコんでもらい、そこでやっとウケたときなんかは本当にありがたいと思います。</p>

<p>実例を挙げてみましょう。「こんな漫才師は嫌だ」というお題があったとします。そして、以下の３つの回答が出てきました。</p>

<p>Ⓐ年末はハワイに行くためＭ-1には参加しない<br />
Ⓑ裏拳で相方の顔面を殴った<br />
Ⓒ炊飯器を万引きした</p>

<p>Ⓐへのツッコミは特に難しくありません。「Ｍ‒1は出ろや!」と言っておけばツッコミとして成立します。</p>

<p>Ⓑの「裏拳で相方の顔面を殴る」は、セルライトスパという漫才師が実際に起こしたハプニングです。そのことに触れてツッコめば、周囲の「?」が笑いに変わる可能性がありますし、それでウケなかったとしても「わかってくれた人がいる」というのは回答者にとって救いとなります。</p>

<p>Ⓒは何にもかかっていません。言うなれば、「何にもかかっていないというボケ」です。そのことを見抜いて、「漫才師じゃなくても嫌だろ」とか言ってあげられると上級者です。</p>

<p>もちろん、今挙げたⒷ、Ⓒのようなツッコミは一流の技術です。並大抵のことではありません。ですが、その域ではなくとも、ボケに気づいてツッコんであげることができれば、日常のコミュニケーションにも大いに役立つのではないでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スベった数だけ人に優しくなれる</h2>

<p><img alt="大喜利によって磨かれる3つの力" height="1161" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250310Teradahiroaki02.jpg" width="1200" /></p>

<p>もう一つ、大喜利の経験が日常生活で役立つとしたら「スベっている人に寛大になれる」ということでしょうか。毎日のように誰かしらが炎上している昨今ですが、その中には「冗談のつもりが伝わらずに怒られた」という「スベり炎上」も多いように感じます。</p>

<p>個人的には、それに対して怒ってる人って、普段あまり冗談を言わない人なんじゃないかと感じます。</p>

<p>「笑いにならなかったらそんなものは冗談でも何でもない」という意見もわからないことはないんですけど、大喜利などで習慣的にボケていると、ウケない経験も、それによって空気が悪くなる経験も、何なら人格を疑われる（猟奇的なことを言う、といったボケをしたら悲鳴があがったり）経験もします。</p>

<p>「なんか部長が今よくないこと言ったけど、どうやら冗談っぽいな。まあ俺もボケで言ったことがうまく伝わらなくて変な空気にしたことあるしな」と、1回2回は大目に見て流せる社会のほうがいいと思います。</p>

<p>まあ本当に問題になってしまう人は、そういう失言を1回2回じゃなく積み重ねちゃう人なんでしょうけど、受け手としての心構えがあったっていいとは思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ネットから大規模大会まで大喜利に参加してみよう</h2>

<p><img alt="自分にあったやり方で大喜利に参加してみよう" height="739" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250310Teradahiroaki03.jpg" width="1200" /></p>

<p>さて、4回にわたって、色々と解説をしてきましたが、最後は実際に大喜利に参加するきっかけをご紹介できればと思います。</p>

<p>やっぱり技術論だけで成長するというのはどうしても限界があり、人と人との間でやることですので、「百聞は一見に如かず」で参加してみるのが一番早かったりします。難しいことを考えないほうがうまくいったりしますし、何から何まで難しくて刺激的な世界だと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●スマホからでも参加できる　ネット大喜利「大喜利茶屋」</p>

<p>オンラインで全国のユーザーと回答を出し合う大喜利サイトです。回答が出揃ったあとはユーザー同士で投票を行ない、上位に選ばれた回答者にはポイントが付与されます。獲得ポイントのランキングも公開されているので、ユーザー同士で競い合う楽しみ方もできます。</p>

<p>回答時間が1日の「日めくり」と、4分の「昼／夜／季節の茶屋」にルールが分かれているため、自分の好みや生活スタイルに合わせて気軽に参加することができます。大喜利の入り口としてチャレンジしやすいのではないかと思います。大喜利サイト自体は他にもいくつかありますが、最近はこの大喜利茶屋が人気を集めている印象です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●誰でも大喜利ができるカフェ「ボケルバ」</p>

<p>秋葉原にできた大喜利カフェです。</p>

<p>お題を出してMCもできる店員が常駐し、平日昼間でも、人が集まれば大喜利ができるスポットです。</p>

<p>私もふらっと行くことがあるのですが、春休みの時期に行ったときには、高校生の子とかもいました。若い人ばかりというわけでもなく、幅広い年齢層のお客さんがいるので、誰でも参加しやすい、初めての対面大喜利には最適だと思います。たまにトーナメント式の大会を行なっていることもあります。</p>

<p>昔はこういった場所がなく、フリーエントリーの大喜利イベントを探さなければいけなかったのですが、今は「ボケルバ」のような参加しやすい場所から交流をもって、他の会の情報も得られたりするので、非常にハードルが低くなったと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●大喜利天下一武道会</p>

<p>2007年からの歴史を誇る、最も大きな大喜利の大会です。</p>

<p>まず予選が行なわれる、と聞けばその規模の大きさが何となく伝わるのではないでしょうか。予選には300人（!）ほどエントリーします。</p>

<p>大喜利の大会自体は他にもあるのですが、これほど人が集まることはなかなかありません。大喜利好きの一つの目標と言えるような大会です。</p>

<p>大喜利大会に出たいと思っても、おそらく探すのが難しいと思いますが、六角電波さんという方がよく大会を開催されているので、Xを見てみるといいかもしれません。初心者限定の大会もあったりします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●ラジオ投稿</p>

<p>昔から、ハガキ職人と呼ばれる人々が芸人のラジオ番組のネタコーナーにメールを送って、そこから放送作家になったり大喜利を始めたりという流れがあります。</p>

<p>放送作家への足掛かりにしようと思うのなら、人気番組にメールを送りまくる必要があるかもしれませんが、投稿を楽しむだけであれば、番組にこだわる必要はありません。</p>

<p>昔はニッポン放送やTBSの深夜ラジオなど、投稿の場が限られていたのですが、今は芸人の番組が様々なインターネットアプリで配信されており、そこへの投稿はかつての人気深夜ラジオと比べ、投稿が読み上げられる確率が高くなっています。</p>

<p>様々な配信サイトで、あなたのメールを必要としている芸人がたくさんいるはずです。こういった場所で自分が書いた文章を音声で読んでもらえるというのも、ネット大喜利とは少し違った喜びがあるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●大喜利YouTubeチャンネル「大喜る人たち」</p>

<p>最後に、イベントではありませんが、近年人気を集めている大喜利チャンネルを紹介します。</p>

<p>内容はシンプルで、芸人を含めた（私もしばしば登場しています）プレイヤーが大喜利にどんどん回答していくというものです。元々は狭い会議室で収録していたチャンネルなのですが、動画が何度かバズっていくうちに少しずつ規模が大きくなり、ライブのチケットが即完売するまでになりました。現在チャンネル登録者数は17万人を超え、大喜利という文化が広く認知されていることがわかります。</p>

<p>「大喜る人たち」から派生したチャンネル「こんにちパンクール」も人気を集めています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>＊</p>

<p>「大喜利は芸人や落語家の文化」と長らく考えられていました。ですが、今回紹介したライブやYouTubeチャンネルを見ていただければ、知名度のない一般の方が芸人と互角以上に大喜利で渡り合えていることがわかるはずです。そして、芸人と一般の方が大喜利というコンテンツで共存していることが大切だと、私は考えています。</p>

<p>私は「大喜利千景」という大喜利ライブを10年前から主催し続けているのですが、そのライブがまさに、芸人と一般の方が共存できる場を作りたいという思いから生まれたものです。そして、先ほど紹介した「大喜る人たち」は、「大喜利千景」を見て、始めてくださったそうです。</p>

<p>この連載を読んでくださった皆様にも、ぜひ大喜利の世界に飛び込み、楽しんでいただけると嬉しいです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_oogiri.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 06 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[寺田寛明 （お笑い芸人）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>人にしかできない家賃保証サービスを ｢全員経営｣で展開  《PR》丸山輝（フォーシーズ［株］代表取締役社長） </title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14017</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014017</guid>
			<description><![CDATA[家賃債務保証の先駆者であるフォーシーズは、積極的な新卒採用で社員数を増やしている。学生には馴染みの薄い事業内容でありながら、なぜ同社に多くの人が集まるのか。その理由を丸山社長に聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="フォーシーズ丸山輝社長" height="821" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603204cs00.jpg" width="1200" /></p>

<p>不動産の賃貸借契約を結ぶ際、連帯保証人の代わりに入居者の信用を担保し、家賃滞納が起きた場合には立て替える「家賃債務保証」。そのパイオニアであるフォーシーズ(株)は、毎年新卒採用を積極的に行ない、社員数を伸ばしている。学生にとって身近とはいえない事業にもかかわらず、なぜ人が集まるのか。（取材・構成：橋口佐紀子、写真撮影：江藤大作）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>■｢何があっても切れない」家賃保証サービスを提供</h2>

<p>――まずフォーシーズが手がける「家賃債務保証」事業について教えてください。</p>

<p>【丸山】不動産の賃貸借契約において、万が一家賃滞納が起こった際の立て替えを行なう事業です。当社では、入居者様から契約時に「初回保証委託料」、その後は年に1回「保証委託料」を受け取り、滞納が発生すれば、金融機関の3営業日以内に、全額オーナー様にお支払いしています。</p>

<p>――オーナーは安心ですね。</p>

<p>【丸山】はい。安心して貸せるようになるため、空室率の改善にもつながります。一方で、入居者様にとっては、信用を保証会社に担保してもらうことで、賃貸契約をスムーズに結べるというメリットがあります。起業・出店、事業拡大、新天地への転居&hellip;&hellip;こうした挑戦は賃貸契約が結べなければ始まりません。私どもは家賃債務保証事業を通じて、誰もが挑戦しやすい社会づくりを支えています。</p>

<p>――保証会社は全国に300社ほどあるそうですが、御社はオフィス・店舗、個人の高級賃貸の分野で、業界トップクラスのシェアを占めているとのこと。選ばれる理由は何でしょうか。</p>

<p>【丸山】通常、「こういう場合は保証しません」という条件が各社設定されています。例えば入居者様の死亡、破産、逮捕などで保証が切れる会社は少なくありません。でもオーナー様からすれば、そうした非常事態のときこそ保証が必要なはず。その点、当社の保証は「切れない」ことが特長で、あらゆる不測の事態においても保証が続きます。</p>

<p>また無借金経営を貫き、財務状況の健全さが業界トップクラスであることも選ばれる理由です。</p>

<p><img alt="フォーシーズの家賃保証の仕組みと強み" height="1077" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603204cs01.jpg" width="1200" /></p>

<p>――「何があっても切れない」家賃保証を、どうやって実現されているのですか。</p>

<p>【丸山】滞納から立ち退きとなった場合、多くの保証会社では明け渡し等の作業をアウトソースします。そのため、荷物量の多い事業用物件や高級賃貸では費用負担が膨大となり、ビジネスとして成り立たせるのが困難です。</p>

<p>一方、当社は自社内で対応できる体制を構築しているため、コストを抑えることができます。ほかにも、営業車両は自動車ではなくバイクを利用するなど、様々な工夫でコストを抑え、保証の中身を充実させています。</p>

<p>――明け渡しの作業まで、御社で行なうのですね。</p>

<p>【丸山】最初から最後まで、自社で対応できるのも当社の強みです。滞納が発生したときには入居者様と連絡をとり、ご相談に乗ったり交渉したりしますし、その後訴訟となればその手続きも対応。明け渡し時にはきれいに清掃してお返しするので、オーナー様から「ここまでしてくれる保証会社は初めてです」と驚かれることも多いですね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>■全員「さん」づけ、意見しやすい社風</h2>

<p>――なぜ他の保証会社ではあまり行なわれない面倒な業務まで行なえるのでしょうか。</p>

<p>【丸山】「人が煩わしいと思う事、やりたくないと思う事を率先して行う事で、人々に喜びを与え、社会に貢献する」という企業理念に共感する社員が集まっているからです。<br />
こうした企業文化を作っていくのは新卒だと思っていまして、採用人数は年によって異なりますが、毎年新卒採用を行なっています。</p>

<p>――採用したいのはどんな人ですか。また、入社される方は御社のどんなところが決め手になっているのでしょうか。</p>

<p>【丸山】採用したいのは真面目で実直な人ですね。入社の決め手は、社会に貢献したいという思いがあり、その点で当社の企業理念に共感したという人の割合が大きいですね。また、採用担当者たちと交流する中で、社風や環境を気に入り、入社してくれる人も多いです。</p>

<p><img alt="フォーシーズの「飲み会議」の様子" height="857" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603204cs02.jpg" width="1200" />月に一度、社内で食事をしながら（お酒もOK）行なう「飲み会議」。リラックスした雰囲気の中で、グループ内の情報共有や様々なテーマに関するディスカッションを行なっている。役職や入社年次にかかわらず自由闊達な意見・アイデアが出やすく、「全員経営」を実践するための重要な取り組みの一つ。</p>

<p>――御社の社風とは？</p>

<p>【丸山】社歴に関係なく平等に意見が言え、上司や部署の違う人とも垣根なく話や相談がしやすい雰囲気があります。それは、代表である私も含めて全員を役職ではなく「さん」づけで呼ぶことにも象徴されています。</p>

<p>また、意見を言いやすいといっても、その発言が自分中心だと当社では浮きやすい。例えば、毎朝8時半から全国の拠点をオンラインでつないで全社員が参加する「ボトムアップミーティング」を行なっています。そこでも様々な意見や改善案が出ますが、必ず「それは誰のためか」という議論になります。「お客様のため」「部下のため」など利他の心からの意見は採用されやすい一方、自己中心的な意見は採用されにくいのです。</p>

<p>家賃債務保証は、一人ではなくみんなでやっていく仕事です。だからこそ、自分中心ではなく、誠実な人を採用し、入社後には次の人材を育てる人になってほしいと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>■AIには任せられない社会貢献性の高い仕事</h2>

<p>――「全員経営」にも力を入れていらっしゃいますね。</p>

<p>【丸山】社員全員に、各拠点の売上や経費、役員報酬、取締役会の資料などをすべてオープンにしています。その上で、毎朝の全社員ミーティングなどで課題を共有し意見を募り、すぐに現場に反映します。また、予算もグループごとに全員で決めているので、全員が経営の仕組みを理解していくようになります。</p>

<p>――子ども1人につき月5万円の扶養手当が20歳まで続くなど、福利厚生も手厚いです。</p>

<p>【丸山】その影響もあるのか、当社では家庭を持ち、家を買う人の割合も多いですね。セクシュアルマイノリティの方も含め、あらゆる人が働きやすい環境を整えていて、3人の子どもを育てながら働いている社員も珍しくありません。育休取得率も高く、復帰率は100％です。</p>

<p><img alt="子ども1人につき月5万円の扶養手当を支給。くるみんマーク取得" height="603" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603204cs03.jpg" width="1200" />社員が働き続けやすい環境の整備にも積極的。子どもが生まれた社員には、子ども1人につき月5万円（3人ならば月15万円）の扶養手当を20歳になるまで支給する。産休取得者の復帰率は100％に達し、厚生労働省認定の「子育てサポート企業」の証「くるみんマーク」も取得。</p>

<p>――企業理念では「世紀を超えた社会貢献企業」であることも謳っています。</p>

<p>【丸山】社会貢献性の高い事業だからこそ、倒産しない経営の仕組みを作らなければいけません。その覚悟を込めています。</p>

<p>いまAIが台頭していますが、当社のコーポレートスローガンの一つは「人にしかできない事だからこそ、価値がある」。社会や人に深く向き合い、寄り添っていく我々の仕事は、どんなにAIが発達しても任せることはできません。時代がどんなに変わろうと、変わらず人々に喜んでいただけるサービスを提供できる会社だと自負しています。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603204cs00.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 06 Apr 2026 08:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[《PR》丸山輝（フォーシーズ［株］代表取締役社長） ]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「会社はもう守ってくれない」時代に...社外コミュニティが&quot;一生モノの仕事&quot;を運んでくる理由  嶋村吉洋（実業家・投資家・映画プロデューサー）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13934</link>
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			<description><![CDATA[新刊『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』を上梓した、実業家の嶋村吉洋氏。著書名にもある「コミュニティ」とは何なのか。解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「億万長者のコミュニティ資本論」" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_diversityG.jpg" width="1200" /></p>

<p>これまで100件以上のビジネスを手掛けてきた嶋村吉洋氏は、「コミュニティ」の重要性を説く。なぜコミュニティは重要なのか。そもそもコミュニティとは何か。氏の著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』（プレジデント社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、嶋村吉洋著『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』（プレジデント社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>なぜ今、コミュニティが重要なのか？</h2>

<p>「会社」という組織が、もはや万能のセーフティーネットではなくなっている――。そんな現実を、私たちは今、目の当たりにしています。</p>

<p>コミュニティがなぜ大切なのか――。</p>

<p>それは、結局のところ、どんなに優れた能力がある人も、一人きりでできる仕事には限界があるからです。</p>

<p>たとえば、30代でフリーランスのSE（システムエンジニア）として活躍するAさんの話をしましょう。彼女は、大人しくて控えめな性格から、自身のキャリアアップに対して消極的でした。職場の煩わしい人間関係を避けるため、正社員ではなく、フリーランスの事務職として働いていました。</p>

<p>しかし、ある日、キャリアアップに積極的に挑戦している人ばかりが集まるコミュニティに出会ったことで、彼女の人生は大きく変わりました。</p>

<p>コミュニティ内でSEとして活躍する仲間たちの影響を受け、自分もチャレンジしてみようと決意し、思い切って事務職からSEへの転職を成功させました。転職後は積極的に経験を積み、スキルと自信を深めていきました。</p>

<p>そして、再びコミュニティの仲間たちのアシストもあり、現在はフリーランスのSEとして独立し、多くのクライアントから信頼を獲得、常に需要のある存在として活躍しています。その結果、収入が安定し、孤独感も薄れ、人生が豊かになったと感じています。</p>

<p>もともと煩わしい人間関係が苦手でフリーランスになったはずなのに、まさか自分がコミュニティに助けられるとは思っていなかった、と本人も驚いています。</p>

<p>別の例として、コミュニティのつながりを活用して、自身がオーナーとして飲食店をオープンしたBさんの話をします。</p>

<p>彼は開店前から飲食コンサルタントの仲間の支援を受けて独自性のあるメニューを開発したり、コミュニティのメンバーの中からスタッフを募集したりするなど、コミュニティの力を最大限に活かして開業準備を進めました。</p>

<p>その結果、開店初日から多くの仲間やその友人・知人が訪れ、彼の提供する料理の美味しさを絶賛する口コミが瞬く間に広がり、店は開業初期から大繁盛となりました。その勢いは有名グルメ雑誌にも大きく取り上げられるほどです。Bさんはコミュニティのおかげで順調なスタートを切り、現在も安定した経営を実現しています。</p>

<p>このように、コミュニティは単なる「集まり」ではなく、メンバーの経済的な安定や精神的な支えを提供してくれるプラットフォームとして機能することがあります。</p>

<p>むしろ、デジタル技術が発達した現代だからこそ、リアルな人間関係を持続させ、さらに拡大・深化させていくコミュニティの存在は、以前よりむしろ重要になっていると言えるでしょう。</p>

<p>さらに、「人生100年時代」と言われる昨今、コミュニティの価値はますます高まっています。現在の日本では「平均寿命が延びた分、孤独なお年寄りが増えている」という話をよく聞きます。</p>

<p>年金問題や物価高から経済的な不安を抱えるとともに、定年後の社会とのつながりもなく、老いたまま一人で生きていかなければならない未来を想像すると、シニアの人々の悩みはかなり深刻なものではないでしょうか。</p>

<p>実際、孤独が原因でうつ病になったり、認知症が進んでしまったりする高齢者も少なくないそうです。2022年に実施された国立研究開発法人科学技術振興機構（JST）の調査によると、孤独感を抱えている人は、孤独でない人に比べて、うつ状態や不安障害を抱える傾向が約5倍も高いことが明らかになりました。</p>

<p>さらに、アメリカのフロリダ州立大学医学部が主導した、世界中の60万人以上を対象にした2024年の大規模なメタアナリシス（ある程度似ている研究の複数の結果を統合し、ある要因が特定の疾患と関係するかどうかを解析する統計手法）では、孤独感が認知症の発症リスクを31％増加させることが明らかになっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>全国に存在するコミュニティの具体例</h2>

<p>では、自分が属するコミュニティがあれば、どうなるのでしょうか。</p>

<p>コミュニティの中では、メンバーそれぞれの能力や人脈、経験などのリソースが集まり、相互に補い合うことで、一人ではできなかったことが実現できます。年齢に関係なく、他者との対話や協力を通じて新しいプロジェクトが生まれることも珍しくありません。</p>

<p>いくつか全国の事例をご紹介したいと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h3>【東京都世田谷区下北沢「BONUS TRACK」】</h3>

<p>小規模店舗や住居が共存する複合施設で、若手起業家やクリエイターに場を提供し、地域とゆるやかにつながるコミュニティビジネスの実践例です。</p>

<p>2020年春、20～30代の若手起業家やクリエイターを中心に、リノベーションされた元社宅跡地に商店・住居・オフィスが融合した新しい街区が形成されました。</p>

<p>若年層と地域住民が対話しながら出店内容やイベントを企画し、世代・職業を超えた「まちづくりの協働」が起点となっています。</p>

<h3>【福井県鯖江市「鯖江市役所JK課」】</h3>

<p>地元女子高校生が地域課題に取り組むユニークな取り組みで、若者の視点を活かした商品開発やイベント企画を通じ、地域活性化を図るコミュニティビジネスの一形態です。市民参加型のまちづくりとして全国的にも注目されています。</p>

<p>2014年頃から、女子高校生が市役所で企画立案を行うプロジェクトが発足しました。</p>

<p>高校生（10代）と市職員（幅広い年齢層）が対等に意見を出し合う場として成り立っており、高校生が商店街の再生やイベントづくりに関わり、SNSでの広報にも貢献しています。</p>

<p>その結果、市民参加型のまちづくりとして全国的にも注目され、他自治体にも波及しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>以上のような実例から考えると、コミュニティは単なる居場所ではなく、人生のさまざまな局面でメンバーの新しい可能性を生み出す場になり得ると言えるでしょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_diversityG.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 05 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[嶋村吉洋（実業家・投資家・映画プロデューサー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>効率化を進めても評価が上がらない理由とは？　時代で変わる「仕事ができる人」の条件  木暮太一（一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13947</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013947</guid>
			<description><![CDATA[多くのビジネス書を執筆し、著者累計は195万部を誇る木暮太一氏。その最新刊より、仕事ができるとは何か、どうすれば仕事ができるようになるのか、解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「仕事ができる人の頭のなか」" height="619" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting04G.jpg" width="1000" /></p>

<p>「仕事ができる人」への憧れを持つ社会人は多いだろう。ではそもそも、仕事ができる人とは、どんな能力を持った人なのだろうか。木暮太一氏の著書『仕事ができる人の頭のなか』（ダイヤモンド社）より解説する。</p>

<p>※本稿は、木暮太一著『仕事ができる人の頭のなか』（ダイヤモンド社）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>そもそも「仕事ができる人」とは？</h2>

<p>本書のコンセプトは、「仕事ができる人の頭のなか」を明らかにすることです。そして仕事ができる人になるために何を考え、何をすればいいかを示すことです。</p>

<p>斬新なアイディアを思いついたり、ものすごい困難に打ち勝ってプロジェクトを成功させたり、鋭い分析で誰も思いつかないような施策を展開できる人に憧れ、その人たちを「仕事ができる人」と捉えているかもしれません。</p>

<p>たしかにその人たちはものすごく仕事ができます。憧れるのもわかります。でも、その人たちは一種の天才です。スティーブ・ジョブズのようになりたいと思っても、誰もが努力でなれるわけではありません。</p>

<p>ぼくは20年以上、出版社を経営しています。かつて自社で起業家の自伝本を出版するために、多くの起業家にインタビューをし、その方の考えや体験を聞きました。若くして起業し、一代で会社を大きく育て富と名声を手にした方々の話は本当に刺激的で、とても勉強になりました。</p>

<p>ただし同時に「ぼくはこの方々のようにはなれない」とも感じました。発想が天才すぎますし、想像を絶するプレッシャーに耐える忍耐力が人間離れしていたんです。インタビューをし、起業家の本を出版しながら、「こんな生活は、ぼくには絶対に耐えられないだろうな......」といつも思っていました。</p>

<p>彼らから学ぶことは大事です。しかし、簡単に目指せるわけではありません。彼らの資質はほとんどのビジネスパーソンにとって、「仕事ができる人」とは何か別のものなのです。</p>

<p>また、課題解決能力や発想力を鍛え、圧倒的な能力でプロジェクトを成功させるような人材になりたいと考える人もいるかもしれません。「それこそが『仕事ができる人』だ」と考えるかもしれませんね。</p>

<p>もちろんその人たちも「仕事ができる人」ではあります。</p>

<p>ただ、ぼくらは毎日大きな決断を迫られているわけではありません。毎日が「勝負日」なわけでもありません。実際は細かいタスクの積み重ねで1日が終わることが大半です。「今日何をした？」と聞かれても「いろいろやった」というのが正直なところでしょう。それらのタスクが無意味ということではありません。ぼくらの仕事とは「名もなき家事」のように小粒なタスクの集合体だということです。</p>

<p>言い換えると「このタスクがこなせたら仕事ができる人になれる！」というものはなく、いろんな場面でいろんなことができなければいけないということなんです。</p>

<p>となると、「仕事ができる」が、とても捉えどころがない言葉だと気づきます。結局何に着目すればいいのか？何をすることが「仕事ができる人」になることなのか？これまで、それを明確に捉えることがなかなかできませんでした。</p>

<p>「仕事ができる人」という言い方は頻繁にされますし、みんなそうなりたいと思っています。ですが、その「仕事ができる人」とはどういう人なのかと聞かれると明確に答えられません。つまり、「みんなよくわかっていない」のです。</p>

<p>わかっていないから、頭がいい人や作業が速い人、残業している人（逆に、早く帰っている人）、感じのいい人、みんなの話を聞いてくれる人、エクセルが得意な人のように、何か他のスキルや素養にすり替えて話をしてしまうのです。</p>

<p>でも、それらは「仕事ができる人」の本質ではありません。</p>

<p>頭がよくても、感じがよくても、AIを駆使しても、意味のあることをしていなければ「仕事ができる」とはならないからです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「仕事ができる人」はまわりが決める</h2>

<p>かつては、質のいい商品を作り、その認知度を上げれば売れていきました。</p>

<p>となると、ぼくらは決められた段取りをミスなく、かつ素早くこなせればよかった。それが「仕事ができる人」でした。</p>

<p>でも、いまは違います。やるべきことが明確に決まっていません。だから何をしたらいいかわからないし、上から指示をしてもらえるまで待っている人もいます。自分なりに考えてみても、それが評価につながっている実感は持てません。</p>

<p>そもそもでいえば、仕事ができる・できないは誰が決めることでしょうか？自分で決めていいのでしょうか？</p>

<p>答えは「NO」ですね。あなたが「仕事ができる人」かどうかは、あなたのまわりが決めることです。もっと直接的に考えるならば、あなたの評価を決める上司や顧客がどう思うかで決まります。</p>

<p>そう考えると、自分が時間を効率的に使えるようになったからといって、「仕事ができる人」にはならないこともわかります。相手が求めているのは「あなたが出した結果」であって、あなたが効率的に実行したかどうかはさほど関係がありません。</p>

<p>世の中には仕事術の本が多数あります。しかし、多くの本がスキルを身につけたり、効率よく素早くタスクを終わらせる方法を語るだけで終わっています。つまり、自分の業務を「どのようにやるか」を指南しています。</p>

<p>ですが、本当に大事なのは「何をすればいいのか？」のはずです。やる必要のない無駄なタスクを早く終わらせたところで意味はありません。「どうやればいいか」の前に「何をやればいいか」を考えなければいけないのに、それがすっぽりと抜け落ちているのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting04G.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 04 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木暮太一（一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>人間は叱ることで快感を覚えてしまう...『叱る依存がとまらない』【書評】  大村壮太（作家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12059</link>
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			<description><![CDATA[ビジネスパーソンのスキル向上に役立つ書籍『〈叱る依存〉がとまらない』について紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="論理的思考とは何か" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book.jpg" width="1200" /></p>

<p>日々、多忙なビジネスパーソン。限られた時間の中で、いかに効率良く知識や教養を身につけるかは、常に頭を悩ませる問題だろう。本連載では、そんな悩みを抱えるビジネスパーソンに、スキル向上に役立つ書籍を厳選してご紹介する。今回は、村中直人著『〈叱る依存〉がとまらない』（紀伊國屋書店）を取り上げる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『〈叱る依存〉がとまらない』</h2>

<p><img alt="叱る依存がとまらない" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250325Oomurasouta02.jpg" width="1200" /></p>

<p>私たちの社会では、「叱る」ことが愛情表現や教育の最善策として強く信じられている。ビジネスの現場でも、「育てる」ことと「叱る」ことがしばしば同一視され、人前での叱責や理不尽な言葉すら「美談」に仕立て上げられる風潮が残っている。</p>

<p>その背景には、「苦しまなくては人は学ばない」という頑なな信念がある。しかし、尊厳を傷つけられたり、理不尽な扱いを受けたりすることが、本当に私たちの「学び」を深めるのだろうか。</p>

<p>本書は、こうした「叱る」という行為にまつわる根強い思い込みを、認知心理学や精神医学の視点を取り入れながら解き明かしていく。</p>

<p>著者が「叱る」を指して「言葉を用いてネガティブな感情体験（恐怖、不安、苦痛、悲しみなど）を与え、相手の行動や認識をコントロールしようとする行為」と定義するくだりは衝撃的だ。これほど多くの場面で使われている手法が、実は「学び」を促すどころか阻害する要因になっているというのだ。</p>

<p>では、なぜ多くの人々が「叱る」ことの効力を信じて疑わないのか。著者は、その大きな要因を「人間に備わった処罰欲求や他者をコントロールしたい欲求が即座に満たされるからだ」と分析する。</p>

<p>部下を叱って行動が変わったと感じたとき、叱った側は「処罰欲求」が満たされ、自分が「正しいことをした」という優越感や「自己効力感」に浸る。こうして、一度その快感を覚えてしまうと「叱る」ことをやめられなくなってしまうのだ。</p>

<p>さらに本書は、「叱る」ことの依存性に強い警鐘を鳴らす。少年犯罪に対する「厳罰主義」や、教育現場の「体罰支持」、さらにはスポーツ指導現場での「しごき」など、私たちの周囲には「叱る」行為を正当化する例が数多く存在する。</p>

<p>その背後には、まさに「処罰感情」を満たし、心の空虚を埋めようとするメカニズムが潜んでいる。こうして社会全体が〈叱る依存〉から抜け出せなくなっているというわけだ。</p>

<p>本書の提言は明快だ。まずは自分の「処罰欲求」を見つめ直し、相手はコントロールできない存在だと知る。そして、対話を通じて互いの目指す方向を探っていくこと。</p>

<p>実際、多くの研究では、強制や叱責を受け続けると主体性や創造性が損なわれると示されている。真の「学び」を引き出すのは、ネガティブな感情による強制ではなく、自律的に行動できる環境なのだ。私たちは少しずつ「叱る」ことを手放し、別のアプローチを探る必要があるだろう。</p>

<p>ビジネスの現場でも、年齢も背景も異なる部下を指導する際、叱責以外の方法に悩むことは多いはずだ。そんなときに本書を読むと、「学び」を本質的に促す技術や心構えを身につける大きなヒントになるだろう。</p>

<p>また、教育やビジネスだけでなく、家庭や日常生活にも鋭い視線を投げかける。親子間の叱り方、友人同士の言い争い、さらには自分自身を追い込む内面の声まで、私たちのコミュニケーションを根本から問い直してくれる。</p>

<p>社会全体が「叱る」ことに支配されるのではなく、互いの尊厳を尊重し合いながら成長していける未来を築くために、この一冊は多くの示唆を与えてくれるに違いない。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 03 Apr 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大村壮太（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>情熱だけでは成功しない理由とは？ アスクル創業者が教える「勝てる仕組み」  伊藤羊一（武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長）、岩田彰一郎（［株］フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役CEO）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14020</link>
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			<description><![CDATA[岩田彰一郎、伊藤羊一の特別対談企画。企業当時の思い出から、若手経営者へのアドバイスまで語ってもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="岩田彰一郎×伊藤羊一「THE21」対談企画" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202604Ito-Iwata.jpg" width="1200" /></p>

<p>アスクル㈱の創業者であり、3月に初の著書『起業家になる前に知っておいてほしいこと』を上梓した岩田彰一郎氏。かたや武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の学部長を務める伊藤羊一氏。出版を記念した特別対談企画・後編。（取材・構成：杉山直隆、写真撮影：江藤大作）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2026年5月号の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「内なる自分」とロジックのバランスを取る</h2>

<p>【伊藤】ご著書には「お客様の現場でのヒアリングを大事にしている」ことも書かれていましたね。</p>

<p>【岩田】創業間もない頃からお客様のもとによくお伺いしていましたね。マーチャンダイザーが高齢者向け医療施設で1日だけ介護実習をさせていただいたこともありました。事務用品だけでなく、医療現場で扱うカテーテルやメス、介護施設で使う紙おむつや車椅子、建設現場で使う計測機器や作業服などを扱うようになったのはお客様のご要望からです。花王さんと介護施設用の洗濯洗剤を共同開発したのも、介護施設でのヒアリングがきっかけです。</p>

<p>【伊藤】そうしたヒアリングはいつから大事にされていたのですか。</p>

<p>【岩田】新卒入社したライオンで、プロダクトマネジャーとして、「free＆free」というヘアケア商品のブランドを開発したときからです。それまでライオンは老若男女が使うオールドマス向けのシャンプーだけをつくっていて、私の周りの若い女性たちからは「こんなダサいの、使わないわ」と言われていました。</p>

<p>そこでおしゃれに敏感なネオマス向けの商品をつくるために、流行の最先端をいくマーケットリーダーの女子大生を探し出して、ヘアケア商品の印象調査をしたり、一緒に街歩きをしたりしていたのです。そうした行動を積み重ねると、若い女性たちの価値観や感性の背景が見えてきて、私の中の「内なる自分」にも、その感覚が芽生えてきました。</p>

<p>【伊藤】「内なる自分」とは？</p>

<p>【岩田】自分の琴線のようなものです。「自分は買わないけれど、誰かが買うだろう」という商品やサービスをつくっても、買う人はいません。やはり自分が欲しくなるもの、「うちに置いてもいいよね」と琴線に響くものを一つひとつちゃんと丁寧につくっていくことが大切だと思います。自分とお客様がかけ離れているなら、少しでも近づけるように、「内なる自分」を育てていくわけです。</p>

<p>【伊藤】お客様とやりとりしているうちに、内なる自分が結晶化していくんですね。アスクルも「ここで買うとかっこいい」「プライベートブランドがおしゃれ」と事務スタッフに支持されたことが大きな成長要因だと思いますが、内なる自分は意識していましたか？</p>

<p>【岩田】もちろん意識していました。オフィスを格好良くしたのも、内なる自分を高めて、格好の良いサービスや商品を提供するためです。一方で、商品やサービスを開発するときは、そういうエモーショナルな右脳だけでなく、ロジカルな左脳の視点も必要だと考えています。</p>

<p>【伊藤】まずは右脳ありきで、それがビジネスとして成り立つかどうか左脳で考えて、「それでいいんだっけ？」と右脳に戻るプロセスを繰り返す......そんなイメージですか？</p>

<p>【岩田】そうです。右脳と左脳のバランスを取ることは大事にしていました。</p>

<p>【伊藤】私も学部を運営するうえでも改めて意識しようと思います。</p>

<p>【岩田】大学も「キャンパスに行くと気分が上がる」とか「教材を友人にやたら見せたくなる」とか、エモーショナルな部分は大事ですよね。</p>

<p>【伊藤】僕も武蔵野EMCを作ったとき、通っている学生がいきいきと暮らしている小説を自分で書いてみたんですよ。エモーショナルな部分を想像して、その世界を実現しようと考えていました。</p>

<p>【岩田】それはすごくいいですね。</p>

<p>【伊藤】岩田さんは、アスクルを経営する中で、将来の夢のようなものも描いていたのですか？</p>

<p>【岩田】世の中のインフラの一つになりたいと思っていました。今や誰も水道をビジネスだと思っていないように、インフラになるとだんだん目立たなくなりますよね。そのように、会社の存在感がなくなっていくのが理想形だと考えていました。</p>

<p>【伊藤】現実にアスクルはインフラになりましたね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>社内に浸透させたいことは何度も言い続けるしかない</h2>

<p>【伊藤】「言葉」の使い方も岩田さんから学んだことの一つです。ご著書にも書かれていましたが、必ず「お客様」と言い、「客」「ユーザー」「囲い込み」「ターゲット」などの言葉は普段から使わないようにされていたそうですね。</p>

<p>【岩田】もし自分が初めて行った店で商品を買った後に、その店主が「新たなユーザーを囲い込めた」と裏で言っていたら、すごく気持ち悪いじゃないですか。「自分のことを記号でしか見ていないんだな」と。</p>

<p>【伊藤】「送客」という言葉もよく聞きますけど、送客ってなんなん？と思いますね。</p>

<p>【岩田】お客様が聞いたら気持ち悪いと思うことは普段から絶対に言ってはいけないと考えています。言い続けると、そうした価値観が染み付き、お客様の前でも態度に表れるからです。経営やマーケティングを考えるときも、お客様のことよりも目先の数字ばかりを追って、テクニックに走るようになります。</p>

<p>【伊藤】言葉に対する意識は、岩田さんだけでなく、社員全員に浸透させることが重要ですよね。アスクルではどう浸透させたのですか。</p>

<p>【岩田】毎週月曜日に自由参加の朝礼を行なっていたのですが、その場で何度も言い続けていました。同じことを色んな角度から伝える工夫は必要ですが、それを続けてはじめて、お客様やビジネスに対する姿勢ができてくると思います。</p>

<p>【伊藤】逆に言うと、同じことを問い続けないと人は変わらない、ということですね。</p>

<p>【岩田】何も意識しなくても、善良で、絶えず人のために動けるような人は、私も含めていないと思うんですよ。「こうあるべきだ」ということを言い聞かせて理性の力に働きかけることで、そういう行動ができるようになってくる。これは組織も個人も同じだと考えています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>若い人にとっての「ロイター板」になりたい</h2>

<p>【伊藤】支援されているスタートアップの起業家たちには、どんなアドバイスを送っていますか？</p>

<p>【岩田】私が支援している起業家は、テクニックを駆使してお金儲けをしたい人ではなく、「こういうことで世の中に役立ちたい」という意志を持ってチャレンジしている人です。しかし、意志を持って立ち上げたビジネスがすべて成功するかというとそうではありません。そこでお伝えしているのが「とにかくたくさん運動すること」です。</p>

<p>【伊藤】運動というのは？</p>

<p>【岩田】本当に運動するわけではありません。様々なビジネスの形を試してみることです。そのうえで一度立ち止まり、「本当に自分たちは何をしたかったのか」「何が世の中の役に立つのか」を見つめ直して、もう一度、経営理念とビジネスモデルを定義する。すると、本当に大きく成長する会社に生まれ変わっていきます。</p>

<p>私はビジネスモデルのことを「勝てる構造」と言っているのですが、勝てる構造がないといくら努力しても成長できません。レースで言えば、ターボチャージャー付きのエンジンの車とノーマルエンジンの車が勝負したら、どんなに頑張ってもノーマルは勝てません。</p>

<p>しかし現実には、日々の仕事で消耗して、自分たちのビジネスが勝てる構造かどうか検証しないまま終わるスタートアップが非常に多いのです。そこで、私が起業家に伴走して、勝てる構造をどう作り上げるかを一緒に考えるようにしています。</p>

<p>【伊藤】パッションがあるけれど、空回りしている起業家は多くいます。そこでいったん立ち止まってもらって、勝てる構造かどうかを冷静に考えてもらうわけですね。</p>

<p>【岩田】伊藤さんも感じていると思いますが、パッションを持った若い人たちはたくさんいます。そういう人たちがもっと活躍できるように支援をしていきたい。いわば若い人たちが高い跳び箱を跳ぶための「ロイター板」のような存在になれればいいと思っています。</p>

<p>【伊藤】僕も学部という人が育っていくプラットフォームをつくれたので、ロイター板となってどんどん若い人を跳ばしたいと思います。10年後、「伊藤くん、君のロイター板、バネが弱いね」「いやいや、岩田さんのロイター板こそ」なんていう会話ができたら嬉しいですね。</p>

<p>【岩田】バンバン跳んでもらえるよう、お互い頑張りましょう！</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 03 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[伊藤羊一（武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長）、岩田彰一郎（［株］フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>億万長者が惜しまない「100歳まで遊んで暮らすための投資」とは?  嶋村吉洋（実業家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11973</link>
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			<description><![CDATA[幸せな億万長者ほどお金を惜しまない「投資」とは? 実業家として活躍をつづける嶋村吉洋さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="お金持ちがやっていること" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utility/50thegami05_m-min.jpg" width="1200" /></p>

<p>10代で起業し、実業家として活躍をつづける嶋村吉洋さん。嶋村さんによれば、本物の億万長者ほど、惜しみなくお金をかけるものがあるといいます。書籍『となりの億万長者が17時になったらやっていること』より解説します。</p>

<p>※本稿は、嶋村吉洋著『となりの億万長者が17時になったらやっていること』より内容を一部抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>仲間の成功より、自分の服や時計が気になりだしたら「終わり」</h2>

<p>これは私見なのですが、落ちていく億万長者には特徴があると思うのです。</p>

<p>・仲間と一緒に誰よりも現場で汗をかいていたが、ゴルフなどにハマりだした<br />
・地味で上質な服装や髪型をしていたが、派手な時計やジュエリーを身に着けるギラギラ系になった<br />
・目立たない車に乗っていたが、派手な車に乗るようになった<br />
・早寝早起きをして規則正しい生活をしていたが、夜のお店に通いだした<br />
・ゴシップなどにまったく興味がなく、守秘義務を徹底していたが、ゴシップが大好きでいろんなことを吹聴するようになった</p>

<p>コミュニティの成功より、ゴルフのスコアが気になりだしたら、もう億万長者は終わりです。<br />
仲間の成功より、自分の服や時計が気になったら、もう億万長者は破滅です。</p>

<p>優秀で自分を律している幸せな億万長者たちは、そういう人を見て、「この人もここまでだな」と見切り、離れていきます。</p>

<p>やはり自らの力で億万長者になった人は、付き合う相手もシビアに選ぶのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>100歳まで遊んで暮らすための投資を惜しまない</h2>

<p>ならば幸せな億万長者たちが、惜しみなくお金をかけるものとは、どんなものなのでしょう。</p>

<p>まず何より「健康」があります。</p>

<p>普通の人は、どれくらい健康に対して、お金を使っているでしょうか? 私もその昔は、自分の健康に対して、かなり無頓着でした。まあ、主食がカップラーメン・袋ラーメンでしたから、酷いもんです（笑）。</p>

<p>それでも多くの幸せな億万長者レベルの方とお付き合いするようになり、年々真面目に体をケアしていくことが必要になると、皆の習慣を取り入れて健康にお金をかけるようになっていきます。</p>

<p>すると一体、どれほどの投資が必要になるのか?</p>

<p>まず、私は健康のために点滴を打っています。「高濃度ビタミンC」や「グルタチオン」などです。こういった点滴を打つと1回8万円くらいなのですが、私はこれを月に2回やっています。</p>

<p>さらに毎日60分は、体のメンテナンスをしてもらいます。6000円&times;30日で、だいたい20万円くらい。それに特注の漢方やサプリメントの費用が20万円くらいです。健康に対する投資は、私の場合、月におよそ50万円〜60万円です。</p>

<p>ビックリするかもしれませんが、私などは可愛いもので、もっと健康に投資をしている人は山ほどいます。</p>

<p>仕事をするにも、思いっきり遊ぶにも、健康な体があってこそ。できたら100歳まで働いて遊べる健康体でありたい。だから、幸せな億万長者の人々は健康にお金を惜しみません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「質の高い情報」をもとに意思決定する</h2>

<p>また、業種・職業問わず、真剣にチャレンジしている方のほとんどが、学ぶのが大好きなのだと思います。</p>

<p>私の周辺の成功者全員が、貪欲に学んでいます。ここ数年、本の内容をわかりやすくまとめた動画が人気なのは、多くの人がワークアウトなどをしながら学ぶことができる動画に価値を感じているからだと思います。</p>

<p>私はジャンルを問わず、自分への投資としていろんな情報をインプットしますが、特に価値を感じているのが、<br />
・歴史の本・動画<br />
・質の高い研修<br />
・日経新聞社・テレビ東京が発信している情報<br />
です。</p>

<p>16歳で社会に出た私に、諸先輩方が、「成功したかったらひとまず日経新聞を読め!」と、口々におっしゃることに驚いたのが昨日のことのようです。</p>

<p>「ニッケイシンブン? ソレハナンデスカ?」というところからスタートしたのですが、今は少なくとも読んでる風を装うことはできるようになりました（笑） 。</p>

<p>そんな私は日経新聞社があまりにも好きすぎて、いつのまにやらテレビ東京の大株主になりました。（※日経新聞社は、日本国内で5局しかないキー局の1つであるテレビ東京の大株主です。）</p>

<p>やみくもに情報をインプットするのではなく、読書・動画を通じて、自分が何のために頑張るのか?</p>

<p>目的・目標・戦略・戦術などすべてを明確にする。それが大事です。こういった自分への投資は、とっても費用対効果が高いと私は思います。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utility/50thegami05_m-min.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 02 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[嶋村吉洋（実業家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ大企業になると顧客志向が失われるのか アスクル創業者が明かすその理由  伊藤羊一（武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長）、岩田彰一郎（［株］フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役CEO）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14018</link>
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			<description><![CDATA[岩田彰一郎、伊藤羊一の特別対談企画。経営者として、そしてリーダーとして掲げている信念について、赤裸々に語ってもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="岩田彰一郎×伊藤羊一「THE21」対談企画" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202604Ito-Iwata.jpg" width="1200" /></p>

<p>アスクル㈱の創業者であり、3月に初の著書『起業家になる前に知っておいてほしいこと』を上梓した岩田彰一郎氏。かたや武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の学部長を務める伊藤羊一氏。26年来の間柄だという両者の、特別対談企画・前編。（取材・構成：杉山直隆、写真撮影：江藤大作）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2026年5月号の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>岩田さんから影響を受けた｢FREE・FLAT・FUN」</h2>

<p>【伊藤】岩田さんと初めてお会いしたのは2000年。私が興銀の営業マンとして、アスクルさんを担当させていただいたときです。その後、プラスに転職した後もグループ経営者会議などでご一緒させていただけるようになり、ヤフーに転職した後も、アスクルがグループ会社になっていたので、再びお話しさせていただくようになりました。</p>

<p>そこで岩田さんから教えていただいたことは今も活きています。例えば、私は｢FREE・FLAT・FUN」を個人の理念として掲げているのですが、実は岩田さんの「はじめに意志ありき」「すべての相手はイコールパートナー」といった考え方に影響を受けています。</p>

<p>【岩田】覚えていただけて嬉しいです。伊藤さんは今、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部（武蔵野EMC）の学部長をされているそうですね。</p>

<p>【伊藤】2021年4月の開設当初から就任しました。実は、武蔵野大学の西本照真学長（当時）に「伊藤さんがつくりたい学部を新たにつくりませんか？」とお声がけいただき、ゼロから立ち上げたのです。日本で唯一のアントレプレナーシップに関する学部をつくったのですが、学部をつくった経験など一度もなく、ゼロイチとはこんなにつらいんだなと思い知らされました。</p>

<p>【岩田】ゼロイチは強い意志が必要ですよね。それがないと、現実に流されてしまいますから。</p>

<p>【伊藤】新しいことをすると上手くいかないことばかりですが、意志があるからこそつらくても乗り越えられる。それを岩田さんもアスクルで経験してきたんだな、と少しだけ理解できた気がしました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>当たり前のことを貫き通す難しさ</h2>

<p>【岩田】伊藤さんは大学でアントレプレナーシップを持った若者たちを育成する仕事をされていますが、私もアスクルを辞めてからは次世代を応援するのが自分の仕事だと考えて、20数社のスタートアップを支援しています。志ある起業家たちに経営のセオリーを伝えたいと思っていまして、今度出版した本もその一環です。</p>

<p>【伊藤】この本に書かれているセオリーは、極めて当たり前のことが書かれている、と捉える読者が多いのではないかと思います。しかし、実際にやってみると、当たり前のようで当たり前じゃない。</p>

<p>【岩田】おっしゃる通りですね。例えば、私は創業当初から「お客様のために進化する」と言い続けています。お客様志向はどの会社でも言われること。しかし本当に難しいのはお客様志向を貫き通すことです。</p>

<p>【伊藤】それを貫き通したのが、アスクル成長の理由であり、岩田さんのすごさだと思います。例えば、アスクル立ち上げの目的はプラスの最大のライバルメーカーに勝つためだったのに、お客様の要望を聞いて、そのメーカーの商品も売り始めた。社内の猛烈な反発を押し切って売れる人はそうはいません。</p>

<p>また、創業当初に、大雪が降る秋田の山奥に、わざわざ社員が4WD車で商品を届けにいったという話も、以前お聞きしましたね。注文翌日に届けるという約束を守るために、赤字を承知で届けにいったと。今の会社の規模になると現実的な行動ではありませんが、当時としても簡単にできない決断だったと思います。</p>

<p>【岩田】お客様のご注文の背景には一つひとつドラマがあります。例えば、総務部の方が明日の役員会で絶対に必要なものを発注している。これが期日通りに届かないことは絶対にあってはならないことです。</p>

<p>通販の仕事はお客様の顔が見えないので、お客様からのオーダーを単なる数字として見てしまい、流れ作業で処理しがちですが、すごく良くないことです。「もしこのご注文を届けられなかったら何が起こるのだろう？」、そんな想像力がサービスの徹底につながります。想像力がなくなったら、そのビジネスは終わりだと思います。</p>

<p>【伊藤】僕もプラスの物流部門にいたとき、岩田さんの判断を思い出し、幼稚園の卒園式で使うリボンを「新幹線を使ってでもいいから届けて」と指示したことがあります。</p>

<p>会社が大きくなると言うことが変わる経営者は少なくありませんが、岩田さんは売上が数千億円規模になってからも、お客様に対する考え方がブレていませんでした。そこに僕は大きな刺激を受けましたね。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202604Ito-Iwata.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 01 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[伊藤羊一（武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長）、岩田彰一郎（［株］フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>第一印象は7週間変わらない⁉ 心理学者が教える初対面で好かれるコツ（連載「明日から使える心理テクニック」第1回）  内藤誼人（心理学者）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14035</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014035</guid>
			<description><![CDATA[心理学者の内藤誼人氏による連載企画。第1回である今回は、「第一印象」が相手に与える影響と、良い影響を与えるためのポイントを解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="第一印象で握手を交わすビジネスパーソン" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Bizcommunication.jpg" width="1200" /></p>

<p>日々の生活のなかで、「こんな時、どうするべきなのか？」「どうすればもっと良い結果が得られるのか？」と考えることは多いだろう。そんな時、一つの指針になるかもしれないのが、心理学だ。今月から始まる本連載では、200冊以上の著作を持つ心理学者の内藤誼人氏に、ビジネスや人間関係に役立つ知見を語っていただく。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第一印象が与える影響はいつまで続く？</h2>

<p>4月は出会いの季節。新人社員も入ってきますし、部署異動によって、新しい人間関係を作らなければならない機会も増えます。新しいクライアントとお付き合いしなければならない人もいるでしょうね。</p>

<p>さて4月になると、お互いにまったく面識のない人との出会いが増えるわけですが、そこで重要になってくるのは、いかに自分の第一印象を良くするのか、という問題です。</p>

<p>好ましい印象を持ってもらえれば、その後のお付き合いもずいぶんとラクになりますが、最悪の印象を与えると、その後の関係がギクシャクしてしまい、あっという間に縁が切れてしまうこともありますので細心の注意が必要です。</p>

<p>言うまでもなく、初対面の出会いは1回だけ。ゲームであれば簡単にリセット（やり直し）ができますが、現実の世界では「うまく自己アピールできなかったから、もう1回！」というわけにはいきません。チャンスは1回だけ。そこで好ましい印象を相手に持ってもらえないと、その後もずっと悪い印象を持たれたまま。これは怖いですね。</p>

<p>ノースウェスタン大学のバーナデット・パーク博士は、1週間に2回行われるセミナーを7週間に渡って開催する、という実験を行いました。実験の参加者に毎回、顔を合わせるメンバーについての印象を尋ねるというものです。</p>

<p>その結果を見ると、初回の印象（つまり第一印象）は、その後もずっと変わらず、7週間に渡って維持されることがわかりました。つまり、最初に「イヤな奴だな」と思われると、その後もずっと「イヤな奴」と思われ続けてしまい、挽回できなくなってしまうのです。</p>

<p>第一印象は7週間どころか、もっと長く維持されることを示す研究もあります。</p>

<p>ミネソタ大学のマイケル・サンナフランクは、164名の大学生を対象に、同性同士のペアを作らせておしゃべりしてもらうという実験をしました。この実験は9週間に渡って続けられたのですが、第一印象は9週間後にも変わらないことが明らかにされたのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>愛される自分を演出する心構え</h2>

<p>これらの実験結果から、その後の関係における第一印象の重要性がはっきりとわかるはずです。</p>

<p>ですが私は、この「第一印象の重要性」がまだまだ世の中に広まらず、軽んじられていると感じます。</p>

<p>新しい職場やコミュニティでの初日を迎える前に、どういう自己紹介をすれば最高の自分を演出できるのかということを本気で考え、あらかじめ入念に準備している人がどれだけいるでしょうか。おそらく、圧倒的多数の人は、「まぁ、何とかなるだろう」とお気楽に考えているのではないかと思われます。</p>

<p>私たちの印象というものは、その後もずっと保持される傾向があるわけですから、できるだけ好ましい印象を与えるように、初回から全力で自己アピールするのが正解です。</p>

<p>では、どうすれば好ましい第一印象を与えることができるのでしょうか。</p>

<p>そのためには、次の3つの心構えがポイントです。一つずつ解説していきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h3>〇できるだけ明るく、快活な声を出そう</h3>

<p>もちろん個人差はありますが、私たちは概ね、明るく、陽気で太陽のような人を好みます。陰鬱で、暗い雰囲気を漂わせている人に好印象を持つことは少ないでしょう。</p>

<p>であるならば、新しい人と出会うときには、なるべく自分のテンションを上げ、元気いっぱいなイメージを演出するのが得策です。いつもより少し大きな声を出して、エネルギーに溢れた人間に見える努力をしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h3>〇笑顔を絶やさず、気持ちのいい人物を演出しよう</h3>

<p>笑顔も大切です。普段は仏頂面でもかまいませんが、人に会っているときくらいは常に笑顔を絶やさず、気持ちのいい人物のイメージを相手に持ってもらえるようにしなければなりません。上機嫌で、愛想のいい人間のフリをしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h3>〇親しみを感じてもらえる失敗談を準備しよう</h3>

<p>さらには、相手に親しみを感じてもらえるような自分のエピソードもあらかじめ準備しておきましょう。自分のドジな話や失敗談がよいのではないかと思われます。私たちは、完璧な人よりドジな人に対して自然と親近感を覚えます。</p>

<p>たとえどれだけ虫の居所が悪いとしても、初対面の人に会うときには不機嫌そうな顔をするのをやめて、とびっきり明るい人間のフリをしてください。最初に悪い印象を与えてしまうと、その後いくら好ましい振る舞いをしても、なかなか印象は変えてもらえませんからね。</p>
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						<pubDate>Wed, 01 Apr 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[内藤誼人（心理学者）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>中古マンション選びで避けるべき「管理に問題のある物件」の見抜き方  長嶋修（不動産コンサルタント）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12045</link>
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			<description><![CDATA[中古マンション選びで避けるべき物件の特徴について、不動産コンサルタントの長嶋修氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="中古マンション" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_fudosan.jpg" width="1200" /></p>

<p>近年マンション価格は高騰しており、都心では新築マンションの平均価格が1億円を超えたという。予算の面から、中古マンションに目を向ける層も増えているようだ。不動産コンサルタントの長嶋修氏は、中古物件を選ぶ際に注意すべきポイントは「管理」だと語る。書籍『２０３０年の不動産』より解説する。</p>

<p>※本稿は、長嶋修著『２０３０年の不動産』（日経プレミアシリーズ）より内容を一部抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>中古マンション選びは「管理」が決め手になる</h2>

<p>中古マンションのもっとも大きなメリットは、新築と比較して価格が安いことです。新築物件の販売価格には「新築プレミアム」と呼ばれる上乗せがあり、割高に設定されています。中古住宅は新築プレミアムが剝がれる分、エリアも条件も似たような水準の新築マンションに比べると、販売価格が抑えられています。</p>

<p>価格以上にメリットとして大きいのが、建物の竣工後から現在に至るまでの「管理」状況を確認してから買える点です。「マンションは管理を買え」とは昔から言われる言葉ですが、実際にマンションを活かすも殺すも、結局のところ管理次第です。</p>

<p>今、日本の人口の1割以上はマンションに居住し、その数は1500万人以上と推計されています。当然、その分だけたくさんのマンションがあるわけですが、なかには管理の状態に問題を抱えた物件も少なくありません。</p>

<p>そもそもマンションの管理とは、住民が快適かつ安全に居住するため、さらには資産価値をなるべく維持するために管理費や修繕積立金を集め、日々建物の点検や修繕を行い、管理組合の理事会や総会を定期的に運営することなどを指しています。</p>

<p>よく「マンションの管理は管理会社に任せておけばいい」と思っている人がいますが、マンション管理の主体はあくまで管理組合です。管理組合は、分譲マンションを区分所有している住民全員によって構成されるもの。組合への加入は、法律（区分所有法）で定められた区分所有者の義務です。</p>

<p>新築分譲直後は、マンションを分譲した業者からのつながりで、系列の管理会社が管理を担うのが一般的です。ただ、管理会社は管理組合の依頼を受けて仕事をしている立場に過ぎません。その契約は永遠に続くと決まったものではないので、組合側は途中で契約を打ち切ることができますし、逆に管理会社側から契約の継続を断られるケースもあります。</p>

<p>管理組合の総会や理事会の議事録を見ると、管理の実態や、そのマンションでどんな問題が生じているか、過度なクレームなどの問題行動が多いモンスター住民はいないかなどが、ある程度わかります。</p>

<p>一方、新築の物件は購入者に住戸が引き渡されてから管理組合が設立されるので、当然ながら管理の履歴はまっさらです。もちろん、どのような住民がいるかもわからず、出たとこ勝負になる怖さがあります。</p>

<p>管理の履歴がわかるにもかかわらず、きちんと調べずに問題がある中古マンションを買ってしまうと、遅かれ早かれ住みづらさを覚えるようになるでしょう。</p>

<p>さらには、資産価値が急落する恐れもあります。それは、タワマンのような高級マンションであっても例外ではありません。事前に管理について調べることは、中古マンションを買ううえで何よりも重要なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>避けるべき「管理に問題のあるマンション」の特徴</h2>

<p>●住民の高齢化や空き家の増加で、そもそも管理組合が機能していない</p>

<p>昔ながらの団地をはじめとする築古マンションでは、往々にして多くの住民が高齢化しています。住民が亡くなったり、老人ホームに転居したりすることも多く、空き住戸が増えがちです。</p>

<p>好立地の物件であれば、新たな入居者が次々と入ってくる見込みがありますが、郊外エリアで駅から離れている不便な立地だと、そうはいきません。高く売るのはまず無理ですし、ほとんど叩き売りに近い安値をつけても売れづらい状態です。</p>

<p>結果、そのマンションの人口密度は、年を追うごとに低下していきます。高齢化が著しく、くしの歯が欠けたように空き住戸が目立つマンションにおいて、管理組合はほとんどあってないようなものです。住民が少なければあまり管理費が集まらないため、管理会社を雇うこともできなくなります。</p>

<p>管理会社を雇えなければ、住民が自分たちでマンション管理業務の一切を担う「自主管理」の状態になります。マンションの管理形態には「全部委託管理」「一部委託管理」「自主管理」の3種類があります。</p>

<p>全部委託管理は、マンション管理のほぼすべてを管理会社に任せる形態を指します。住民にとっては、管理組合員としての業務（理事を務める、総会に参加するなど）を最低限こなす必要はあるものの、ほとんどの雑務からは解放されるため、もっともラクな形と言えます。2025年時点では、日本にあるマンションの7割以上が、この全部委託管理を選択していると言われます。</p>

<p>これに対し、一部委託管理は管理業務の一部を管理会社に任せ、残りを管理組合で行う形態で、1割強のマンションが選択しています。新築分譲時の管理会社との契約は基本的に全部委託管理なので、一部委託管理を採用しているのは中古マンションです。</p>

<p>何を管理会社に任せるかはマンションによって異なりますが、たとえば難度の高い基幹業務は管理会社に委任。その一方、業務用の掃除機などを購入し、住民が持ち回りで清掃を行っているマンションも実際にあります。</p>

<p>基幹事務には、管理組合の収支計算書や予算案を作成したり、管理費や修繕積立金の徴収、業者への支払いを行ったり、マンションの修繕を計画・実施したりといった内容が含まれています。</p>

<p>逆に、清掃や設備メンテナンスなどは管理会社に任せ、基幹事務は組合のほうで担っているパターンもあります。住民の負担はそこそこ大きいですが、管理の一切合切を外注するよりも管理委託費が抑えられるのがメリットです。</p>

<p>最後に自主管理とは、管理会社を入れずにすべての管理業務を管理組合でこなしていく形です。目下、全体の1割近くのマンションが自主管理となっており、国土交通省の調査によると、その多くは昭和の時代に建てられた築古物件です。</p>

<p>あえて自主管理を選択し、マンション管理用のアプリなどを駆使して、住民自らが管理業務の一切を取り仕切っている先進的なマンションもあります。管理会社任せにせず、自分たちの手で自分たちの資産を守るという意識を持ち、住民同士で連携して必要十分な管理をローコストで実践するというのは、マンション管理の理想形と言えるでしょう。</p>

<p>しかし、その道のプロフェッショナルである管理会社にお任せにするのと比べると、かなり手間がかかるので、実現するにはやる気と根気が必要とされます。さらに、ある程度のノウハウも学ばなければなりません。リーダーシップをもって管理組合を導いてくれるような人材も必須でしょう。よって、現時点ではまだ自主管理で成功するのはなかなか難しいと言えます。</p>

<p>現実には、なし崩し的に自主管理になり、共用部の清掃や設備の点検、建物の修繕に手をかけることができず、結果として廃墟化が進む事例が数多く見られます。</p>

<p>近年、労働力不足に伴う人件費の高騰などを背景として、管理会社の委託費用は値上がりしています。さくら事務所が以前に行った調査によると、2017年からの7年間で管理費の平均額は約1.2倍に増額されていました。</p>

<p>今後も費用が下がる要素はあまり見当たらないため、2030年に向けて一部委託管理や自主管理を選択せざるを得なくなるマンションは増えていくでしょう。マンションを選ぶうえで、管理の形態を知ることは非常に重要になっていきます。</p>

<p>もし、あなたがマンション管理にかかわる雑務を引き受けたくないのであれば、全部委託管理のマンションを検討すべきでしょう。ただ、管理費は高額になりやすいので、ランニングコストを少しでも下げたいなら、今後増えていくと見られる一部委託管理のマンションも視野に入れることになります。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 31 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[長嶋修（不動産コンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>60歳以降のキャリアを充実させるために「50代のうちに始めておきたいこと」  西尾太（人事コンサルタント）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14052</link>
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			<description><![CDATA[60歳以降のキャリアを充実させるために、50代のうちから始めておくべきことについて、人事コンサルタントの西尾太氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="60代のキャリア" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizwriting.jpg" width="1200" /></p>

<p>60代以降も充実したキャリアを築くには? 人事のプロである西尾太氏に「キャリアの棚卸し」の重要性や、必要なスキルや経験値を身につけるための「社内転職」の方法について話を聞いた。（取材・構成：塚田有香）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分を客観視するには第三者の意見を聞く</h2>

<p><img alt="ミドルの強みになりやすい「マネジメント力」の図式化" height="1288" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207Nishiofutoshi03.jpg" width="1200" /></p>

<p>キャリアの棚卸しをする際は、これまでの仕事を振り返り、「自分ができること（得意なこと）」と「苦手なこと」を書き出していきます。自分で考える作業も必要ですが、自身を客観視するのはなかなか難しいので、ぜひ上司や同僚からフィードバックを受けることをお勧めします。率直に話せる関係の相手であれば、良いところと改善すべきところの両方をざっくばらんに指摘してくれるはずです。</p>

<p>「自分には特筆するほどの強みはない」と思っている人も多いのですが、社会に出てから20年、30年と経験を積んできたミドルなら、若手にはない専門性やスキルを備えているはずです。</p>

<p>例えばマネジメント力は、ミドルの強みになりやすいスキルです。これは管理職を経験しなければ身につけられない力ではありません。仕事を効率良く進め、納期までに求められる成果を出す「タスクマネジメント」は、どんな職種や立場でも必要とされます。</p>

<p>協調性を発揮して周囲と良好な関係を築きながら、自分で主体的に考えて行動する「ヒューマンマネジメント」も同様です。管理職の経験があれば、ヒューマンマネジメントに加えて人材育成力も身についているはずです。</p>

<p>ビジネスパーソンにとっての成長とは、「タスクマネジメント&times;ヒューマンマネジメント」の面積を広げ、組織への影響力を大きくしていくこと。自分の強みがわからないという人は、まずはマネジメントスキルをチェックしてみるといいでしょう。</p>

<p>そこに「リーダーシップ」と「リスクマネジメント」が加われば、影響力はより拡大します（右下の図参照）。リーダーシップとは、政治経済や市場動向など幅広い情報を踏まえたうえで、組織の３年後や５年後のビジョンに向けて戦略を策定し、実行する力です。この戦略策定力を備えた人材は少なく、組織の戦略が作れる人は社内転職でも社外転職でも貴重な人材として高いニーズがあります。</p>

<p>また、情報漏洩やハラスメントなど、リスク要因を適切に管理する力も、今の時代には欠かせないスキルです。</p>

<p>多くの人と関わりながら仕事をしてきたミドルなら、コミュニケーション力や人脈力も培われているはず。「同期に役員がいるから、ちょっと話を通してくるわ」「あの会社の部長とはつきあいが長いから、今度紹介するよ」と言えるのは、ミドルならではの強みです。そんな人は周囲からも頼りにされ、どのチームでもなくてはならない存在として評価されます。</p>

<p>このようにキャリアの棚卸しをすれば「自分はこれができる」というものが見つかるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>60歳以降のキャリアから今やるべきことを逆算する</h2>

<p><img alt="定年後から逆算して「社内転職」の計画を" height="2222" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207Nishiofutoshi04.jpg" width="1200" /></p>

<p>キャリアの棚卸しに加えて考えておきたいのが、「60歳以降のキャリア」です。60歳や65歳で正社員としての定年を迎えたあとも、今の会社で再雇用社員として働くのか。それとも他社で顧問やアドバイザーとしてやっていきたいのか。あるいは独立や起業を目指すのか。先のキャリアをイメージすることで、50代のうちに今の会社で何をすべきかも見えてきます。</p>

<p>例えば、営業として経験を積んだ人が、定年後は営業コンサルタントとして独立したいなら、自分が持つ知識や情報を体系化して人に伝えるスキルを確立することが必要です。そのためには、部門外同職種異動によって新たな製品群を担当することで、「どんな商材を扱う場合もこうすればうまくいく」という営業の法則を見出せるかもしれません。</p>

<p>または地域異動をすることで、都市部と地方における営業戦略の立て方の違いを体系化できるかもしれません。60歳以降のキャリアから逆算すれば、社内転職の計画も立てやすいはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>社内転職を叶えたいなら人事とうまくつきあおう</h2>

<p>社内転職を望むなら、人事とのつきあいも大切です。人事異動の決定権を持つのは上司や所属部門の役員などですが、何らかの意見は言うので、仲良くしておいて損はありません。</p>

<p>人事に同期や個人的な知り合いがいれば、社内転職について相談してみるといいでしょう。</p>

<p>直属の上司に相談してもいいのですが、異動を希望するということは「今の部署にいたくない」という意思表示でもあるので、かなり勇気が要ります。「上司には相談しづらいのですが、実は別の部署に移りたいと考えています」と人事に相談すれば、話を聞いてくれるはずです。</p>

<p>その際は、相談内容を具体的に伝えてください。「私はこれからどうすればいいでしょう?」と聞かれても、人事は困ってしまいます。「私は○○の強みを活かして、□□の仕事で会社に貢献したいと思っています。それを実現するために△△に異動したいと考えているのですが、可能でしょうか?」といった聞き方をすれば、人事も具体的な回答やアドバイスを返せます。「自分はこうしたい」というビジョンと意志をしっかり持って相談するのがポイントです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>社内転職が難しいなら「週4勤務＋副業」の交渉を</h2>

<p>社内転職の希望が必ずしも叶うとは限りません。そもそも自分がやりたいことに合致する部署やポストが自社内に存在しないケースもあります。その場合は現在の部署で働き続けながら、60代以降のキャリアに必要なスキルや経験値を身につけなくてはいけません。</p>

<p>その手段として有力な選択肢となるのが、副業です。最近は週4日勤務や週3日勤務が可能な企業もありますが、こうした制度がなくても、「週に1日は副業をしたいので、週4日勤務にしていただけませんか。もちろん給与は現在の5分の4で結構です」と申し出れば、許可する会社は多いはずです。</p>

<p>最初に話したように、会社が一番嫌うのは現状維持でやり過ごそうとするミドルなので、「将来のために給与が減ってでも新しいことにチャレンジしたい」という意欲と行動力を示す社員がいれば、できるだけ応えようとしてくれるでしょう。</p>

<p>副業の注意点は、今の会社と競合しない企業や業態を選ぶことと、二重雇用は避けること。雇用先が複数あると社員の労務管理が難しくなるため、嫌がる会社が多いからです。副業をするなら、業務委託など他社に雇用されない形を検討しましょう。</p>

<p>社内転職をするにしろ、今の部署にいながらスキルアップするにしろ、50代のうちにリスクをとってチャレンジすれば、定年後の働き方や人生の可能性は大きく広がります。ぜひ皆さんも現状維持を抜け出し、自分自身を成長させていきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【西尾太（にしお・ふとし）】<br />
人事コンサルタント。1965年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。いすゞ自動車労務部門、リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ（CCC）にて人事部長、クリエイターエージェンシー業務を行なうクリーク・アンド・リバー社にて人事・総務部長を歴任。これまで１万人超の採用・昇格面接・管理職研修・階層別研修・人事担当者教育を行なう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 31 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西尾太（人事コンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>南海トラフ地震の被害は「東日本大震災の10倍以上」　自然災害がビジネスにもたらす影響  御立尚資（京都大学経営管理大学院特別教授）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14050</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014050</guid>
			<description><![CDATA[自分の判断軸を持つために知っておきたい「時代の読み方」について、京都大学経営管理大学院特別教授の御立尚資氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="日本列島" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Japan.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事・ビジネスでも、キャリア・人生でも、何か意思決定をする際に自分なりの軸を持っている人は、周りに流されずに適切な判断をできることが多い。では、そうした「自分の判断軸」を持つためには、いったいどのようなことを学び、考え、体験したらいいのだろうか。</p>

<p>本連載では、ボストン コンサルティング グループの日本代表を長年務め、現在はリーダー教育にも携わっている御立尚資氏の考えをうかがっていく。（取材・構成：杉山直隆）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年4月号の掲載記事より、内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>近未来に影響力大な気候変動と自然災害</h2>

<p>この連載では、現代から近未来にかけて時代を形づくる原動力を理解することで、「今後、この世界でどんなことが起こる可能性があるのか」という近未来のシナリオを、読者ご自身が描けるようになることを目指してきました。</p>

<p>前回は、数ある原動力の中でも最も影響力があるものとして、「人口動態の変化」を取り上げました。簡単に振り返っておきましょう。</p>

<p>工業化による経済成長によって人類は猛烈な勢いで数を増やし、よりいっそう経済を成長させました。しかし、21世紀に入ると、人口の伸びは鈍化。企業はグローバル成長戦略の見直しを迫られるとともに、先進国では高齢化が進み、彼らを支えるコスト負担が社会課題となっています。</p>

<p>しかし、抗老化科学の進展によって、近い将来「老化」を一定程度コントロールできるようになると、高齢者の社会参加が今よりも長く可能になると予測されています。この変化により、「長生き＝老化＝社会コスト」の前提が崩れ、社会制度やビジネスのあり方も一変すると考えられます。</p>

<p>こうしたシナリオを描くことで、自分の業界ではどんな手を打てばよいかが見えてくるというわけです。これが前回のお話でした。</p>

<p>この人口動態と同じくらい大きな影響力を持つ原動力が、今回取り上げる「気候変動」と、そして特に日本においては地震や火山噴火などの「自然災害」です。</p>

<p>これらがいつ・どこで・どのくらいの規模で起こるのかをピンポイントに予言することは現代の科学でも不可能ですが、気候変動や自然災害が起こる可能性が高い期間や、それらが甚大な影響を及ぼす確率が高い地域を、一定の範囲で予測することはできます。</p>

<p>例えば南海トラフ地震について、政府は、マグニチュード8～9クラスの地震が30年以内に発生する確率を70～80％と予測しています（2020年時点）。</p>

<p>つまり、30年以内に起こる可能性が極めて高い巨大地震から生命や家族を守る備えをするとともに、30年後にまだ現役のビジネスパーソンとして働いているであろう世代の方々は、いずれ日本を揺るがす大災害が起きることを前提としたビジネスシナリオを考えておく必要があるのです。</p>

<p>気候変動と自然災害に関しては、公的な機関が発表している科学的なシナリオがいくつもありますが、それだけでは不十分です。公的機関が発表するシナリオだけでは、自分の業界でどんな手を打てばいいかは見えてこないからです。</p>

<p>まずは公的機関が発表するシナリオを第一のシナリオとしつつ、それに基づいて「自分の業界にはどのような影響があるのか」「どのようなビジネスチャンスが生まれるのか」という第二のシナリオを描くことが必要です。そうした二重シナリオをつくることで、自分の会社や地域は何をすべきかが見えてきます。詳しくご説明しましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「すでに起きていること」の悪影響をまずは最小限に</h2>

<p>まずは「気候変動」のシナリオから見ていきましょう。</p>

<p>気候変動を左右するモデルは、相互に関連する複数の要因が組み合わさった「複雑系」なのですが、気温の変化やゲリラ豪雨、台風などの発生は、簡単に言えば地球上の水と熱の循環によって起こります。</p>

<p>現在問題になっている地球温暖化の原因は、周知の通り、19世紀初めの産業革命以降に化石燃料を盛大に燃やし始めたことです。それによって、二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスが猛烈な勢いで放出されるようになり、地球の温度を上昇させていることが科学的にも否定できなくなりました。</p>

<p>未来を見るうえでは、「すでに起きていること」と「これから起こること」を、両方考えることがとても大事です。</p>

<p>すでに起きていることで言えば、平均気温は上がり、それに伴う気候変動が起こっています。日本も産業革命前と比べて平均気温がほぼ1.5度上がっています。その影響で、ゲリラ豪雨や激しい台風に見舞われるケースは明らかに増えました。</p>

<p>IPCC（気候変動に関する政府間パネル）の報告書では、世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べて2.5度までに抑えなければ、多くの人間と自然のシステムが深刻なリスクに直面すると警告しています。かなり厳しい目標ですが、達成できなければ確実に甚大な影響が起こります。平均気温が4度上がれば、もはや不可逆的で取り返しのつかない事態になるとされています。</p>

<p>こうした現状を考えると、まずは一定程度不可避な被害を最小限に食い止めるよう対処することがまず重要です。例えばハザードマップを見て、洪水や土砂災害のリスクが高い地域から本社や工場、営業所などを移転したり、拠点を分散したりすることですね。</p>

<p>しかし、これだけでは近未来のシナリオとは言えません。「被害を最小限に食い止めること」をステップ0とすると、ステップ1として「自分の業界や産業に起こる影響」、ステップ2として「その中で生まれてくるビジネスチャンス」を考える必要があります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>欧米の有名ワイナリーが北海道に来た理由</h2>

<p>第二のシナリオで描くべきステップ1は、「気候変動は自分の業界・産業にどのような影響を与えるか」です。気候の変化は、ビジネスや産業の形を大きく変えることがあります。</p>

<p>例えば温暖化が進み、降雪量が減れば、経営が成り立たなくなるスキーリゾートが次々と出てくるでしょう。現に、今年のヨーロッパのスキー場のうち、6～7割は滑走できない状態だそうです。</p>

<p>日本も一部の豪雪地帯と標高の高い地域を除いてスキー場の運営が難しくなるでしょう。スキーリゾートの運営会社や投資をしている会社、大口顧客がスキーリゾートの会社は、今から対応策を考えておく必要があります。</p>

<p>また、気温や海水温が上昇すれば、生き物の生息域や農作物の産地も変わってきます。</p>

<p>最近、ブリの水揚げの中心地は、富山や新潟から北海道にシフトしています。水産業では、漁場から近い地域に冷凍用の倉庫を置いたり、加工場を設けて缶詰を作ったり、首都圏や海外に卸したりと、バリューチェーンを組んで商売をしています。気候変動によって獲れる魚が変わると、このバリューチェーンそのものを組み替えなければなりません。</p>

<p>一方、かつてワイン用のぶどうといえば山梨や長野などがメッカでしたが、気温の上昇によって、北海道でも育てられるようになりました。それに目をつけたのがフランス・ブルゴーニュ地方やカリフォルニアの有名ワイナリーで、北海道にワイナリーを作り始めています。裏を返せば、今までの産地では良いワインができなくなるリスクが相当あると見ているのでしょう。</p>

<p>このように、水産業や農業に関係している仕事をしているなら、早めに手を打ったほうが賢明です。</p>

<p>これらは直接的な地球温暖化の影響ですが、間接的な影響が出てくることもあります。</p>

<p>その一つが、移民・難民の問題です。温暖化が進むと砂漠化で水が得られなくなったり、暑すぎて住めなくなったりする地域が増えます。すると、そうした場所に住んでいた人が難民となって、他の地域に押し寄せてきます。</p>

<p>例えば、21世紀はサハラ砂漠以南のアフリカで人口が増えて経済成長を遂げ、「アフリカの世紀」になるとも言われています。しかし、増えた人口がアフリカ内に留まるとは限りません。ヨーロッパに難民となって逃げてくる人が今以上に増えるでしょう。</p>

<p>難民が増えると、どうしても政治問題化し、受け入れ国・地域の国内政治が分断化されてきます。海外との取引がある企業は、こうした政治・地政学リスクについてのシナリオも踏まえて、どこに投資するかといったビジネスのポートフォリオを考えておく必要があるでしょう。</p>

<p><img alt="気候変動に備える3つのステップ" height="2060" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250310Mitachitakashi01.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>気候変動によって生まれるビジネスチャンスとは?</h2>

<p>第二のシナリオで描くべきステップ2は、「気候変動によって、どのようなビジネスチャンスが訪れるか」です。</p>

<p>例えば、特にエネルギー周りにおいて、GX（グリーントランスフォーメーション）を推進する企業はますます増えていきますが、エネルギー関連は自社だけではバリューチェーンが完成できない典型的領域です。従って、アライアンスやそのコーディネーションの能力が高い企業にとって、大きなチャンスが生まれます。</p>

<p>次世代エネルギーとして水素や核融合が有力視されていますが、実用化には技術革新が必要であり、まだまだ時間がかかります。例えば水素は爆発する危険が高く、大量に安全に運ぶのが難しいので、運搬するインフラを構築するには様々な技術革新が不可欠です。それらの技術が実用化されるまでの移行期には、温室効果ガスを減らすためのビジネスが伸びるでしょう。</p>

<p>また、燃やしても相対的に温室効果ガスの排出量が少ないアンモニアを従来の化石燃料と合わせて燃焼させるハイブリッドの仕組みは相当伸びますし、その後、それを水素と組み合わせる、さらには完全に水素に置換する、など、次々とシフトできるようなモデルを作れる企業が圧倒的な地位を得る可能性があります。</p>

<p>こうした新しいモデルが出てくると、ほかの産業にもビジネスチャンスが広がります。自分の業界はどんなチャンスがあるのか、と考えることも重要です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>南海トラフ地震の被害は東日本大震災の10倍以上</h2>

<p><img alt="南海トラフ地震が引き起こす深刻な被害" height="1366" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250310Mitachitakashi02.jpg" width="1200" /></p>

<p>一方、日本に関しては、太平洋プレートやフィリピンプレートなど4つのプレートが重なり合う上にある国なので、地震や噴火などの災害に関するシナリオも想定しておかなければなりません。ちなみにプレートの観点から見ると、日本だけでなく、ニュージーランドやインドネシア、イランの一部などにも同じことが言えます。</p>

<p>地震や噴火に関しては、政府だけでなく、日本の代表的な火山学者である鎌田浩毅先生が様々な知見とシナリオを提示しておられます。</p>

<p>例えば、東日本大震災は1000年に1度のサイズのプレート型地震であり、こうした巨大地震が起きると日本列島全体の地震の活動が異常に活発になることが、過去のデータからわかっています。直下型と言われる地震が増える、ということですね。従来からリスクが指摘されている首都圏直下型の地震が起こると、95兆円、東日本大震災の5倍近い被害が出ると予想されています。</p>

<p>さらに次のプレート型である東南海トラフ地震も近づいています。政府の予想では「30年以内に70～80％」ですが、鎌田先生らの研究によると、2035年プラスマイナス5年の間、つまり早ければ6年後には起きる可能性が極めて高いといいます。</p>

<p>100年に一度起こる東海、東南海、南海の地震ですが、前回は東海部分が割れを起こしておらず、次回は3連動するおそれがあります。そうなると、その規模は、東日本大震災と同様のマグニチュード9.0前後に達すると見込まれています。</p>

<p>東日本大震災は、被害総額が20兆円、死者が2万人でしたが、南海トラフ地震ではさらに広範囲に、しかも人口密度が高いエリアが被災します。政府の試算では被害総額が東日本大震災の11倍に及ぶ220兆円に達し、死者も20万人を超えると推計しています。日本の人口の半分以上にあたる6800万人が被災するという予測もあります。</p>

<p>この事態になると、国内の近隣地域からの救助・救援を期待することはできません。鎌田先生はこのことを踏まえ、南海トラフと呼ばず、「西日本大震災」に備えよう、と言っておられます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>富士山が噴火すると首都圏の機能は完全に麻痺</h2>

<p>もう一つ、過去に南海トラフで地震が起こると、ほぼ確実に起こっているのが、富士山の噴火です。前回から時間が経っているので、いつ噴火してもおかしくないほどマグマがたまっていると言われています。</p>

<p>富士山の噴火というと、山梨や静岡に流れる溶岩流がクローズアップされますが、実はもっと深刻なのは、首都圏全域に火山灰が降り注ぐことです。首都圏の大部分は3～5cm、場合によっては10cmぐらいの灰が積もると予想されています。</p>

<p>もし、火山灰が10cm積もったうえに雨が降ったら、四駆の自動車も走れなくなります。火山灰の粒子は非常に細かく、エンジン内部に入り込むうえに、熱で溶けて焼きつき、部品を壊してしまうので、ヘリコプターや飛行機も飛ぶことができません。つまり、救急車や消防車はもちろん、自衛隊も助けに来られないことになります。</p>

<p>火山灰が基地局の通信機材に入り、通信は途絶し、停電する確率も高いでしょう。上水道が汚染されることによって水も飲めなくなります。つまり、富士山が噴火すると首都圏の機能は完全に麻痺してしまうのです。</p>

<p>首都圏に住む4800万人が被災者となり、誰も助けに来ないとなれば悪夢です。いくら治安の良い日本でも暴動が起きるでしょう。そう考えると、最低でも2～3週間は自助しなければならないという前提で、相当量の食料や飲料水の備蓄が必要ですし、ビジネスのポートフォリオや拠点分散、備蓄を考えておく必要があります。</p>

<p>ちなみに火山灰が降り注ぐと、寒冷化も進みます。フィリピンのピナツボ火山が噴火したとき、成層圏に細かいチリが飛んだことで、北半球の平均気温が半年間、0.6度程度下がりました。温暖化だけでなく寒冷化のシナリオもあり得るのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ディザスターレディ」で新しいビジネスを考える</h2>

<p><img alt="新しい考え方で災害に備えるディザスターレディー" height="1293" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250310Mitachitakashi03.jpg" width="1200" /></p>

<p>では、そんな自然災害が起きることを前提として考えられるビジネスチャンスのシナリオには、どのようなものがあるでしょうか。</p>

<p>例えば、巨大地震が起こることが明確なら、津波に備えて海岸にコンクリートの防護壁などを設置するといった対策が必要です。しかし、日本はただでさえ借金大国ですから、インフラへの再投資にも限界があります。</p>

<p>そうなると、「最終的には決壊するけれど、最低限皆が逃げられる時間を稼ぐための防護壁」や、「壊れないことより地震後の復旧しやすさを重視した備え」というような、新たな考え方のインフラが広まるでしょう。</p>

<p>これを慶應義塾大学の安宅和人教授は「ディザスターレディ」と述べています。高い可能性で大規模災害が起こると予測される中では、こうした新しい考え方で新しいインフラを作るビジネスが求められるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>有事後の改善ではなく先回りしたシナリオを</h2>

<p>日本文化は改善型の文化であり、有事が起こったあとに立て直すことを得意としています。</p>

<p>例えば、大正時代に関東大震災があったあとは、どんな建物にも耐震構造を義務化する建築基準法を作りました。実はこういう法律を作ったのは、世界で日本が初めてです。</p>

<p>また、戦後の伊勢湾台風のときに、気象情報を米軍のレーダーに頼った反省から、まだ貧しい時代だったにもかかわらず、富士山にレーダーを上げ、アメリカに頼んで気象衛星「ひまわり」を打ち上げています。</p>

<p>しかし、有事のあとの改善が得意ということは、逆に言えば、自分の世代が経験していない想定外の事態には弱いということでもあります。</p>

<p>日本は戦後、高度成長をしてきましたが、それが実現できたのは、異常なほど巨大地震がない安定期だったからだと、地震学者たちは述べています。</p>

<p>しかし、これから30年の間に巨大地震が起きることはほぼ確実です。そんな中で、我々はどう耐え凌ぎ、復興させ、かつしたたかにビジネスを作っていくか。そうしたシナリオをつくることが求められているのです。</p>

<p>今回お話しした内容をより深く知りたい方のために、おすすめの本も挙げておきます。気候に関しては、一時期話題になった、アメリカ元副大統領アル・ゴア氏の『不都合な真実』。当時は内容が飛躍し過ぎていると言われていましたが、今や指摘通りのことが起きているので押さえておく価値はあります。</p>

<p>ビジネスにつなげる観点で言えば、ジェレミー・リフキン氏の『グローバル・グリーン・ニューディール』が参考になります。</p>

<p>地震に関しては鎌田浩毅先生の本を読んでおくと理解が深まるでしょう。私が読んだ中では『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』と『知っておきたい地球科学』がおすすめです。（次回に続く）</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【御立尚資（みたち・たかし）】<br />
京都大学経営管理大学院特別教授。京都大学文学部米文学科卒。ハーバード大学で経営学修士(MBA with High Distinction, Baker Scholar)を取得。日本航空(株)を経て、ボストン コンサルティング グループ（BCG）に入社。日本代表（2005～15年）、BCGグローバル経営会議メンバー（06～13年）、経済同友会副代表幹事(13～16年)などを歴任。著書に『経営思考の「補助線」』（日本経済新聞出版）、『使う力』（PHPビジネス新書）、『「ミライの兆し」の見つけ方』（日経BP）などがある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Japan.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 31 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[御立尚資（京都大学経営管理大学院特別教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>節約が苦手な人でも「ラクにできる貯蓄術」　お金が自動的に貯まっていく仕組み  小林亮平（資産運用YouTuber）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11995</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011995</guid>
			<description><![CDATA[節約が苦手な人でも無理なくお金を貯められる方法について、資産運用YouTuberの小林亮平氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="資産形成" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kakeibo.jpg" width="1200" /></p>

<p>投資をするには元手となる資金が必要だ。しかし、収入を毎月使い切ってしまう、余裕資金があってもわずかなど、「投資以前」の状態にある人もいる。節約が苦手な人でも無理なくお金を貯められる方法、生活費を抑えるコツなどを、資産運用YouTuberの小林亮平氏に聞いた。（取材・構成：横山瑠美）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年4月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>資産形成の第一歩は「貯蓄」から</h2>

<p><img alt="まずは生活防衛資金を確保しよう" height="1176" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250313Kobayashiryosuke01.jpg" width="1200" /></p>

<p>新NISA制度が導入され、投資で得られた利益の非課税保有期間が無期限となりました。これを機に、初めての投資にチャレンジしようと考えている人は多いでしょう。</p>

<p>投資を始めるにはその元手となる余裕資金が必要ですが、生活費まで投資に回してしまうと、生活に余裕がなくなり、心まですさんでしまいます。投資による資産形成を考えるなら、まずは最初の一歩として「貯蓄」から始めていきましょう。</p>

<p>40代・50代のミドルであれば、最低限の生活費のほか、家のローンや子どもの学費なども必要で、お金のかかる時期だと思います。それらのお金はしっかり確保しつつ、病気や災害など、万が一のときに自分の生活を守ってくれる「生活防衛資金」も手元に貯めておくことをお勧めします。月の生活費が最低15万円必要だとしたら、その6カ月分～2年分となる90万～360万円を貯めておくと安心です。</p>

<p>生活防衛資金を確保したうえで貯蓄ができ、その貯蓄をしばらくは使わないでいい「余裕資金」にできるのであれば、それを投資に回していきます。こうすると、無理なく投資を始められるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「先取り貯蓄」で貯蓄を「自動化」しよう</h2>

<p><img alt="貯金が苦手な人こそ先取り貯蓄" height="1791" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250313Kobayashiryosuke02.jpg" width="1200" /></p>

<p>しかし、貯蓄そのものが苦手で、投資のための余裕資金はおろか、生活防衛資金の確保もままならないという人は少なくありません。余ったお金を貯蓄に回そうと思っていても、ついついあるだけ使い切ってしまう人もいるのではないでしょうか。</p>

<p>貯蓄が習慣化していない人に私がお勧めしたいのが、「先取り貯蓄」。月の初めに給与口座から強制的に貯蓄用口座に貯蓄をしておき、残りのお金で生活する方法です。</p>

<p>まずは手取り収入の10～15％からチャレンジしてみましょう。月の手取りが30万円の方なら、給与が出てすぐ3～4.5万円を貯蓄用口座に移します。</p>

<p>ここで大事なのが「自動化」です。給与口座から自動的に貯蓄額が引かれて、貯蓄用口座に振り込まれる仕組みをつくっておくのです。振り込み忘れがなくなるだけでなく、使えるお金が制限されるために衝動買いが減り、お金の使い方を慎重に考えるようにもなります。</p>

<p>最近は給与の振込先を自由に選べる職場が増えてきました。ぜひ使ってみてほしいのがネット銀行です。各種手数料が安かったり、金利が高かったりとメリットの多さが魅力です。</p>

<p>給与口座を好きに選べる人に私がお勧めしたいのは「楽天銀行」です。「毎月おまかせ振込予約」という自動の振込サービスを使えるため、毎月の貯蓄額を貯蓄用口座に移すうえで便利です。</p>

<p>毎月の生活費のやりくりが厳しいと感じるときもあるかもしれません。しかし、そんなときにボーナスを当てにするのはやめましょう。生活費の赤字をボーナスで補填する癖がつくと、勤め先の業績悪化でボーナスが減額されたり、なくなったりしたときに生活が一気に苦しくなります。</p>

<p>先取り貯蓄で家計が無理なく回っている人なら、何もしなくても着実に資産形成ができていきます。ボーナスは自分の好きな用途に使っても大丈夫です。貯蓄や投資に回して資産形成を加速させるのも良し、自分へのご褒美や家族へのプレゼントとして欲しかったものを買ってもいいでしょう。</p>

<p>理想は生活防衛資金や余裕資金が貯まってから投資をすることですが、貯まるのを待っていては投資を始められるのが何年先になるかわからない、と思われるかもしれません。</p>

<p>これだけ新NISAが話題になると、早く始めてみたいと思う人も多いでしょう。そのときは、先取り貯蓄のうちの5000円だけをNISAに回しましょう。手軽に始められますし、投資のリスクも少なくて済みます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スマホ代、サブスク代など固定費は頻繁に見直しを</h2>

<p><img alt="固定費の見直し" height="2011" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250313Kobayashiryosuke03.jpg" width="1200" /></p>

<p>先取り貯蓄でお金が自動的に貯まる仕組みをつくったら、次は支出の見直しです。固定費の削減に取り組みましょう。</p>

<p>固定費とは、家賃や水道光熱費、スマホ代のように毎月ほぼ決まった額が出ていく費用のことです。最近はスマホ代も安いプランが出ていますが、安くても年単位で積み重なるとかなりの金額になります。通帳やクレジットカードの毎月の明細を見ながら定期的に固定費を見直し、もう少し安くならないか、この費用は本当に必要なのかを、改めて考えてみましょう。</p>

<p>固定費見直しの代表的なものを挙げてみます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●家賃</p>

<p>家賃は手取り月収の25～30％に収まっているのが理想です。大幅に超えているようなら、引っ越しも検討しましょう。</p>

<p>●スマホ代</p>

<p>利用している携帯電話会社の最新プランを確認しましょう。大手携帯電話会社の回線を使っているサブブランドを選ぶのもお勧めです。格安SIMに乗り換えれば、さらに安くなります。月3000円ぐらいに抑えることを目指してみましょう。</p>

<p>●車の維持費</p>

<p>地方在住の人にとって車は手放せない必需品ですが、都市部ではカーシェアリングサービスがかなり普及してきています。大手なら15分200円程度で借りられます。車の維持費は軽自動車でも年間30～40万円かかりますから、週1程度しか車に乗らない人は、カーシェアリングサービスを使うことを考えてみましょう。</p>

<p>●水道光熱費</p>

<p>利用中の電力会社、ガス会社と他社の料金プランを比較してみて、安いプランがあれば変更を検討してみましょう。</p>

<p>●サブスク代　</p>

<p>動画配信や音楽配信のサブスクサービスは月数百円と安いプランもありますが、積み重なれば大きな支出になります。毎月の利用頻度を振り返ってみて、あまり利用していなければ解約を検討しましょう。</p>

<p>●習い事</p>

<p>最近はリーズナブルな価格帯のフィットネスジムやオンライン英会話が登場していますが、定期的に通えているか、本当に役立っているかを考えて、続けるものだけを残しましょう。</p>

<p>●新聞代</p>

<p>朝刊だけを購読する、あるいは電子版に変更するなどして、料金を抑えることを検討しましょう。購読しているけれど読めていない、なくても問題ない場合は解約を考えてみてください。</p>

<p>●クレジットカード年会費</p>

<p>年会費無料でもポイントがつくなど、お得なクレジットカードは多数あります。特典を比較検討して変更しましょう。</p>

<p>●保険料</p>

<p>日本国民は全員、日本の公的医療保険制度への加入が義務付けられており、その内容は海外に比べても非常に手厚いことで知られています。制度の内容を理解し、それでも足りないと感じた場合のみ、民間保険でカバーすることを考えましょう。生命保険は、掛け捨てなら月数千円程度を目安に選びます。過剰な民間保険に入っているようなら、これを機に見直しましょう。</p>

<p>民間の生命保険には貯蓄や資産運用を兼ねたものもありますが、月に数万円かかるうえ、それほど資産が増えないというのが私の見解です。保険と資産運用は分けて考えて、資産運用は貯蓄や新NISAで行なうことをお勧めします。</p>

<p>＊</p>

<p>固定費の見直しは、一度すると節約効果が継続していきます。1年に1回では少なすぎます。せめて半年ごと、できれば3カ月に1回は見直しましょう。楽しみながら見直しのできる人は、毎月するといいでしょう。</p>

<p>固定費は、見直せば見直すほど節約につながります。その勢いで変動費もどんどん削っていきたい衝動に駆られるかもしれません。変動費とは、食費、洋服代、交際費、医療費など、月ごとに変わる費用のことです。</p>

<p>しかし、無理な変動費の削減は失敗の元です。変動費を削りすぎると楽しみが減ってストレスが溜まり、その結果、節約や貯蓄が長続きしないことが多いもの。まずは固定費を定期的に見直す習慣をつけましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>普段の生活で自然に貯まる「ポイ活」も活用しよう</h2>

<p>先取り貯蓄と固定費の見直しで、余裕資金を生む好循環が回り始めたら、「ポイ活」（サービスを使ってポイントを貯め、そのポイントを活用すること）にもチャレンジしてみましょう。</p>

<p>今、日常生活で利用する様々なサービスにポイントがつくことが増えています。このポイントを貯めておけば、買い物だけでなく、スマホ代や光熱費の支払いに充てることもでき、月々の生活費の節約につながります。</p>

<p>ポイ活を始めるなら、私がお勧めしたいのは「楽天ポイント」です。楽天グループのサービスには、楽天カード、楽天銀行、楽天ペイ、楽天モバイル、楽天市場などがあり、サービスごとに楽天ポイントをもらうことができます。すべての楽天ポイントは、楽天グループ共通のIDに一元化されるため、各サービスのポイントをまとめて貯めておくことができ、便利です。</p>

<p>すでに楽天の複数のサービスを使っているなら、普段の生活を送っているだけで自然とポイントを貯めることができます。</p>

<p>とはいえ、すべてのサービスを楽天に変えようとすると、人によっては余計な労力やコストがかかってしまうこともあります。無理のない範囲で楽天のサービスに置き換え、自分の生活に合った「楽天経済圏」をつくってみましょう。</p>

<p>その入口となるのが「楽天カード」です。年会費が永年無料のクレジットカードで、基本利用料の1％（100円につき1ポイント）という比較的高い還元率でポイントがもらえます。一般的なクレジットカードの還元率は0.5％程度なので、いかに楽天カードがお得かがわかるでしょう。</p>

<p>楽天市場のような楽天系サービスに関する支払いでは、還元率が上がる場合もあります。さらに買い物だけでなく、毎月出ていく固定費の支払いでもポイントが貯まります（ただし、公共料金や税金などの支払いの還元率は0.2％になります）。</p>

<p>先にお伝えした楽天銀行の利用でもポイントをもらうことができます。楽天銀行以外の口座からの振込などでポイントが付与されたり、楽天カードで使用した分の引き落とし先を楽天銀行にすれば、ハッピープログラムという会員特典によって、会員ランクに応じて毎月最大9ポイントをもらったりできます。</p>

<p>このように、まずは楽天カードや楽天銀行から使い始めて、ポイ活を楽天ポイントで統一していくとなお良しです。楽天経済圏を最大限活用できれば、1カ月で数千ポイントの還元が期待できます。</p>

<p>もちろん、楽天以外のサービスを活用して、そちらですでにポイントを貯めている人もいるでしょう。そういう方は無理して楽天に変えることはせず、今集めているポイントに絞って、よりお得なポイ活ができないかを調べてみてください。今は各社がポイント競争に鎬を削っています。身近なサービス、普段使っている魅力的なサービスを選んで、無理なく楽しく続けていくのが、継続の秘訣です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ふるさと納税も活用して、さらにお得に</h2>

<p><img alt="ふるさと納税で楽しく得しよう" height="1211" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250313Kobayashiryosuke04.jpg" width="1200" /></p>

<p>ポイ活とともにお得なのが「ふるさと納税」です。</p>

<p>ふるさと納税は、地方自治体に寄付をする制度です。1月1日から12月31日までの年単位で利用でき、寄付額から2000円を差し引いた金額が所得税や住民税から控除されます。</p>

<p>さらに、寄付した自治体からお礼として「返礼品」と呼ばれる地方の特産品などが送られてきます。つまり、実質負担2000円で、返礼品をもらうことができるのです。返礼品はお米や肉、魚、野菜といった食品のほか、家具や宿泊券、家電などとバラエティーに富んでいます。未体験の方はぜひトライしてみてください。</p>

<p>控除の上限額までであれば、いくら寄付しても実質負担は2000円で済みますから、多く寄付をするほどお得です。寄付によって税金から控除できる上限額は収入や家族構成などで変わりますから、よく調べたうえで利用してください。</p>

<p>「生活を切り詰めてお金を貯めなければ」と思うとストレスになりますが、望む暮らしを実現するために必要なお金を貯めるのだと思えば、資産形成にも張り合いが出ます。夫婦や家族でコミュニケーションを取りながら、ポイ活なども活用して無理なく楽しく資産形成につなげていきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【小林亮平（こばやし・りょうへい）】<br />
1989年生まれ。横浜国立大学経営学部卒業後、三菱東京UFJ銀行（当時）に入行。退社後、ブログやSNSで資産形成の入門知識を発信。YouTubeチャンネル「BANK ACADEMY」の登録者数は69万人にのぼる。著書に『これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生』（KADOKAWA）など。<br />
YouTubeチャンネル「BANK ACADEMY」（https://www.youtube.com/@bankacademy）</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kakeibo.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 31 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小林亮平（資産運用YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>お笑い芸人・寺田寛明が教える「誰でも実践できる大喜利テクニック」3選  寺田寛明 （お笑い芸人）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11885</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011885</guid>
			<description><![CDATA[お笑い芸人・寺田寛明による大喜利入門講座。大喜利に面白く答えるためのコツについて解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="大喜利" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_oogiri.jpg" width="1200" /></p>

<p>お笑い芸人・寺田寛明さんによる「大喜利入門講座」。今回は、「引き戻す」「盛る」 「省略する」という3つの大喜利テクニックについて解説します。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>テクニックを身につけどんなお題にも対応しよう</h2>

<p>大喜利の回答をつくるうえで、画期的な発想は必ずしも必要ではありません。</p>

<p>大切なのは、ベタな発想でも、そこから手を加えて面白いと思わせる回答に仕上げていくことです。私はこの工程を「ボケを拾う」と呼んでいます。</p>

<p>ボケを拾うためにはパターンや技法を多く知っている必要があります。裏を返せば、パターンを身につけておけば、方程式を用いて数式を解くように、どんなお題にもある程度応用できます。</p>

<p>第一回目では「逆にする」「極端にする」などを紹介しましたが、今回は応用編として、ほかのパターンも紹介していきたいと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>応用パターン① 現実に引き戻す</h2>

<p><img alt="ギャップをつくることで面白い回答にする方法" height="1100" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250212teradahiroaki01.jpg" width="1200" /></p>

<p>ファンタジーや歴史など、日常とかけ離れた要素がお題として用いられている場合に有効な手法です。日常とかけ離れているからこそ、そこに現実的な要素をうまく組み合わせてあげれば、それだけでギャップを演出することができます。</p>

<p>例えば「ペガサスに乗ってみてガッカリした理由」というお題があったとします。（これはIPPONグランプリでも近いお題が出てましたね）</p>

<p>例えば</p>

<p>【回答】白いズボン履いてったらすごい汚れた</p>

<p>【回答】一回に飲む水の量がすごい</p>

<p>といった感じで、単に馬として扱うようなことを言ったりすると、ペガサスのファンタジー感が薄れる感じがします。これが初級です。</p>

<p>初級が「ペガサス&rarr;馬」という単純な連想だったので、中級ではもう少し飛躍させてみましょう。</p>

<p>お題に「ペガサスに乗って」とあるので、移動手段という点に注目してみましょう。</p>

<p>【回答】モニターがついててレバテックのCMが流れてた</p>

<p>【回答】わざと遠回りされた</p>

<p>お気づきかと思いますが、これらはどちらもタクシーのあるあるです。ペガサスに乗っているのにタクシーのあるあるが起こったら、それだけで一気にファンタジー感が薄れてガッカリしますね。</p>

<p>このように、お題と少しかけ離れた要素からあるあるを探し、回答として成立するかたちにできれば中級といえるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>応用パターン② 重ねる</h2>

<p><img alt="オチが弱いときはフリを重ねる" height="749" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250212teradahiroaki02.jpg" width="1200" /></p>

<p>お題を見て少し考えて、あまり良いボケが思い浮かばないときに有効な手法です。重ねるとは、「ボケを重ねる、言葉を重ねる」という意味です。</p>

<p>通常、大喜利というのは一つの回答の中にボケは一つなのですが、この手法は一つの回答に小さいボケをいくつか重ねて強い回答として成立させる、小エビのかき揚げみたいなやり口です。</p>

<p>「こんな寿司屋は二度と行かない」というお題があったとします。</p>

<p>「こんな○○は嫌だ」系のお題は、大喜利に慣れてくると、もうお題としてやり尽くされていて新しいボケを出すのが難しくなってきます。</p>

<p>【回答】大将が手を洗っていない</p>

<p>これだと弱すぎる（なんなら起こりうる）。でもこれ以上は思いつかない。そういう場合は、もう一つ付け足しましょう。</p>

<p>【回答】大将が手を洗っていないし、弟子も真似している</p>

<p>こうすると光景に少し広がりが出て、グッと大喜利っぽくなると思います。この二つ重ねる手法は、ほとんどのお題で使えます。</p>

<p>使い方としてはこんなのもありです。</p>

<p>【回答】カウンターの上に殺虫剤とUNOと化粧水と洗濯物が置いてある</p>

<p>物をとにかくたくさん置いてみるというやつです。「カウンターの上に殺虫剤が置いてある」だけでも嫌は嫌なのですが、数を増やしてみるだけでちょっと違った味わいが出せると思います。</p>

<p>パターンとしては他にも</p>

<p>【回答】接客が良く、価格帯も手ごろで、店の雰囲気も素敵で、常連にも一見にも分け隔てなくサービスしてくれて、子ども向けのメニューもあって家族で美味しいお寿司を楽しめるが、なんか伝票で頭を叩かれた</p>

<p>といった感じでボケじゃない部分を重ねるパターンもあります。</p>

<p>これはお笑い用語で言うところの「フリオチ」の応用です。通常は「オチ」の強さこそが笑いに直結しますし、「フリ」で与えた期待感を下回ることは避けるべきです。ですが、これでもかとフリを強く強く見せることで、あえてオチの弱さを強調して笑いを取る手法です。</p>

<p>どうしても文章としては長くなってしまうので、できれば最後はもっと短い言葉で落とせると、切れ味が良くなります。</p>

<p>ただ、これはあくまでもお題が難しかったりして回答が思いつかないときの対処法。20点の回答をどうやったら60、70点くらいに底上げできるか、という話ですが、テクニックの一つとして持っておくと便利な場面があるかもしれません。</p>

<p>このように、パターンを多く知っておくと、どんなお題が来てもある程度対応できるという自信になります。また、人の回答を聞くうえでも、その回答に至るまでのロジックが理解できれば、より楽しむことができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>応用パターン③ 省略する</h2>

<p>ここからはいよいよ、上級者向けともいえるテクニックを紹介していきます。</p>

<p>前提として、大喜利の回答は端的であるほうが良いです（直前のお寿司屋さんの回答は非常に長いですが、フリを長くすることでオチの端的さを相対的に強調しているので、原理は同じです）。</p>

<p>そのため、「文章の省略」は、回答をつくるうえでもっとも重要な点といえるでしょう。不要だと感じる言葉があったら、たとえ一文字でもどんどん削りましょう。</p>

<p>それをとことん突き詰めると、「必要な説明すら省略する」という段階に到達します。少し不足しているくらいの不親切な文章のほうが、伝わったときの面白さが増すものです。</p>

<p>例えば「生き別れた弟と感動の再会。第一声でそんなこと言うな。何を言った？」というお題に対する回答の例です。</p>

<p>【回答】充電器ある?</p>

<p>感動的なシーンなのにスマホの充電の残りを最優先で気にしている兄のデリカシーのなさが、わずか６文字で表現されています。</p>

<p>これ、意図だけで言ったら「充電器貸してくれない？」とか「あのさ、携帯の充電器もってない？」とか言ってもいいわけです。</p>

<p>でも、この回答は短い文でバシッと出したいのです。<br />
「貸して」とか「持ってない?」を「ある?」で表現したり、「あのさ」という気遣いが出る言葉をすべて削り、必要最低限の言葉にすることで、この人物のデリカシーのなさ、やる気のなさが表現されるのです。</p>

<p>普通の文章だったら、丁寧な言葉を足していくのが正解です。しかし大喜利は逆の作業とも言えます。デリカシーのない人間は「あのさ」とかも使いません。</p>

<p>「携帯の」と頭に付ければ親切ですが、「充電器」とだけ言えば伝わるので、ここも省略します。一般的にはよくないとされる文章をつくるために、俳句のような文字の削り方をしていく必要があるのです。</p>

<p>＊</p>

<p>もう一つご紹介します。</p>

<p>お題は、「植物状態の恋人が20年ぶりに目を覚ましました。何か声をかけてあげてください」</p>

<p>【回答】俺もいま起きたとこ</p>

<p>こちらは、アマチュア大喜利プレイヤーの風呂つんくさんという方の回答です。<br />
回答の発想法としては、「待った?」「ううんいま来たとこ」というデートあるあるに、寝起き的な要素を足したものなのですが、こちらも省略することで受け手が想像する余地を作り出しています。</p>

<p>本来ならば、この発言は第一声ではないはずです。「待った?」にあたる、起きた恋人の発言が必要なはずなのです。しかしそれらのやりとりは省略されています。</p>

<p>もしかしたらこの2人は、植物状態になる以前は「待った?」「ううんいま来たとこ」といったやりとりをよくしていたのかもしれません。</p>

<p>それらの細部を一切描かず、このわずか９文字のセリフだけが切り取られた結果、もはや感動的ですらある回答が生まれたのです。</p>

<p>＊</p>

<p>最後に、省略の極致ともいえる回答を紹介します。</p>

<p>お題は、「線香花火が落ちた瞬間に起きたこと」。まずお題が、なんでもありっちゃなんでもありで相当難しいです。</p>

<p>この難しいお題に対して、こちらもアマチュア大喜利プレイヤーの、虎猫さんという方の回答はこちらです。</p>

<p>【回答】先生と生徒に戻った</p>

<p>初めて見たときにすごく笑った記憶があるんですけど、今はもうなんで笑ってたのか思い出せなくて、ただただすごいとしか思えません。大喜利とは別ジャンルのような気もします。もはや文学の領域です。すごすぎると笑うしかないのかもしれません。</p>

<p>線香花火というお題の言葉をしっかり拾ったうえで、そこから連想し、夏休みの間だけの秘密の関係、禁断の恋、その切ない終わりをわずか９文字で表現しています。</p>

<p>この回答の素晴らしいところは、回答意図の中心である「恋愛」に関する言葉をまったく使っていないという点です。</p>

<p>同じ内容にするとしても、例えばどちらかのセリフを回答にして、そこで恋愛要素を匂わせてもいいはずなんです。それをあえて細部を描かないことで想像が無限に膨らませられる、余韻のある回答です。</p>

<p><img alt="著者も唸った省略の極致の回答" height="2048" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250212teradahiroaki03.jpg" width="1200" /></p>

<p>＊</p>

<p>いかがでしたでしょうか。こういった「説明の省略」を使いこなせるようになれば、立派な大喜利上級者です。</p>

<p>しかし、そう言われてもすぐに実践できるものではないと思います。実際に回答を見ただけでも、すぐにピンと来なかった、という方もいると思います。</p>

<p>こういった回答の意図に気づいたり、扱ったりできるようになるには、「ボケを拾う」能力を鍛えていく必要があります。</p>

<p>まずは序盤でお伝えしたテクニックを用いてみてください。経験を重ね、いずれ上級者向けのテクニックが扱えるようになれば、大喜利をするのも見るのも、ぐっと楽しくなるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【寺田寛明（てらだ・ひろあき）】<br />
お笑い芸人。1990年、埼玉県生まれ。マセキ芸能社所属のピン芸人。2021年より、4年連続「R-1グランプリ」決勝進出。10年以上に渡り、大喜利ライブ『大喜利千景』を主催している。芸人のほか、現役の塾講師としての顔も併せ持つ。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_oogiri.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 30 Mar 2026 18:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[寺田寛明 （お笑い芸人）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>50代が現状維持を選ぶのは危険　プロが勧める｢社内転職｣という選択肢  西尾太（人事コンサルタント）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14051</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014051</guid>
			<description><![CDATA[ミドル世代が選択肢として持っておきたい「社内転職」の可能性について、人事コンサルタントの西尾太氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="60代のキャリア" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizman50.jpg" width="1200" /></p>

<p>「キャリアシフト」と聞くと社外への転職を思い浮かべがちだが、今の会社で働き続けながらキャリアシフトを実現する方法はないのだろうか。人事のプロである西尾太氏に、「社内転職」をミドル世代のキャリアの充実や成長につなげる秘訣を聞いた。（取材・構成：塚田有香）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢社内転職｣の申し出を会社が悪く思うことはない</h2>

<p><img alt="ミドル世代のよくある誤解と実態" height="1463" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207Nishiofutoshi01.jpg" width="1200" /></p>

<p>会社員がこれまでに培ったスキルや経験を活かして新しい領域にチャレンジしたいと考えたとき、選択肢となるのは社外への転職だけではありません。自らの意思で異なる環境に異動する「社内転職」も、やりがいや成長を実現する「キャリアシフト」の手段と言えるでしょう。</p>

<p>最初にお伝えしておくと、ミドル世代にとって、社内転職は&quot;狭き門&quot;です。そもそも早期退職や希望退職の対象を「45歳以上」とする企業が多いことからもわかるように、中高年はリストラで狙い撃ちされる世代です。</p>

<p>年功序列の日本型組織では、40代後半から50代の給与が最も高いため、会社としては中高年を減らして若手の給与を上げたいのが本音。会社に残り続けることさえ簡単ではなくなっている今、ミドル世代が希望通りの異動を叶えるのは厳しいのが現状です。</p>

<p>ただし、社内転職が無理だと言っているのではありません。私は人事として様々な会社を見てきましたが、「別の部署なら会社にもっと高い価値を提供できる」「自分の経験を活かして今までとは違う活躍がしたい」といったポジティブな動機で異動を申し出る社員を、会社が悪く思うことはありません。</p>

<p>会社が一番嫌うのは、「定年まで逃げ切ろう」「今さら頑張っても仕方ない」などと考え、「今がラクだからこのままでいい」と現状維持でやり過ごそうとする社員です。</p>

<p>「リスクを取ってでも新しい場所で挑戦したい」と自ら手を挙げるだけの気力と行動力があるミドルは、それだけで会社から評価されます。もちろん異動を希望しても、それが通るとは限りませんが、少なくとも社内転職を申し出ること自体は、むしろ会社や人事に好印象を与えるケースが多いはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>地域間や同職種の異動なら、希望が叶う可能性あり</h2>

<p><img alt="ミドル世代が実現しやすい「社内転職」の3つのルート" height="2219" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207Nishiofutoshi02.jpg" width="1200" /></p>

<p>ミドルが社内転職を目指すなら、実現の可能性があるのは「地域異動」です。例えば東京の営業本部にいた人が、地方の営業拠点に異動するといったパターンが考えられます。</p>

<p>東京という巨大マーケットで培った営業ノウハウを活かし、地方マーケットで売上やシェアの拡大を実現するのは、やりがいのあるチャレンジになるでしょう。ポジションとしても、東京本部では課長級だった人が、地方の営業拠点では支店長を任されることもあります。</p>

<p>地方への異動はキャリアダウンに思えるかもしれませんが、「たとえ規模は小さくても、組織のトップとして権限と責任のある立場でマネジメント経験を積みたい」と考える人にとっては、決して悪い選択肢ではありません。</p>

<p>ミドル世代の多くはすでに住宅を購入済みで、家族も現在の生活圏から離れるのを嫌がるため、別の地域への転勤は敬遠されがち。だからこそ「自分の力が活かせるなら地方でチャレンジしてみたい」と希望するミドルがいれば、人事としては大変ありがたく、それだけで会社から貴重な人材と認識されます。</p>

<p>「家族を帯同できず単身赴任になる場合、会社が住宅費や帰省する際の旅費を負担しなければいけない」といったマイナス面はあるものの、「地域異動」はミドル世代が希望を叶えやすい社内転職と言えるでしょう。</p>

<p>また「部門外同職種異動」も、ミドル世代によく見られるキャリアシフトの一つです。営業部門で製品群Aを扱う部や課にいたが、より将来性がある新たな製品群Ｂを扱う部署に異動したい、といったケースが該当します。これまでに養った営業ノウハウはそのまま活かしつつ、新たな製品や顧客を担当することで、プラスアルファの専門性や経験値を養うことができます。</p>

<p>これに対し、ミドル世代が営業部門から総務部門に移るといった「異職種異動」を叶えるのはかなり難しいのですが、職種間で共通のスキルやノウハウが活かせる場合はチャンスがあります。</p>

<p>代表的な例が、営業から人事への異職種異動です。人事はいわば社内営業部門であり、あらゆる部署と調整や交渉を行なうのが仕事なので、「優秀な営業は優秀な人事になれる」とよく言われます。営業として成果を出してきたミドルが、「社内の人的資源を最大限に活用して会社を成長させるために、自分の営業スキルを活かしたい」と希望すれば、会社が検討してくれる可能性はあるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人事評価や給与を根拠に現状維持を選ぶのは危険</h2>

<p>一方で、「これからも今の部署で頑張りたい」と考える人もいるでしょう。現在の部署で自分が評価されているのであれば、今の場所に留まり続ける選択肢もあるかもしれません。</p>

<p>ただし、人事評価は本人の業績や成果が正しく反映されていない場合があるので注意が必要です。年功序列の慣習が残る企業では、人事評価が適正に機能していないことが多く、標準評価をAとすると、勤続年数の長いミドルのほとんどがA評価という会社も少なくありません。「BやCではないから、自分は会社から評価されているのだ」と安心していたら、ある日突然早期退職を促されるケースは珍しくないのです。</p>

<p>「給与が上がっているから自分は評価されている」と考えるのも危険です。年功序列の給与制度は、過去の功績によって現在の給与が決まる「後払い型」です。つまり、高い給与をもらっているミドルは、過去の成果を評価されているに過ぎません。</p>

<p>これが「働かないのに給与だけ高い中高年」を生み出しやすい要因となっているため、多くの企業が今出している成果で給与を決める「時価払い型」へ改革を進めています。過去ではなく、今を評価する制度に変わったとしても、「自分は高い給与がもらえる」と自信を持って言える人はどれだけいるでしょうか。</p>

<p>よってミドル世代が今後のキャリアを考えるなら、まずは自分のスキルや経験を棚卸しして、「自分は何ができるのか」「自分の強みは何か」を客観的に把握することが不可欠です。</p>

<p>そのうえで、本当に自分が今の部署で強みを活かせているのか、それとも他にもっと強みを発揮できる場所があるのかを考えるといいでしょう。大事なのは「社内転職をするか、しないか」ではなく、「どうすれば自分の強みを活かして価値を生み出せるか」という視点を持つことです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【西尾太（にしお・ふとし）】<br />
人事コンサルタント。1965年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。いすゞ自動車労務部門、リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ（CCC）にて人事部長、クリエイターエージェンシー業務を行なうクリーク・アンド・リバー社にて人事・総務部長を歴任。これまで１万人超の採用・昇格面接・管理職研修・階層別研修・人事担当者教育を行なう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizman50.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 30 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西尾太（人事コンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「計画は作成した瞬間から陳腐化する」ロードマップ運用で陥りやすい罠  大村壮太（作家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12052</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012052</guid>
			<description><![CDATA[アジャイルの思想に基づく組織設計について、作家の大村壮太氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="アジャイルマネジメント" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_schedule.jpg" width="1200" /></p>

<p>現代の管理職に求められる役割は、時代とともに大きく変化しています。金銭的な報酬だけではモチベーションを維持することが難しい現代では、メンバーの心を動かし、自発的な行動を促すコミュニケーション&quot;内発的動機づけ&quot;が必要です。</p>

<p>前回は、内発的動機づけを組織全体に浸透させるための具体的な手段として、アジャイルの思想に基づく権限委譲と責任定義の技術に焦点を当てました。</p>

<p>連載第4回にあたる本稿では、「計画」をテーマに、アジャイルに取り組もうとするチームが直面しやすい問題を考えてみます。アジャイルを実践するチームが「計画」との両立に苦戦するのはなぜでしょうか。まずはその緊張関係の背景を掘り下げていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 id="h.gdrniqrup2rf">アジャイルと「計画」の緊張関係とは?</h2>

<p>アジャイルやスクラムを実践する際の障壁として上げられやすいのは、「計画」を立てることが困難になるということです。例えば多くのIT企業では、「ロードマップ」と呼ばれるドキュメントを作成します。ロードマップには一般的に、達成すべきKPIや機能改善の計画が時系列で並べられ、多くの場合プロダクトチームはこれを「期限通り」にこなすことを求められます。</p>

<p>にもかかわらず、ロードマップは「期限通り」の完遂を求められるため、計画自体が陳腐化してもそれを止めるという判断は容易には下せません。途中で止めれば、それまでに投下されたリソースや時間がサンクコストになってしまうからです。結果として、プロダクトチームは陳腐化したロードマップの保守運用に追われてしまいます。</p>

<p>このロードマップは本質的にプロダクト改善のための「計画」であり、ウォーターフォール型の開発プロセスとは非常に相性が良いです。ロードマップの項目を機能要件に落とし込み、工程ごとのスケジュールとリソースを確保し、あとは粛々と進めておけばプロダクト開発をこなすことができてしまうからです。一見、極めて合理的に感じられます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 id="h.wgxpnlm553tz">なぜ「ロードマップ」は形骸化するのか?</h2>

<p>しかし、実際にはロードマップを適切に運用することには大きな困難が伴います。</p>

<p>その理由として最も重要なものは、「計画は作成した瞬間から陳腐化する」という現実です。これは、今後の議論にとって非常に重要な点なので、丁寧に説明します。</p>

<p>市場変化と競争が激しいIT業界では、当初計画したKPIや機能がわずか数ヶ月で時代遅れになることも珍しくありません。新しい技術の登場や競合他社による革新的なサービスのリリースが、状況を一変させることも頻繁に起こります。</p>

<p>にもかかわらず、ロードマップは「期限通り」の完遂を求められるため、計画自体が陳腐化してもそれを止めるという判断は容易には下せません。途中で止めれば、それまでに投下されたリソースや時間がサンクコストになってしまうからです。やめよう、と言い出すのは、マネジメントや経営であっても巨大な勇気が必要です。</p>

<p>結果として、1年ほど経つと、ロードマップは達成度の振り返りも為されないまま忘却され、また新たなロードマップが作成されます。あとは、この繰り返しです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 id="h.lnzbyxkpc477">「計画の呪縛」が引き起こす2つの問題</h2>

<p>この状況は、2つの深刻な問題を引き起こします。</p>

<p>1つは、プロダクトチームが自分でやることを決められないことによる、「他責思考」の蔓延です。価値がないと感じている計画を押し付けられることで、プロダクトチームには経営やマネジメントに対する批判的な感情が広がります。一度「他責思考」が生まれると経営側と開発チーム側で相互に不信感が増幅し、組織内の信頼関係を大きく損ないます。</p>

<p>経営側は「開発チームのビジネスへのコミットメントが足りない」と感じ、開発チームは「経営側の意思決定は現場の実態を理解していない」と批判を強めます。このような「他責思考」は指数関数的に増殖し、深刻な組織の問題へと発展します。</p>

<p>2つ目は、言われたことさえこなしていれば良いという「悪しきアウトプット思考」の蔓延です。アジャイルでは、本来提供したいプロダクト価値（アウトカム）と、その達成手段（アウトプット）を明確に区別します。</p>

<p>プロダクトチームの目的はあくまで市場に価値を提供することですが、ロードマップの期限通りの消化に集中することで、本来の目的が完全に忘却され、タスクの消化そのものが目的化してしまいます。これを私は「悪しきアウトプット思考」と呼びます。</p>

<p>プロダクトチームの本来の使命は市場ニーズに応えるプロダクトを作ることであり、陳腐化した計画をただ消化することではありません。この誤ったマインドセットは、アジャイルを実践しようとする際に大きな障害になるもので、早急に手当を開始する必要があります。</p>

<p>＊</p>

<p>今回は、アジャイルと計画の緊張関係を掘り下げ、ロードマップ運用の問題点と組織に与える影響を考察しました。次回は、この課題を解決するために、計画を柔軟に扱いながらアジャイルの思想を現場で実践する具体的な方法を探ります。ロードマップとアジャイルの両立に成功した企業事例や、マネジメントとチームが協力して変化に対応できる仕組みを詳しく紹介し、計画の陳腐化を克服するための実践的なヒントを提供します。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_schedule.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 30 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大村壮太（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「老化を遅らせる研究」で世界はどう変わる? 未来予測に必須のシナリオプランニング  御立尚資（京都大学経営管理大学院特別教授）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11881</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011881</guid>
			<description><![CDATA[自分の判断軸を持つために知っておきたい「時代の読み方」について、京都大学経営管理大学院特別教授の御立尚資氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="シナリオ" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_earthball.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事・ビジネスでも、キャリア・人生でも、何か意思決定をする際に自分なりの軸を持っている人は、周りに流されずに適切な判断をできることが多い。では、そうした「自分の判断軸」を持つためには、いったいどのようなことを学び、考え、体験したらいいのだろうか。</p>

<p>本連載では、ボストン コンサルティング グループの日本代表を長年務め、現在はリーダー教育にも携わっている御立尚資氏の考えをうかがっていく。（取材・構成：杉山直隆）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号の掲載記事より、内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>時代認識モデルとシナリオプランニング</h2>

<p>これまで2回の連載では、自分の判断軸を持つには自分ならではの時代認識モデルを持つ必要があり、そのためにはリベラルアーツの本来の意味に立ち返って学ぶことが有効だ、という話をしてきました。</p>

<p>経済・社会だけでなく、自然科学の各分野でも、どの分野にも「この領域を動かす原動力は何か」という基本的なモデルがあります。この原動力とモデルの構造がわかると、その分野の現状と将来が見えてくるのです。</p>

<p>さらに、複数分野のモデルを組み合わせることで、自分ならではの時代認識モデルが出来上がってきます。そして「今後、この世界でどんなことが起こる可能性があるか」という近未来のシナリオも描けるようになるのです。</p>

<p>経営の世界では、こうしたシナリオプランニングによって今後の戦略オプションを作ることが行なわれてきました。例えば石油メジャーのシェル（現ロイヤル・ダッチ・シェル）は、シナリオプランニングによってオイルショックが来ることを予測し、先んじて手を打ったことで大きな利益を出したと言われています。</p>

<p>ビジネスリーダーにとって、自身の属する業界の将来シナリオを複数描けることが非常に重要です。そこで今回は、現代から近未来にかけての時代を形作る重要な原動力を複数取り上げ、どうシナリオを作っていくのかを見ていきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>21世紀前半の歴史書を2050年の人が書いたら</h2>

<p>スタートポイントとして、「2050年の時点で、21世紀前半の歴史書を書いたとしたら、絶対選ぶであろう大事な原動力は何だろう」と考えてみましょう。次の5つは必ず入ってくるはずです。</p>

<p>①人口の変動<br />
②気候変動<br />
③エネルギートランジション（脱炭素に向けたエネルギー構成の変化）<br />
④AI&times;データによる社会・産業構造の変化<br />
⑤地政学リスクの高まり</p>

<p>この5つはすべての業界・地域に共通する大事なドライバー（原動力）です。私が大学院で受け持っているゼミでも、毎年この5つの中から2～3つを選んで、それぞれの分野の基本文献を読みながらモデルを作り、時代の理解を深めながらシナリオやビジネス戦略を作る、ということをやっています。今回は、中でも非常に大きなインパクトをもたらす「人口の変動」を取り上げてみましょう。</p>

<p>人口の増減を考えるモデルを作るために押さえておきたい基本文献は2つあります。</p>

<p>一つは、「World Population Prospects」。国連が1～2年に1回程度のペースで発表している将来の世界の人口推計です。</p>

<p>人口を決めるのは、端的に言えば出生数と死亡数です。そして死亡数に大きく影響する要素が、乳幼児死亡率と平均余命です。大人になる前に亡くなる子どもがどれぐらいいるのか、生き残った人たちが何年生きるか。この2つのモデルによって死亡数が計算できるので、出生数の予測と合わせれば、将来の人口の数がかなり正確に推計できることが、この資料からわかります。</p>

<p>もう一つは、『世界経済史概観 紀元1年～2030年』。世界的な人口経済学者であるアンガス・マディソンの本です。分厚い本ですが、冒頭の100ページを読めば、人口と経済の基本モデル、すなわち農業革命や19世紀の産業革命がGDPを決める大きな要素だということがわかります。</p>

<p>一人当たりGDPが成長し、工業化が進んだ社会では、石鹼と衛生知識が広がり、乳幼児死亡率が劇的に下がることで、若年人口が猛スピードで増加します。</p>

<p>また、工業化は安価な肥料を供給可能とし、さらに動力を使って耕作可能な農地を広げることを可能にして、増えた人口を支える食料生産量も増やしました。こうして、人口の継続的な増加がまず欧米と日本で始まり、その後新興国にどんどんと広まっていきました。</p>

<p>種としての人類は、このようにして、工業化による経済成長と軌を一にしながら、20世紀中に16億人前後から61億人にまで猛烈な勢いで数を増やし、今や80億人の人類が地球上で暮らしています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人口動態の変化が与える2つの大きな影響</h2>

<p>ところが、人口の伸びは21世紀に入ると勢いが鈍化します。面白いもので、工業化で豊かになった社会では、一人当たりGDPがほぼ7000ドルに達した時点で、合計特殊出生率が2.1を割り、人口が減少に転じます。晩婚、非婚も大きな要素ですが、乳幼児の大部分が成人を迎えることができる、とわかると、どうやら生物としての人類は、カップル当たり6人、7人といった前世代では当然だった子どもの数を減らしていくのです。</p>

<p>この変化は、先に工業化した先進国で起こり、日米欧共通で出生率が大きく下がりました。他の地域からの移民を除けば、G7の人口は横ばいから縮小し始めているといっても良いでしょう。そしてその流れは新興経済各国にもおよび、今では韓国、中国とも人口減少傾向にあります。</p>

<p>この人口動態の変化には、二つの重要な示唆があります。</p>

<p>第一に、多くのグローバル企業がビジネス成長戦略を変えなければならない、という点です。これまでは、工業化による経済成長のメリットが次第に中進国に広がる中で、次に伸びてくる新興国に進出し、自らの成長に繋げる、という戦略が有効でした。</p>

<p>特に新興国の成長前期には、人口の急増と可処分所得の増加が掛け算になって、消費市場を急拡大させます。自動車でも携帯でも、あるいはスーパーマーケットのような業態でも、このタイミングを狙って、伸びる市場で売り上げと利益を増やすようにする。言い換えれば、成長市場を次から次へと押さえていくこと自体がグローバル戦略の要諦だった企業が数多かったのです。</p>

<p>これからは、市場の伸びではなく、参入した市場の中で、どう競争力を上げるか、どうより高い付加価値を得るか、の視点なしにはグローバル成長戦略は成り立ちません。</p>

<p>第二に、人口動態の変化は、高齢者を支えるコストを社会としてどう負担していくのか、という社会課題が世界に広がっていくことを意味します。</p>

<p>このことから、「高齢化先進国の日本は、世界に通用する人口減少社会モデルを作ることで、そのモデルを輸出できるようになる。特に高齢者の医療・介護コストをどう減少させるかが重要」といった議論がなされてきた訳です。</p>

<p>ただし、この二つ目のポイントは、「年齢が高くなると老化に伴う様々な病気や身体能力の著しい低下が不可避である」という前提に立っています。もし、この前提が崩れたらどうなるでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>老化研究の進展で世界は一変する</h2>

<p>大部分の人が老化するスピードが遅くなり、健康年齢が大きく伸びる、としたら、高齢者は今より長く社会参加が可能であり、医療コストや介護コストも高齢化に比例して増加する訳ではない、ということになります。</p>

<p>夢物語のようなこの状態、実は近年の科学技術の進歩によって、その実現可能性が高まってきています。個人的には、今後10年程度の間に老化を一定程度コントロールできるようになる可能性は高いと考えるようになりました。</p>

<p>もしそうなれば、医療、介護、そして福祉に関わる社会制度全般が違ったものになるはずです。今とは違った形の高齢化社会モデルを描き、それに即した社会・経済、そしてビジネスのモデルを作っていくことになります。</p>

<p>老化に伴って起こる高血圧や心臓病、認知症、足腰をはじめとした身体機能低下は避けられない。したがって、これら発生してしまった病気に対して、どう対処していくか、例えばどんな新薬を作るか、ということがこれまでの常識であり、医学分野の基本的な考え方でした。</p>

<p>ところが、ここ10～15年で、「老化自体の根本原因を突き止め、老化の進行を遅らせる」研究が、ものすごく進んでいます。アンチエイジング（抗老化）ではなく、老化を進める機能を巻き戻す「リジュベネーション」と呼ばれる領域です。</p>

<p>この老化の研究がどこまで進むかで、世界のあり方は一変します。製薬や高齢者向け医療といったヘルスケア関連業界は、特に大きな影響を受けるでしょう。</p>

<p>また、健康年齢が長くなればなるほど、高齢者医療費や介護費といった社会保障コストの増加は抑制されていきます。その点においては、年齢だけに着目した保険制度や社会保障のあり方は見直しを迫られます。</p>

<p>リジュベネーションのような比較的新しい科学領域の動向を知るには、一定の基礎知識を持ち、そのうえで、その領域を含む概括的な雑誌（例えば『Nature』）を継続的に読むこと。そして、きちんとした論文や概説書にあたることが近道です。</p>

<p>「一定の基礎知識」というのがミソで、これがないとトンデモ本に飛びついたり、怪しげなフェイク科学に振り回されたりしてしまいます。</p>

<p>私が、自分のゼミの大学院生などに勧めているのは、当該領域の大学1、2年生向けの教科書を読むことから始めるやり方です。</p>

<p>例えば、生命科学に関しては東大で教科書として使われている『理系総合のための生命科学』を推薦図書としています。必要なトピックが、項目ごとにシンプルにまとまっていて、これをざっと読むだけでも、今の生命科学に関する基礎知識が得られます。</p>

<p>面白いもので、根源的な変化が起こった領域では、必ずといって良いほど、ノンフィクションや一般向けの解説書が書かれています。教科書の次にこういった本を読むのが、専門分野以外の理解を深める近道です。</p>

<p>例えば『LIFESPAN　老いなき世界』。リジュベネーションの最先端研究が行なわれているハーバード大学で中心的存在となっているデビッド・Ａ・シンクレアさんが書いた本です。アメリカではだいぶ前からベストセラーになっています。</p>

<p>『クリスパー　CRISPR　究極の遺伝子編集技術の発見』は現在の遺伝子治療を理解するうえでの好著です。遺伝子の一部を組み替えて治療するゲノム編集技術を開発し、ノーベル化学賞を受賞したジェニファー・ダウドナさんの本です。</p>

<p>もう1冊あげると『エピジェネティクス』。大阪大学大学院の仲野徹教授が著した本で、「実は遺伝子の働きの発現は親から引き継いだものだけで決まるのではなく、生活習慣によっても変わる。この後天的な遺伝子の働きも、次の世代に引き継いでしまうことがある」ことを解説しています。</p>

<p>このように、最近の老化研究に関する代表的な本と、「専門家の間では常識になっているけれど、専門家と素人の知識ギャップが大きい」周辺領域の本を読むと、その分野のことを間違わずに理解できるようになります。</p>

<p>ちなみに、老化を司る根本原因として、現在ではサーチュイン遺伝子（という細胞の正しい複製に関わる遺伝子）とその機能発現に関わる物質（NADなど）、オートファジーという不要になった細胞内物質を取り除く機能、老化細胞そのものを除去する物質、老化と密接な関係がある慢性炎症とその予防・治癒、といった研究が並行して行なわれており、実用化のしのぎを削っています。</p>

<p>今後の人口動態モデルの変化、そして抗老化科学の進展による高齢化社会のコストモデルの変化。これらの「未来をつくる原動力」が見えてくると、自分自身が働く業界、興味を持つ業界について、近未来のシナリオが描けるようになります。</p>

<p>「自分の業界でも健康年齢が上がることを前提にしたサービスが開発できるのではないか」。政府で働く人なら、「老化を遅らせることを推進すれば、社会保障コストの低減に繋がるから、そういう産業にお金を投資する政策をすべきでは」などということが見えてくるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>アメリカ大統領の政策を左右するNICシナリオ</h2>

<p>自分で近未来のシナリオを描く力をつけるためには、質の高い既存のシナリオを読んでみると良いでしょう。シナリオの描き方の参考になるだけでなく、その内容自体が時代認識の助けになります。</p>

<p>私が最もお勧めするのが、「Global Trends 2025: &nbsp;A Transformed World」。2008年にアメリカのNIC（国家情報会議）が大統領のために描いた、2025年に起こり得るシナリオのレポートです。世界中の学者を巻き込んで作られていて、非常によくできています。</p>

<p>このレポートでは、起きる確率は1～2割程度だけれども、起きたらアメリカにとって激甚な影響があるシナリオを、以下4つ示しています。</p>

<p>・A World Without the West（西側なき世界）<br />
・October Surprise（10月危機）<br />
・BRICsʼBust-Up（BRICs 解体）&nbsp;<br />
・Politics is Not Always Local（政治は｢ローカル｣とは限らない）</p>

<p>例えば1番目の「A World Without the West（西側なき世界）」。こちらはある一つの手紙から物語が始まります。差出人は、中国とロシアが中心となった軍事経済共同体の「上海協力機構」のリーダー。宛先はNATO（北大西洋条約機構）のトップです。</p>

<p>上海協力機構のリーダーはこう言います。「我々が、あなたたちをはるかに上回る強さになるとは、夢にも思わなかった」「あっという間の10年間であった」。つまりNATOをしのぐ軍事経済共同体になったことが示されているのですね。</p>

<p>そこに至るシナリオを要約すると、次のような流れです。</p>

<p>・泥沼化するアフガニスタンに中国とロシアがPKOと称して介入し始めたのをきっかけに、西側諸国が両国にエネルギーを中心として強烈な経済制裁をスタート</p>

<p>・エネルギー、すなわち天然ガスが売れないと困るロシアと、エネルギーが入手できないと困る中国がパイプラインで結ばれ、実質的なエネルギーを軸とした運命共同体となった</p>

<p>・中露が長期にわたって深く組んだことで合計した核戦力も西側を凌駕</p>

<p>・そこにアメリカから制裁を受けたイランや第3世界の代表を自負するインドが加わり、強力な経済・エネルギー軍事共同体ができあがった</p>

<p>2008年に発表されたとは思えないほど、リアリティを感じさせるシナリオですね。</p>

<p>これらが本当に起きると、アメリカの国益は大きく損なわれます。そこで重要になるのが、シナリオ立案時に明確化される「何がどう転んだらそれが起こるのか」という分かれ道、分岐点です。</p>

<p>例えば、そうした分かれ道の一つが「日本とEU諸国の社会と経済が、高齢化にも関わらず安定し続けるかどうか」です。実際にこのレポートが出たあと、アメリカは「日本を経済ライバルとして叩くのではなく、一種の防波堤として活力ある国であることを助ける」という政策判断が目立つようになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>シナリオに沿った準備で、災害時でも収益アップ</h2>

<p>シナリオプランニングは、確実性の高い予測をただ積み重ねて作っていくものではありません。誰が考えても変わらない大きな原動力・ドライバーを明らかにする一方で、「ここはまだわからなくて、どっちに転がるかによって世の中が違う絵になる」という分かれ道を明らかにしていくという手法です。そうすることで、次の一手が見えてくるわけです。</p>

<p>このNICのシナリオを活用しているのは大統領だけではありません。グローバル企業の経営陣も同様です。</p>

<p>例えば2つ目に挙げられている「October Surprise（10月危機）」は気候変動のシナリオです。ニューヨークに上陸するはずのないカリブ海で生まれたハリケーンが、気候変動によって上陸。マンハッタンが水没して、ウォール街の機能が3週間止まり、世界の株式市場が大混乱する、という内容です。</p>

<p>実はこのシナリオが出た数年後に、別の要因でウォール街は水没したのですが、このシナリオのおかげで危機は免れました。ニューヨーク証券取引所は、対岸のニュージャージー側の水没しにくい場所にバックアップのシステムセンターを置いていたので、72時間で株式取引システムの機能を復旧できたのですね。</p>

<p>また、ある投資銀行は、このシナリオが公表された翌週にトップが集まって、BCP（事業継続計画）だけでなく、「ウォール街の天災で経済混乱が起きたときに、どうやって収益を上げるか」を話し合ったそうです。そして、ウォール街が水没した72時間の間で、なんと1年間にあげる利益のかなりの部分をあげたといいます。前から準備していなければこんなことはできません。</p>

<p>このように大きなシナリオを常に見て手を打つのはグローバル企業の常識です。シナリオの重要性がおわかりいただけるでしょうか。</p>

<p>特に台風や地震といった天災の多い日本では、気候変動や災害対策を織り込んだシナリオを描くことも重要です。次回は、それについて取り上げてみましょう。（次回に続く）</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【御立尚資（みたち・たかし）】<br />
京都大学経営管理大学院特別教授。京都大学文学部米文学科卒。ハーバード大学で経営学修士(MBA with High Distinction, Baker Scholar)を取得。日本航空(株)を経て、ボストン コンサルティング グループ（BCG）に入社。日本代表（2005～15年）、BCGグローバル経営会議メンバー（06～13年）、経済同友会副代表幹事(13～16年)などを歴任。著書に『経営思考の「補助線」』（日本経済新聞出版）、『使う力』（PHPビジネス新書）、『「ミライの兆し」の見つけ方』（日経BP）などがある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_earthball.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 30 Mar 2026 06:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[御立尚資（京都大学経営管理大学院特別教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>正論を振りかざすのは無知の表れ...『論理的思考とは何か』【書評】  大村壮太（作家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/12058</link>
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			<description><![CDATA[ビジネスパーソンのスキル向上に役立つ書籍『論理的思考とは何か』について紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="論理的思考とは何か" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>日々、多忙なビジネスパーソン。限られた時間の中で、いかに効率良く知識や教養を身につけるかは、常に頭を悩ませる問題だろう。本連載では、そんな悩みを抱えるビジネスパーソンに、スキル向上に役立つ書籍を厳選してご紹介する。今回は、渡邉雅子著『論理的思考とは何か』（岩波新書）を取り上げる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『論理的思考とは何か』</h2>

<p><img alt="論理的思考とは何か" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250325Oomurasouta01.jpg" width="1200" /></p>

<p>「この資料、ロジックが通っていないよ」「もっと論理的思考を鍛えないと」――ビジネスパーソンなら、一度は耳にしたことのある指摘だろう。</p>

<p>しかし、私たちが「論理的思考」と呼んでいるものは、果たしてどこまで普遍的な&quot;正しさ&quot;をもつのだろうか。上司の語る「ロジック」が、実は単なる一つの思考様式に過ぎない可能性について、深く考えたことはあるだろうか。</p>

<p>本書『論理的思考とは何か』は、私たちが日常的に使う「論理的思考」という概念が、どのような思想伝統に根差したものであるかを明らかにする。</p>

<p>そのキーワードは「実質論理」である。</p>

<p>論理学の入門書を手に取り、そこで扱われる&quot;形式論理&quot;の記号や厳格なルールに圧倒された経験をもつビジネスパーソンは多いはずだ。本書は、それらを必要最小限に紹介しつつ、あくまで実社会で活用される「実質論理」に主眼を置くことで、読み手にとってより身近な視点を与えてくれる点が特徴的だ。</p>

<p>著者である渡邉雅子氏は、「目的によって適切な論理的思考は異なる」という重要な観点を提示する。通常、ビジネスの現場で頻繁に耳にするのは、結論を先に提示し、ファクトを並べて最後に再度結論を示すアメリカ式エッセイ構造だ。短時間で経済合理的な意思決定を下すうえで、このスタイルは非常に効率的であるため、ビジネスの領域で支持されているのも当然だろう。</p>

<p>一方、本書ではフランスのディセルタシオン、イランのエンシャー、日本の感想文といった、まったく異なる目的や文脈で培われてきた論理的思考の体系も紹介される。</p>

<p>ディセルタシオンは「政治」の領域で異なる意見を糾合し、エンシャーは「法」の領域で確固たる真理を導くための手がかりとなり、感想文は「社会」の領域で共感や理解を育む。つまり、どの思考法が最適かは、何を達成しようとしているかによって変わるのだ。</p>

<p>近年、相手の感情を軽視し、正論を振りかざして論破するような行為が「ロジカル・ハラスメント」として問題視されている。本書は、そうした行為が「論理的思考」の多様さを理解しない無知の表れであるという事実を提示している。</p>

<p>アメリカ式エッセイ構造は結論に素早く到達するために洗練された手法かもしれないが、それだけで人間は動かない。とりわけ合意や納得が不可欠な場面では、日本の感想文に象徴される共感的な思考が力を発揮する。</p>

<p>「論理的思考」の多様な形を知ることこそが、より豊かなコミュニケーションや問題解決を可能にする第一歩なのではないだろうか。</p>

<p>結局のところ、「論理的思考」とは単なる結論ファーストやファクト重視だけを指すのではなく、場面や目的に応じて多彩に使い分けられるべきものだ、というのが本書の核心的主張である。</p>

<p>ビジネスの現場でも、結論ファースト型のアプローチではかえって行き詰まることがあるかもしれない。そんなときこそ、本書を通じて自分自身の思考法を振り返り、さらにバリエーションを増やす契機にしてほしい。</p>

<p>自分が知らなかった「論理」の世界を覗くことで、実践的かつ柔軟な思考力を身につけるヒントが見つかるに違いない。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_1.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 28 Mar 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大村壮太（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>お笑い芸人・寺田寛明が教える大喜利のコツ　「写真で一言」に面白く答えるには?  寺田寛明 （お笑い芸人）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11884</link>
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			<description><![CDATA[お笑い芸人・寺田寛明による大喜利入門講座。「写真で一言」に面白く答えるためのコツについて解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="大喜利" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_oogiri.jpg" width="1200" /></p>

<p>お笑い芸人・寺田寛明さんによる「大喜利入門講座」。今回は、お題の写真を見て一言で返す「写真で一言」に面白く答えるコツについて解説します。ビジネスパーソンでも大喜利が得意になる、そのポイントとは?&nbsp;</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年2月号の掲載記事より、内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>苦手な人ほど使いがち「センス」の正体とは?</h2>

<p>まず、「センス」という概念について、少しだけお話をさせてください。</p>

<p>というのも、大喜利に苦手意識のある芸人と話していると、かなりの高確率で「センス」という言葉が出てくるのです。「僕は○○さんみたいにセンスないですから～」といった具合に。</p>

<p>大喜利に限らず、ギャグセンス、ファッションセンスと、日常のあらゆる場面でセンスという言葉は出てくると思うのですが、センスという言葉自体の意味がかなりふわっとしているせいで、実態が何なのかよくわからず使っている人が多いのではないかと思います。</p>

<p>私は実際のところ、センスという言葉はその分野についてよくわかっていない人が使う言葉だと思っています。「大喜利はセンスだから......」とか言ってる人は大喜利のことがわからないから、センスというあやふやな言葉で理解から逃げているのです。</p>

<p>また、ありがちな誤解として、センスを「まったく新しい何かを生み出すこと」と考えている人は少なくないのではないのでしょうか。</p>

<p>ですが、実際のところ、センスがあるとされる人たちはみな、新しい何かを生み出し続けているでしょうか。</p>

<p>ファッションに例えればわかりやすいかもしれません。ファッションセンスとは結局のところ、自分で服を作ることではなくて、既存の服から何を着るか選ぶことですよね。</p>

<p>私はこの「選ぶ」ことが、センスの正体だと考えています。</p>

<p>ゴテゴテに高級ブランドで固めるよりは、少し着古した上着をサッと羽織ったほうが、小洒落ていると思われます。つまり、ベタ（＝オシャレでいうところのブランド）から少し外れたところを選ぶ、その選択の塩梅が「センス」と言えるのではないでしょうか。</p>

<p>芸人の中でも、お笑いのボケのパターンというのはとっくに出尽くしてしまっていて、それらをどう選び、組み合わせるかが大切だと言われています。限られた選択肢の中で、多数派の選択から少し外れたところを選ぶと、「面白い」と判断されやすいのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大喜利における「センス」の捉え方</h2>

<p>もう少し大喜利っぽい話にしましょう。</p>

<p>「五十音の中で、いちばん面白い平仮名はどれだと思う?」という質問があったとします。</p>

<p>「ぬ」とか「ふ」は、なんか形も音も面白い気がしますよね。「ん」とかはぜんぜん面白くない。</p>

<p>たぶんですけど、アンケートを取ったら「ぬ」が1位なんじゃないでしょうか。一般的な気がします。</p>

<p>しかしどうでしょう。先ほどの理論で言うと、1位が「ぬ」になった瞬間から、面白い平仮名を聞かれて「ぬ」と答えることはベタで安牌な選択となり、センスがあるとは言えなくなるのです。</p>

<p>だからと言って30位のやつを選んでいるようでは逆張りし過ぎですし、8位ぐらいのやつがちょうど面白い平仮名になるのではないでしょうか。個人的には「そ」なんかは書き方も変だし面白い。</p>

<p>つまり、センスの良い選択をするためには、大多数が選ぶ1位2位の選択を常に把握している必要があるのです。</p>

<p>この手の質問に決まった正解などありません。追いかければ追いかけるほど逃げていく最適解を、世の中の流れを察知して選び取るしかないのです。</p>

<p>大喜利には基本的な答えの考え方はあるものの、このセンスの部分が大喜利を難しいものにしています。同じ趣旨の答えを出すのにも、単語の選び方、言い回し一つで伝わり方が大きく変わります。</p>

<p>逆に言うと、経験を積むことでしか培われていかない部分なのです。生まれ持ったセンスなどというものは存在せず、自ら選択を行なわないと磨かれていかないものなのです。</p>

<p>そのことを意識したうえで、この先を読んでいただければと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人気の大喜利形式「写真で一言」</h2>

<p>前回は「こんな○○は嫌だ」を中心に、文章のお題に対して文章で回答する例を紹介しました。</p>

<p>それに対して今回は、画像のお題に対して文章で答える、いわゆる「写真で一言」です。お題を考える必要性がないため、一般企業のマーケティング戦略なんかでも用いられることが多いです。各種SNSなどで目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。</p>

<p>初めにお伝えしておくと、「写真で一言」は、通常のお題より難しいです（私自身が苦手だというのもあるのですが......）。フジテレビの大人気大喜利番組「IPPONグランプリ」では、通常のお題は一定時間複数人で回答を出し合うのに対し、「写真で一言」は即興で一度だけ答えるお題となっています。このことからも、煮詰まりやすい、手の焼けるお題だということがわかります。</p>

<p>今回は、そんな「写真で一言」についての解説です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「写真で一言」の思考回路① 主観で回答する</h2>

<p><img alt="ゾウ" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250212Teradahiroaki01.jpg" width="1200" /></p>

<p>まず最初は、写真Aのゾウの写真をお題にしてみましょう。言葉による補足が一切なく、これだけでお題として成立するのが「写真で一言」の最大の特徴です。</p>

<p>はじめは、前回の復習です。回答を導く最初の手順は、「連想する」でしたね。ゾウから連想できるワードを書き連ねてみましょう。</p>

<p>【ゾウから連想するもの】<br />
鼻、象牙、サバンナ、動物園、サーカス、水浴び、お絵かき、かわいそうなゾウ、夢をかなえるゾウ、ガネーシャ、平面の地球を支える......</p>

<p>こんなところでしょうか。ではここから、「写真で一言」独自のテクニックを紹介します。</p>

<p>「写真で一言」独自のテクニック、それは「主観の回答」ができるということです。</p>

<p>主観の回答とは、写真の中でスポットの当たっている人物や生き物になりきって、そのセリフや思考をそのまま述べる回答です。</p>

<p>主観の回答は、勢いや感情、かわいさを乗せることができるのが利点です。今回のように動物がお題のときは特に、かわいさを意識するとよいでしょう。これは個人的な意見ですが、かわいいものを見たときについ頬が緩んでしまうように、かわいいと面白いは近い感情にあると思っています。</p>

<p>では、先に挙げたゾウの連想から、主観の回答を作ってみましょう。鼻を頭に乗せている様子が、人間でいうところの「頭を抱える」ようにも見えるので、焦りや困惑の感情を乗せて......</p>

<p>【回答】地球支えるシフト俺だっけ!?</p>

<p>最後に連想した「平面の地球を支える」から、このような回答にしてみました。「ゾウが平面の地球を支えている」というのは古代インドで伝承されていたとされる宇宙観で、多少のインテリジェンスを要求しますが、壮大な話なだけにゾウの焦りがまざまざと感じられるようになったと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p><img alt="猫" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250212Teradahiroaki02.jpg" width="1200" /></p>

<p>続いて、写真Bのネコの写真でも同様に、回答を作っていきましょう。まずは連想です。</p>

<p>【ネコから連想するもの】<br />
ペット、猫じゃらし、マタタビ、魚、猫カフェ、わがまま、長靴をはいたネコ、干支になれなかった、シュレディンガーのネコ......</p>

<p>次は写真のネコから感情を読み取ります。驚きの感情が強いように思えます。先の連想の中から、驚きと親和性の高そうなものをピックアップして......</p>

<p>【回答】干支の入れ替え戦あったの!? 呼べよ!</p>

<p>「ネズミに騙されて干支になれなかった」という昔話から、このような回答にしてみました。せっかくこちら側を見ながら驚いてくれているので、「呼べよ！」と訴えかけるようなセリフも追加しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「写真で一言」の思考回路② 無関係な要素も用いる</h2>

<p>ここまでは、前回解説した「連想」から主観の回答をする手順をお伝えしました。</p>

<p>連想で導き出せるワードは、お題の要素と親和性、類似性の高いものですが、「写真で一言」はその自由度の高さゆえ、一見関係のなさそうなワードからも、回答を作り出すことができます。</p>

<p>写真Aのお題に戻って、一つ回答を作ってみました。先ほどと違って俯瞰の回答ですが、例えばこんな......</p>

<p>【回答】ゾウにかかる税金『ゾウよ税』がすごくて扶養外れた</p>

<p>「ゾウにかかる税金」みたいな説明部分はダボついているので省いて、整えてみてもよいでしょう。</p>

<p>この回答は、ゾウと贈与税をかけた単なるダジャレです。この2つに直接的な関係は一切なく、連想では絶対結びつかないワードです。「ダジャレになっている」程度の薄いつながりでも回答として成立する自由度も、「写真で一言」というフォーマットの魅力と言えるでしょう。</p>

<p>写真Ｂのネコでも、同じように回答を作ってみましょう。</p>

<p>【回答】紅（くれにゃい）だーーー!!!</p>

<p>もはやダジャレと言い張るのもギリギリですが、勢いも助けて、回答として成立しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250212Teradahiroaki03.jpg" width="1200" /></p>

<p>最後に写真Cではどうでしょうか。一見すると主婦が床に寝転がっている様子ですが、そう決めつけてしまっては広がりが生まれません。</p>

<p>【回答】ご覧の通り、本日のお料理教室は中止で～す</p>

<p>写真の女性が先生に見えなくもないですが、直接的にお料理教室を連想させるような要素は、一切ありません。その要素の無さを逆手にとって、「お料理教室は中止」という回答にいたりました。</p>

<p>元々何の関連性もない回答を「そう言われればそう見える」と思わせるのが、「写真で一言」というフォーマットの懐の深さと言えるでしょう。では、こういった回答はどうでしょうか。</p>

<p>【回答】カレーぜんぶこぼしちゃった。引っ越しましょ。</p>

<p>写真にはカレーの「カ」の字もありませんが、こう言われたら人は自然と、写真の延長線上にカレーのこぼれた床をイメージしてしまいます。そしてひとたびイメージがつけば、写真の範囲のきれいな床も、カレーの汚れを際立たせる、ギャップの役割を果たしてくれます。</p>

<p>このように、写真に写っている内容だけにとらわれずに回答を作ることを心がければ、その幅は広がっていきます。情報が少ないことはすなわち、それだけ想像の余地があるということです。</p>

<p>今回は「写真で一言」の回答の作り方を解説しました。途中でも述べましたが、「写真で一言」は、SNSなどでも頻繁に遊ばれているフォーマットです。今回の内容を活かして、ぜひ挑戦されてみてはいかがでしょうか。</p>

<p><img alt="大喜利のコツ" height="1333" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250212Teradahiroaki05.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【寺田寛明（てらだ・ひろあき）】<br />
お笑い芸人。1990年、埼玉県生まれ。マセキ芸能社所属のピン芸人。2021年より、4年連続「R-1グランプリ」決勝進出。10年以上に渡り、大喜利ライブ『大喜利千景』を主催している。芸人のほか、現役の塾講師としての顔も併せ持つ。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Sat, 28 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[寺田寛明 （お笑い芸人）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ「教養のために古典を読め」と言われる? 社会人がリベラルアーツを学ぶべき理由  御立尚資（京都大学経営管理大学院特別教授）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11806</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011806</guid>
			<description><![CDATA[自分の判断軸を持つために知っておきたい「時代の読み方」について、京都大学経営管理大学院特別教授の御立尚資氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmember.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事・ビジネスでも、キャリア・人生でも、何か意思決定をする際に自分なりの軸を持っている人は、周りに流されずに適切な判断をできることが多い。では、そうした「自分の判断軸」を持つためには、いったいどのようなことを学び、考え、体験したらいいのだろうか。</p>

<p>本連載では、ボストン コンサルティング グループの日本代表を長年務め、現在はリーダー教育にも携わっている御立尚資氏の考えをうかがっていく。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年2月号の掲載記事より、内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ルネサンス運動に見る「時代の流れ」の生まれ方</h2>

<p>前回、時代の流れを読むためには、自分ならではの「時代認識モデル」をつくっていくことが大切と話しました。それがあると、独自の観察眼が身につき、自分自身の判断軸ができてきます。</p>

<p>では、どうすれば、自分ならではの時代認識モデルをつくれるのでしょうか。</p>

<p>まず押さえていただきたいのが、「時代の流れはどのようにして生まれるか」の理解です。</p>

<p>ひと言でいうと、新しい時代は、時代を動かす複数のドライバーが絡み合って生み出されます。ルネサンスを例にご説明しましょう。</p>

<p>ご存知の通り、ルネサンスは14～16世紀にイタリアを中心に起こり、ヨーロッパ各地に広がった文芸復興運動のことです。キリスト教が中心となった文化を見直し、1000年前のギリシア・ローマ時代の人間中心の思想や文化を復興しようという動きが高まりました。</p>

<p>例えば彫刻なら、紀元前のギリシア・ローマ時代の作品には、ミロのヴィーナスやラオコーンのように非常に精巧なものが見られました。しかしその後、ルネサンスまでの1000年にわたる中世期の作品は人間らしい表情がなく、遠近感もないものに取って代わられました。</p>

<p>その背景には、「偶像は避けるべき」「人間の感情や裸体は人前でさらすものではない」というキリスト教の教えがありました。これに対し、再び自由にリアルな彫刻を復刻しようという機運が高まりました。</p>

<p>そうして生まれたのがミケランジェロのダビデやピエタです。フィレンツェのアカデミア美術館やバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂でその精巧さに感嘆した人もいるでしょう。</p>

<p>同様にルネサンスは、他の分野でも大きな変革をもたらしました。</p>

<p>建築はロマネスク・ゴシック建築からルネサンス建築が主流になりましたし、音楽もグレゴリオ聖歌のような単旋律を歌うものから、複数の独立したパートからなるポリフォニーが出てきました。レオナルド・ダ・ヴィンチのように、芸術だけでなく、軍事から土木までなんでもこなす大天才も誕生しました。</p>

<p>ところで、なぜルネサンスが起こったのでしょうか。その理由は、複数のドライバーがタイミング良く絡み合ったからです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>時代を動かすドライバーを理解すれば近未来が読める</h2>

<p><img alt="ルネサンス運動はなぜ起こったか" height="1954" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250124Mitachitakashi03.jpg" width="1200" /></p>

<p>当時の背景からおさらいすると、第一に「遠距離交通と貿易による富の創造」がありました。航海技術が発達し、遠距離交通が可能になったことで、貿易が盛んになりました。</p>

<p>それによって、イタリアではベネチアやジェノバなどの都市国家で東方貿易をした人が大儲けをしましたが、実は利潤を最も蓄積したのは貿易業者ではありません。船が沈むリスクを背負った貿易業にお金を投資・融資したり、通貨を両替したりする業務を請け負っていた金融業です。その代表が、フィレンツェのメディチ家でした。富の蓄積が、文化、学問、芸術へのパトロンの存在を生み、ルネサンスを可能にする要因となりました。</p>

<p>第二の背景は、「イタリアの国内政治の不安定さ」です。</p>

<p>当時のイタリアはミラノやベネチア、フィレンツェ、ナポリなどの都市国家とローマ教皇領に分かれていました。経済的にはうまくやっていましたが、軍事的には弱小だったため、フランスをはじめとした専制君主の周辺諸国から脅かされることも少なくありませんでした。</p>

<p>中でもひどいのが、14世紀のアヴィニョン虜囚。「気に入らないから」とフランス王がローマ教皇を拉致し、70年近くに渡ってアヴィニョンに幽閉したという事件です。</p>

<p>お金はあるけれども、地政学的に不安がある。今の日本に似た状態ですね。この社会にまん延する不安感、閉塞感が、そこからの脱却につながるルネサンス運動のエネルギーになりました。</p>

<p>さらに、「パンデミック」も、重要な背景となりました。</p>

<p>遠距離交通に加え、モンゴル軍のヨーロッパ来襲があり、パンデミックをもたらす感染症も猛スピードで拡がりました。そうして14世紀からヨーロッパで大流行したのがペストでした。中には人口の3分の1が亡くなった地域も。政治的に不安なときに、家族や友人がバタバタと死んでいく。「生きること、そして人間的な営みや感情を大事にしたい」というルネサンス的な社会思潮が強まるのは自然なことでしょう。</p>

<p>これらの背景が存在する中、ルネサンスの大きな引き金となったのは、「東方世界の大変動」です。</p>

<p>14世紀、東ローマ帝国（ビザンチン帝国）が、勃興したオスマン帝国に攻められ、ローマ帝国に起源を持つ西のフィレンツェやベネチアに助けを求めるようになりました。</p>

<p>もともとは東のギリシア正教と西のローマカトリックが分裂して仲が悪かったのですが、背に腹は代えられないということだったのでしょう。その際に持ち込まれたのが、ビザンチンとイスラム世界で醸成されたギリシア由来の哲学や天文学、数学などです。</p>

<p>それらの文献を芸術家や建築家たちが学ぶことで古代を見直す風潮が生まれ、起こった復興運動がルネサンスというわけです。</p>

<p>前出のメディチ家は豊富な財力を持つパトロンとして、ギリシアの知を学ぶアカデミア・プラトニカという学校を作ったり、芸術家や建築家たちを支援したりしました。こうして現代にも影響を与え続ける芸術や文化が数多く生まれたのです。</p>

<p>以上の話から、ルネサンスは、経済の発展や地政学的な変化、パンデミック、情報流の変化といった時代を動かすドライバーが絡み合って起こったことがわかるでしょう。</p>

<p>とはいっても、当然ながら「ルネサンス」というのは、19世紀の歴史家が名づけ、定義した概念です。要は後付けの分析であり、同時代にこのような時代を生む構造、すなわち複数のドライバーを把握できていたわけではありません。</p>

<p>しかし面白いことに、歴史家が用いたこの分析方法は、現在がどんな時代かを認識し、近未来に何が起こるかというシナリオを描くことにも応用できます。時代を動かす複数のドライバーを巨視的に見て、それらが組み合わさったら何が起こるのかを統合的に考えれば、未来の姿を一定の蓋然性を持って描くことが可能となります。</p>

<p>そして、時代を動かすドライバーを知り、統合的に考えていくために役立つのが、リベラルアーツです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「教養のために古典を読め」と言われる本当の意味</h2>

<p><img alt="自由に生きるための技術" height="1951" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250124Mitachitakashi02.jpg" width="1200" /></p>

<p>リベラルアーツとひと口に言っても、人によってその意味するところは様々です。私の捉え方は、以下のようなものです。</p>

<p>そもそも本来のリベラルアーツの意味は、「自由に（＝リベラル）生きるための技術（＝アーツ）」のことです。中世ヨーロッパの&quot;自由7科&quot;（Seven LiberalArts）が発祥となっていて、今もアメリカのハーバード大学やイェール大学、その他のリベラルアーツカレッジでその考え方が踏襲されています。</p>

<p>自由7科は、3科目の「トリビウム」と4科目の「クオドリウム」に大きく分かれます。</p>

<p>トリビウムとは、文法、修辞学、論理学(Grammar, Rhetoric,Logic)の3つです。これらを学ぶ狙いは、物事を自分の頭で考え、取りまとめて1つの形に再構築できる「統合化能力」と、それを周りの人に伝えて人を動かすことができる「コミュニケーション力」を身につけることです。</p>

<p>時代の流れを認識するためには、そうした基本的な能力を持ったうえで、様々な分野で時代を動かすドライバーとなりうる事象を理解するための知識を学ぶことが必要になります。</p>

<p>それがクオドリウム。算術（Arithmetic ）、天文学（Astronomy）、幾何学（Geometry）、音楽（Theory of music） の4つです。この4つに共通するのは、すべて数学の理論であること。中世においては「神様が創造されたものには、数学的なモデルが隠されている」という考え方がありました。</p>

<p>数学の勉強をすると、物事をモデル化して考える思考能力がつき、その他の分野のことでも、数式で表されるようなモデルを通じて体系的に理解できるようになるはずだ、という考えです。その延長で、様々な領域で用いられるモデル化・構造化の基本を身につけるのが、クオドリウムの本質です。</p>

<p>中世から近世にかけて、これらの自由7科については、プラトンやアリストテレスの古典を教科書に勉強していました。</p>

<p>現代でも「教養を身につけるためには古典を読みなさい」と言われるのは、このような背景があるからです。要は、古典を読む意義とは、自分の力で様々な世界のモデルを認識し、それらを自分の頭で統合して、他の人に伝えて動かすことができる能力をつけられる、ということが重要なのであって、万巻の古典を読むこと自体は目的ではないのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>現代のトリビウムを学ぶためには</h2>

<p>それでは、リベラルアーツを身につけるにはどうすればよいでしょうか。自由7科でいうトリビウムとクオドリウムの2つを学ぶことが必要ですが、自由7科の学問をそのまま学ぶのではなく、現代に合わせた形で身につけることをお勧めします。</p>

<p>まず、現代的トリビウムの本質は、論理的統合力とコミュニケーション能力だと考えましょう。論理的統合力の基本は、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングです。情緒や他者の感情への想像力を駆使して話される日本語を母語とする我々は、意識的に論理を構築し、統合する力を身につける必要があります。</p>

<p>コミュニケーション能力については、大人数の前でスピーチできる能力も重要ですが、自分の考えを一方的に伝えるだけでは良いコミュニケーションにはなりません。相手の言っていることを聞いて相手に影響を与えるアクティブリスニングや、自分の意見を押しつけずにチームを導いていくファシリテーションが重要な領域です。</p>

<p>これらの領域について知識を獲得し、さらにその知識を活用できるようになるには、どうすれば良いか。詳細は拙著『使う力』（PHPビジネス新書）をご参照いただきたいのですが、ここではまずスタートするための基本書籍をご紹介します。</p>

<p>例えば、論理的統合力であれば、バーバラ・ミント氏の『考える技術・書く技術』（ダイヤモンド社）や、木下是雄氏の『理科系の作文技術』（中公新書）などは、大変優れた教科書です。</p>

<p>論理的統合力に関しては、英語の読み書きを学ぶことでも鍛えられます。日本語と違って、英語は論理的に書けないと意味が通じないからです。きちんと書けるようになると、多くの人に伝える能力が身につきます。</p>

<p>クリティカルシンキングを英語で学ぶ、といったことをすれば、一石二鳥です。</p>

<p>英語の読み書きを身につけるなら、昔の大学受験で勉強したような英文法と英作文をしっかりやり直すことも早道です。実際、私自身も、ボストンコンサルティンググループのグローバル経営会議メンバーとして、最初のうちは受験勉強の延長にある読み書きの能力で勝負していました。日本の英語教育は、こと読み書きに関しては馬鹿にしたものではありません。</p>

<p>コミュニケーション能力の入り口を学ぶ書籍としては、東山紘之氏の『プロカウンセラーの聞く技術』（創元社）と、平田オリザ氏の『わかりあえないことから　コミュニケーション能力とは何か』（講談社現代新書）の2冊を挙げておきたいと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>現代のクオドリウムは人によって異なる</h2>

<p><img alt="クオドリウム" height="1882" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250124Mitachitakashi01.jpg" width="1200" /></p>

<p>一方、クオドリウムに関しては、世の中の大きな流れを作り出すドライバーを抽出し、その分野の基本的な「モデル」を使って対話や思考ができるようになることが目標です。</p>

<p>現在と近未来の世界を作るドライバーというとあまりにも壮大で、どうして良いかわからなくなる方もいらっしゃると思います。そんなときには、まずスタートポイントとして、自分が働いている業界やその周辺領域を動かす流れを読むうえで、自分に足りないと感じている領域の基礎を学ぶのがベストです。</p>

<p>例えば私が経営コンサルタントになったとき、経済学や経営学などの分野はある程度理解していました。しかし、地政学やゲーム理論に関する知識が足りないと感じ、途中からそれらの勉強をし始めました。</p>

<p>さらに近年は、分子生物学の基礎を学ぶようになりました。分子生物学がわからないと、ライフサイエンス全体の方向性が見えず、人口の増加と高齢化が進むことで人間と社会がどう変わるかというのが理解できないからです。</p>

<p>また、認知科学も学びました。認知科学がわからないと、データサイエンスやAIが理解できないからです。</p>

<p>ただ、皆さんが私と同じ分野を学ぶ必要はありません。経済学が足りないと思うなら経済学を学べばよいですし、人によっては倫理学や農学、ロボット工学を学べばよいでしょう。</p>

<p>いずれにしても重要なのは、その分野についてものすごく精通する必要はない、ということです。「この分野はこのような大きなモデルで考えられている」ということがわかれば、その専門家にいい質問をすることが可能になります。複数の分野の専門家と働けるプロジェクト・マネージャーのイメージです。</p>

<p>例えば経済学には、経済成長に関するマクロモデルがいくつかあります。民間の消費支出や企業の設備投資、政府の支出などが、GDP（国内総生産）の増減に影響してくるというモデルですね。</p>

<p>また、ミクロ経済では、需要と供給の曲線で価格の均衡点が決まるというモデルがあります。</p>

<p>国際政治学に関しては、「それぞれの政治プレーヤーが、国同士の力関係と自国内の政治状況を背景にして自国の利益を追求した合理的な判断をした結果、紛争などが起こる」というモデルが使われています。</p>

<p>どの分野でも「何によって動いているのか」というモデルがあるものです。これらのモデルを適切に使い、複数領域のモデルを組み合わせることで現状分析ができ、今後のシナリオをつくれるようになるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>各分野のモデルの理解には大学の教科書が最適</h2>

<p>モデルを学ぶうえでお勧めしたいのは、大学1、2年で学ぶ教養課程の教科書を読むことです。大学の教養課程の教科書の中でも名著とされる本は、学問分野の基本知識とモデルをきちんと学ぶことができます。</p>

<p>例えば生命科学なら、東京大学生命科学教科書編集委員会が編集している『理系総合のための生命科学』を読めば、ひと通りの知識が身につくでしょう。これらの基本図書を3、4冊読むことが、知識を得てモデルを使えるようになる早道だと思っています。</p>

<p>以上が自分ならではの「時代認識モデル」をつくる基本的な考え方です。</p>

<p>次回からは、私自身の時代認識モデルの構成要素とその統合について、お話ししてみたいと思います。</p>

<p>（次回に続く）</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【御立尚資（みたち・たかし）】<br />
京都大学経営管理大学院特別教授。京都大学文学部米文学科卒。ハーバード大学で経営学修士(MBA with High Distinction, Baker Scholar)を取得。日本航空㈱を経て、ボストン コンサルティング グループ（BCG）に入社。日本代表（2005～15年）、BCGグローバル経営会議メンバー（06～13年）、経済同友会副代表幹事(13～16年)などを歴任。著書に『経営思考の「補助線」』（日本経済新聞出版）、『使う力』（PHPビジネス新書）、『「ミライの兆し」の見つけ方』（日経BP）などがある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmember.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 28 Mar 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[御立尚資（京都大学経営管理大学院特別教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>48歳が最低、82歳が最高　幸福度のU字曲線が示す老後の希望  和田秀樹（精神科医）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13904</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013904</guid>
			<description><![CDATA[新刊『60歳で離れる人、60歳からつきあう人』を上梓した、精神科医の和田秀樹氏。孤独と不満に苦しむ、そんな老後を避けるためにはどうするべきか。解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="和田秀樹氏「60代~」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_rougo1.jpg" width="1200" /></p>

<p>昔はたくさんの人たちに囲まれていたが、老後は寂しく送るという例も珍しくない。幸せな老後を送るため、自身の栄光時代とどのように向き合うべきなのか。和田秀樹氏の著書『60歳で離れる人、60歳からつきあう人』（PHP研究所）より解説する。</p>

<p>※本稿は、和田秀樹著『60歳で離れる人、60歳からつきあう人』（PHP研究所）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>昔の自分との比較が老後の幸せを奪うことも</h2>

<p>私は高齢者専門の医師として日頃からいろいろな境遇の高齢者と接していますが、そのなかで感じるのは、かつて社会的地位の高かった人や裕福な人が定年後も幸せかどうかはわからない、ということです。むしろ、そうした「過去の栄光」が、今の自分を素直に受け入れることの妨げになってしまうこともあるのです。</p>

<p>たとえば、かつて大企業で部長を務めていた方が、退職後「運転が好きだからタクシーの仕事をしてみたい」と思っても、周囲の目や世間体が気になってしまうこともあるでしょう。お客さんに丁寧に接して頭を下げることも、現役時代の自分の立場と比べてしまって、どこか抵抗を感じてしまう人もいるかもしれません。</p>

<p>あるいは、「有名企業出身」「元部長」などの肩書きを誇りにしている人は、定年後にパートやアルバイト、地域活動などを始めても、昔の自分と比べて価値が下がったように感じてしまい、素直に新しい環境を楽しめないことがあります。</p>

<p>また、現役時代に高収入だった人が、定年後に収入の少ない仕事やボランティアを始めたとき、「昔はもっと稼いでいたのに」と過去と比べてしまい、不満や不幸を感じてしまうこともよくあります。本来なら新しい挑戦を心から楽しめるはずなのに、過去の地位や栄光が今の生活を曇らせてしまうのです。</p>

<p>こうしたことを理論的に説明したのが、心理学者で行動経済学者でもあるダニエル・カーネマンです。彼は、「人間の幸福は絶対的な条件で決まるのではなく、参照点との比較によって決まる」ということを示しました。たとえば、年収1000万円から600万円に減った人は、「損をした」と感じてがっかりしますが、逆に500万円から600万円に増えた人は、「得をした」と感じて幸せになります。たとえ同じ600万円でも、感じる幸せの度合いがまったく違うのです。</p>

<p>これはお金だけの話ではありません。</p>

<p>大企業の経営者だった人が、入居金数億円の超高級老人ホームに入ったとします。内装は高級ホテルのように豪華な施設で、一流のシェフが毎日5000円の料理を用意し、スタッフもホテルのコンシェルジュ並みに丁寧に接してくれます。それでも、現役時代に高級レストランや周囲の厚遇に慣れていた人にとっては、物足りなさしか感じられないのです。</p>

<p>逆に、質素な暮らしをしてきた人が特別養護老人ホームに入れば、毎日おかずが何品も並ぶ食事に喜ぶことができますし、スタッフのちょっとしたサポートに感謝の気持ちを抱くこともあるでしょう。</p>

<p>つまり、人はどうしても今の自分の状態を「過去の自分」と比べるため、過去の参照点が高ければ高いほど、今の現実を「それより下」と感じて、不満や物足りなさが生まれてしまうのです。参照点が上がれば上がるほど不幸になっていくといえるかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>孤独と不満の老後にしないために今からできること</h2>

<p>この参照点の考え方は、たくさんの人の老後を見てきた私にも納得できるところがあります。というのも、人は高齢になればなるほど、体力や記憶力が落ちたり、できることが少なくなったりと、心身ともにネガティブな変化が増えていくのが普通です。しかし、人は歳を重ねるにつれて、幸福感が高まっていく傾向があるのです。不思議なことに思えるかもしれませんが、これは実際にデータでも証明されています。</p>

<p>ある経済学者が世界132カ国で「人生の幸福度と年齢」の関係を調べたところ、幸福度は48歳前後でもっとも低くなり、その後は上昇に転じ、82歳前後でピークを迎えるという結果が出たのです。これは「エイジングパラドックス（加齢の逆説）」と呼ばれ、世界中で共通して見られる現象です。</p>

<p>なぜ、人は48歳ごろにもっとも不幸を感じ、82歳ごろにもっとも幸せを感じるのでしょうか。</p>

<p>その理由として、48歳前後には子どもの独立や親の介護といった家庭内の大きな変化が重なること、住宅ローンや教育費、老後資金といった経済的な責任がまだ重くのしかかっていることなどが挙げられると思います。</p>

<p>そしてもうひとつ大きいのは、「参照点が変わる」ことではないでしょうか。</p>

<p>48歳前後は、多くの人がキャリアのピークを過ぎ、昇進の機会が減り始め、体力の衰えや老いへの不安を強く感じる時期です。一方、周囲の人のなかで、大きく出世したり成功したり、また子どもが一流大学に合格したりする人が出てきます。</p>

<p>それ以前の「ピーク」や周囲の成功者を参照点にしてしまうため、収入や役職、体力が少し落ちただけで、「大きな不幸」に感じやすくなったり、周囲との比較で自分はダメだと思いがちです。</p>

<p>ところが、この時期を過ぎると、多くの人が「叶わなかった夢もあるけれど、人生の終わりというわけではない」などと徐々に受け入れられるようになり、「今あるもの」に目を向けるようになる傾向が強くなります。私が診ている患者さんたちも、80代以降は「自分は歩けるだけで幸せだ」と口にする方が少なくありません。周りに歩けない人が増えていくなかで、歩ける自分を素直に喜べるのです。</p>

<p>また、高齢になればなるほど薬が効きやすくなるため、薬を飲んで体が少し楽になっただけで「起き上がれるようになった」「行動できるようになった」と、その一歩を前向きに受け止める姿勢も見られます。</p>

<p>つまり、参照点が過去の自分の栄光や他人との比較ではなく、「自分の足で歩ける」「美味しくご飯を食べられる」といった、日々の暮らしのなかの小さな喜びや確かな実感に変わっていくことで、人は幸せを感じやすくなるのです。</p>

<p>やはり、幸せというのは客観的な条件で決まるものではなく、主観的な感覚で決まるもの――今を幸せと感じれば幸せであり、不幸だと思えば不幸になるのです。</p>

<p>高齢になっても立派な地位や財産に恵まれているのに、なぜかいつも不機嫌そうな方がいます。</p>

<p>その一方で、社会的な地位や財産はけっして高くなくても、周りの人のちょっとした気遣いや優しさに心から感謝し、毎日を楽しそうに過ごしている方もたくさんいます。</p>

<p>たとえどんなに素晴らしい肩書きや役職も、その人の人生をずっと輝かせ続けるものではないのだと、私は感じています。</p>

<p>もしも、これまで自分の出世や立場ばかりを気にして生きてきたとしたら、歳を重ねてから、仲間と心から打ち解けたり、周りの人の温かさに気づいて感謝したりすることは、少し難しくなってしまうのではないでしょうか。</p>

<p>そして、たとえどれだけ出世を重ねてきたとしても、定年後に待ち受けているのが孤独と不満の日々なら、その人の晩年はけっして幸せとはいえないでしょう。</p>

<p>私は高齢者の方々のそうした姿をたくさん見てきて、心の底から「自分は年老いてからそんな思いはしたくない」と思うようになりました。</p>

<p>では、これからの時間をどう過ごせばいいのでしょうか。</p>

<p>私は、社会的な地位や肩書きよりも、周りの人と心地よい関係を築けているか、毎日を自分らしく、心穏やかに過ごせているか――そうした日々の小さな幸せこそが、人生の後半を幸せに生きるための大事な土台になると思っています。</p>

<p>仕事や家庭で背負ってきた役割から解放されたこれからの時間は、もう他人の評価や期待、過去のしがらみに縛られる必要はありません。</p>

<p>自分が心から楽しいと思えること、やりがいを感じることを大切にしながら、心地よい距離感で人間関係を築いていく――それが60代以降を幸せに生きるための、何よりの秘訣なのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_rougo1.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 27 Mar 2026 18:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[和田秀樹（精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>日本の得意は「面倒くさいこと」　水産ベンチャーが狙う輸出大国への道  梅川忠典（リージョナルフィッシュ株式会社代表取締役社長）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14014</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014014</guid>
			<description><![CDATA[リージョナルフィッシュ㈱は、ゲノム編集を活用した最先端の養殖技術を提供している。代表を務める梅川社長は、日本の水産業にどのような未来を描いているのか。解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="梅川忠典「THE21」" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/2605Umekawa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>リージョナルフィッシュ㈱を創業した梅川忠典社長は、「水産業」こそが、これからの日本を支える産業だと言う。コンサルティング会社や投資ファンドでキャリアを積んできた梅川氏は、なぜ水産業に着目したのか。話を聞いた。（取材・構成：川端隆人、写真撮影：丸矢ゆういち）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2026年5月号の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「日本の魚は世界一うまい」だから、世界で戦える</h2>

<p>――もともと水産業に興味があったのでしょうか？</p>

<p>【梅川】そういうわけではないんです。僕は、日本の経済が豊かになることに、自分の人生を使いたいと思っています。私たちがこれだけ豊かな生活を送れているのも、病気の子どもたちが命を落とすことが少ないのも、日本が先進国だからです。</p>

<p>そして、この国が先進国でいられるのは、強い日本企業があってこそだと考えています。就職でコンサルやファンドを選んだのも、日本の会社を強くしたいという想いからでした。</p>

<p>では、10年後、20年後に、どんな産業がこの国を支えるのだろうか。よく「日本は、技術は優れているけれど、経営で負けている」と言われますよね。しかし、技術においても、ほとんどの分野ですでに日本は負けていると、前職で感じました。</p>

<p>日本はどんな産業でなら世界に勝てるかを考えると、答えの一つが食でした。中でも魚は世界で一番うまい。世界最強のプロダクトを持っているのだから、世界で戦える産業になると考えたのです。</p>

<p>日本の水産業は、日本人の魚食離れに加えて、人口減も相まって、右肩下がりです。しかし、世界を見ると、水産物の市場は拡大しています。日本の水産業は、まだ海外の需要を取り込めていないのです。</p>

<p>――日本の魚は世界一うまいのですか？</p>

<p>【梅川】世界中を泳ぎ回っている魚は、世界のどこで獲っても同じ魚かもしれませんが、神経締めや血抜きをはじめ、加工、冷凍、輸送の技術、さらには調理まで含めた職人技が、日本は優れているんです。</p>

<p>そのうえに、魚を品種改良して、生産体制も整えたら、輸出産業として世界で戦える。そう考え、そのための技術を求めて品種改良加速技術（ゲノム編集技術）に出会ったところから、当社はスタートしました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>水産物を改良して地域に適した品種を作る</h2>

<p>――品種改良加速技術とは、どのような技術なのでしょうか？</p>

<p>【梅川】農業の1万年の歴史は、品種改良の歴史でした。例えば、バナナは種がありませんよね。けれども、野生種には種があります。品種改良によって、種のないバナナが生まれたのです。私たちが食べている野菜や果物、穀物などは、すべて品種改良によって生まれたと言っていいでしょう。</p>

<p>家畜も同様です。品種改良によって、鶏も豚も成長速度が大幅に速くなり、乳牛から採れる牛乳の量も格段に増えました。農産物の品種改良は、突然変異によって生まれた個体を選び出して、掛け合わせることで、長い時間をかけて行なわれてきました。</p>

<p>一方、水産物の完全養殖は、わずか50年ほどの歴史しかありません。ですから、品種改良が進んでいないのです。当社が使用している品種改良加速技術は、ゲノム編集技術のうち「欠失型」と呼ばれるもので、狙った遺伝子をピンポイントで切るものです。別の遺伝子を組み込むことはしません。</p>

<p>これによって、農産物では長い時間をかけて行なってきた品種改良を、短い時間で行なうことができます。地魚というものがありますが、例えば「大間のマグロ」は水揚げ地が大間だということであって、品種ではありません。</p>

<p>当社は、品種改良加速技術を含めて、様々な品種改良手法を組み合わせることによって、それぞれの地域に根差した品種、従来の地魚であるローカルフィッシュを超えたリージョナルフィッシュを生み出す。これが社名に込めた想いです。</p>

<p>――地域に根差した魚とは？</p>

<p>【梅川】養殖でも外気温の影響を受けますから、例えば、暖かい海域に生息するエビを北海道で育てるのは非効率です。水質の影響などもあります。</p>

<p>また、食文化も重要な要素です。例えば、九州の魚食文化では鮮度を重視します。刺し身にしたときに「角が立つ」のがいい魚とされるのです。タンパク質が分解されてアミノ酸になると生まれる旨味は少ないので、甘い醤油につけて食べるのです。</p>

<p>これに対して、江戸前の寿司は、「漬け」にしたり「昆布締め」にしたりと、熟成を重視します。こうした文化があるので、九州では筋肉質で身にハリのある魚に品種改良し、関東では旨味の強い魚に品種改良する、といったことも考えられます。</p>

<p>今後、海外にビジネスを広げていくうえでも、地域による好みの差などに合わせていくことになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フグの肝も食べられるように？持続可能で、おいしい未来へ</h2>

<p>――世界の水産物の消費量が増えると、資源の枯渇も懸念されます。</p>

<p>【梅川】天然の水産物の漁獲を増やせば、それだけ自然界の資源にダメージを与えることになり、魚食の持続可能性が脅かされます。</p>

<p>一方、我々は「イノシシが獲れない」といって困ることはありませんよね。イノシシは品種改良によって豚になっていて、需要に応えるのは家畜の豚になっているからです。</p>

<p>水産物の未来も、人間が消費するものはほぼすべて人間が養殖したものになるでしょう。天然でしか獲れない魚介類は「ジビエ」という位置づけになるのではないでしょうか。</p>

<p>魚を卵から孵化させて育て、また卵を生ませる完全養殖の技術で、日本は世界のトップを走っています。ウナギやマグロの完全養殖に世界で初めて成功したのも日本です。魚は、水流や水質の影響を受けやすかったり、餌がよくわかっていなかったりと、養殖が複雑で面倒、手間がかかる生き物です。そこに対応できる職人技があるのが、日本なんです。</p>

<p>僕は、日本の産業の得意分野は「面倒くさいこと」だと思っています。標準化しづらい、面倒くさいことを好き好んでやるのが日本人の強みです。日本が誇る養殖技術を持つ近畿大学や京都大学と組むことで、当社は現在までに、マダイやヒラメなどの魚類と、エビやイカなどの無脊椎動物を合わせて、20種ほどの養殖を行なえるようになっています。</p>

<p>――販路はどのようにして開拓しているのですか？</p>

<p>【梅川】僕たちは、基本的に稚魚までしか育てません。それを養殖事業者に売って、大きく育ててもらって、市場に出ていくという形です。</p>

<p>養殖の拠点は、大企業と合弁を組んで展開していきます。すでにNTTと合弁会社（NTTグリーン＆フード）を設立しています。リージョナルフィッシュを作るわけですから、NTTのように全国津々浦々に拠点を持っていて、それぞれの地域を盛り上げたいという価値観を共有できる会社と進めていくべきだと考えているからです。</p>

<p>漁港の周りには、水産物の加工業者もいれば、発泡スチロールを扱う業者も氷を扱う業者もいて、水産業のバリューチェーンが揃っています。そこに養殖プラントを作れば、地域のみんなが喜んでくれるでしょう。そんな事業ができたらいいなと思っています。</p>

<p>――今後の目標や展望を教えてください。</p>

<p>【梅川】2030年には、日本で養殖されている魚のうち、回遊性がないものについては、おおむね品種改良がされているようにすること。かつ、売上の海外比率が30％ほどになっていること。そんな予測を立てながら動いています。</p>

<p>無毒のフグも研究しているところなので、いつか、毒がない、安心して食べられるフグの肝と出会ったら、当社のことを思い出していただけると嬉しいですね。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/2605Umekawa01.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 27 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[梅川忠典（リージョナルフィッシュ株式会社代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>チームの自律性を最大化するには?　効果的な「部下への仕事の任せ方」  大村壮太（作家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11928</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011928</guid>
			<description><![CDATA[アジャイルの思想に基づく組織設計について、作家の大村壮太氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="アジャイル・マネジメント" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hirameki.jpg" width="1200" /></p>

<p>現代の管理職に求められる役割は、時代とともに大きく変化しています。金銭的な報酬だけではモチベーションを維持することが難しい現代では、メンバーの心を動かし、自発的な行動を促すコミュニケーション&quot;内発的動機づけ&quot;が必要です。</p>

<p>連載第3回にあたる本稿では、内発的動機づけを組織全体に浸透させるための具体的な手段として、アジャイルの思想に基づく組織設計の技術に焦点を当てて考えていきます。アジャイルの手法がどのようにしてメンバーの自主性を引き出し、変革を推進する組織文化を築くのか、その仕組みと効果を紐解いていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 id="h.gdrniqrup2rf">アジャイルの思想とは</h2>

<p>アジャイルは、もともとソフトウェア開発の分野で発展した手法で、2001年に「アジャイルソフトウェア開発宣言」として体系化されます。とはいえ、「アジャイルソフトウェア開発宣言」は、アジャイルの重要な4つの価値原則を記載しただけの極めて簡素なドキュメントです。以下が、その4つの価値原則です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>・プロセスやツールよりも個人と対話を<br />
・包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを<br />
・契約交渉よりも顧客との協調を<br />
・計画に従うことよりも変化への対応を</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>ここで重要なのは、アジャイルが当時主流であったウォーターフォール型の開発プロセスに対するアンチテーゼとして提示された点です。</p>

<p>ウォーターフォール型の開発プロセスでは、事前に全体の計画や工程が厳格に定められ、各フェーズを順次実行するため、変更が困難であったのに対し、アジャイル型の開発プロセスでは、計画や工程はあくまでガイドラインとして扱われ、反復的なプロセスを通じて頻繁にフィードバックを取り入れ、状況に応じた柔軟な対応が重視されます。</p>

<p>90年代中盤以降、ソフトウェア業界ではPCの普及やWebサービスの進化といった構造的変化に伴い、市場の変化が爆発的に速まることが予測されていました。アジャイルは、こうした市場の変化に迅速に対応することを目的として整備された、革新的な開発手法だったと言えます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 id="h.jz9i09g40gg7">スクラムとアジャイル実践</h2>

<p>アジャイルの具体的なフレームワークとして最も広く利用されているのが、スクラムです。スクラム自体は、「アジャイルソフトウェア開発宣言」が完成する前に既にプロセスとして体系化されていましたが、一般的にはアジャイルを実践するためのフレームワークとして認知され、アジャイルと同義に扱われることも多いです。</p>

<p>スクラムのフレームワークは非常にシンプルで、短期間のスプリント（反復作業）を基本とし、各スプリントの終わりにレビューと振り返りを実施することで、プロダクトの改善を図ります。</p>

<p>また、チームには、プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発者という明確な役割分担があり、各メンバーが役割を元に自律的に動くことで、迅速な意思決定と柔軟な対応が可能となっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 id="h.6837aemp3wgw">アジャイルな組織設計の具体的な技術</h2>

<p>アジャイルやスクラム自体は、組織設計の思想そのものではありません。しかし、その精神を紐解くと、個人が内発的な動機づけを日々の仕事の中で発揮するために必要な制度上の工夫について、さまざまな示唆を与えてくれます。今回は、チームの自律性を実現させるために必要な権限委譲と責任定義の工夫について紹介します。</p>

<p>組織設計上の課題として、しばしば意思決定に関わる権限や責任の設計が挙げられます。筆者は「意思決定の責任の所在が曖昧である」や「意思決定の権限が不明瞭」といった表現が、事態を過度に抽象化して問題の本質を糊塗する危険があるため、必要以上に利用べきではないと考えています。しかし、チームに適切な裁量や権限を与えることが、個人の内発的動機づけを引き出すことは間違いありません。</p>

<p>スクラムにおいては、チームが「何をリリースするか」を決める権限は、プロダクトオーナーという役割に属することが定められています。</p>

<p>プロダクトオーナーはチームの一員であり、チームがやるべきことは基本的にチームで決めるという自律的な意思決定の原則が根底にあります。当然ながら、プロダクトオーナーはプロダクトに関係するステイクホルダーの意見を取り入れながらリリース計画を作成しますが、最終的な意思決定の権限は全てプロダクトオーナーに帰属します。</p>

<p>自律的な意思決定を行うスクラムチームを作るためには、マネージャーが適切に権限をチームに委譲することが肝要です。</p>

<p>たとえば、マネージャーの役割をファンダメンタルなマネジメント業務（予算管理や人事など）に限定すれば、プロダクト開発におけるチームの自律性は大きく向上するでしょう。</p>

<p>また、マネージャーが他のチームとの調整や法令上「必須」となるリリースのみ決定権を持つ、あるいは重点的に改善するKPIや取り組みのテーマのみを決定し、チームはその実現手段に決定権を持つといった切り分けも考えられます。どこまでの裁量を与えるかは、チームの実力を勘案しながら、マネージャーが探っていくことになります。ここは、組織設計の腕の見せ所です。</p>

<p>注意すべきは、チームに自律性を与える際、結果に対する責任も同時にセットで与える必要がある点です。前述の通り、「責任」という言葉は権限と対になり曖昧になりがちですが、企業において「責任を負う」ことは人事評価を受けることと同義です。</p>

<p>たとえば、マネージャーがスクラムチームに委譲すべきでないと広く考えられている人事権は、スクラムチームがフラットな構成を保つためにも重要です。したがって、マネージャーは、スクラムチームのメンバーのパフォーマンスを適切に評価する能力を持つとともに、評価に必要な情報を定義し、過不足なく収集できる体制を整えることが不可欠です。</p>

<p>最適な権限委譲や責任定義を実施しつつ、評価制度や人事措置といった仕組みを整え、各メンバーが自らの責任を確実に果たせる環境を構築する必要があります。こうした取り組みが、チームの自律性を促進し、内発的動機づけを根底から支えるとともに、アジャイルな組織設計の効果を最大限に引き出す鍵となるのです。</p>

<p>次回は、アジャイルな組織設計がどのように変革を推進し、内発的動機づけを持続させているのかをさらに詳しく検証します。現場での実践や直面している課題、そしてそれに対する解決策を具体的に取り上げ、組織全体でアジャイルの思想を実現するためのヒントを探っていく予定です。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hirameki.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 27 Mar 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大村壮太（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>昭和式の営業も武器になる...転職に踏み切れない50代のための「複業」術  都築辰弥（ [株]ライフシフトラボCEO）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11876</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011876</guid>
			<description><![CDATA[ミドルを安全なキャリアシフトを導く「複業」術とは? (株)ライフシフトラボCEOの都築辰弥氏が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="複業" height="743" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_managerLIG.jpg" width="1200" /></p>

<p>キャリアシフトには興味があるものの、転職や起業には踏み出せない......そんな人におすすめなのが「複業」だ。45歳からの実践型複業スクール「ライフシフトラボ」で、数多くのミドルの複業デビューを支援している都築辰弥氏に、その具体的な方法論を取材した。（取材・構成：川端隆人）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>低リスクかつ手軽に「もう一つのキャリア」を</h2>

<p>私たちが推奨するのは、副業ではなく「複業」です。単なる「サブの収入源」としてではなく、本業に並ぶ「第二のキャリア」として経験や実績を積み上げてほしい、という思いを込めてこの字を当てています。</p>

<p>特に、40代から50代のミドル世代の方には、このスタンスは非常におすすめ。中でも「今のキャリアのままでは生涯安泰とはいかないのでは」という危機感をお持ちの方にはうってつけと言えます。理由は大きく分けて二つあります。</p>

<p>一つは、この世代は転職や起業でリスクを取りにくいこと。ちょうど子どもの教育費がかさみやすい時期で、持ち家の方ならローンもまだまだ残っているでしょう。そう簡単に、本業についての重要な決断をくだすことはできません。</p>

<p>ですが複業なら、もしうまく事が運ばなくても、それは本業の評価には無関係。今の会社に勤めたままで、別のキャリアを模索・形成できるのですから、挑戦しない手はありません。</p>

<p>そしてもう一つの理由は、それをそのまま「セカンドキャリア」につなげられるかもしれない、ということ。現役のうちから、安定的に「退職後」に向けた準備ができるのです。</p>

<p>もちろん、複業の分だけ収入を増やせるという「副業」のメリットも享受できます。今後、役職定年や定年再雇用のタイミングで給与水準が下がることを踏まえると、今のうちから別の「稼ぎの柱」を持っておくことは、想像以上に大きな安心をもたらしてくれるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「やりがい」も「安定」も両方手にできる</h2>

<p><img alt="複業とは?" height="1548" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207Tsudukishinya01.jpg" width="1200" /></p>

<p>当社への相談を機に複業を始めた方がよくおっしゃるのは、複業のもたらす充実感です。</p>

<p>長年の経験の賜物か、日常の仕事はさほど頭を使わなくてもこなせてしまう。主な仕事は部下の労務管理と書類チェック、決裁作業......そんな方も決して少なくはないでしょう。</p>

<p>そんなときに複業を始めたことで、「久々に仕事の最前線で、いい汗をかけた」と楽しそうに話す方が大勢いらっしゃるのです。企業では得にくい「自分の手で稼いでいる」というやりがいを得られることも、複業を推奨する理由の一つと言えます。</p>

<p>他にも、ある方は「複業先で一定の収入があれば、面白い仕事ができるベンチャー企業への移籍など、給料が目減りするような転職にも挑みやすい」と話されていました。</p>

<p>本業では実現が難しい希望を、もう一つの仕事で追求する──そんな働き方が可能になるのです。投資の際にポートフォリオを組むように、キャリアについても「一社に全振り」ではなく分散させる。そうすることで、安定とやりがいの両立といったことも実現しやすくなるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ビジネス書の棚は複業のヒントになる</h2>

<p><img alt="副業の3ステップ" height="624" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207Tsudukishinya02.jpg" width="1200" /></p>

<p>では、そんな「成功できる複業」を見つけるには、具体的にどうすればいいか。</p>

<p>まず、複業における「成功」の意味は、人によって異なります。とにかく収入を増やしたいのか、やりがいや仕事の面白さが欲しいのかなど、自分が複業に何を求めているのかを、複業の「ステップ0」としてまず考えてみてください。</p>

<p>そのうえで「ステップ1」となるのが、自分の強みをしっかり棚卸しすること。冷蔵庫を開けてどんな食材が入っているか確認するように、これまでのキャリアや趣味の遍歴など、すべての材料を徹底的に棚卸ししてください。</p>

<p>それが終われば、次にそれらの「材料」からどんな料理、すなわち「仕事」が生まれるかを考えます。この段階が「ステップ2」というわけです。</p>

<p>実はこのステップ2こそ、多くの人がつまずくポイント。重要なのは、冷蔵庫に何があるか確認することではなく、そこから「カレーが作れるな」とか「肉を買い足せればベターだ」といった回答を導き出すことです。</p>

<p>無用な回り道を避けるには、棚卸しをしただけで終わらず、その中から「何が複業のための武器になるか」「どうしたら仕事として成立するか」を見抜く力を持つことが欠かせません。</p>

<p>そのために必ずすべきなのが、マーケットの確認。ココナラのような「スキルシェア」の仲介サービスを覗き、どんなスキルやサービスにニーズがあるのか（＝売れているのか）を見てみましょう。</p>

<p>同様の理由から、書店の「ビジネス書の棚」を眺めるのも有効です。どんなビジネススキルが求められているかが感覚的にわかりますし、ジャンルごとの棚面積を比べることで、分野ごとの需要の大きさをざっくり測ることもできます。</p>

<p><img alt="うまくいく副業の5つのパターン" height="341" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207Tsudukishinya03.jpg" width="1200" /></p>

<p>また、経験をビジネス化するレシピには、5つの決まったパターン（＝代行業、顧問業、講師業、情報発信業、幹事業）があることも押さえておきましょう。詳しくは上図もご参照ください。ご自身のスキルや経験、趣味をここに当てはめてみるだけでも、様々な可能性が見えてくることと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>占い、ゲーム、昭和式営業「武器」は誰にでもある</h2>

<p><img alt="複業の成功例" height="1378" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250207Tsudukishinya04.jpg" width="1200" /></p>

<p>当社の受講生で実際に複業に成功している例を紹介しましょう。典型的な事例で言えば、「会社でずっと人事の仕事をやってきた方が、複業として人事のコンサルタントとして開業する」、こうしたものはわかりやすいと思います。</p>

<p>面白い組み合わせの例としては、キャリアコンサルタントの資格を持ちつつ、趣味が「タロットカード」という方がいます。資格を愛好者の多い「タロット占い」と組み合わせることで、大きくニーズを高めることに成功し、多くの顧客を獲得されました。この方は、当社の卒業生の中でも有数の収益を上げています。</p>

<p>他には、趣味で収集していたボードゲームを活用しての研修講師業が評判を呼び、本業の会社から「うちでもやって」と言われて自社の研修も担当するようになった、という方もいらっしゃいました。</p>

<p>中でも特に印象的だったのは、「自分は営業ひと筋、30年も続けてきたけど、その内実は泥臭いだけの『昭和式』の営業術。もう通用しませんよね......」と悲観されていた方の例。ご自身では「武器にならない」とおっしゃっていましたが、それこそがその方の強みだったのです。</p>

<p>実は今、若い起業家たちが興したスタートアップにとって、大企業の上層部にアプローチするための「昭和式の営業術」は、喉から手が出るほど学びたいものの一つ。この方はそのギャップを逆手に取り、スタートアップに特化した営業コンサルを複業にして大成功されました。</p>

<p>このように、読者の方々が経験してこられたことの中には、今後の武器になるものが必ず隠れているものなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>複業に失敗はない　まずは行動してみよう</h2>

<p>ビジネス化の道筋が見えてきたとして、気になるのは「一般人の複業に顧客が集まるのか」ということですよね。</p>

<p>ですが、前提として大事なのが「複業に失敗はない」ということ。仮にまったく集客できなかったとしても、失うものはありません。単に「このやり方だとビジネスにならない」という知見が得られるだけのこと。失敗がない以上、気軽にできることからどんどん試し続け、PDCAを何度も回していくのがベストです。</p>

<p>具体的な集客術としては、ココナラなどのスキルシェアサービスへの「出品」が第一歩になるでしょう。正直に言えば競合が多く、それだけで「大成功」は難しいのですが、まずは「売れれば万歳、売れなければ別のやり方」と割り切り、とにかく始めることが先決です。</p>

<p>SNSを使って自分で広報・集客したり、顧客に新規のお客さんを連れてきてもらったりといった「事業を本格化させるステップ」に進むのは、ある程度経験を積んで「売れ線」がわかってからで十分と言えます。</p>

<p>また、複業に取り組むうえでは「仲間」の存在も大切です。会社の中で複業について話せる人を見つけるのは難しいもの。活動を始めたら、それと並行して社外の副業／複業コミュニティに属し、わかり合える仲間を探すことをおすすめします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【都築辰弥（つづき・たつや）】<br />
1993年生まれ。東京大学工学部卒。在学中は世界最大級の学生NPOアイセックで活動し、バックパッカーとして世界一周も経験。新卒でソニー(株)に入社し、スマートフォンの企画担当者として「Xperia 1」などをプロデュースする。2019年、(株)ブルーブレイズ（現・(株)ライフシフトラボ）を創業し独立。22年からは45歳からの実践型キャリアスクール「ライフシフトラボ」を展開し、中高年からのキャリア形成事業に取り組んでいる。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_managerLIG.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 27 Mar 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[都築辰弥（ [株]ライフシフトラボCEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>前澤友作「お金とはありがとう」50歳で改めて語った仕事と人生  前澤友作（経営者）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/14030</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014030</guid>
			<description><![CDATA[ZOZOタウン、宇宙進出、カブアンドなど、とどまることなく新たなチャレンジを続ける前澤友作氏。そんな前澤氏の内面を深堀りする特別インタビュー。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="前澤友作" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603Maezawa03.jpg" width="1200" /></p>

<p>日本屈指の資産家・実業家である前澤友作氏。50歳という節目の年齢を迎えた今、何を語るのか。人間関係の変化に対する思いや、今後の人生に対する意欲を聞いた。</p>

<p>※本稿は、3月28日放送「ガイアの夜明け&times;テレ東BIZ 連動特別番組ガイアの夜明け Beyond The Story」（テレビ東京）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>50歳になっても衰えない 次のチャレンジへの意欲</h2>

<p>ーー昨年11月に50歳になられた前澤さん。節目の年齢になり、何か変化を感じることはありますか？</p>

<p>【前澤】変化はあまりないですね。以前は、50歳になったら少しゆっくりしてお世話になった方々への恩返しをしようと考えていました。</p>

<p>でも、実際50歳になると、もっともっと新しいチャレンジを続けたいし、まだまだ周りをかきまわして騒ぎたいと思っています。</p>

<p>ーーそうなると、いつまで事業を続けていこうとお考えですか？</p>

<p>【前澤】死ぬまでやるんじゃないですかね。引退してFIRE、なんてことには全く興味がないです。仕事をしていることが生きがいだし、人の役にずっと立ち続けたいと思っています。</p>

<p>ーーこれまで、そしてこれからも継続する原動力は何でしょうか？</p>

<p>【前澤】ビジネスをするのが好きだからじゃないですか。</p>

<p>ーー2022年にZOZOの株式を売却されましたが、その時は好きなことをやめたのではなくて、もっとやりたいことがあったということでしょうか？</p>

<p>【前澤】ZOZOに関しては、後半は好きじゃなくなっていたのかもしれないですね。ただただ決算を出して、IRして、株価を見てという順繰りに少し辟易してたような場面もあったのかもしれないです。</p>

<p>売却の直前くらいに、自分が集中できてない、楽しめてないっていうことに気づいてしまいまして。それなら後進に譲った方がよいという判断でした。</p>

<p>ーー何がきっかけで、楽しさを感じなくなってしまったのでしょうか？</p>

<p>【前澤】何でしょうね。ZOZO時代の後期は、ひとつのチャレンジをやり終えたような感じがあったのだと思います。やはり、挑戦をし続けていたいので。</p>

<p>ーー今後も挑戦をし続けるにあたって、どんな人と一緒に仕事をしたいと考えていますか。</p>

<p>【前澤】チャレンジをしてくれる人、そして仕事を楽しくやってくれる人ですね。なぜかというと、楽しくやることが、一番パフォーマンスの上がる方法なので。</p>

<p>「楽しんでやろう！」と言うと、「仕事は楽しいものじゃないでしょう」とよく返されますが、大事なのはそこではない。仕事に限らずどんなことでも楽しんでやることが重要であり、楽しんだ結果がパフォーマンスにつながるのです。</p>

<p>「仕事は楽しいものじゃない」ではなく、「楽しくなきゃ仕事じゃない」というのが僕の持論です。</p>

<p>だからこそ、パートナーにはそうあってほしいし、僕自身そうでありたいと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>前澤友作にとって お金を稼ぐこととは</h2>

<p>ーー今や日本有数の資産家である前澤さん。もとは千葉県の一般家庭のお生まれとのことですが、資産家になる前と後で、変わったことはありますか？</p>

<p>【前澤】友達でなくなってしまったり、離れてしまった人たちはいます。僕自身は変わったわけではないのですが、勝手に僕がお金持ちになったせいで......。</p>

<p>ーーそれはどういうことでしょうか？</p>

<p>【前澤】周りの目が変わってしまったと感じますね。本当に近い仲間には、僕の夢ややりたいことを対等に話せますが、お金に囚われている人とは話が合わなくなってしまいました。僕のお金目当てで近づいてくる人もいます。</p>

<p>僕自身はそれこそ中学生、高校生のころから同じで、好きなことをずっと続けているだけなんですけどね。</p>

<p>ーーもし生まれ変わるなら、またお金持ちを目指しますか？</p>

<p>【前澤】生まれ変わった時代にお金があるのなら、お金持ちになるでしょうね。何をやってもなると思います。</p>

<p>お金を稼ぐということは、結局のところ、人に感謝されるようなことをいかにやるかだと思います。だから、人の役に立つことをしている限りは、自然とお金には困らないと思います。僕にとって、お金とは「ありがとう」なんです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603Maezawa03.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 26 Mar 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[前澤友作（経営者）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>幸せに働くヒントが見つかるかも?　THE21編集部の“気になる本”4選  THE21編集部</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/11994</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011994</guid>
			<description><![CDATA[THE21編集部が、ビジネスパーソンにおすすめの書籍4冊を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="書籍紹介" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_reading.jpg" width="1200" /></p>

<p>働き方が多様化し、ビジネス環境が目まぐるしく変化する現代。そんな時代を生き抜くビジネスパーソンに役立つ書籍をTHE21編集部がご紹介します。</p>

<p>※本稿は、『THE21』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『仕事は初速が9割』</h2>

<p><img alt="仕事は初速が9割" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312THE2101.jpg" width="1200" />越川慎司著（クロスメディア・パブリッシング／1,628円）</p>

<p>長く残業をすれば評価される時代は終わり、現代のビジネスパーソンには短時間で成果を出すことが求められている。そんな仕事のスピードを上げるうえで重要なのが、動き出し、つまり「初速」であると著者はいう。</p>

<p>本書では、初速の速いビジネスパーソンの思考や、リーダーとしてチーム全体の初速を上げるコツを多数紹介。締め切り間近に無理をするスタイルから脱却し、余裕とスピード感のある仕事ぶりで成果を上げるためのノウハウが詰まっている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『AIリスク教本　攻めのディフェンスで危機回避＆ビジネス加速』</h2>

<p><img alt="Iリスク教本　攻めのディフェンスで危機回避＆ビジネス加速" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312THE2104.jpg" width="1200" />日本IBM AI倫理チーム 著（日経BP／2,420円）</p>

<p>圧倒的な速度で企業への導入が進んでいるAI。その利便性の半面、情報や技術の流出、責任問題の不透明さなど、リスクがあるのもまた事実だ。</p>

<p>本書では、AIを使ううえで事前に知っておくべきリスクを5つの仮想シナリオで解説する。開発者・導入者・利用者、それぞれの立場で取るべき対策や、ガイドラインの最新の動向も網羅。AI導入を検討中の企業だけでなく、導入済みの企業にとってもお勧めの一冊と言えるだろう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『幸せに働くための30の習慣　社員の幸せを追求すれば、会社の業績は伸びる』</h2>

<p><img alt="幸せに働くための30の習慣　社員の幸せを追求すれば、会社の業績は伸びる" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312THE2103.jpg" width="1200" />前野隆司著（ぱる出版／1,540円）</p>

<p>幸せな社員は創造性や生産性が高く、欠勤率、離職率が低いことがわかっているという。「社員の幸せを追求」は単なるきれいごとではなく、会社の業績を伸ばすことにつながっているのだ。</p>

<p>本書では「同僚の趣味を掘り下げる」「過度な報連相はやめる」など、個人やチームが幸せに働ける習慣を解説。西精工、伊那食品工業などの実際の企業例も収録されている。「幸福学の第一人者」である著者が伝授する、会社も社員も幸せになる秘訣とは?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『人的資本経営まるわかり』</h2>

<p><img alt="人的資本経営  まるわかり" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250312THE2102.jpg" width="1200" />岩本隆著（PHPビジネス新書／935円）</p>

<p>上場企業における人的資本の情報開示が義務化され、「人的資本を軽視する企業とは取引しない」というケースも出てきているという。ビジネス界の新しい常識とも言える「人的資本経営」だが、表面的にではなく、本質を正しく理解できている人はそう多くないのではないか。この一冊を読めば、人的資本経営の全体像がまるわかり。日本と世界における人的資本経営の現在地や、企業としての実践方法が、わかりやすく解説されている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>※価格はすべて税込みです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_reading.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 26 Mar 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[THE21編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>44歳でゼロからの出発！ トップジョッキー・戸﨑圭太の人生を変えた「ベリベリホース！」  戸﨑圭太（JRAジョッキー・YouTuber）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13927</link>
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			<description><![CDATA[現役のトップジョッキーでありながら、YouTubeなどの活動にも注力している戸﨑圭太氏。昨年話題になったドバイシーマクラシックや、今後の意気込みについて話を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="戸﨑圭太氏" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202603TosakiKeita02.jpg" width="1200" /></p>

<p>現役のトップジョッキーでありながら、YouTubeなどの活動にも注力している戸﨑圭太氏。昨年までSNSさえしていなかったという戸﨑氏は、なぜ活動の幅を広げたのか。3月発売の著書『やり抜く力　天才じゃなくてもトップになれた「ベリベリ」シンプルな理由』の内容も交え語ってもらった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>YouTubeデビューを決意させたあの名言</h2>

<p>ーー昨年5月、YouTubeチャンネル「戸﨑圭太のベリベリチャンネル」を開設されました。現役のジョッキーとしては異例だと思いますが、どういった経緯で、チャンネル開始にいたったのでしょうか。</p>

<p>【戸﨑】きっかけは、ダービー馬・ダノンデサイルとともに参戦したGⅠレース、ドバイシーマクラシックです。このレースの1番人気は欧州最強馬と名高いカランダガンでしたが、いざ発走するとデサイルの状態が素晴らしくて......。</p>

<p>これまでのジョッキー人生で感じたことのないような手応えで、勝利を飾ることができました。</p>

<p>ーー会心のレースだったのですね！</p>

<p>【戸﨑】ただ、この直後に事件が発生しまして(笑)。勝利直後にインタビューがあるのですが、ドバイのレースなのでインタビュアーは当然英語。何を聞かれているかもわからないまま、興奮に身を任せてこう叫んでいました。</p>

<p>「ベリベリホース！ベリベリハッピー！」と。</p>

<p>本当は「ベリーベリー&ldquo;グッド&rdquo;ホース」と言いたかったのですが、それを忘れてしまった結果直訳で「とてもとてもウマ！」という意味不明な発言になってしまいました。</p>

<p>ーーあの名言は、大いにバズりましたね。</p>

<p>【戸﨑】会見が終わった後、顔見知りの記者の方に「日本ですごい反響だぞ」と教えていただきました。そして、そのムーブメントに半ば乗っかる様な形で、YouTubeチャンネルを開設しました。</p>

<p>ーー以前からこのような活動への興味はあったのでしょうか？</p>

<p>【戸﨑】いえ、まったくなかったです。YouTubeどころか、SNSもしていませんでした。</p>

<p>目の前に降ってきたチャンスに対して、いいなと思ったらすぐに実行に移せる柔軟性はある方だと思うので、そのおかげでこういった決断ができたのだと思います。もちろん、スタッフをはじめとする周囲の人々のサポートがあってのことです。</p>

<p>ーー活動を開始されてから、ファンとの距離感が近くなったという実感はありますか？</p>

<p>【戸﨑】自分を応援してくれる人がこんなにたくさんいるんだ、と改めて感じるようになりました。最近はグッズの販売もしているのですが、競馬場でそういったグッズを掲げたファンの方を見かけると、すごく嬉しいですし、力になります。</p>

<p>そういった人たちのためにも、少しでも多く馬券に絡みたいですし、綺麗な乗り方を心掛けたいです。</p>

<p>ーーファンの方についてのつながりで一つ。一部では、競馬場で最も叫ばれる名前は戸﨑さんだと言われているらしいのですが......。</p>

<p>【戸﨑】昔から、ヤジは一番多かったと感じていました。</p>

<p>ーー「戸﨑！」にしろ「圭太！」にしろ、呼びやすいというのがあるのでしょうか。</p>

<p>【戸﨑】それならありがたいですね。うちの両親も、「誰でも呼びやすいような名前を付けた」と言っていたので、そのように思っていただけているなら幸せです。ヤジといっても悲喜こもごも色々だと思いますが、どんどんお願いしたいですし、ジョッキーとして受け入れます。</p>

<p>ただ、周囲の迷惑などにならないよう、度を越えない程度に、お願いします(笑)。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>若手騎手の台頭も「まだまだ負けてたまるか」</h2>

<p>ーー先述の通り、ドバイシーマクラシックを制覇した戸﨑さん。同年は、フォーエバーヤングに騎乗した坂井瑠星騎手が、同じく海外のトップレースであるBCクラシックを制覇し大きな話題を呼びました。</p>

<p>坂井騎手は戸﨑さんの17歳差の後輩にあたりますが、下の世代からの突き上げに対して、意識することはありますか。</p>

<p>【戸﨑】瑠星に限らず、若手のレベルがすごく高くなっているとは感じますね。競馬界にとって、とても良いことだと思います。</p>

<p>それでも、まだまだ負けてたまるかという思いです。私は今年46歳。ベテランと呼ばれる年齢ですが、リーディングジョッキー（最多勝利騎手）に返り咲きたいという思いもあれば、日本ダービーを勝利するという大目標もあります。</p>

<p>ただその一方で、「僕に負けているようじゃだめだよ」という思いもあり、複雑ですね。</p>

<p>ーー今年の2月に、藤岡佑介・和田竜二両騎手が引退、調教師に転身されました。比較的世代の近い両名の引退を受け、セカンドキャリアへの意識の変化などはありましたか？</p>

<p>【戸﨑】これが良いことなのか悪いことなのかわからないですが、あまり先のことは考えないタイプなんです。ですので、少なくとも現時点では、転身などは考えていません。</p>

<p>今は馬に乗っている時が一番幸せだと思えています。現役騎手として達成したい目標もありますから、まだまだ頑張っていきます。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 26 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[戸﨑圭太（JRAジョッキー・YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>日本には為替介入できるドルがない？ 藤巻健史が警告する円暴落と資産防衛策とは  藤巻健史（元米モルガン銀行（現・JPモルガン・チェース銀行）在日代表兼東京支店長,前参議院議員[2期]）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13898</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013898</guid>
			<description><![CDATA[経済評論家の藤巻氏は、政府の対策をもってなお、円安は止まらないのではと語る。円の暴落に備え、今からできる対策は何か。解説してもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「THE21」藤巻氏" height="741" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shiryousakusei_PC.jpg" width="1200" /></p>

<p>元米モルガン銀行（現・JPモルガン・チェース銀行）東京支店長の藤巻健史氏は、「今は資産を守る時期」だと言う。連載第4回の今回は、その根拠、そして具体的な資産の守り方を解説していただく。（取材・構成：坂田博史）</p>

<p>※本稿は、『THE21』2026年4月号の内容を一部抜粋・再編集したものです。</p>

<p>※本稿は2026年3月時点の情報に基づき、投資に対する著者の考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入を含む投資の判断はご自身の責任で行なうようお願いいたします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>円安が進行しても為替介入できない理由</h2>

<p>2026年に入ってからも円安の進行が止まりません。それを見て、片山さつき財務相は、「あらゆる手段を含めて断固たる措置を取る」と述べました。この「あらゆる手段」の中に、為替介入が含まれているのは周知の事実でしょう。</p>

<p>では、為替介入を行なえば、円安を止めることができるのでしょうか。私はかなり懐疑的です。加えて、そもそも為替介入に使えるドルが十分にあるとも思えません。</p>

<p>財務省が発表している25年末の外貨準備高は、約1兆3700億ドル。このうち約1兆ドルは米国債を中心とする証券です。これを売ってドルを確保することはできません。なぜなら、アメリカの長期金利が上昇してしまうから。ドナルド・トランプ大統領は、アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会（FRB）に対して、「金利を下げろ」と言っており、日本が米国債を売って金利が上昇したら激怒することは火を見るよりも明らかです。</p>

<p>米国債を売れないとすると、為替介入に使えるのは約1600億ドル（1ドル158円換算で約25兆円）の外貨預金のみです。</p>

<p>過去最大だった24年4~5月の為替介入は、約9兆7885億円でしたので、為替介入できるだけの十分なドルがあるように見えます。</p>

<p>ここで問題になるのが、25年7月に合意された日米関税合意に基づく5500億ドルの対米投融資です。当然ながら、このためにもドルが必要になります。</p>

<p>外貨預金を為替介入用として対米投融資に使わないのであれば、対米投融資用に円を売ってドルを買う必要があります。しかし、それをやったら自ら円安を加速させてしまいます。円売りドル買いができないとしたら、外貨預金1600億ドルで、為替介入と対米投融資の両方を行なわなければなりませんが、それはどう考えても無理でしょう。</p>

<p>つまり、為替介入できるだけの十分なドルが日本にはなく、もし為替介入をやってしまうと対米投融資ができなくなってしまうのです。</p>

<p>日本がこうした状況であることは、マーケットは百も承知です。ですから、円安の進行を止めようと、仮に過去最大の約10兆円規模の為替介入を日本政府が行なったとしても、それ以上の介入ができないとマーケットが判断すれば、円は売り浴びせられ、介入効果がないどころか、円暴落の引き金を引く結果になることも十二分に考えられます。</p>

<p>こうした最悪の事態を招かないためにはアメリカの協力（協調介入）が欠かせません。片山財務相はスコット・ベッセント米財務長官と会談を行なっていますが、ベッセント財務長官は、私と同時期にジョージ・ソロス氏の投資会社におり、1992年のイングランド銀行の為替介入に勝った男です。為替介入が効かないことを誰よりもよく知っている人物が、為替介入など行なうはずがありません。つまり、アメリカの協調介入の可能性はないということです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>今は資産を「守る」時期 ドルより強い通貨はない</h2>

<p>この連載で何度も述べてきたように、私は円の暴落に備えて、ドル資産をもつことを一貫して推奨してきました。それに対して、「トランプ政権になり、アメリカにも不安要素が多く、ドルも危ないのではないか」と心配する声があります。</p>

<p>確かに、ドルを取り巻く状況も良くはありません。直近の1年間、ドルがユーロに対して下がっているのは事実です。それでも私はドル資産をもつことが、最大の資産防衛になると考えています。</p>

<p>大事なことは、現在は資産を積極的に増やそうと攻める時期ではなく、守る時期だということ。守るときに考えるのが保険ですが、保険選びは保険会社選びが重要で、大きな危機に備えたいのであれば、最強の保険会社を選ぶことが重要になります。</p>

<p>では、世界で最強の保険となる国はどこでしょうか。経済力を考えても、軍事力を考えても、アメリカではないでしょうか。アメリカは資本主義の宗主国であり、これからの経済成長に欠かせないエネルギーとテクノロジーという二大重要資産を確保しています。</p>

<p>さらに、ドルは世界の基軸通貨です。世界中、どこに行ってもドルは使えます。円は、本来、日本経済の成長に合わせてしか通貨量を増やせませんが、ドルはアメリカ経済の成長ではなく、世界経済の成長に合わせてその通貨量を増やすことができます。</p>

<p>日本は経済成長以上に円を刷っているから円の価値が棄損し、円安が進んでいるわけです。ドルも大量に刷られていますが、世界経済の成長を考えれば、それでも多すぎるということはありません。円とドルでは需要の規模が桁違いなのです。</p>

<p>ドルが基軸通貨であることは、アメリカにとって最大の国益です。ですから、貿易のためには多少ドル安のほうがいいと言いながらも、アメリカ政府は最終的にはドルの価値を守るでしょう。</p>

<p>また、ドルに代わって基軸通貨になり得る通貨があるでしょうか。</p>

<p>世界第2位の経済大国は中国ですが、中国がアメリカよりも強い国だと考える人は少ないのではないかと思います。実際、不動産不況は深刻で、経済成長に陰りが見えます。中国は資本統制があり、通貨人民元を国外に持ち出すこともできません。したがって、基軸通貨になる資格すらありません。</p>

<p>世界第3位の経済大国ドイツを含む欧州連合（EU）がアメリカよりも強いかと言えば、そんなことはないでしょう。EUは27の加盟国の連合であり、財政は国によって違います。財政状況は南北で地域格差があり、ギリシャが財政危機に陥ったとき、それをどこが助けるのか大問題になったことを覚えている人も多いと思います。</p>

<p>財政が国によって違うのに通貨が同じという状況が変わらない限り、同じ問題がいつ起きてもおかしくありません。</p>

<p>通貨というのは、その国の経済の自動安定化装置の働きがあるのですが、それが働かないEUとユーロがアメリカよりも強いとは、少なくとも私には思えません。</p>

<p><img alt="「THE21」藤巻氏" height="1500" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202604Fujimaki01.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>インフレに備えるなら米国債券ベアファンド</h2>

<p>私が考える資産防衛の第1の選択肢は、ドルのマネー・マーケット・ファンド（MMF）です。アメリカでは、銀行預金よりもMMFのほうが規模も大きく、利回りも良いのが、その理由です。</p>

<p>もし、ドルの価値が下がることに不安を覚えるのなら、MMFに加えて、インフレ対策として、米国債券ベアファンドの購入を検討してみてはいかがでしょうか。このファンドは、米国債券の価格が下がる＝金利が上がると利が得られますので、インフレ対策になります。</p>

<p>ちなみに、ベアは熊で、熊は攻撃するときに上から下に爪を振り下ろすので、価格が下落するマーケットをベアマーケットと言います。他方、ブルは牡牛で、牡牛は攻撃するときに下から上に角を振り上げるので、価格が上昇するマーケットをブルマーケットと言います。</p>

<p>つまり、ベアファンドは、価格が下落するときに利が得られるファンドで、ブルファンドは逆に価格が上昇するときに利が得られるファンドになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>住宅ローンは固定金利に切り替えを</h2>

<p>インフレに備える資産防衛策として、一般的には株や不動産を買うことが推奨されます。現在、日経平均株価が最高値を更新し続けているのも、インフレを見越して買い進めている人や機関が多いからというのが理由の1つでしょう。</p>

<p>日本のインフレが普通のインフレであれば、株や不動産を買っておけば資産を守ることができます。しかし、私が危惧しているのは円が暴落するハイパーインフレです。そのときに、株価や不動産価格がどう動くのか、私にもわかりません。したがって、株や不動産を買っておくことが資産防衛策になるのかも正直わかりません。</p>

<p>例えば、1997年のアジア通貨危機のとき、韓国も通貨危機に陥り、国際通貨基金（IMF）の救済を受けました。このとき韓国の株価は約3分の1に大暴落しました。ローンで不動産を購入していた人たちの中には、失業して返済が滞り、不動産を担保として取られた人もいます。</p>

<p>こうした事例を見ると、株や不動産を買うことが、通貨危機のようなハイパーインフレ対策になるとは思えません。</p>

<p>日本の住宅ローンについても触れておくと、住宅ローンの金利を変動金利で借りている人は、固定金利に借り換えることをお勧めします。なぜでしょうか。</p>

<p>日本銀行は、政策金利を0.75％に引き上げましたが、金利を上げれば上げるほど、日銀の財務状況は悪化します。その理由については、これまでの連載で述べてきた通りです。ゆえに、日銀はこれ以上政策金利を上げられないというのが、私の見立てです。</p>

<p>ただし、だからと言って、住宅ローン金利も上がらないと考えるのは間違いかもしれません。</p>

<p>これまでは、日銀が政策金利を上げ下げすることで市場の短期金利をコントロールしてきました。しかし今回は、政策金利が上がらなくても、短期金利が上がる可能性があります。</p>

<p>なぜなら、インフレ期は基本的に好景気なので、お金を借りて事業を行なうと、借金以上の利益を出せるから。一杯700円だったラーメンが1000円になり、1500円でも売れるようになれば、借金を返しても十分な利益が残ります。</p>

<p>こうして事業資金の需要が増加し、金利を上げても借り手がいるのであれば、資金を貸す銀行は貸出金利を上げるでしょう。そのほうが銀行は儲かりますから。当然、住宅ローンの金利もそれにつれて上がることになります。</p>

<p>日銀が政策金利を低く据え置いていても、市場の金利は上がっていく。中央銀行が市場の短期金利をコントロールできない世界初の事態になるかもしれないのです。</p>

<p>これが、日銀が政策金利を上げられなくても、住宅ローンは固定金利にしておいたほうがいい理由です。</p>

<p>以上のように考えてくると、やはりドル資産を持つことが今は最も安全な資産防衛策になる──。そう私は思うのですが、皆さんはどう考えるでしょうか。</p>

<p><img alt="「THE21」藤巻氏" height="1564" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202604Fujimaki02.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shiryousakusei_PC.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 25 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[藤巻健史（元米モルガン銀行（現・JPモルガン・チェース銀行）在日代表兼東京支店長,前参議院議員[2期]）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「働き方改革」は巧妙な国家戦略　佐藤優が暴く、給料激減と“死ぬまで労働”の真実  佐藤優（作家）</title>
			<link>https://the21.php.co.jp/detail/13932</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013932</guid>
			<description><![CDATA[働き方改革の目的は、人道的配慮ではなく、国力維持に向けた「生涯労働」であるーーマルクスの資本論や新自由主義を引き合いに、佐藤優氏が改革の裏側を暴き、国家戦略に呑まれない生き方を提言する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="佐藤優氏は、「働き方改革」の目的は生涯労働による国力維持だと説く" height="619" src="https://the21.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_racismG.jpg" width="1000" /></p>

<p>「働き方改革」により残業時間は制限された。しかし政府が主導するこの改革の真の目的は、決して労働者への「人道的配慮」ではないという。知の巨人・佐藤優氏が、働き方改革の残酷な真意を読み解き、私たちが「自分時間」を取り戻すための生存戦略を提示する。</p>

<p>※本稿は、佐藤優著『残された時間の使い方』（クロスメディア・パブリッシング）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>テクノロジーが進化しても労働時間は減らない</h2>

<p>マルクスは人間が人間らしく生きるために、さらに言えば資本の中で奴隷的に働く存在から解放されるために、「自由時間」が必要不可欠なものであると力説しました。</p>

<p>自由時間こそ、人間が自分の意志で主体的に時間を使い、創造性を発揮することができる時間です。<br />
逆に言えば、主体性や創造性を発揮するには「自由時間」が必要不可欠であるわけです。</p>

<p>マルクスは自由時間を確保するには、労働時間の短縮が不可欠だと主張します。そして、テクノロジーが発達し生産力と生産性が向上することによって、それが実現できると考えました。</p>

<p>ただし現実は、そのようには進んでいません。<br />
機械が登場し、さらにテクノロジーが進化して、いまやAIが様々な場面で人間に取って代わろうとしています。それでも労働時間が一気に短縮されるという事態にはなっていません。</p>

<p>実は、これもすでにマルクスが見抜いていたことです。<br />
テクノロジーによって生産力が上がっても、資本家はその富を分配するどころか、さらなる剰余価値を求めて労働者を働かせるだろう、と。</p>

<p>結局、資本主義の下では、機械生産による労働時間の節約は、労働者の自由時間の増大につながらないのです。資本の論理に任せていたら、どれだけテクノロジーが発達しても、休みも自由時間も増えません。</p>

<p>どのような状況であれ、資本主義のもとでは剰余価値=利潤を極大化するために、つねに労働時間を延長しようとする方向にバイアスが働きます。何の制約も受けなければ資本はそのようにふるまうのです。</p>

<p>実際、産業革命が起きて間もなくのイギリスの工場労働は、短くて10時間、長いところで16時間という過酷なものだったといいます。</p>

<p>マルクスはこうした資本の節操のない収奪の性質を、「吸血鬼」と称しました。さらに彼は『資本論』の中で次のように表現しています。</p>

<p>「資本は、剰余労働に対するかぎりない盲目的衝動、その人狼（ヴェールヴォルフ）的渇望をもって、労働日の道徳的最大限度のみではなく、純肉体的最大限度をも、踏み越えるのである」（カール・マルクス『資本論（二）』岩波文庫）</p>

<p>資本は狼のような貪欲さで、道徳的な限度どころか肉体的な限度を踏み越えて、労働日を増やそうとします。<br />
その結果、労働者は疲弊し、健康を害してしまいます。これでは国家自体がもたなくなります。</p>

<p>さらに社会主義国家の台頭でマルクスの言うところの階級闘争が起き、社会体制が変わってしまうリスクが高まります。資本主義国家も軌道修正をせざる得なくなったわけです。</p>

<p>これが社会政策などを基本にした改良型資本主義であり、国家の力によって資本の暴走を抑える様々な法制度が整うことになります。</p>

<p>労働時間短縮の流れもこの動きの中で生まれ、その結果現在の1日8時間労働に落ち着いたわけです。<br />
ちなみに日本でそれが法制化されたのは1947年の労働基準法です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>新自由主義の台頭で社会の二極化が進んだ</h2>

<p>資本主義が勃興した頃の過酷な労働環境は、今はほとんど見られなくなりました。ただし、ソ連が崩壊し社会主義国がその力を失ったことで、再び資本主義が本来の吸血鬼の性質を見せ始めています。</p>

<p>その表れが「新自由主義」と呼ばれる考え方です。</p>

<p>すなわち、様々な規制を取り除き、自由な競争を促せば、当然勝者と敗者が生まれますが、しかるべく努力をした者が勝者となり、敗者はそれを怠った結果に過ぎないという、いわゆる自己責任論によって、自由競争による格差の拡大が正当化されます。</p>

<p>こうした新自由主義が我が国に入り込んできたのは、諸説ありますが、小泉純一郎内閣（2001～2006年）による構造改革が大きな契機だったことは衆目の一致するところだと思います。</p>

<p>具体的には小さな政府を目指して公務員数を削減し、民営化と民間委託の拡大（郵政事業民営化など）を行いました。<br />
とくに個々人の働き方において影響が大きかったのは、派遣労働の規制を緩和し、製造業への派遣労働が認められたことでしょう。</p>

<p>その結果、非正規雇用者数は2024年の数字では2100万人を超え、全体の4割近くまで迫っています（総務省「労働力調査」より）。</p>

<p>そうした流れの中で、2019年に厚生労働省が「働き方改革」を提唱しました。<br />
残業時間の上限を月45時間、年間360時間とし、年次有給休暇を毎年5日は消化させること、同一労働同一賃金の原則を徹底し、正社員と非正規労働者など立場の違いで基本給や賞与など格差をつけることを禁じました。</p>

<p>新自由主義が蔓延しつつある世の中で、政府がそれに対して縛りを設けるかのような法的な体制を整えたのには意味があります。</p>

<p>ちょうど2010年を過ぎた頃から、過労死が社会問題化していました。2014年に「過労死等防止対策推進法」が施行され、それまで腰の重かった政府も本腰を入れて過労死対策を取るようになります。<br />
その経緯の中で「働き方改革」が打ち出されたわけですが、この流れ自体は、私は間違ってはいないと考えます。</p>

<p>それまで36協定はあったとはいえ、やろうと思えば企業側は残業時間をいくらも延ばすことが可能でした。<br />
それが「働き方改革」により、残業時間の上限を超えた場合は罰則が設けられ、厳しく処罰されることになりました。ようやくではありますが、国際的な標準に沿った法律が整ったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「資本の論理」と「総合的な国力維持」の連立方程式</h2>

<p>ただし、私は一方でこういう見方もしています。<br />
同一労働同一賃金それ自体はよいのですが、賃金を正社員の基準に合わせるのではなく、非正規雇用の賃金に合わせて全体が低く抑えられる可能性があるのです。</p>

<p>加えて、9時～17時の勤務が常態化するということは、これまでの総合職の人たちの多くが一般職的な扱いになるという可能性があります。</p>

<p>仮に総合職で入社したとしても、役職定年が一気に早まり、40代でラインから外され、あとは一般職と同じような仕事や待遇となる。本来の総合職を全うするのは、いわゆる幹部候補のような一握りの人たちだけになってしまうわけです。</p>

<p>一見、労働者に寄り添った改革に見せつつ、その実は資本側にとって都合のよい改革になると考えています。</p>

<p>ちなみに、幹部候補となると、とても働き方改革でいうところの勤務時間では足りないというのが実情です。若いうちに覚えるべきことは膨大であり、時間はそれだけ必要になります。</p>

<p>すでに企業によっては幹部候補だけは特別メニューを設け、勤務時間ではなくあくまでもプライベートな勉強会を立ち上げ、そこで研修を行うところもあります。</p>

<p>そもそも政府が「働き方改革」を行うのは、決して人道的な配慮が理由ではありません。過酷な資本の論理の中で国民がすり減ってしまえば、結果的に国力は低下してしまいます。</p>

<p>国の役割は、「資本の論理」と「総合的な国力維持」の連立方程式の最適解を導くことにあります。<br />
高齢化が進む中で、いかに労働力を維持するかという課題に対して、国が考えているのは、国民の健康寿命を少しでも長くして、高齢になってもできる限り働いてもらうということです。<br />
それがすなわち、働き方改革を目指す国の真意なのです。</p>

<p>そうした国の意図を見極めながら、私たちは働き方改革による休養時間の増加をしたたかに利用して、自分時間を増やしていくことが大切です。<br />
国家の戦略に乗りながらも、一方で個々人の生き方戦略をしっかりと立てていくことが求められています。</p>
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						<pubDate>Wed, 25 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[佐藤優（作家）]]></dc:creator>			
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